2013年08月17日
[画像:設置された小水力発電設備] 県が湯前町長岡地区で整備を進めていた小水力発電施設がこのほど完成した=写真。農山漁村の豊富な水資源を活用し、エネルギーの地産地消を進める狙い。県内の同施設は阿蘇市に続いて2例目。
小水力発電は河川や用水路、工場内の配管などを流れる水を利用する。東日本大震災以降、クリーンエネルギー需要の高まりを受け、注目されている。
今回、県は同地区を流れる幸野溝(こうのみぞ)用水路に発電機を設置した。総事業費は約4070万円。発電量は年間3万5500キロワットで一般家庭の8〜9世帯分に相当する。全量を九州電力に売電する。
今月上旬の通電式には農業関係者など約50人が出席。鶴田正已町長は「水の有効活用をさらに追求する。環境負荷をかけないことが大切」とあいさつ。施設を 管理する幸野溝土地改良区の宮原辰紀理事長は「再生エネルギーの利用に、国民の機運が高まっている。費用対効果はわずかかもしれないが、エネルギー問題を 見直す取り組みにしたい」と話した。
=2013年08月15日付 西日本新聞朝刊=
2013年08月17日
2013年8月4日、飯田市千代の野池親水公園でマイクロ水力発電の点灯式が開催され、市や地元、協力者である飯田精密機械工業会の関係者30人が出席した。
Image from 千代地区まちづくり委員会ホームページ
河川を擁する山間地というマイクロ水力発電には最適の地形に着目した飯田市では2009年から適地調査を開始し、野池 親水公園内で2012年9月から実証実験を行っていた。公園のすぐ近くを流れる倉畑沢の取水口から約300メートルの既設ビニールパイプで水を運び発電機 に接続することにより、1日に13〜15キロワット時の発電が得られる。
飯田市では今後は同様のマイクロ水力発電を市内各地に設置し、緊急時などにも使用できることを想定しており、安定した発電量の確保や低コスト化に関しても実験・検証を行っていく予定だ。
2013年08月17日
2013年8月7日、神奈川県箱根町で東京電力グループの東京発電が190キロワットの小水力発電所(須雲川発電所)の営業運転を再開した。
Image from 東京発電
もともと箱根町の老舗旅館が自家消費用として開発した同発電所は老朽化のために1984年8月に廃止されたが、今回再生工事が行われよみがえったもので、年間発電電力量は110万キロワット時が見込まれており、発生した電力は再生可能エネルギー電力全量買収制度を利用して全量が東電に売電される。
同発電所は早川水系須雲川から毎秒0.58立方メートルを取水して約40メートルの落差を利用して発電を行っているが、今回の運転開始に伴って東京発電の保有する水力発電所は関東甲信越に69か所となった。
2013年08月17日
2013年8月6日、岐阜県岐阜市に本社を構える富士変速機が小規模水力・風力発電向けの増速器を開発したことが発表された。富士変速機は減速機・変速機・各種歯車・駐車場装置などの開発をしていることで知られているが、今回の増速器は再生可能エネルギーに対する関心の高まりに合わせて開発された。
Image from 富士変速機ホームページ
当面は特殊商品として発電量5.5キロワット相当で22万円程度で注文を受けるが、2014年12月期には1億円の販売を見込んでいる。
対応する発電機は1〜10キロワットで、設計は増速器専用のため、力を伝達する増速効率が90%以上と高いのが特徴となっている。独自の歯車技術によって低騒音も実現されているため、公園などでも使用することができる。
2013年08月13日
福井県は原子力発電だけではない。未来に向けたエネルギーの拠点を目指して、太陽光や小水力発電によるエネルギーの多元化に取り組んでいる。市町村ごとに地域の特性を生かした再生可能エネルギーの導入を推進中だ。市民による共同発電所の建設プロジェクトも広がっている。
[石田雅也,スマートジャパン]
福井県は2005年に「エネルギー研究開発拠点化計画」を策定して、最近まで原子力発電に関連する研究開発に注力してきた。2013年からは新たにエネルギーの多元化を施策に加えて、太陽光や小水力発電などの再生可能エネルギーを促進することを宣言した。具体的な取り組みのひとつが「1市町1エネおこしプロジェクト」である。
県内に17カ所ある市町村が地域の特性に合った再生可能エネルギーを開発する計画で、これまでに10の市町村が協議会を設置して具体的なプロジェクトを開始した(図1)。原子力発電所が集まる若狭湾の周辺でも、美浜町で小水力発電、高浜町では森林資源を活用した木質バイオマス発電を「エネおこし」で検討している。
・・・中略・・・
現実には福井県を含めて日本海側の地域は日射量がさほど多くなく、必ずしも太陽光発電に適しているわけではない。むしろ再生可能エネルギーの中では小水力発電の可能性が大きく残っている。福井は米を中心に農業が盛んで、用水路も数多くある。「1市町1エネおこしプロジェクト」でも5つの市町村が小水力発電の導入を検討中だ。
そのうちのひとつが福井市内を流れる二枚田川(にまいだかわ)のプロジェクトである(図6)。この川には土砂災害を防止するための砂防設備があって、小水力発電に利用できる落差のある水流が存在する。小さな落差でも発電が可能なシステムを導入する計画である。
小水力の場合は発電量が小さいために、採算性の面で実施までこぎつけないケースが多くある。二枚田川のプロジェクトが成功すれば、ほかの候補地でも導入意欲が高まっていく期待は大きい。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1308/13/news008.html