Introduction

舞台となる廃校を求め、全国を探し歩いていた監督が、福島県大沼郡昭和村の旧喰丸小学校にたどり着いたのは、2009年1月。1980年に閉鎖されたこの廃校は解体が決まっていたが、監督の申し出に、村長をはじめとする村の人々が理解を示し、撮影終了までの校舎保存が決定。2009年夏から風景などの撮影を開始した。

しかし、秋に予定されていたメインの撮影は、諸般の事情により一年延期に。その後も、四季ごとの風景の撮影は続けられて来たが、2010年秋のメイン撮影は、イチョウが色づく前に雪が降ってしまうという異常気象の影響により、開始2日前にして再びの中断。その後、脚本を春の設定に書き換え2011年5月の撮影再開に向けて準備を進めていた矢先の3月、あの大震災に見舞われた。

一時は製作続行断念も検討されたが、脚本の改訂を経て2011年11月、満を持して撮影再開。幾度もの製作中止の危機を乗り越えて、遂に「ハーメルン」は劇場公開を迎える。

Story

ある村の廃校に、その小学校の元校長先生が暮らしていた。校長先生は、もう使われることのないこの校舎を修繕しながら、「消えゆく我が舎」をいとおしむように静かに日々を送っていた。しかし、いよいよその校舎も解体されることが決まる。

ある日、かつてこの小学校で学んだ男・野田が博物館の職員として、校舎に保管されていた遺跡出土品の整理にやって来る。野田には、誰にも明かしたことのない「小さな秘密」があった。それは閉校式の日に埋めた「タイムカプセル」にまつわるもの。

しかし、校長や恩師であった綾子先生、その娘リツコと接していくうちに、小学校での懐かしい記憶が徐々に回復されていく。 そんな中、村の老人施設にいた綾子先生が、隣町の大きな病院に移ることになる。娘のリツコに付き添われて村を離れる道すがら、綾子先生は学校に立ち寄る。綾子先生は校庭を見渡し、小さく呟いた。「あの子達、どこへ行ったんでしょうねぇ」。その時...。

Cast

西島秀俊【野田】

1971年、東京都出身。横浜国立大学在学中から俳優として活動を始め、93年「あすなろ白書」に出演。大ヒットドラマとなる。 翌94年の「居酒屋ゆうれい」で映画初出演。黒沢清監督「ニンゲン合格」(99)、ベネチア国際映画祭に出品された北野武監督「Dolls(ドールズ)」(02)などに主演、その後も数多くの作品に参加する。 海外の監督とのタッグ作「サヨナライツカ」(10/イ・ジェハン監督)への出演を経て、ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門上映作品「CUT」(11/アミール・ナデリ監督)では、高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞。2013年の映画出演作に「ストロベリーナイト」(佐藤祐一監督)、「メモリーズ・コーナー」(オドレイ・フーシェ監督)、「風立ちぬ」(宮崎駿監督)がある。映画をはじめ、TVドラマ、CMと幅広い分野で活躍している。

倍賞千恵子【リツコ】

東京都出身。1960年松竹歌劇団(SKD)へ入団後、61年松竹にスカウトされ松竹映画「斑女」でデビュー。62年「下町の太陽」で歌手デビューし、同曲でレコード大賞新人賞を受賞。69年映画部門では4人目の芸術選奨文部大臣賞を受賞し、日本アカデミー賞 毎日映画コンクール キネマ旬報賞等各賞受賞。映画「男はつらいよ」のさくら役に代表される庶民派女優として、また歌手としても親しまれ活躍中。2004年からは、新企画コンサート「深呼吸したら、思い出した」を公演中。全国各地で「歌うこと、演じること、そして生きること」と題した講演活動も好評を得ている。 出演映画は、「幸福の黄色いハンカチ」「駅」「男はつらいよ」シリーズ全48作「ホノカアボーイ」他、延べ170本にのぼる。2013年は、本作に加え秋に日中合作映画「東京から来たばかり」の公開も控えている。

坂本長利【元校長先生】

1929年10月14日生まれ、島根県出身。 1951年、山本安英、岡倉士朗らが主宰する「ぶどうの会」に入団。 1965年、竹内敏晴、和泉二郎らと演劇集団「変身」を結成。東京・代々木の「代々木小劇場」を本拠地に、小劇場運動の先駆けとなる。 1971年、「変身」解散後は舞台演劇のみならず、映画・テレビ・ラジオなどにも多数出演。「Dr.コトー診療所」シリーズの村長役としてもおなじみ。 独演劇「土佐源氏」(宮本常一聞き書きによる)は、出前芝居と称し、1967年の初演以来、日本各地をはじめ、ポーランド、スウェーデン、ドイツ、オランダ、ブラジル、ペルー、イギリス、韓国等海外公演も多数行い、エジンバラ国際芸術祭においても絶賛された。1985年、紀伊国屋演劇賞特別賞、2000年、旅の文化賞を受賞。2012年3月の福島県昭和村公演で1150回となり、現在も公演回数を伸ばしている。

水橋研二【仲丸・野田の同級生】

1975年1月13日生まれ。東京都出身。 主な出演作品に、映画では「美代子、阿佐ヶ谷気分」(09)、「紙風船"命を弄ぶ男ふたり"」(11)、「カイジ2 人生奪回ゲーム」(11)、「孤独な惑星」(11)、「サンゴレンジャー」(13)、「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」(13)、「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」(13)、「ユダ」(13)、舞台では「リア」(09)、「甘え」(10)、「十三人の刺客」(12)、「オセロ」(13)など多数。

守田比呂也【リツコの父親】

1924年12月21日生まれ。大阪府出身。 「事件記者」NHK、「江戸の旋風」CX、「3年B組金八先生」TBSなどドラマのレギュラーにて活躍の他「銭形平次」「宮本武蔵」「八つ墓村」「交渉人」等多数出演。映画では「たみおのしあわせ」(08)、「SILK/シルク」日・伊・加合作(07)、「The Passenger」日・仏・加合作(06)、「太陽」露・伊・仏・スイス合作(06)、「酒井家のしあわせ」(06)、「アイランドタイムズ」(07)等海外作品も多い。中でも「太陽」は第13回サンクトペテルブルク国際映画祭でグランプリを獲得している。8月より「SK-II」CMにて杜氏役として放送出演中。

風見章子【綾子先生・野田の元担任教師】

1921年7月23日生まれ。群馬県出身。 16歳で内田吐夢監督「土」でデビュー。 1995年度 日本映画批評家大賞「ゴールデン・グローリー賞」受賞2001年度 第25回山路ふみ子映画賞受賞 2007年度 第61回毎日映画コンクール特別賞受賞 主な出演作品に、映画では「男はつらいよ」(S.60)、「夢千代日記」(S.60)、「木村家のひとびと」(S.63)、「忘れられぬ人々」

Staff

監督・脚本:坪川拓史 プロデューサー:筒井龍平 共同プロデューサー:白水聡一郎/日暮謙/坪川拓史
撮影:与那覇政之 照明:高橋拓 美術:畠山和久 衣裳:宮本まさ江 メイク:三沢友香 監督補:塩入秀吾/松本動
制作担当:波多野ゆかり/加藤綾佳 音楽:関島岳郎 特別協力:福島県大沼郡昭和村

坪川拓史監督

1972年北海道に生まれる。1996年に、長編第1作目「美式天然」の制作を開始。9年という長い歳月をかけ、2005年に完成した、この作品で、第23回トリノ国際映画祭に招かれ「グランプリ(最優秀作品賞)」と「ベストオーディエンス賞(最優秀観客賞)」のW受賞という日本人初の快挙を成し遂げる。その後も世界各国の国際映画祭に招かれ高い評価を得る。
2007年、長編第2作目「アリア」が完成。世界20ヶ所を超す国際映画祭に招かれ、フランスKINOTAYO映画祭において「Grand Prix du Public(最優秀観客賞)」を受賞。カザフスタンのユーラシア国際映画祭では、中央アジア映画連盟より最優秀作品に選出される。

新作が期待されるアジアの若手監督の一人として、各国から今後の活躍が注目されている。

2013年 / 日本 / 132分 / HD(16:9) / カラー / DCP / 5.1ch / 制作・配給(株)トリクスタ

「ハーメルン」を初日にご覧下さった皆様へ

9月7日(土)の「ハーメルン」初日にお越し下さったお客様に お知らせ致します。

ユーロスペース2の、10:00、13:00、16:00、18:30の各回において、映写環境不備の為、
画面のチラつき及び音声ノイズが生じてしまっておりました。

初日を楽しみにわざわざおいで頂いたにも関わらず、大変申し訳ございません。
謹んでお詫び申し上げます。

制作者立ち会いのもと、映写環境を整えましたので、現在は正常な映写環境にてご覧頂けます。

初日にご覧頂きましたお客様は、当日のチケットの半券を劇場受付でご提示頂ければ、
改めてご覧頂くことが出来ます。

皆様には大変なご迷惑をお掛け致しますが、
何卒ご容赦賜れますよう、よろしくお願い申し上げます。

トリクスタ
ユーロスペース

上映情報

ユーロスペース(渋谷) 9月7日(土)〜 (注記)終了
梅田ガーデンシネマ 9月21日(土)〜 (注記)終了
シネマート心斎橋 9月21日(土)〜 (注記)終了
フォーラム福島 10月12日(土)〜 (注記)終了
ポレポレいわき 10月12日(土)〜 (注記)終了
シネプレックスつくば 10月12日(土)〜 (注記)終了
京都みなみ会館 10月19日(土)〜 (注記)終了
名古屋シネマテーク 11月9日(土)〜 (注記)終了
横浜ジャック&ベティ 12月7日(土)〜 (注記)終了
元町映画館(神戸) 12月7日(土)〜 (注記)終了
小田原コロナシネマワールド 3月1日(土)〜 (注記)終了
中川コロナシネマワールド 3月1日(土)〜 (注記)終了
半田コロナシネマワールド 3月1日(土)〜 (注記)終了
大垣コロナシネマワールド 3月1日(土)〜 (注記)終了
福井コロナシネマワールド 3月1日(土)〜 (注記)終了
小倉コロナシネマワールド 3月1日(土)〜 (注記)終了
KBCシネマ(福岡) 3月15日(土)〜 (注記)終了
座・高円寺 6月7日(土)、8日(日) (注記)終了
シアターキノ(札幌) 6月21日(土)〜7月4日(金) (注記)終了
シネマ・トーラス(苫小牧) 7月5日(土)〜7月12日(金) (注記)終了
大黒座(北海道) 7月5日(土)〜7月18日(金) (注記)終了
シネマアイリス(函館) 7月12日(土)〜7月18日(金) (注記)終了
フォーラム仙台 7月5 日(土)〜7月18日(金) (注記)終了
しかく上映会情報
魚沼市小出郷文化会館 12月21日(土)、22日(日)、23日(祝) (注記)終了
奥会津やないづふれあい館 3月15日(土) (注記)終了
シネとかち(北海道) 3月28日(金)、29日(土) (注記)終了
からむし織の里フェア(福島県昭和村) 7月19日(土)、20日(日) (注記)終了

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