地球温暖化は、人類の生存基盤を脅かしかねない最も重要な課題となっている。温暖化による影響を把握し、対策や適応について科学的な判断を行うためには、各分野における、長期にわたる観測データの蓄積、影響評価のための予測モデルの開発等が必須である。地球観測連携拠点(温暖化分野)では平成19年度から毎年、主に観測の視点からテーマを定めて、連携に資するためのワークショップを開催している。
今年度は温室効果ガスの削減に大きな効果があるといわれている森林を対象に、森林における観測について、ワークショップを開催する。
わが国では古くから、森林そのものを対象に、また関係する気象学や生態学の分野を含めて長期間にわたって観測が行われてきており、その観測資料は貴重な財産となっている。さらに、近年は特に地球環境や生物多様性等々に関連して、ますますその重要性が指摘されている。
ワークショップにおいては、森林の基盤的な観測のみならず、COP10を踏まえた生態系・生物多様性、炭素循環、温暖化影響に関する観測について講演を行うとともに、最近注目を集めている「途上国における森林減少・劣化による温室効果ガス排出の削減、森林保全、持続可能な森林管理、森林炭素蓄積の強化活動:REDD+(レッド・プラス)」についても、観測の観点から、その概要について講演する。
講演
1.「高CO2環境に対する森林樹木の応答」 pdf(2.6MB)
小池 孝良(北海道大学)
2.「森林の樹木多様性と生態系機能」 pdf(7.8MB)
黒川 紘子(東北大学)
(休憩 14:55〜15:10)
3.「森林炭素モニタリングに向けた陸域生態系観測ネットワークの役割」
pdf(4.8MB)
三枝 信子(国立環境研究所)
4.「リモートセンシングと生態系モデルによる森林炭素マッピング:REDD+のモニタリングは可能か」 pdf(6MB)
山形 与志樹(国立環境研究所)