小さな町のパン屋になって、とっても幸せな夫婦
西川一馬さん、美菜さん
前住所 大阪市
▼ 生い立ち
夫の一馬さんは大阪駅前で中華料理店を営む家に生まれました。両親は忙しくて、一緒に遊んだ記憶はほとんどないとか。その後、大阪市内の製菓専門学校へ進学。そこで、美菜さんと出会いました。美菜さんは岩国市玖珂町出身。一馬さんと共に製菓を学びました。
▼ 移住のきっかけ
都会のパン屋さんで修行し、いつかは自分たちの店を持ちたいという夢を抱きます。店を持つなら住居兼店舗がいいというのは、一馬さんの希望。なぜなら、仕事が忙しくても子ども達と会える。子ども達に寂しい思いをさせたくないからです。
▼ なぜ、玖珂町を?
妻の実家が玖珂町ということもありますが、最初は広島市なども検討したとか。しかし、一馬さんは玖珂町が気に入りました。こんなにお店がなくて静かな場所は、根っからの都会っ子である一馬さんにとってはむしろ新鮮だったようです。
「さすがに、ここで大丈夫か?」と、心配になったのは、むしろ美菜さんの方だったとか。
▼ 玖珂町に移住して、うれしい誤算
2011年春に二人は玖珂町に住居兼店舗を新築して移住しました。「ちゃんと作る」が合言葉の二人は、午前2時に起床してパンを作ります。パン生地の仕込みはもちろん、餡子などの具材も手作り。それが二人にとって「ちゃんと作る」ということなんだとか。
パン屋さんのなかったこの町にあって、たちまち二人のお店「ブランジェリ・ニシカワ」は人気店になりました。意外だったのは、町外からもたくさんお客さんがやってくることでした。実は、玖珂町・周東町は岩国市中心部から車で30分という位置。いわばベッドタウンです。しかし、視野を広げてみると、柳井市、光市、周南市などの市外からも30〜40分という距離です。「おいしいパン屋がある」と評判を聞きつけて、近隣市町、およそ47万の人口からお客がやって来たというわけです。
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▼ これから
毎日早朝から遅くまでパンづくりに精を出す西川さん夫婦。パン工房で二人の息子と一緒に朝食をとると、子ども達は歩いて10分の小学校へ登校します。夕方になると、店の玄関から「ただいま!」と子ども達が帰ってくる。毎日、子ども達と接することのできる今の生活に、夫婦はとても満足しています。
これからも、子ども達の成長を楽しみに、パン作りを続ける夫婦。いつかスタッフも雇用して、少しは楽をしたいと、笑います。
夫婦のお店は5年を過ぎて、この周辺市町にとって、なくてはならないパン屋になっています。
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