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袴田事件 これでも死刑なのか

袴田事件 これでも死刑なのか

証拠ねつ造捜査、誤った裁判の原因を徹底追及する。

著者 小石 勝朗
ジャンル 社会問題
出版年月日 2018年08月10日
ISBN 9784877987091
判型・ページ数 4-6・240ページ
定価 本体1,800円+税
在庫 在庫あり

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東京高裁は、静岡地裁の再審開始決定を取り消した。このため弁護側は特別抗告し、舞台は最高裁に移った。高裁の即時抗告審で、違法取調べ、自白強要、証拠偽造など幾多のおかしな点があぶり出された。再審請求審の全体を振り返りながら捜査や裁判の問題点を説き起こし、死刑冤罪が現代の司法に突き付ける教訓を考える。

第1部 覆された再審開始決定──本当に「死刑が妥当」なのか

第2部 画期的な地裁の決定、そして曲折

第3部 即時抗告審で浮き彫りになった「おかしな点」

第4部 DNA鑑定をめぐる攻防

第5部 支える袴田巖さんへの共感の輪

袴田事件の主な経過一覧

第1部 覆された再審開始決定──本当に「死刑が妥当」なのか
1 悪意に満ちた決定
2 弁護側主張をことごとく否定
3 最高裁へ特別抗告
4 弁護団長・西嶋勝彦弁護士インタビュー(2018年6月28日)

第2部 画期的な地裁の決定、そして曲折
1 再審開始か、地裁審理がいよいよ大詰め(2013年12月25日)
(1) 「袴田事件」とは
(2) 弁護団の最終意見書
(3) 検察の最終意見書
2 最高の決定が出た、そして、これからのこと(2014年4月2日)
(1) 冤罪主張が百パーセント認められた
(2) 雪冤の扉を開くまでに48年近くの歳月
3 再審開始決定の大きな特徴
(1) 警察による証拠の捏造を指摘
(2) DNA鑑定と味噌漬け実験
(3) 釈放まで認める
(4) 事件の教訓
4 肉眼で判定可能な色の違いに着目、再審をもたらした市民による味噌漬け実験(2014年6月20日)
(1) 血痕は識別できない
(2) 条件を変えても結果は変わらず
5 改めて、再審開始決定を受けてなすべきこと(2014年4月16日)
(1) 証拠捏造の指摘は「必然の結果」
(2) 取調べの全面可視化が不可欠
(3) 「せめて半分くらいは戻ってほしい」
6 48年ぶり釈放の袴田さん、再び死刑囚として収監の恐れも(2016年3月10日)
(1) 検察の即時抗告で「確定死刑囚」のまま
(2) 検察の主張に沿ったDNA鑑定手法の検証実験
(3) ドキュメンタリー映画が完成1
7 弁護団「ただちに再審を」、検察は開始決定の取消求める(2018年2月2日)

第3部 即時抗告審で浮き彫りになった「おかしな点」
1 やはり違法捜査のオンパレードだった(2016年12月28日)
(1) 小便に行かせず、果ては取調室に便器を......
(2) 「職務に関する罪」に該当
2 1・4トンもの味噌を仕込んでまで死刑を維持しようとする検察(2016年11月16日)
(1) 密かな味噌漬け実験
(2) 衣類の「色」は弁護団と同様の結果
3 「証拠隠し」か「証拠漁り」か〜証拠リスト開示をめぐるせめぎ合い(2016年9月21日)
(1) 刑事司法改革で交付の規定
(2) 「開示の必要性は高い」と弁護団
(3) 検察は頑なに開示を拒否
4 「5点の衣類」の捜査に当たった91歳の元警察官らの証人尋問を(2016年7月13日)
(1) 味噌タンクや袴田さんの実家の捜索を担当
(2) 捏造の疑いをさらに強める可能性
(3) 裁判所が判断を先送りした理由は?
5 脛の傷はいつ付いたのか〜新たな「捏造」疑惑が浮上(2016年5月25日)
(1) 逮捕当日の調書には記載なし
(2) ズボンの損傷は傷に合わせて作られた
6 警察が接見の盗聴までしていた(2015年4月22日)
(1) 逮捕後5日目からあからさまな違法行為
(2) 法曹界もマスコミも深刻に受けとめるべき
7 検察の「二枚舌」主張が発覚〜有罪にするためなら「何でもあり」なのか(2014年10月29日)
(1) 別の事件では本田氏のDNA鑑定を高く評価していた
(2) 世界チャンピオンも抗議
8 ないはずのネガフィルムが突然出てきた〜新たな「証拠隠し」疑惑(2014年8月20日)
(1) 検察は2度「存在しない」と回答
(2) 不可解な発見の経緯
(3) なりふり構わぬ反撃に出る検察
9 「焼けたお札」も捏造証拠か〜「自白」の誘導が明らかに
(1) 郵便局で見つかった不審な封筒
(2) 取調べ録音テープで新事実が判明

第4部 DNA鑑定をめぐる攻防
1 身柄拘束45年にして「再審・無罪」の可能性が仄見えてきた(2011年7月6日)
(1) 静岡地裁がDNA鑑定の実施方針を示す
(2) DNA鑑定の2つのポイント
2 検出されなかった被害者のDNA型(2011年12月28日)
(1) 何者かが工作した可能性
(2) 大きく揺らぐ死刑判決の土台
3 袴田さんとも一致しなかった血痕のDNA型〜再審開始へ決定的な鑑定結果(2012年4月18日)
(1) 弁護団が主張する「捏造」ストーリー
(2) 2人の鑑定人の評価が一致
4 鑑定人尋問で地裁審理は大きなヤマ場に(2012年11月7日)
5 DNA鑑定をめぐって続く綱引き(2015年2月18日)
(1) 本田氏の鑑定手法を攻撃
(2) 第三者による検証実験を要求
(3) 事実調べのやり直しは必要ない
(4) 即時抗告審、長期化のおそれ
6 東京高裁、検証実験の実施へ傾く(2015年4月22日)
7 審理を「迷走」させる裁判所(2015年7月22日)
(1) 検証実験の実施を「強く希望」
(2) 検察の提案に好意的
8 検察提案に則って裁判所が強行する検証実験(2015年10月21日)
(1) 弁護団抜きの異例の形で
(2) 「誘導的実験」と批判
(3) 再審開始決定を取り消す意図か
9 とうとう強行された検証実験(2016年1月27日)
(1) 弁護団の異議申立てを即日棄却
(2) 袴田さん、市内を歩いて回るのが日課に
10 DNA鑑定結果「揺るがず」と弁護団〜検証実験の最終報告書提出
(1) 「DNAを検出できず」と誤報
(2) 鈴木氏と本田氏を尋問へ
11 「検証実験に力なし」〜DNA鑑定で尋問(2017年10月13日)

第5部 支える─袴田巖さんへの共感の輪
1 「無罪を主張した」/元裁判官の告白
熊本典道さんインタビュー(2007年2月25日、福岡市東区にて)
2 ボクシング界と袴田事件
(1) 支援委員会が発足(2007年11月5日)
(2) 特別抗告の断念求めキャンペーン(2018年5月3日)
3 国会議員連盟の動き
(1) 役員を一新し再始動(2014年3月)
(2) 法務省へ申入れ(2018年5月)
4 新たな人生へ、姉との二人三脚/映画『袴田巖 夢の間の世の中』が完成(2016年2月26日)
(1) 「ありのままを見てほしい」
(2) 人を幸せにする「権力者」
5 姉の秀子さんが伝える思い
(1) 周囲への謝意を何度も(2012年12月)
(2) 50年間の心情を改めて吐露(2016年10月)
6 袴田さんの変化を実感する「誕生会」
(1) 本人曰く、23歳/傘寿を祝う会(2016年3月)
(2) 「裁判の結果は分かっている」/袴田さん82歳に(2018年3月)

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おわりに

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