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開館25周年記念
琳派の系譜 ―宗達、光琳と江戸琳派

2025年9月27日(土)〜12月14日(日)
(注記)11月4日〜7日は展示替えのため休館
【前期展示】9月27日(土)〜11月3日(月・祝)
【後期展示】11月8日(土)〜12月14日(日)
月曜休館 (注記)10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・休)は開館

展覧会概要

優美かつ大胆な装飾性で見る者を魅了し続ける<琳派>の芸術。江戸時代初めの京の都で俵屋宗達が創り上げた雅やかな美の潮流は、尾形光琳によって大成され、19世紀には酒井抱一・鈴木其一の<江戸琳派>へと結実します。本展では、先達に憧れて模倣し敬慕することで継承され、また時々の新たな創意によって発展した系譜を、出光美術館が誇る琳派コレクションからご紹介します。華麗なる琳派の作家たちの共演をお楽しみください。

第1章 咲き誇る みやこの華 ―京の琳派

戦乱に明け暮れた戦国・桃山の世を経た17世紀はじめの京都で、優雅な芸術が産声を上げます。みやびな宮廷文化に憧憬を抱いた本阿弥光悦や俵屋宗達は、王朝の伝統的な装飾美をもとにしながら、それまでにはなかった斬新な造形美を生み出しました。
さらにふたりの活躍からおよそ100年後、京都の呉服商に生まれた尾形光琳は、光悦・宗達の造形美をもとに、さらなる装飾性とデザイン性を追求します。彼らが創りあげた美の世界は、のちに光琳から一字を取って<琳派>と呼ばれることになるのです。

蓮下絵百人一首和歌巻断簡
一幅 [書]本阿弥光悦 [下絵]俵屋宗達
江戸時代(17世紀) 出光美術館蔵

第2章 瀟洒なる「粋」の世界 ―江戸の琳派

京都で花開いた琳派の美は、19世紀になると、江戸の地で再興されます。これを主導したのが、酒井抱一です。
姫路藩主・酒井雅楽頭家に生まれた抱一は、画業のほか、俳諧、連歌、能など、諸芸を愛する人でした。光琳の芸術を発見した抱一は、彼を敬慕し、その作品に深く傾倒しますが、画風を再現するだけにとどまらず、自身が存分に享受した粋な江戸の都市文化を反映させた、新たな表現世界へと琳派を展開させました。抱一によって切り拓かれた瀟洒(しょうしゃ)で小気味良いその芸術は、彼の門下である鈴木其一らへと継承され、<江戸琳派>と称されることになるのです。

十二ヵ月花鳥図貼付屏風
六曲一双 酒井抱一 江戸時代(19世紀) 出光美術館蔵

第3章 うつわに広がる協奏 ―乾山のやきもの

先達の美に憧れを抱き、その作品を私淑することで紡がれてきた琳派の系譜。その芸術の流れは、ともすると絵画のイメージで語られがちですが、じつは工芸分野とも密接に関わっています。
尾形光琳の実弟・乾山は、兄にも引けを取らないその研ぎ澄まされた美意識を掌中の「うつわ」へと翻案しました。光琳・乾山による合作のほか、乾山焼の造形や文様は、琳派のみやびやかで華やかな王朝美で彩られており、絵画とやきものがお互いに影響を与えながら美を創造していたことがわかります。

銹絵染付金銀白彩松波文蓋物
尾形乾山 江戸時代(18世紀) 出光美術館蔵 重要文化財

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