京都議定書以降の国際的枠組みにおいて、欧州各国では2050年までに、温室効果ガス排出量を現時点の半分以下にする大幅削減を目指した政策を展開している。 なぜ、このような政策が欧州で進められているのか?今年7月に英国で開かれるG8先進国サミットの中心テーマの一つは、低炭素社会実現に資する政策提言を行うことである。
本ワークショップでは、英国、ドイツ、フランス、オランダなどで行われている2050年低炭素社会シナリオ構築活動について、実際にその構築に関わった専門家が、各国のシナリオ構築に至った経緯、シナリオ構築の手法およびその結果、 シナリオから得られる政策提言および社会的意義などについて講演する。また、気候安定化に向けた温室効果ガス排出量削減の具体的な目標値設定およびそれを各国に割り当てる枠組みについて日・欧の専門家が講演し、議論を行う。 さらに、2004年度から3年計画でスタートし、日本の研究者が約60名参加している「2050年脱温暖化社会プロジェクト」(地球環境研究総合推進費で運営)の研究枠組み・現在の進捗について報告する。
2050年低炭素社会シナリオ構築の専門家が一同に会して意見交換を行うのは、世界で初めての機会である。2050年頃には現在の社会インフラのかなりが変更されるであろう。 今から長期の方向性を打ち出しておけば、都市、交通、産業などでエネルギーに依存している現状の社会インフラを変更するための制度変革、技術開発、ライフスタイルチェンジなどに関する具体的な政策を提案することができる。 各国ではどのような提案がなされ、政策に結びついているのか?日本の政策立案に共通する部分、異なる部分はどのような点なのか?公開シンポジウム(参加費無料)を通じて参加者とともに議論を深める。
*講演、質疑応答は日本語および英語(日英同時通訳あり)で行います。
先頭へ(独)国立環境研究所社会環境システム研究領域 統合評価モデル研究室 藤野純一
〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
ファックス:029-850-2572