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2025年11月22日10時08分掲載 無料記事 印刷用

国際

「トランプの刺客二人VSアルジェリア外相」【西サハラ最新情報】 平田伊都子


2025年11月18日、トランプ米大統領は2度、「それで終わりにしよう」と、言いました。一つは、モハンマド・サウジアラビア皇太子が「俺は知らない」と言ったことを受けて、もう一つはABCテレビのメリー記者に少女売春売買犯エプスタインとの関係を聞かれ、「俺は知らない」と答え、「それで終わりにしよう」と、言いました。
同日、米議会ではエプスタイン文書公開が可決されトランプが署名し、アルジェリアではトランプが送った二人の外交刺客による「西サハラを終わりにしよう」工作が拒否されました。

1「俺は知らない」から「それで終わりにしよう」と、二人の容疑者:
11月18日、金ピカのホワイトハウス・オーバルルームで、7年ぶりにアメリカ入りしたムハンマド・ビン・サルマン・サウジアラビア皇太子とトランプ米大統領が会談を行った。
お互いを誉め合い、トランプ氏はサウジアラビアによる米国への数百億$新規投資を自慢した。が、中身はあかさない。
「新規投資は、家族商売が主体では?」と、メリーABC記者が聞くとトランプ氏は、「家族商売のことは知らない」と、しらを切った。が、ユダヤ系アメリカ人で娘婿クシュナーの率いるトランプ家族商売は昨年だけで2,700億$に上り、トランプタワーがサウジアラビアのジェッダやリヤドにそびえ立った。「皇太子は2018年に在トルコ・サウジアラビア大使館で当時のワシントン・ポスト特派員ジャマル・カショギ首切り事件の主犯だが?」と、マリ―記者が突っ込むと、「彼は知らないと言ってる」と、トランプ氏は庇った。
「エプスタイン文書公開が議会で採択されたが、、」マリー記者がさらに畳み込むと、「お前はどこのものだ?」と、トランプ氏は怒りだし、「ABC」との返答に、「ABCはフェイクだ。これ以上の質問は許さない!放映権を取り上げる!!」と、切れた。
締めのトランプ演説は盛沢山で、娘婿クシュナーが仕掛けている< アブラハム合意>の再開を促し、一番の売り物である<イスラエルとサウジアラビアの国交正常化>に皇太子のOKを取ろうとした。が、「国交正常化に先駆け、イスラエルがパレスチナ国家を承認することが必須だ」と、皇太子はかわした。
さらに、「アメリカの大統領の中でトランプが一番だと言え」と、返事を促したが、「どの大統領も素晴らしい」と、皇太子は笑った。<森の石松>みたい?
そして、大晩餐会が始まった。この日も、ガザでは冷たい雨が降り、粗末なテントは雨の重みで壊れ、僅かな衣類や寝具は濡れ、、強度栄養失調の子供たちに食料が届かない、、ご体格のおよろしい大統領や皇太子、ならびにご列席の紳士淑女の皆々様、餓死寸前の子供たちのことを、考えたことがあるのだろうか? この日もトランプ氏の和平合意を無視した盟友ネタニヤフ・イスラエル首相は空爆を続け、30人以上のガザ市民を殺した。

2「それで終わりにしたい」モロッコ:
トランプ娘婿クシュナーが工作したモロッコ国王宛ての<トランプのモロッコ領西サハラ承認>書簡(2020年12月10日)を掲げ、モロッコは各国個別に<モロッコ自治州案容認>の取り付けに、奔走した。
一番の狙いはアルジェリアの<モロッコ自治州案容認>で、モロッコはトランプのゴルフ仲間で不動産屋の中東担当特使ウィトコフと娘婿の親父ブーロスを、アルジェリアに派遣してもらった。しかし、アタフ・アルジェリア外務大臣は、西サハラを国際社会から抹殺しようとするモロッコ王国に与しなかった。西サハラは国連も国際法も認める、西サハラの人々のものだ。パレスチナがパレスチナの人々のものであるのと同じだ。
モロッコはアメリカ国連代表部に働きかけ、モロッコよりの国連決議2797を造らせた。
モロッコは、ムハンマド6世国王外交の大勝利と、大喜び、、モロッコとしては、1991年来の懸案となっている<国連西サハラ人民投票>を、終わりにしたいのだ。
オマル・ヒラール・モロッコ国連大使は、11月初旬のBBC英国TVとのインタヴューで、「決議2797には国民投票についての言及が一切ない」と、語った。「この考えは20年以上前に埋もれてしまった」と言及し、「すべての当事者に受け入れられ、当事者間の解決策に関する合意に基づいて実現可能な政治的解決を、国連は求めている」とし、「これで、国連西サハラ人民投票は終わりにしたい」と、強調した。
同じく11月17日の<モロッコ世界ニュース>にアハマド・ファウジが、「モロッコがサハラ砂漠で歴史的な外交勝利を収めたのを認めず、相変わらずアルジェリアの外相は、アルジェリアの大義が現存していると見ている。国連決議2797号をアルジェの敗北とする地元メディアの見解とは対照的だ。」と、アタフ・アルジェリア外相を「知らなさ過ぎ」と、皮肉った。
11月19日の<モロッコ世界ニュース>でサファー・カスラウィ―女史は、「アルジェリアは、モロッコとの和平交渉を否定し、米国大統領ドナルド・トランプ閣下の特使スティーブ・ウィトコフの発言に異議を唱えている、、トランプ大統領閣下最高顧問マサド・ブーロスも、10月16日のアシャルク紙インタビューで、両国間の対話の可能性を語ったではないか?」と、モロッコが敬愛するトランプ米国大統領閣下の二人の特使に尾っぽを振らなかったアタフ・アルジェリア外務大臣に驚き、罵倒した。

3「それで終わらない」国連西サハラ人民投票:
アハマド・アタフ・アルジェリア外相は、2025年11月18日、アルジェリアの首都アルジェで、記者会見を開いた。アタフ外相は、「西サハラ問題やアルジェリア・モロッコ関係に関して米国が何をしようとしているのか?混乱があるようだ。彼らのアルジェリア・モロッコ対話については、現時点でメニューにない」と、トランプ米大統領家族商売の特使、ウィトコフ不動産屋とブーロフ義弟の工作を軽くいなした。
そして、アハマド・アタフ・アルジェリア外相は、西サハラに関する安全保障理事会決議2797は西サハラ問題解決の不変の原則を維持していると断言した。アタフ外相は、「決議文2797は第一に、MINURSOの任務が1年間更新されることと、その名称が明確に示す通り、西サハラの自決に関する人民投票の組織を任されたミッションであることを、明記している。」と述べ、二番目に、「<自治>提案の排他的性質の撤廃」を明言し、三番目に、「交渉の性質や目的が明確にされておらず、これは紛争当事者であるモロッコ王国とポリサリオ戦線の合意に委ねられていることを示唆している」と、指摘した。
「決議はまた、紛争当事者であるモロッコ王国とポリサリオ戦線間の直接交渉の必要性」を繰り返し、紛争当事者が最終的な解決策に合意するまで保障し、その最終的な解決策は西サハラの人々が自己決定権を行使する権限を与えることに&#32363;がらなければならないとしている」と、アルジェリア外相は述べた。
さらに外相は、「この問題は様々な国連フォーラム、特に国連安全保障理事会で再び取り上げられ繰り返され、反芻される議論である。」「アルジェリアは、紛争当事者間の調停作業が国連の枠組み内にあり、西サハラ問題の公正で持続的かつ最終的な解決の形式と内容を、最近の決議2797を含むすべての関連安全保障理事会決議に定められている限り、西サハラ紛争解決への支援を続ける」と、強調し、国連西サハラ人民投票を「終わりにしたい」モロッコ国王に釘を刺した。
西サハラ側は、モロッコ自治州案に重点を置いた国連安保理決議2797が可決されても、<国連西サハラ人民投票>は、西サハラ紛争解決策の一つだという姿勢を貫いている。

「私を支持しないのは賢くない輩で、、私を愛してくれる人たち、そして私が愛している人たち、、彼らは中道右派や右派だったり、時には極右だったりする」と、38%の低支持率にトランプ米大統領は反論しました。
その翌日、野党民主党の上下両院議員6人が米軍兵士に違法な命令に従わないよう呼び掛ける動画を公開したことを受け、「反逆行為は死刑だ!」とSNSに投稿しました。
トランプ極右米大統領は、11月21日、新ニューヨーク市長で民主社会主義者のマムダニに会いました。 トランプ氏は、社会主義者も民主主義者も大嫌いです。 人民民主共和国のアルジェリア外務大臣殿、トランプ刺客のお相手、ご苦労様でした!


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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :
https://youtu.be/Skx5CP3lMLc

「Referendum」英語版 URL:
https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:
https://youtu.be/yeZvmTh0kGo

「Last Colony in Africa] 英語版URL:
https://youtu.be/au5p6mxvheo


WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2025年11月22日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子


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左にアハマド・アタフ・アルジェリア外務大臣、右にアントニオ・グテーレス国連事務総長




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