最後は「コレって一体どこ!?」と思わせてくれる、あまり見たことがないあじさいの風景をご紹介しましょう。まずは岩手県一関市にある個人経営園「みちのくあじさい園」です。
まっすぐ伸びた杉の木立の間に、彩りを添えるようにして咲くあじさい。東京ドーム4個分の広大な杉山に、ヤマアジサイやエゾアジサイ、ガクアジサイ、タマアジサイなど約400種5万株のあじさいが植えられています。毎年6月下旬から7月下旬にかけて、約1か月間が見頃。その期間に合わせて「みちのくあじさいまつり」も開催されます。
注目したいのは、まつり期間の後半に出現する「あじさいの池」。2025年は7月4日(金)から祭りの最終日となる7月21日(月・祝)の間、眺めることができます。池に浮かぶのは約5000個のあじさい。淡い青にピンクや白が入り混じり、絵画のような美しい風景を創り出しています。近年、SNSで「これってドコ!?」と話題になり、今では多くの方がこの池みたさに足を運んでいます。
ここまでの規模ではありませんが、自社仏閣で"水に浮かぶあじさい"を見られることもあります。参拝時に手や口を清めるための手水(ちょうず)の鉢に花を浮かべた「花手水(はなちょうず)」です。
有名なのは、福岡県の太宰府天満宮。例年6月上旬から中旬にかけての1週間程、手水舎が青や紫のあじさいで彩られます。2020年、コロナ禍においてひしゃくが撤去されたことを機に始められたそうです。同天満宮の手水鉢は縦4m、横6mの一枚岩でできているため、ダイナミックな花手水が楽しめます。
関東ですと、あじさいの名所として知られる埼玉県川越市の川越八幡宮や、埼玉県行田市の行田八幡神社などでも花手水を見ることができます。来年も美しい花を咲かせてほしいとの想いを込めて剪定した花手水、ぜひお楽しみください。
■しかくみちのくあじさい園(一関市公式観光サイト)