[フレーム]
ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 組織からさがす > 水大気環境課 > 愛知県の2024年度事業

本文

愛知県の2024年度事業

ページID:0550164 掲載日:2025年10月15日更新

三河湾におけるブルーカーボン推進の取組について【2024年度事業】

1 アマモ場再生に向けた実証実験

2023年度に実施した藻場生育条件調査の結果にもとづいて、海洋環境が異なる地域の比較分析のため、南知多町片名と西尾市佐久島の2地点を選定し、最適な藻場再生技術による藻場増殖実験を行います。

(1)アマモ種子採取(5月)

今年度のアマモ植付けを行うための種を採取する作業を行いました。

渥美半島福江沖の大潟洲付近まで船で向かい、手作業で種を探して採取しました。

作業の様子
アマモ種とり作業 アマモの穂 採取された袋 種とり作業
アマモ

↑画像をクリックすると作業の様子が再生されます。

(2)種子の選別(9月)

採取した種が海水槽内で3〜4か月追熟した後、成熟した種を選別する作業を行いました。

濃い塩水に採取した種を入れることで発芽するものか否かを判別します。

作業の様子
種選別1 種選別2 種選別3 種選別4

↑画像をクリックすると作業の様子が再生されます。

(3)実証実験(種まき)(11月)

南知多町片名と西尾市佐久島において、海にアマモの種をまく作業を行いました。

アマモの種を直接まくと流されてしまうため、粘土法、コロイダルシリカ法、麻袋法の3種類で実験を行いました。

作業の様子
粘土 コロイダルシリカ 麻袋 播種​

(4)実証実験(株移植)(1月)

南知多町片名と西尾市佐久島において、海にアマモの株を移植する作業を行いました。

田原市福江湾及び西尾市佐久島で採取した実生株を用い、砂と腐葉土で生分解性のポットに植えるポット法により実験を行いました。

作業の様子
ポット準備 ポット苗作成 作成したポット苗 ダイバーによる設置​​

(5)実験結果のモニタリング調査(2月)

南知多町片名と西尾市佐久島において実施した実験の結果をモニタリング調査しました。

種まき
粘土法

簡便で、イベント等で使用するのに向いた手法です。各地点でアマモの発芽・伸長が確認され、発芽率や伸長度合いは佐久島のDL-2mの地点で高い結果となりました。

モニタリング結果(粘土法)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 粘土法ー片名 粘土法ー佐久島ーDL-1 粘土法ー佐久島ーDL-2 粘土法ー佐久島ーDL-3
コロイダルシリカ法

比較的バランスのいい手法です。各地点でアマモの発芽・伸長が確認され、発芽率や伸長度合いは片名及び佐久島のDL-2mの地点で高い結果となりました。

モニタリング結果(コロイダルシリカ法)
場所 片名 佐久島 佐久島 佐久島
DL -1.3m -1m -2m -3m
写真 コロイダル法ー片名 コロイダル法ー佐久島ー1 コロイダル法ー佐久島ー2 ​コロイダル法ー佐久島ー3
麻袋法

大量の種子を使用しますが、波浪に強い手法です。佐久島や片名Aでアマモの発芽・伸長が確認された一方、片名の2地点では、残った麻袋の表面にアオサ等の海藻類の付着が確認されました。

モニタリング結果(麻袋法)
場所 片名A 片名B 佐久島
波浪
写真 麻袋法―片名A 麻袋法ー片名B 麻袋法ー佐久島
結果一覧
2024年度モニタリング結果(種まき)
実験地点 手法 水深(m) 発芽数(本/平方メートル) 発芽率(%) 葉長(cm) 砂面変動

佐久島

(大浦海岸)

粘土法 DL. -1 12.5 12.5 5〜15 ±1cm未満
DL. -2 17.4 17.4 5〜10 ±1cm未満
DL. -3 5.5 5.5 5 1cm程度浸食
コロイダルシリカ法 DL. -1 23.5 23.5 5〜15 ±1cm未満
DL. -2 13.0 13.0 5〜10 ±1cm未満
DL. -3 1.0 1.0 5〜10 1cm程度浸食
麻袋法 DL. -2 約400(注記) 約13.3(注記) 5〜10(注記) ±1cm未満

片名A

(長谷沿岸)

麻袋法 DL. -1.2 約100(注記) 約3.3(注記) 10〜15(注記) ±1cm未満

片名B

(消波堤内)

粘土法 DL. -1.3 11 11 5〜15 ±1cm未満
コロイダルシリカ法 DL. -1.3 18 18 10〜20 ±1cm未満
麻袋法 DL. -1.3 約10(注記) 約0.3(注記) 5〜10(注記) ±1cm未満

(注記) 麻袋がまだ分解されていなかったこと、もしくは麻袋の表面がアオサ類等の海藻類に覆われていたことにより、発芽状況及び株の伸長状況を正確に把握することができなかった。

株移植
ポット法

小さな実生株を生分解性のポットに入れて移植する手法です。各地点ともアマモの活着・伸長が確認されましたが、片名では周囲の海底面及びアマモ葉上に海藻類の付着が確認されました。

モニタリング結果(ポット法)
場所 片名 佐久島 佐久島
移植密度 50株 / 平方メートル 50株 / 平方メートル 25株 / 平方メートル
写真 ポット法―片名ー高密度 ポット法ー佐久島ー高密度 ​ポット法ー佐久島ー低密度
結果一覧
2024年度モニタリング結果一覧(株移植)
実験地点 手法 水深(m)

残存状況

(残存ポット数 / 設置ポット数)

葉長(cm) 砂面変動

佐久島

(大浦海岸)

ポット法

(高密度)

DL. -2 50 / 50 10〜20 ±1cm未満

ポット法

(低密度)

DL. -2 25 / 25 10〜20 ±1cm未満

片名A

(長谷沿岸)

ポット法

(高密度)

DL. -1.2 60 / 60 10〜20 ±1cm未満

2 ブルーカーボンの情報発信

2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、ブルーカーボンに着目したイベント等を開催し、多くの皆様に藻場再生について学んでいただきました。

(1)紙粘土でアマモの種まき!?(種まき体験)

日時:

10月6日(日曜日) 午前10時から午後4時まで

(第11回三河湾大感謝祭においてブース出展)

場所:

西浦温泉パームビーチ(蒲郡市)

概要:

アマモの種をまく方法の1つである紙粘土を使った方法について、現地で種をまく手前までの工程を体験し、藻場再生の方法などを学んでいただきました。

11 紙粘土でアマモの種まき!?

(2)ブルーカーボン推進の取組と課題(ステージイベント)

日時:

10月10日(木曜日) 午後4時から午後5時まで

(SDGs AICHI EXPO 2024においてパネルディスカッション)

場所:

愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo) 展示ホールC(常滑市)

概要:

ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)桑江朝比呂氏を中心に、日本製鉄株式会社、島を美しくつくる会、 愛知県環境局とのパネルディスカッションを開催し、ブルーカーボン推進の取組紹介とその課題討論などを行いました。

講演
21 桑江氏講演

ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)理事長 桑江 朝比呂
・環境再生活動を持続・拡大していくためには、新たな資金導入の仕組みが重要と考え、Jブルークレジット制度を創設した。
・Jブルークレジットを買った理由では、「地元での活動を応援したい、活動してる方や団体を応援したい」が一番多かった。地元愛や地域振興に如何につなげるかがクレジット創出のポイントになる。
・私たち一人ひとりがいかに楽しくできるか、ビジネスとして収益化も伴う形で進めていけるかは、気候変動対策のキーポイントだと思う。

ブルーカーボンとJブルークレジット [PDFファイル/1.91MB]
パネルディスカッション
22 パネルディスカッション

ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE) 桑江 朝比呂
島を美しくつくる会 三矢 由紀子(西尾市佐久島振興課)
日本製鉄株式会社 赤司 有三
愛知県環境局水大気環境課 横井 歩
・取組内容を各々発表(参照:添付スライド)の後、パネルディスカッション。
<ディスカッション要旨>
(日本製鉄)約20年前から鉄分を海の肥料として与える取組をしていたが、近年、自社から出るCO2を少しでもカーボンオフセットしたいという思いと、減少している水産資源を回復したいという漁師や自治体の課題を、一緒に解決したいという話がきっかけで、改めてこの取組を始めた。
(島を美しくつくる会)近年は島民の数を上回るボランティアの方々が島を訪れ、島民と協力して活動しているが、その理由が企業版ふるさと納税や企業研修など企業と里海との新しい関係性がうまくいっているからだと思う。島に来て少し活動して、後は島を楽しんでいってもらう方針で活動している。
(JBE)三河湾は浅くて栄養が豊富な場所なので、海のポテンシャルが非常に良いと思っている。あさりや藻場は現状少なくなっているが、食害生物を減らす取組や、藻場を増やす取組などが順調にいけば必ず復活すると感じている。
(愛知県環境局)少しでもCO2を減らすため、企業の方々に関心を持っていただき、そのお力を借りたいと思っている。三河湾は景観が良く海の幸も豊富なので、海に関心を持って、海もCO2吸収に貢献していることを是非肌で感じてほしい。

佐久島におけるアマモ場再生等の環境活動(島を美しくつくる会) [PDFファイル/1.04MB]

鉄鋼副産物を用いたブルーカーボン創出に向けた取組み(日本製鉄株式会社) [PDFファイル/1.57MB]

三河湾ブルーカーボン推進事業(愛知県環境局) [PDFファイル/1.21MB]

(3)ブルーカーボンの取組紹介(パネル展示)

日時:

10月10日(木曜日)〜10月12日(土曜日) 午前10時から午後5時まで

(SDGs AICHI EXPO 2024においてブース出展)

場所:

愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo) 展示ホールC(常滑市)

概要:

ブルーカーボンに関する愛知県の取組を紹介するパネル展示やアマモ等海の生き物の標本展示を行いました。

31 ブース出展

(4)三河湾藻場再生体験会(体験イベント)

​概要:

県民の方に参加いただき、西尾市佐久島において、海にアマモの種をまく作業の体験会を実施しました。

参加者は、藻場の重要性についての説明を聞いた後、紙粘土にアマモの種をくっつけた粘土団子を作りました。

その後、漁船に乗ってダイバーが粘土団子を海に設置する様子や海中の生きものなどを、水中ドローンも使って観察しました。

体験会の様子
体験会1 体験会2 体験会3 体験会4
サムネイル

↑画像をクリックすると作業の様子が再生されます。

日時:

11月22日(金曜日) 午前11時15分から午後3時30分まで

場所:

大浦海水浴場管理棟及び大浦海上(西尾市一色町佐久島)
集合・解散:一色港佐久島行船乗場(西尾市一色町小薮船江東169)

概要:

海草であるアマモの種を紙粘土を使って海に植える作業に参加し、また、船から水中ドローンで海の生きものなどを観察しました。

参考資料

「ブルーカーボンとアマモ場造成に向けた取り組み」のパンフレットです
パンフレット [PDFファイル/2.5MB]

問合せ先

愛知県 環境局 環境政策部 水大気環境課 生活環境地盤対策室
三河湾環境再生グループ
TEL 052-954-6220
FAX 052-953-5716
E-mail seikatsujiban@pref.aichi.lg.jp
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /