MEMSフロンティア・未来デバイス(BEANS)技術の提唱

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マイクロマシンセンターでは平成18年度「MEMSフロンティアとしてのナノ・バイオとの融合による未来デバイス技術に関する調査研究」を(財)機械システム振興協会からの委託事業として実施しました。

本調査においては、大学、産総研、企業の若手研究者からなる委員会を構成し、20年後の社会に革新的なインパクトを与え、新たなライフスタイルを創出する未来デバイス技術についての調査研究を実施しました。具体的には環境・エネルギー、健康・医療、快適生活空間の分野において革新的なインパクトを与えるような未来デバイスを想定し、デバイス実現に必要なプロセスをトップダウンプロセスである微細加工と、ボトムアッププロセスであるナノ・バイオプロセスとを融合したマイクロナノ統合製造技術と捉え、重点的に推進すべき技術課題を抽出しました。

この未来デバイスを第3世代MEMSとしてナノ・バイオと電気機械の融合により自律分散で機能するデバイス・システムであると定義し、"BEANS"(Bio Electro-mechanical Autonomous Nano Systems)と呼ぶこととしました。

さらにBEANSによりイノベーション25の実現を進める産官学連携による具体的研究対象と内容、およびイノベーションスーパーハイウェイ構想を実現するための推進体制など、今後の取組み方につても検討を行いました。

また、産業競争力懇談会(COCN)でも産業界全体として今後注力すべきテーマとして「MEMSフロンティア・未来デバイス技術」を取り上げ、その実現に向けた政府の取り組みを要望しています。

以下、その概要を紹介します。


MEMSフロンティア・未来デバイス(BEANS)技術の提唱


(1) 概 要
MEMSフロンティアとして20年後の社会に革新的インパクトを与え、新しいライフスタイルを生み出すデバイスをBEANS*と呼び、MEMS技術とナノ・バイオとの融合により創製すること、そのために必要なプロセス技術を定義すること、さらにデバイス・プロセスの研究開発を長期的視野で進め、日本の国際競争力の強化につながる国プロのあり方を提案しました。


(2) BEANSの内容
BEANSの応用分野として、20年後の社会の重要な課題である以下の3分野で必要となるデバイスを企画し、その実現のために必要となるプロセス技術をプロセスインテグレーションと考え、重点的に開発しプラットフォーム化すべき課題についてまとめた。
・環境・エネルギー:グリーンデバイス
・健康・医療:ホワイトデバイス
・快適・安心・安全:ブルーデバイス

1) グリーンデバイス:環境・エネルギー
1オンサイト環境浄化(CO2固定化)
・分散排出源から排出されるCO2をオンサイトで固定
・微生物が嫌気性雰囲気でCO2とグルコースから有機酸を
生成する特性を利用
2エネルギーハーベスティング
・周囲環境から光・熱・振動・バイオ等のエネルギーを吸収・貯蔵
・センサ、アクチュエータを電池レス化し、ユビキタスネットワーク
社会の実現のキーとなるワイヤレスセンサネットワークを実現
2) ホワイトデバイス:健康・医療
1血管内留置・診断治療デバイス
・生活習慣病患者の血糖値、中性脂肪、血圧等を常時モニタリングし
投薬する
・人・家畜等の病気(新型インフルエンザ、BSEなど)感染を
モニタリング
2体内常駐・自走型診断治療マシン
・人体内に常駐し自律的に移動、病気の診断、及び初期治療を行う
・人体内の周辺環境からエネルギーを吸収、ウィルス、がん細胞の
DNAを検出するセンサ、及び治療、自走するメカニズムを有する
3シート型健康管理デバイス
・体に貼り付ける健康管理デバイス
・階層に無数のセンサやアクチュエータを埋め込み体内の情報を表示
3) ブルーデバイス:快適・安心・安全
1環境物質センシングデバイス
・100分子程度の微量な化学物質検出が可能な3次元ナノ構造を有する
ワンチップ分析器を実現
・非接触型、埋込型、シート型などに展開
・化学物質、感染症ウィルス、食中毒菌等の検出
2壁紙型アンビエントインテリジェンスデバイス
・視覚、聴覚、触覚、嗅覚などのセンサと表示機能を持つシート状の
エレクトロニクスデバイス
・インタラクティブ掲示板としてのコミュニケーション機能と
異常検知によるセキュリティ機能を有する
3雰囲気伝送・再生システム
・視覚、聴覚に加え、臭覚、触覚を検出・伝送・再生システム
・臨場感のあるコミュニケーションやバーチャルリアリティを実現
4) プロセスインテグレーション
13次元ナノ構造形成
・デバイスに適した3次元ナノ構造を種々の手法により形成
・エッチング,成膜
・異種材料レイヤバイレイヤ
・転写成形
・3次元自己組織化
2バイオ融合プロセス
・異種材料間の効率の良い信号変換をバイオとの異種融合技術
により実現
・自己組織化膜,分子膜
・高度生体親和界面
・有機分子配向制御
3大面積・連続プロセス
・3次元ナノ構造、異種融合界面を大面積化,連続化し
低コストを実現
・マイクロ・ナノ印刷 (インクジェット方式、転写方式)
・3次元配線
・ナノインプリント


(3)BEANS実現のための具体的方策の提案
1) BEANS実現のためデバイスとプロセステーマのマトリクス運営
による推進を提案

2) BEANS実現のため平成20年度から5年間の基盤技術開発プロジェクトの
実施を要望


3) BEANS研究体:本部+3プロセス開発センターによる推進体制

(4)ポリシー立案から事業化まで、府省との連携による推進

(5)関 連 資 料


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