車両系建設機械の定期自主検査指針(平成25年7月1日 自主検査指針公示第19号により廃止)|安全衛生情報センター
(平成25年7月1日 自主検査指針公示第19号により廃止)
2.1 ブル・ドーザー及びトラクター・ショベル(クローラ式)
2.1.1
原動機
ディーゼルエンジン
共通事項1.1.1
ディーゼルエンジンの検査方法及び判定基準を適用すること。
2.1.2
動力伝達装置
(1) 主クラッチ
[1]
アイドリング状態でクラッチを切り、異音の有無を調べるとともにトランスミッションを変速し、クラッチの切れ具合を調べる。
[2] クラッチを徐々に接続し、発進の具合を調べる。
[1]
異音がなく、クラッチが完全に切れること。
[2] 滑りがなく、接続が円滑であること。
(2) クラッチペダル
(インチングペダル)
[1]
ペダルを反復操作し、ペダルの重さ戻り具合を調べる。
[2]
ペダルを操作し、遊びを調べ、次に、クラッチが完全に切れたときのペダルと床板とのすき間を調べる。
[1]
重い及び戻り具合が適正であること。
[2] メーカーの指定する基準値内であること。
(3) クラッチケース
[1]
ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。
[2] ケースからの油漏れの有無を調べる。
[1]
油量が適正で、著しい汚れがないこと。
[2] 油漏れがないこと。
(4)
イナーシャブレーキ及びインターロック
[1]
アイドリング状態でクラッチを切り、イナーシャブレーキの作動の適否を調べる。
[2]
走行中にエンジンの回転を上げ下げし、インターロックの作動の適否を調べる。
[1]
正常に作動すること。
[2] 正常に作動すること。
(5) トルクコンバーター
(ダンバー)
[1]
負荷をかけ、異音及び異常発熱の有無を調べる。
[2] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。
[3] ケースからの油漏れの有無を調べる。
[1]
異音又は異常発熱がないこと。
[2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。
[3] 油漏れがないこと。
(6)
ユニバーサルジョイント
[1]
エンジンを低速から高速まで急加減速させ、異常振動及び異音の有無を調べる。
[2]
シャフトの曲がり、スプラインの摩耗並びにジョイント部の損傷及びがたの有無を調べる。
[3]
連結部のボルト及びナットの緩み、損傷及び脱落の有無を調べる。
[1]
異常振動又は異音がないこと。
[2] 曲がり、摩耗、損傷又はがたがないこと。
[3] 緩み、損傷又は脱落がないこと。
(7) トランスミッション
[1]
前進及び後進状態で駆動させて作動状態並びにレバーを抜け、異音及び異常発熱の有無を調べる。
[2] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。
[3] ケースからの油漏れの有無を調べる。
[1]
正常に作動し、レバーの抜け、異音又は異常発熱がないこと。
[2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。
[3] 油漏れがないこと。
(8) 操向機構
(横軸を含む。)
[1]
走行させて操向レバー又はペダルを操作し作動の適否を調べる。
[2] レバーを操作し、遊び及び引きしろの適否を調べる。
[3]
レバーを操作し、ロッド、リンク、軸受部及び接続部のがた並びに各ピンの腐食の有無を調べる。
[4] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。
[5] ケースからの油漏れの有無を調べる。
[1]
異音又は滑りがなく、確実に作動すること。
[2] 遊び及び引きしろが適正であること。
[3] がた又は腐食がないこと。
[4] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。
[5] 油漏れがないこと。
(9)
ステアリングモーター
共通事項1.2
油圧装置の6
油圧モーターの検査方法及び判定基準を適用すること。
(10)
ファイナルドライブ
(HSTの走行減速機を含む。)
[1]
走行させて異音及び異常発熱の有無を調べる。
[2] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。
[3] ケースからの油漏れの有無を調べる。
[1]
異音又は異常発熱がないこと。
[2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。
[3] 油漏れがないこと。
2.1.3
走行装置
(1) 起動輪及び遊動輪
[1]
き裂、変形及び摩耗の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
[2]
走行させて起動輪及び遊動輪軸部の異音及び異常発熱の有無を調べる。
[3] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[4] 軸部からの油漏れの有無を調べる。
[1]
き裂、変形又は著しい摩耗がないこと。
[2] 異音又は異常発熱がないこと。
[3] 緩み又は脱落がないこと。
[4] 油漏れがないこと。
(2)
上部ローラー及び下部ローラー
(ボギーを含む。)
[1]
き裂、変形及び摩耗の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
[2] 走行させて軸部の異音及び異常発熱の有無を調べる。
[3] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[4] ローラー軸部からの油漏れの有無を調べる。
[5] 凹凸のある地面を走行させてボギーの作動の適否を調べる。
[1]
き裂、変形又は著しい摩耗がないこと。
[2] 異音又は異常発熱がないこと。
[3] 緩み又は脱落がないこと。
[4] 油漏れがないこと。
[5] 円滑に首振り作動すること。
(3) 履帯
(クローラベルト)
[1]
シューのき裂、変形及び摩耗の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
[2] シューボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[3] リンク及びプシュのき裂及び摩耗の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
[4]
履帯をいっぱいに張った状態で、マスターリンクから2リンク以上離れた任意の4〜5リンク分のピッチ長を調べる。
[5]
遊動輪又は起動輪と上部ローラー上のシューを支点として直定規又はバーを置き、たわみを調べる。
[6] トラックピンの抜け出しの有無を調べる。
[1]
き裂、変形又は著しい摩耗がないこと。
[2] 緩み又は脱落がないこと。
[3] き裂又は著しい摩耗がないこと。
[4] メーカーの指定する基準値内であること。
[5] メーカーの指定する基準値内であること。
[6] 抜け出しがないこと。
(4) ゴム履帯
[1]
スチールコードの切断及び損傷の有無を調べる。
[2] ゴムの欠け、老化及び摩耗の有無を調べる。
[3] 心金の脱落の有無を調べる。
[4] たわみを調べる。
[1]
切断又は著しい損傷がないこと。
[2] 著しい欠け、老化又は摩耗がないこと。
[3] 脱落がないこと。
[4] メーカーの指定する基準値内であること。
(5) 履帯調整装置
[1]
グリースタイプのものにあっては調整装置のシリンダー内にグリースを注入し、スクリュータイプのものにあっては調整ねじを回転させて装置の作動具合を調べる。
[2]
調整ボルト、ナット、ロッド及びヨークのき裂、変形、腐食及び摩耗の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
[3] 調整シリンダーからの油漏れの有無を調べる。
[1]
正常に作動すること。
[2] き裂、変形、腐食又は著しい摩耗がないこと。
[3] 油漏れがないこと。
(7)
トラックフレーム、ダイヤゴナルブレース及びイコライザー
[1]
き裂、変形、損傷及びしゅう動部の摩耗の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
[2] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[1]
き裂、変形、損傷又は著しい摩耗がないこと。
[2] 緩み又は脱落がないこと。
2.1.4
制動装置
(1) 走行ブレーキ
[1]
ペダルの遊び及びペダルを踏み込んだときのペダルと床面とすき間を調べる。
[2] 走行させてブレーキの効き具合及び片効きの有無を調べる。
[1]
メーカーの指定する基準値内であること。
[2] 片効きがなく、効き具合が適正であること。
車両系建設機械構造規格の規定に適合すること。
(2) 駐車ブレーキ
[1]
レバーをいっぱいに引いた状態で、引きしろの余裕の有無を調べる。
[2]
1/5こう配の床面で、無負荷状態において作動させ、効き具合を調べる。
[3] レバーを反復操作し、引き力及び戻り具合を調べる。
[4] つめ及びラチェットの損傷及び摩耗の有無を調べる。
[1] 余裕があること。
[2] 停止の状態に保持すること。
[3] 引き力及び戻り具合が正常であること。
[4] 損傷又は著しい摩耗がないこと。
(3) ペダルロック
[1]
ペダルを踏み込み、足を離したときの作動の適否を調べる。
[2] ロック状態におけるブレーキの効き具合を調べる。
[3] ロック部の損傷及び摩耗の有無を調べる。
[1]
確実にロックされていること。
[2] 適正であること。
[3] 損傷又は著しい摩耗がないこと。
(4)
ロッド、リンク及びケーブル類
[1]
損傷並びにクランプの緩みの有無を調べる。
[2]
ブレーキを反復作動させ、連結部の緩み及びがた並びに割りピンの欠損の有無を調べる。
[1]
損傷又は緩みがないこと。
[2] 緩み又はがたがなく、割りピンの欠損がないこと。
2.1.5
作業装置
(5)
ブレード、バケット、アーム及びリンク
[1]
各部のき裂、変形及び摩耗の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
[2] ブレード等を作動させ、各連結部のがたの有無を調べる。
[3] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[1]
き裂、著しい変形又は摩耗がないこと。
[2] 著しいがたがないこと。
[3] 緩み又は脱落がないこと。
(2)
バケットコントロール
[トラクター・ショベル]
[1]
レバーを操作し、バケットポジショナーの作動の適否を調べる。
[2] レバーを操作し、リフトキックアウトの作動の適否を調べる。
[1]
バケットが設定した角度で停止すること。
[2] バケットが設定した高さで停止すること。
(3) アタッチメント
・リッパー
・ウインチ等
[1]
リッパー等を作動させ、作動の適否を調べる。
[2] 各部のき裂、変形及び摩耗の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
[3] 取付け状態を調べる。
[1]
正常に作動すること。
[2] き裂又は著しい変形若しくは摩耗がないこと。
[3] 適正であること。
2.1.6
油圧装置
(1) 作動油タンク
共通事項1.2
油圧装置の検査方法及び判定基準を適用すること。
(3) 配管
(ホース類、高圧パイプ)
共通事項1.2
油圧装置の検査方法及び判定基準を適用すること。
2.1.7
操作装置
操作レバー
レバーを操作し、ストロークの適否及びかための有無を調べる。
ストロークが適正で、著しいがたがないこと。
2.1.8
安全装置
2.1.9
車体関係等
(1) 車枠及び車体
[1]
き裂及び変形の有無を調べる。
[2] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[1]
き裂又は著しい変形がないこと。
[2] 緩み又は脱落がないこと。
(2) キャプ及びカバー
(ヘッドガード転倒時保護構造(ROPS)を含む)
[1]
き裂、変形、腐食及び雨漏りの有無を調べる。
[2]
ドア及びカバーの開閉状態並びにロック及びキーの異常の有無を調べる。
[3] ガラスのがた及び破損の有無を調べる。
[1]
き裂、著しい変形、腐食又は雨漏りがないこと。
[2] 開閉、ロック又はキーに異常がないこと。
[3] がた又は破損がないこと。
(3) 座席
[1]
調整・ロック装置の作動の適否を調べる。
[2] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[1]
正常に作動すること。
[2] 緩み又は脱落がないこと。
(4) シートベルト
[1]
擦り切れ等の損耗の有無を調べる。
[2] ベルトを締め、バックル及び滑り止めの効き具合を調べる。
[3] 取付けボルト及びナットの緩みの有無を調べる。
[1] 損傷がないこと。
[2] 正常であること。
[3] 緩みがないこと。
(5)
昇降設備及び滑り止め
[1]
き裂、損傷及び変形の有無を調べる。
[2] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[1]
き裂、損傷又は著しい変形がないこと。
[2] 緩み又は脱落がないこと。
(6) 連結装置
[1]
き裂及び損傷の有無を調べる。
[2] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。
[1]
き裂又は損傷がないこと。
[2] 緩み又は脱落がないこと。
(7) レバーロック
ロックの効き具合並びに損傷及び変形の有無を調べる。
効きが正常で、損傷又は変形がないこと。
(8)
作業装置安全ピン及び安全リンク
き裂及び損傷の有無を調べる。
き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べる。
き裂又は損傷がないこと。
(9) 表示板
構造規格に規定された表示板その他の注意・指示銘板等の損傷の有無及び取付け状態を調べる。
損傷がなく、適正に取付けられていること。
(10)
灯火装置、警音器、方向指示器、窓拭き器、デフロスター等
[1]
各スイッチ類を操作し、作動の適否及び取付け状態を調べる。
[2] 各灯火類のレンズの破損及び水等の浸入の有無を調べる。
[1]
正常に作動し、適正に取付けられていること。
[2] 破損又は水等の浸入がないこと。
(11) 計器類
・油圧計 ・電流計
・燃料計 ・油温計
・水温計 ・速度計
・表示灯 等
エンジンを作動させた状態及び走行状態で各計器の作動状態を調べる。
正常に作動すること。
(12) 後写鏡及び反射鏡
汚れ及び損傷の有無並びに写影の状態を調べる。
汚れ又は損傷がなく、写影が正常であること。
(13) 給油脂
[全 体]
[1]
各部の給油脂状態を調べる。
[2] 自動給油脂装置の作動の適否を調べる。
[1]
給油脂が十分であること。
[2] 正常に作動すること。
2.1.10
総合テスト
走行及び作業テストを行い、機能を調べる。
各装置が正常に作動し、異常振動、異音又は異常発熱がないこと。