国連気候変動枠組条約における国際交渉においては、産業化以前からの世界平均気温の上昇が2°Cを超えるべきではないという科学的見解が認識されていますが、そのような厳しい気候安定化目標を達成するために必要な温室効果ガス削減の見通しは立っていません。この矛盾をどう解決していくかは人類にとって大きな課題となっています。
本研究では、気候変動の多様なリスク、対策の多様な選択肢、水・食料・生態系等の諸問題との関連性、および社会のリスク認知・価値判断を総合的に把握しながら、リスク管理の視点から人類の取りうる戦略を検討します。これにより、科学的・社会的に合理性の高い戦略の選択肢を提示し、国内外の気候変動政策に貢献します。