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平成23年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果について
平成24年8月6日(月)発表
愛知県は、国が行った生態系への内分泌かく乱作用による影響に関する試験結果で、魚類に対して内分泌かく乱作用を有することが推察された物質等について、環境中の状況を把握するため、県内河川7地点、海域3地点において、水質10物質、底質1物質、水生生物(魚類)1物質を対象として調査を実施しました。
その結果は、次のとおりです。
1 調査結果の概要
(1)水質
- 4-t-オクチルフェノール、ノニルフェノール及びビスフェノールAについては、調査を実施した1地点において、国が示した内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度*1を下回りました。
- ペルフルオロオクタン酸については、調査を実施した1地点において、国が示した生態リスク初期評価における予測無影響濃度*2(以下「生態リスク初期評価予測無影響濃度」といいます。)を下回りました。
- 2,4,6-トリブロモフェノールについては、調査を実施した10地点のすべてにおいて生態リスク初期評価予測無影響濃度を下回りました。
- フェニトロチオンについては、調査を実施した10地点のうち、6地点で生態リスク初期評価予測無影響濃度を上回りましたが、水質汚濁に係る要監視項目の指針値*3(以下「要監視項目指針値」といいます。)を下回りました。
- ジクロルボスについては、調査を実施した10地点のうち、3地点で生態リスク初期評価予測無影響濃度を上回りましたが、要監視項目指針値を下回りました。
- ダイアジノンについては、調査を実施した10地点のうち、5地点で検出され、すべて生態リスク初期評価予測無影響濃度を上回りましたが、要監視項目指針値を下回りました。
- ジウロン、シアナジンについては、調査を実施した10地点すべてにおいて検出されました。なお、この2物質については、生態リスク初期評価予測無影響濃度及び要監視項目指針値は設定されていません。
(2)底質
- ノニルフェノールについて、調査を実施した1地点において検出されました。
(3)水生生物(魚類)
- ノニルフェノールについて、調査を実施した1地点において検出されました。
*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度:
生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度。
*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度:
水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度。
*3 水質汚濁に係る要監視項目の指針値:
長期間摂取に伴う健康影響を考慮して算出された値。
*4 「平成16 年度内分泌攪乱化学物質における環境実態調査結果(水環境)(環境省水・大気環境局水環境課)」における検出濃度範囲。
*5 平成17 年度から平成21 年度の「化学物質環境実態調査結果(環境省環境保健部環境安全課)」のうち、直近のデータにおける検出濃度範囲。
*6 「平成16 年度内分泌攪乱化学物質における環境実態調査結果(水環境)(環境省水・大気環境局水環境課)」における検出濃度範囲。
*7 「平成10 年度環境ホルモン緊急全国一斉調査(環境庁水質保全局水質管理課)」における検出濃度範囲。
2 今後の対応
国は、平成22年7月に策定された「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について-ExTEND2010-」の中で、化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し、必要に応じ管理していくことを目標として、評価手法の確立と評価の実施を加速化することをねらいとしています。
本県においても、国による評価の結果に迅速に対応するために、引き続き適切な環境調査を実施していくとともに、国等からの情報収集、科学的知見の集積に努めます。
※(注記) 調査の概要及び調査結果の詳細は別添のとおり。
調査の概要及び調査結果の詳細
問合せ
愛知県環境部環境活動推進課
環境リスク対策グループ
担当:堀部、保居
電話:052-954-6212(ダイヤルイン)
E-mail: kankyokatsudo@pref.aichi.lg.jp
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