みんなのねがい
2021年10月号
表紙/安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
表紙のことば=16歳の時、広島で被爆した李鐘根(イ・ジョングン)さん。
子どもの頃は出自によって差別に遭い、被爆後は「原爆がうつる」という偏見に苦しんだ。
長らく、ルーツも被爆者であることも表に出さずに生活を続けてきた。
自身の名前と共に、証言活動を始めたのは80歳を過ぎてからだ。
地球一周しながら被爆証言をする、ピースボートが主催するプロジェクトに参加したことがきっかけだった。
姉の行方はいまだにつかめておらず、悲しみはなお深い。
それでも、被爆体験の伝承者育成に携わり、世代をこえてバトンを受け渡そうと、日々奔走している。