最後は温泉王国・群馬から2つの温泉地と宿をご紹介。まずは全国屈指の知名度を誇り、"一度はおいで"と唄われる草津温泉です。
温泉街のシンボルである「湯畑」がすでに、国が指定する史跡名勝天然記念物。おすすめの宿は、そんな湯畑のほとりに位置する和風旅館「山本館」です。
創業は江戸幕末。当時から多くの湯治客が草津を訪れて賑わっていましたが、明治中期の大火で多くの旅館が焼失。その中で山本館は明治30年に再興。建物8棟、部屋数200室を誇る大きな宿となりました。
当時の面影を残してるのは「本店」です。内装は時代のニーズに応じてベッドが導入されていたりと洋風化されている部分もありますが、外観は昔のまま。特に夜になるとライトアップされる湯畑と、山本館本館の灯りのコントラストはなんとも幻想的。湯畑が一望できるお部屋に人気が集まっています。
続いては、上信越高原国立公園内に位置する四万(しま)温泉。四万川上流の渓流に沿い、いくつもの風情ある温泉宿が軒を連ねています。
その中でひときわ目を引く宿が「積善館」。創業は今回ご紹介する宿の中で最も古く、元禄7年です。西暦にすると1694年。江戸中期と言われる頃です。四万温泉のシンボル、四万川に架かる赤い欄干の橋を渡ったところに佇んでいます。かの有名な『千と千尋の神隠し』のイメージモデルのひとつといわれる理由は、夜にこの橋と同館の建築を眺めることで、手に取るようにわかります。
「本館」は、日本最古の湯宿建築を今に伝える群馬県の重要文化財。「山荘」は、昭和の偉人たちが避暑を愉しみ、職人の技による「組子障子」が美しい登録有形文化財。また、昭和5年に建てられた「元禄の湯」は大正浪漫の風情が漂う洋風建築です。さらに歴史があるだけでなく、昔ながらの風情をしっかりと残しつつ、薬膳レストランやプレミアムラウンジがオープンするなど、時代のニーズに応じてより快適に進化し続けているところが同館の大きな魅力!ぜひ一度、くつろぎに出かけてみてはいかがですか?