国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第22号「微小粒子の健康影響」の刊行について
(お知らせ:環境省記者クラブ、筑波研究学園都市記者会同時発表)
要 旨
国立環境研究所の研究成果を国民各層に分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」第22号「微小粒子の健康影響―アレルギーと循環機能―」が刊行されました。
国立環境研究所では、大気中に浮遊する粒子状物質(SPM)の健康影響について、動物に対する曝露実験や人の健康に関する疫学調査などの研究を15年以上も行ってきました。SPMは小さな粒子ほど毒性が強いことが多く、それらがディーゼル自動車の排気(DE)に含まれています。したがってディーゼル排気中の微小粒子(DEP)による健康影響を明らかするための研究が求められてきました。
今回の環境儀では、長い研究の歴史の中から、DEPと花粉症などの原因とも考えられるアレルギー反応との関係、粒径が2.5マイクロメートル以下の微小粒子(PM2.5)、その中でも更に小さいナノ粒子などが呼吸機能や循環機能に与える影響について、動物に対する曝露実験を中心として行った研究の成果をお伝えします。
1 第22号の内容
第22号では、モルモットのくしゃみ測定実験とその解析、PM2.5曝露実験について感受性の高い動物モデルを用いた解析、ナノ粒子の肺から血管内への移行可能性評価などについて、実際にプロジェクトを推進してきた研究者が自ら紹介しています。また、長らく第一線で健康影響研究を行ってきた研究者として、「ナノテクノロジー等の先端技術とその社会影響」を例として、従来とは異なる自然科学と社会科学の相互乗り入れが必要な研究が国内外で重要視されて来ていることについても述べています。
内容としては、
(1)
研究担当者へのインタビュー
小林 隆弘 環境健康研究領域 上席主席研究員
(2) 「ディーゼル排気による微小粒子状物質曝露がアレルギーと呼吸・循環機能に及ぼす影響」研究プロジェクトの概要
(3) 大気中微小粒子と健康影響、世界の動向
(4) 国立環境研究所における「ディーゼル排気やディーゼル排気粒子などの微小粒子状物質による健康影響」に関する研究の歩み
のほか、
『粒子から超微小粒子まで』、『粒子の表面積と毒性』、『吸入されたDEP(ディーゼル排気微粒子)は?』などについてのコラム等
2 閲覧・入手についての問い合わせ先
●くろまる 「環境儀」は、研究所のホームページで閲覧することができます。
ホームページアドレス http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/index.html
●くろまる 冊子の入手については、下記へお問い合わせ下さい。
連絡先:国立環境研究所環境情報センター情報企画室出版普及係
(TEL: 029-850-2343、E-mail:pub@nies.go.jp)
●くろまる 「国立環境研究所友の会」の会員の方には、友の会事務局を通じて継続的に送付いたします。(友の会ホームページ http://tomonokai.eic.or.jp)
(参考)これまで「環境儀」で取り上げたテーマ