ぬか床、ぬか漬け、ぬか炊き
との出会い
私は昭和26年、飯塚生まれ。私が生まれ育った家(祖母の家)には漬物蔵があり、私は漬物で育ったと言っても過言ではありません。もちろん、その中にぬか床がありました。
子供の頃はぬか漬けも、ぬか炊きもあまり好きではなかった私でした。 しかし、今でもはっきり思い出すのは、ぬか炊きの魚は食べなくても煮詰まった煮汁、即ち、ぬか味噌(どろっとした)を熱々のご飯の上にのせて食べると美味しくてついお代わりする程度でした。
魚嫌いな私に祖母が良く言った言葉を思い出します。
「栄養失調みたいに痩せてガリガリで心配しているけど、糠味噌をご飯にのせたら何杯でもご飯を食べるから、まあよかたい」 「かんじんな魚は食べんけど、この糠味噌は万能薬というからね」
その祖母の家には15歳の中学卒業までいた。その後、北九州の母方に身を寄せ、学業と就職で19歳まで過ごした。20歳から学業と就職のため静岡県で過ごし、また、学業と就職で東京に上京した。九州を離れている時にはぬか床、ぬか漬け、ぬか炊きとの出会いがなかったと思う。しかし、再び北九州に戻った35歳で感動するほど美味しいぬか漬けと出会った。その糠漬けは実家の母のぬか床に漬けたぬか漬けだった。あのぬか床の匂い(美味しさを抱かせるプロピオン酸の匂いだと思う)、あー、思い出すだけでも幸せな気分になります。それは、それは美味しいぬか漬けでした。そして、そのぬか床を使ったぬか炊きは最高に美味でした。しかし、私にとっての糠炊きは祖母のぬか炊き(ぬか味噌の味たっぷり)が最高に美味しいと今でも思い出し、ぬか漬けは母のぬか漬けが最高に美味しいと思い出します。だが、今は夫と共にぬか床とは?、また、ぬか漬けとは? そして、ぬか炊きの美味とは? 等、深く観察し、深く考察し、深く熱く意見交換する日々を過ごしております。
私は45年間、看護師として生きてきたのでぬか床も、ぬか漬けも、ぬか炊きも人間にとって身体に良い働きをしていると知った時(研究会結成後)から、ぬか床も、ぬか漬けも、ぬか炊きにドップリはまってしまいました。
ハマッテしまったきっかけは、夫(研究会会長)です。夫は昭和23年生まれです。 大学院卒業後は企業で研究員として勤務(博士号取得)し、日夜、研究をして生きてきた人。退職後も生活の中から色々な研究ターゲットを探していて、平成22年、母を亡くしてから母や祖母のぬか炊きの味を思い出し、平成25年よりぬか床、ぬか漬け、ぬか炊きの研究が始まりました。