安全キャラバン

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(株)東芝 京浜事業所にて
第39回安全キャラバンを実施

平成14年7月18日、神奈川県 横浜市にある 株式会社東芝 京浜事業所において、第39回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会には、京浜事業所の社員および協力企業の社員約90名が出席されました。
講演会の冒頭、京浜事業所長 皆川 龍司 氏より「当事業所は、エネルギー分野に欠かせない機器を設計、製造しており、"ものづくり"という面で安全第一に十分注意している。特に、原子力については、その性格上、原子力発電所そのものの安全性にも気を使っている。本日は、原子力発電所の仕事に従事している者をはじめ、エネルギー関係に携わっている者にとって原子力安全に関する意識をさらに高めることができる良い機会である。」とのご挨拶がありました。

乙 葉 啓 一 氏

挨拶の後、NSネット梅津事務局長よりNSネットの活動を紹介。引き続き、日本原子力発電株式会社 フェロー 乙葉啓一 氏より「安全文化の一考察」と題したご講演では、
原子力発電所の管理に携わって来られた豊富な経験を基に「何故安全は守られないのか」、「安全をどのようにして守るのか」などについてご自身の経験を含めてお話頂きました。また、物作りの方に対し「顧客が何に困っているかこということに対して常にアンテナを十分張って頂きたい」

とのメッセージを頂きました。

野 村 正 之 氏

続いて、日本原子力研究所 安全管理室長 野村 正之 氏より「日本原子力研究所における防護活動について」と題し、原研・東海研究所における防護活動、及びJCO事故時の状況などについてお話を頂きました。
講演の中で「危機管理というのは、全て応用問題であり、常日頃の訓練においても、何か違ったことが起きても、それに即応できる判断能力を養うことが必要」とのお話がありました。

講演会の様子

講演会終了後のアンケートでは、

(乙葉氏の講演に対して)

・豊富な経験から導かれたお話で非常に参考になりました。とりわけ情報の的確な提供、判断の重要性、技術者の質の重要性を再認識しました。如何に有能な人を育成し、それを伝承するかがキーと思われます。

・豊富な経験に裏打ちされた内容であり、実際の安全にどう対処すればよいかということを身近に感じることが出来た。コストダウンばかリが要求される時代だが、安全の基本は忠実に守らなければならないと感じた。

(野村氏の講演に対して)

・JCO事故に関する話を聞き非常に感銘を受けるとともに、原子力の安全性・重要性を再認識させられました。

・社会的に大きなインパクトのあった事故の状況を伺えたことは、非常に貴重であった。また、「危機管理は全て応用問題」という言葉には共感した。

など、多数のご意見をいただきました。

安全情報交換会


安全情報交換会の様子

小 柴 是 睦 氏

安全情報交換会では、東芝より要望があった中国電力(株)島根原子力発電所における相互評価の良好事例「シュラウド取替工事における周到な準備と発電所内一体となった工事の実践」について、中国電力(株)電源事業本部 原子力建設機械設計担当 マネージャ 小柴是睦 氏にお出でいただき、より詳しく紹介頂きました。
その後、良好事例の内容についての、活発な質疑、情報・意見交換がありました。また、続いて東芝から同事業所における、原子力安全文化醸成に関する取組みとして「原子力機器製造に関する品質の作りこみと技術伝承」について紹介があり、その後、情報・意見交換を行いました。
主な情報・意見交換として、
くろまる原子力機器の製造に携る方々に対し、原子力に関する研修はどのように行っているのか。(NSネット)
しろまる原子力の一般基礎について一通り教育を行っている。現場ではOJTとして、作業する製品の理解の助けとなるよう、原子力施設のどこに使われるのか、どのような用途があるのかということを事前に説明している。事前に説明することによって自信を持って製品を作ることができる。(東芝)
くろまるこれまでに蓄積したノウハウ・経験はどのように若手に伝えているのか。(NSネット)
しろまる現場作業において熟練者からなるべく伝えるようにしている。(東芝)
くろまる研修プログラムはシステマティックに構成されているのか。(NSネット)
しろまる定期的に、ある一つの機器を取り上げ重点的に設計部門から説明してもらっている。一例として原子力機器工作課の作業長クラスの人に参加してもらい、あらかじめ渡しておいた図面を見ながら、加工、仕上げ等、なぜ改良しているのか議論している。また、新製品については、設計担当者が製造部門に対して説明を実施している。(東芝)


などがありました。

以 上


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