月刊 経団連2021年3月号
特集 エンゲージメントを高めてウィズコロナ時代を乗り越え、Society 5.0の実現を目指す
巻頭言
中国との付き合い方
2021年1月に米国でバイデン新政権が発足し、中国では習近平政権のもとで新5カ年計画がスタートした。2035年までの国民所得倍増という目標を掲げる中国は、その途上で米国を抜き世界一の経済大国となる可能性が高い。
特集
エンゲージメントを高めてウィズコロナ時代を乗り越え、Society 5.0の実現を目指す
新型コロナウイルス感染の拡大により、我が国企業を取り巻く経営環境は激変した。
今後、企業は社員のエンゲージメントを高めながら、社会や顧客のニーズを的確に捉え、付加価値の高い製品やサービスを創出すべく、働き方改革フェーズIIを進めていく必要がある。
また、コロナ禍による企業活動への影響は業種・企業によって様々であり、各社の状況が大きく異なる中で迎える2021年春季労使交渉・協議では、例年に増して自社の状況に応じた対応が重要となる。
本座談会では、ポストコロナを見据えた企業各社の事業展望や働き方改革に関する取り組み事例に加え、2021年版経営労働政策特別委員会報告を踏まえ、今次春季労使交渉・協議にどのように臨むべきかなどについて、議論をする。
座談会:エンゲージメントを高めてウィズコロナ時代を乗り越え、Society 5.0の実現を目指す
- 大橋 徹二 (経団連副会長、経営労働政策特別委員長/コマツ会長)
- 佐藤 康博 (経団連副会長/みずほフィナンシャルグループ会長)
- 菰田 正信 (経団連副会長/三井不動産社長)
- 矢島 洋子 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング執行役員主席研究員)
- ■しかく 新型コロナウイルス感染拡大の企業活動への影響
- 苦戦を強いられた企業活動
- グローバル経済と今後の戦略
- コロナが人々に与えた影響
- ■しかく ポストコロナを見据えた働き方改革のあり方
- 「働き方改革フェーズII」の深化
- エンゲージメント向上と多様性の享受
- 安心があり、やり直しのない職場環境を
- 目的はテレワークではなく安心の醸成
- ■しかく 「自社型」雇用システムの検討
- 個人の専門性を高めて組織力を強化する
- 「メンバーシップ型」を中心とした柔軟な雇用制度の実践
- 課題を明確化して「自社型」の設定を
- ■しかく 2021年春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンス
- 経営側の基本スタンス
- 第2の就職氷河期世代を生まないよう新卒採用の維持を
- 健康経営®を労使共通の価値観とする
- 労使一体の企業経営を目指す
- コロナを乗り越えた先のディーセントワークの必要性
- 注目すべきマルチステークホルダーキャピタリズム
感染症対策と「経済の自律的成長」を両立し、「社会の持続性」を目指す
―2021春季生活闘争の意義と役割
神津 里季生(日本労働組合総連合会会長)
- 「社会の持続性」実現のためには「賃上げ」の流れを止めてはならない
- 社会全体で雇用の維持・創出に取り組むことが重要
- 労使関係の輪を広げて危機を乗り越える
2021春季労使交渉・協議に向けて
―地方の視点から
高井 修(北海道経営者協議会会長/伊藤組会長)
- 「北海道ブランド」の価値向上と人材の育成・確保に向けて
- 2021春季労使交渉・協議に向けて
働きがいのある職場づくり
―エンゲージメントの重要性
山本 寛(青山学院大学経営学部教授)
- エンゲージメントが重視される背景
- エンゲージメントを高める取り組み
フジクラのエンゲージメント向上への取り組み
山本 高嗣(フジクラ コーポレートコミュニケーション部長)
- 経営の取り組み事例
- 若手社員の取り組み事例
- 「情報格差の縮小」に取り組む
テレワーク時代の新しいパフォーマンス・マネジメント
林 浩二(日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門プリンシパル)
- テレワーク時代のマネジメント
- 行動観察を前提としないマネジメントへ
- 成果評価の課題とジョブの明確化
- 新しいパフォーマンス・マネジメントの実際
- ポストコロナ時代を見据えた取り組みを
その日ベストなパフォーマンスを生む働き方を目指して
石井 さやか(日本電気人事総務部主任)
- 企業カルチャーの変革と働き方改革
- チームの力の最大化
- Under COVID-19の新たな働き方を目指して
イノベーション創出の仕組みづくり
―Work Life Shift・ジョブ型人事制度が目指すもの
平松 浩樹(富士通執行役員常務 総務・人事本部長)
- ニューノーマル時代の新たな働き方
〜Work Life Shift - 富士通のジョブ型人材マネジメント
〜DX企業への変革に向けて
2021年版経営労働政策特別委員会報告
―エンゲージメントを高めてウィズコロナ時代を乗り越え、Society 5.0の実現を目指す
(経団連労働政策本部)
- はじめに
- 第1章 「ウィズコロナ」時代における人事労務改革の重要性
〜「ポストコロナ」を見据えて〜 - 第2章 労働法制の改正動向と諸課題への対応
- 第3章 2021年春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンス
一般記事
あの日から10年、東北の未来を創る
東日本大震災の発生から2021年3月11日で10年の節目を迎える。
「第2期復興・創生期間」が始まることを見据え、東北の再生・創生に向けた取り組みのあり方について改めて議論を深めるタイミングが到来している。
経団連として、「震災の記憶を風化させない」との強い決意のもと、今後も被災地の現状について把握するとともに、農業・観光等の産業振興、東北産品の消費拡大等にさらに注力していく。
本特集では、これまでの経団連および東北経済連合会の復興支援に関わる主な活動を振り返り、東北の未来に向けた今後の活動を展望する。
東日本大震災からの復興支援の歩みと今後の取り組み
中西 宏明(経団連会長・震災復興特別委員長)
古賀 信行(経団連審議員会議長・震災復興特別委員長)
- 復旧支援と復興に向けた体制整備
- 復興の加速化に向けた取り組み
- 今後の復興支援の方向性
東日本大震災から10年
―真の復興「わきたつ東北」の実現に向け
海輪 誠(東北経済連合会会長/東北電力会長)
- 震災から10年 東北の復興
- 「わきたつ東北」と「ポストコロナ・5つの提言」
- 感謝とともに東北の"いま"を発信
「東北ハウス」
連載
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あの時、あの言葉
「年寄りは未来が見えるのじゃ」
田中 孝司(KDDI会長) -
Essay「時の調べ」
夢のただ中
片岡 一郎(活動写真弁士)