雪崩とその対策
山腹に積もった雪が重力の作用によって斜面を崩れ落ちることをいいます。雪崩には厳冬期に多く起きる表層雪崩と春先に多く起きる全層雪崩があります。特に表層雪崩は、速度が速く破壊力が強大で被害範囲も広くなります。
豪雪地域には日本全国の人口の1割を超える人々が生活を営んでいますが、集落を対象とした雪崩の危険箇所(人家5戸以上等)は全国に20,501箇所もあります。こうした危険箇所に対して雪崩対策事業が行われています。
表層雪崩、全層雪崩とは?
雪崩は、すべり面の違いによって表層雪崩と全層雪崩に分けられています。
[画像:表層雪崩と全層雪崩] 長野県白馬村で発生した雪崩の状況【動画】(左)、【静止画】(右)
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日本の気候は世界の中でも非常に特徴があり、四季の変化が激しく、私たちの生活に色々な影響を与えています。中央山脈を隔て日本海側と太平洋側とでは、季節風と海流の関係によって大きく降雪量が異なり、日本海側は世界でも有数の多雪地域となっています。
■しかく日本各地の積雪最深記録
■しかく表層雪崩の発生しやすい条件
[画像:表層雪崩の発生しやすい条件]■しかく全層雪崩の発生しやすい条件
[画像:全層雪崩の発生しやすい条件]■しかく雪崩の発生しやすい場所
低木林や、まばらな植生の斜面では雪崩発生の危険が高くなります。ササや草に覆われた斜面は裸地よりも危険です。
雪崩の発生しやすい場所雪庇(せっぴ)
山の尾根からの雪が張り出している現象です。張り出した部分が雪のかたまりとなって斜面に落ちることによって、雪崩につながる危険があります。
巻きだれ
雪崩予防柵から雪が張り出している現象です。張り出した部分が雪のかたまりとなって斜面に落ちることによって、雪崩につながる危険があります。
斜面が平らになっている
斜面に、もとの地形が分からないほど平らに雪が積もっているときは、表層雪崩が起きる危険があります。家の裏山などは特に注意が必要です。
スノーボール
斜面をボールのような雪のかたまりがころころ落ちてくる現象です。これは雪庇や巻だれの一部が落ちてきたもので,雪崩につながる危険があります。スノーボールが多く見られるときは特に注意が必要です。
クラック
斜面にひっかき傷のような雪の裂け目が現われる現象です。これは、積もっていた雪がゆるみ、少しずつ動き出そうとしている状態です。その動きが大きくなると全層雪崩が起こる危険があります。
雪しわ
ふやけた指先のシワ状の雪の模様が現われる現象です。これは、積もっていた雪がゆるみ、少しずつ動き出そうとしている状態です。積雪が少なくても、全層雪崩が起こる危険があります。
豪雪地域には日本全国の人口の1割を超える人々が生活を営んでいますが、集落を対象とした雪崩の危険箇所(人家5戸以上等)は全国に20,501箇所もあります。こうした危険箇所に対して雪崩対策事業が行われています。雪崩の危険箇所の詳細を知りたい方は、お住まいの各自治体のホームページをご覧になるか、各自治体にお問い合わせください。