口蹄疫などに際して全国から支援をいただいた本県は、感謝の思いで、息の長い被災地支援に取り組んでおり、今年度は岩手、宮城、福島の3県に対し、平成27年1月1日現在でそれぞれ延べ3人、11人、4人の職員を長期派遣し人的支援を行っています。
本号では、福島県に派遣中の吉岡正樹さんが被災地の現状と復興支援の様子をお伝えします。
はじめに
私は以前、口蹄疫復興対策寄附金の担当をしており、東北の方々からたくさんの寄附をいただきました。いつか恩返しができればと思っていましたので、福島県で働けることを大変嬉しく思っています。
福島県の現状
赴任して驚いたことは、福島県の放射線量の数値が原発付近を除けば宮崎とほぼ同値であったことです。安心しました。しかし、津波被害が甚大であった沿岸部はいまだに土砂で埋もれた田畑、崩壊した道路や家屋など、テレビで見た光景そのままでした。
現在、道路などの復旧は進んできていますが、除染で出た表土などの処分や原子力災害に伴い避難生活を余儀なくされた約12万人の帰還など、たくさんの課題が残されています。
農林水産業の現状
福島県を代表する「きゅうり」などの農業産出額は震災前に比べ減少していますが、農地の除染や風評払拭を図る安全・安心を発信することで価格なども戻りつつあります。
スーパーに並べられているのは地元産の野菜などが主で、地元の人も安心して食している様子が見受けられます。※(注記)宮崎産ピーマンなども美味しそうに並んでいます。
また、福島はフルーツ王国。特に「さくらんぼ・もも」の収穫時期の農園などでは県外に贈り物をされる客ですごい賑わいです。もちろん、流通する全ての食品は放射線物質検査済みですので皆さんもぜひ、福島の食べ物を味わってみてください。
福島の観光
大河ドラマ「八重の桜」などを好機とした観光再生も進んできてはいますが、観光の柱となっている「修学旅行」の回復(震災後年間約34万人減)が今後の課題です。こうした中、宮崎県からの昨年度の修学旅行者数は 震災前とほぼ同数に近づき飛躍的(九州一位)に回復しています。
福島の方々が、住み慣れた地域で安心して暮らせるように、私達派遣職員(全国から約200名)も一生懸命、復興のお手伝いをしていきますので、県民の皆さま、東日本大震災に対する本県独自の支援である「みやざき感謝プロジェクト」へのご理解、そして被災県へのご支援を今後ともよろしくお願いします。
※(注記)復興の詳細は福島県ホームページをご覧ください。
ふくしま復興の歩み