2001年4月より、介護保健法が施行されて10ヶ月、もうすぐ1年になろうとしています。
その間、在宅福祉をめぐる現場は大きく変わりました。福祉の措置としてなされてきた各種サービスが、保険という契約関係に変わりました。民間活力、市場原理の導入で、利用者との新しい関係が形成されてきています。
今まで福祉として措置されてきた特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、ホームヘルプサービス、デイサービスなどの現場は、介護保険という新しい制度のもとで、その様相を変えてきています。
その中で、一番急激に変化をしているのは、私たちホームヘルプサービスの分野です。
訪問介護という名称で、ケアプランにそった、他のサービスとの共同作業が求められるようになりましたが、その一方で、驚くような労働条件の悪化や、専門職としての位置づけに逆行するような事態が生じてきました。ケアプランにもとづいて不十分なまま作成された介護計画と、実際の現場での業務とのあいだに生じてきているギャップ。朝7時から夜の7時まで、1時間とか30分とかの「細切れ介護」による利用者宅への訪問。しかも毎日クタクタに疲れて帰っても、実際に得る収入は実働時間のみという現実など、この仕事では生活していけないという深刻な悩みも生まれてきています。たとえヘルパーの仕事に生きがいや意義を十分に持っていても、そのため仕事を辞めていくヘルパーも少なくありません。
このほかにも、訪問介護の現場はさまざまな問題を抱えています。
こういう現状を、まのあたりにして、私たちは、ケアの現場を良くしていくためには、ホームヘルパーが手をつないでいかなければならないと考えました。ホームヘルパー同士で交流し、一致できることから声をあげ、そして、ひとりで悩んでいるヘルパーをなくしていくことが大切であると痛感したのです。
今回、その思いを持った有志が呼びかけ人となり、「ホームヘルパー全国連絡会」の設立をすることになりました。労働組合やさまざまな団体などの枠にとらわれない、純粋にホームヘルパーとしての職業を基本とした交流組織として、これから活動していこうと考えます。
2001年2月18日
呼びかけ人一同