国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第33号
「越境大気汚染の日本への影響−光化学オキシダント増加の謎」の
刊行について
(お知らせ)
(筑波研究学園都市記者会、 環境省記者クラブ同時配付 )
国立環境研究所の研究成果を分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」第33号「越境大気汚染の日本への影響−光化学オキシダント増加の謎」が刊行されました。本邦のオキシダント濃度はこの20 年間に約1%/年の割合で増加しています。しかし、その原因物質である窒素酸化物と非メタン炭化水素の濃度は、環境対策により経年的に減少しています。原因物質が減っているのに、なぜ光化学オキシダントは増加しているのか?その要因の一つとして、大気汚染物質の排出量が急増している東アジア域からの越境汚染が考えられます。
国立環境研究所では観測データやシミュレーションモデルを用いて高濃度オキシダントが発生する特徴や原因を把握するとともに、全国の地方環境研究機関と共同研究体制をつくり光化学オキシダントの汚染に関する研究を進めています。
1 第33号の内容
光化学オキシダントは典型的な都市型の大気汚染物質です。我が国では環境対策により原因物質である窒素酸化物と非メタン炭化水素は経年的に減少していますが、オキシダント濃度はこの20年間に 0.25 ppb/年の割合で増加しています。
その要因の一つとして、大気汚染物質の排出量が急増している東アジア域からの越境汚染が考えられます。大気汚染シミュレーションモデルを用いて、2007年5月に九州地方で観測された高濃度オキシダントは越境汚染であることを示し、越境汚染が起こりやすい気象パターンについての解説を行っています。更に、東アジア域での原因物質排出量の将来シナリオにより、1980年から2020年の東アジア域の地表面近くのオゾン濃度のシミュレーション結果を示しています。また、環境研究を進めるにあたっての地方環境研究機関との協力体制についても紹介しています。
[画像:環境儀第33号表紙写真]
内容は、
(1) 研究担当者へのインタビュー
- 大原 利眞
アジア自然共生研究グループ
広域大気モデリング研究室長
(2) 研究成果のサマリーや国内外の研究の動向の紹介
(3) 『シミュレーションによる2007年5月に発生した光化学オキシダントの高濃度現象の再現』
(4) 『越境大気汚染の日本への影響』 等
2 閲覧・入手についての問い合わせ先
連絡先:国立環境研究所環境情報センター情報企画室出版普及係
(TEL: 029-850-2343、E-mail:pub@nies.go.jp)
(参考)これまで「環境儀」で取り上げたテーマ
バックナンバーはホームページから閲覧できます。
http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/