日本原子力技術協会:トピックス

活動状況
四国電力株式会社伊方発電所に対する
相互評価(ピアレビュー)について

Contents

2005年10月18日
日本原子力技術協会

2005年7月27日(水)から7月29日(金)までの3日間にわたり、四国電力株式会社伊方発電所に対して相互評価 (ピアレビュー)を実施しました。その概要は以下の通りです。

1.対象事業所 (所在地)
四国電力株式会社 伊方発電所 (愛媛県西宇和郡伊方町)

2.事業所の概要
伊方発電所(以下、「本発電所」という。)は、四国の西北端から九州に向かって細長く伸びた佐田岬半島の瀬戸内海側の付け根に位置し、四国電力株式会社の原子力発電所として、1号機は 1977年9月、2号機は1982年3月、3号機は1994年12月に営業運転を開始している。定格電気出力は、1,2号機ともに56.6万キロワット、3号機は89万キロワットで、四国の約4割をまかなう重要な電源となっている。

3.レビューチームの構成及びレビューの方法
レビューリーダー : 日本原子力技術協会
Aグループ:

日揮株式会社、ニュークリア・デベロップメント株式会社
(レビュー分野 : 組織・運営、放射線防護)

Bグループ:

東京電力株式会社、日本原子力技術協会
(レビュー分野 : 教育・訓練、運転・保守、特定評価項目)

レビュー方法:

上記の分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認


四国電力株式会社伊方発電所


レビュー状況

4.オブザーバーの参加
株式会社日本エイ・ビー・エス・キュイーのQMS/EMS/OHSAS主任審査員である吉田稔氏にオブザーバー参加いただき、 ピアレビュー活動をご確認いただいた。また、品質保証プログラムについてレビューに参加いただいた。

オブザーバーのご意見・ご感想の取りまとめ結果は、こちらをご覧下さい。↓↓
(第49回相互評価に参加頂いた第三者オブザ ーバーのご意見・ご感想について)

5. 相互評価(ピアレビュー)結果概要
(1)主な結論
今回のレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければならないような項目は見出されなかった。
本発電所においては、品質マネジメントシステムの導入にともない、社長が定めた「原子力安全のための品質方針」に基づき、所長は「組織品質目標」を設定し、さらに各グループリーダーは各グループの「個別品質目標」を定め、原子力安全の具体的な実施を図るとともに、「原子力安全のための品質方針」のメールでの周知、カードでの配布により、原子力安全への意識付けを行っている。また、コンプライアンスにも積極的に取り組んでおり、全社を挙げてコンプライアンスの推進に取り組むことで役員及び従業員への意識の徹底を図っている。ヒューマンエラー防止のための委託調査の実施等、ヒューマンエラー防止にも積極的な取り組みを展開している。

(2)良好事例及び改善提案
今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。 一方、安全文化の更なる向上に役立つものとしていくつかの提案を行った。

良好事例 *1と改善提案 *2 の一覧は次のとおり。

しろまる良好事例
レビュー分野 良好事例の概要
組織・運営
・ 協力会社との円滑な情報交換等裾野の広い安全活動の充実
教育・訓練
・ 「保修技術データベース」の充実と積極的な活用
運転・保守
・ チェックシートに対するシミュレータによる事前検証
・ 調査対象外の貫通部のシール施工状況の自主調査
特定評価項目
・ ヒューマンファクターに関する積極的な取り組み

しろまる改善提案
レビュー分野 改善提案の概要
運転・保守
・ 「関係会社とのコミュニケーションプラン」の明文化

6.相互評価報告書
相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。

くろまる相互評価報告書本文(PDF形式: 164KByte)
くろまる参考図

以 上



*1 良好事例
当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。

*2 改善提案
原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。

Copyright © 2005 Japan Nuclear Technology Institute, All Rights Reserved.

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /