2013年3月15日金曜日
グリーンセンサネットワークプロジェクト-2年間をふりかえって-
本プロジェクトが発足して2年度が終了する。
思えば本プロジェクトはグリーンセンサネットによる電力モニタリングおよびその省エネへの応用という形でスタートした。近未来のエネルギー問題の課題解決を狙っていたが、プロジェクト直前の震災発生とそれに伴う電力危機を迎え、まさに直面する国家的課題に挑戦するテーマとなった。
この2年の間にコンビニエンスストア2000店舗弱へグリーンセンサネットを設置し、大規模社会実験で省エネの実証を行った。また各種センサの微細化、低コスト化やセンサシステムの省エネ化等の要素技術も着実に成果を上げつつある。
また省エネ以外の社会課題である国土強靭化、農業の競争力強化、医療等への応用の検討が始まろうとしている。微細な無線端末が社会の隅々を見守り、実り豊かな国民生活に貢献する未来社会の到来は遠くない。
プロジェクト・リーダー 前田龍太郎
2012年12月12日水曜日
Powermems2012 参加 その2
PowerMEMS2012に参加してきました。PowerMEMS(The international workshop on micro and nanotechnology for power generation and energy conversion applications)は、エナジーハーベスター、キャパシタ・インダクタ、燃料電池・電池などエネルギーシステムに関連するMEMS研究に特化した国際会議で、2000年に日本で発足し、12回目を迎える今年はアメリカのアトランタでの開催となりました。
今回はつくば研究センターにて行っているセンサ開発の成果報告と、最新の技術動向の調査を行うため、本会議に参加してきました。
私は、ポスター発表を行いましたが、多くの方に興味を持ってもらいたくさんの質問やコメントをいただきました。中でも多かったのは、「どれくらいの電力を発生させることができるのか?」という質問でした。
我々のデバイスは電力ではなく、得られる電圧が重要なので、そのことを説明するとみなさん「こういう使い方は面白いね。他にも応用できるそうだ。」とポジティブなコメントをくれました。
本会議では、エナジーハーベスターの発表がとても多かったのですが、エナジーハーベスターで生み出した電力を無駄なく利用するための技術が重要だと感じました。
今回はつくば研究センターにて行っているセンサ開発の成果報告と、最新の技術動向の調査を行うため、本会議に参加してきました。
私は、ポスター発表を行いましたが、多くの方に興味を持ってもらいたくさんの質問やコメントをいただきました。中でも多かったのは、「どれくらいの電力を発生させることができるのか?」という質問でした。
我々のデバイスは電力ではなく、得られる電圧が重要なので、そのことを説明するとみなさん「こういう使い方は面白いね。他にも応用できるそうだ。」とポジティブなコメントをくれました。
本会議では、エナジーハーベスターの発表がとても多かったのですが、エナジーハーベスターで生み出した電力を無駄なく利用するための技術が重要だと感じました。
ポスターの説明をする瓜生さん
バンケット会場
つくば研究センター 富松
2012年12月4日火曜日
Powermems2012 参加
Powermems2012が12月2日から12月5日まで、アメリカ ジョージア州アトランタで開催
(残り2日)。本大会は圧電・発電素子に関する国際学会である。
今年は、投稿数177件、採択138件(内訳 オーラル56件、ポスター82件)、
内NMEMSからは本日、私と富松君が各1件ポスター発表を行った。
2人のポスター報告は、かなり人だかりができるほど、色々な人に興味を持ってもらえた。
最大の要因は、ポスターが布で印刷されていたことである。
「これは持ち運びに便利だね!」「これはどうやったの?」
本当は外注したのだが、「私は印刷会社だからこんなことは簡単だ」と言っておいた。
話の機会にたっぷり私の拙い英語で、研究内容を説明し、しっかり分かってもらった。
興味を持って聞いてきた人は、先生方や学生が多かった。
圧電定数より耐電圧の方が重要だとか、次回検討しよう。
これにて私の海外における初の国際学会報告および卒業旅行は完了である。
以下旅のエピソード。。。。
<成田出国~アメリカ入国>
成田からアトランタまでの唯一の直行便であるデルタ航空を利用、利用者の内、
日本人は数%、アメリカ人や韓国人やメキシコ人などが多い。
私の席の隣もメキシコ人夫婦だった。
私の体が小さく見えるほど2人ともかなりダイナマイトボディーだった。
よくまあ、こんな小さい椅子に座れるものだと感心した。
この飛行機に前田先生も乗っているのだが、先生はビジネスクラス、
この時ばかりは、かなりうらやましく感じた。
出発から13時間、ちょっと眠り、最初から期待していない機内食を食べ、
映画を見るを3回繰り返した後にようやくアトランタ到着。
入国審査は、ほとんど時間がかからず、スムーズに完了、同飛行機に乗り合わせた
産総研の人たちと一緒にみんなでホテルへ行きました。
ちなみに我らが勇者トミーは、1人シカゴ経由のJALで行ったのだが、
案の定、入国審査に3時間以上かかり、乗り継ぎ飛行機に乗れず、次の便で到着、
レセプションの終わるころやってきた。
入国審査の際に10ブースあるのに3ブースしか開いていなかったとか、
さすがアメリカ、日曜日だけに公務員はルーズ。
トミー曰く、JALのスチュワーデスは美人だったとか、それは唯一の癒しだね。
デルタ航空は、おばあさんとおじいさんだったよ。。。(おわり)
宿泊ホテル 兼 開催会場
講演会場
大盛況だった布製ポスター
(NMEMS 瓜生)
(残り2日)。本大会は圧電・発電素子に関する国際学会である。
今年は、投稿数177件、採択138件(内訳 オーラル56件、ポスター82件)、
内NMEMSからは本日、私と富松君が各1件ポスター発表を行った。
2人のポスター報告は、かなり人だかりができるほど、色々な人に興味を持ってもらえた。
最大の要因は、ポスターが布で印刷されていたことである。
「これは持ち運びに便利だね!」「これはどうやったの?」
本当は外注したのだが、「私は印刷会社だからこんなことは簡単だ」と言っておいた。
話の機会にたっぷり私の拙い英語で、研究内容を説明し、しっかり分かってもらった。
興味を持って聞いてきた人は、先生方や学生が多かった。
圧電定数より耐電圧の方が重要だとか、次回検討しよう。
これにて私の海外における初の国際学会報告および卒業旅行は完了である。
以下旅のエピソード。。。。
<成田出国~アメリカ入国>
成田からアトランタまでの唯一の直行便であるデルタ航空を利用、利用者の内、
日本人は数%、アメリカ人や韓国人やメキシコ人などが多い。
私の席の隣もメキシコ人夫婦だった。
私の体が小さく見えるほど2人ともかなりダイナマイトボディーだった。
よくまあ、こんな小さい椅子に座れるものだと感心した。
この飛行機に前田先生も乗っているのだが、先生はビジネスクラス、
この時ばかりは、かなりうらやましく感じた。
出発から13時間、ちょっと眠り、最初から期待していない機内食を食べ、
映画を見るを3回繰り返した後にようやくアトランタ到着。
入国審査は、ほとんど時間がかからず、スムーズに完了、同飛行機に乗り合わせた
産総研の人たちと一緒にみんなでホテルへ行きました。
ちなみに我らが勇者トミーは、1人シカゴ経由のJALで行ったのだが、
案の定、入国審査に3時間以上かかり、乗り継ぎ飛行機に乗れず、次の便で到着、
レセプションの終わるころやってきた。
入国審査の際に10ブースあるのに3ブースしか開いていなかったとか、
さすがアメリカ、日曜日だけに公務員はルーズ。
トミー曰く、JALのスチュワーデスは美人だったとか、それは唯一の癒しだね。
デルタ航空は、おばあさんとおじいさんだったよ。。。(おわり)
宿泊ホテル 兼 開催会場
講演会場
大盛況だった布製ポスター
(NMEMS 瓜生)
2012年11月24日土曜日
ハワイのコンビニエンスストア調査
11月15日(木)の午後8時前に成田を出発し、同日午前8時前にホノルル国際空港に到着。
ホテルに着いたのは、同日、午前9 時・・・・・・。ホテルはセブンイレブン指定で、アラモアナショッピングセンタのそば。チェックインをしたが、部屋が空いていないとのこと。セブン イレブンハワイに電話したところ、会議中で11時ごろ迎えに行くとのこと。どうすればいいの?冬の服装のまま、ホテルのレセプションの前で、服を脱ぎ、夏服に着替える。荷物を預けても、まだ1時間以上の時間が。仕方がないので、まず喫煙所を探し、一服。ホテルの前のショッピングモールを散策。
10:30 頃迎えが来る。そのまま、一店舗目に向かう。ハワイは交通渋滞がひどいので、帰りを考えて西側から始めるとのこと。ホノルル国際空港を通り過ぎて、一路西 に。最初のお店は、ハワイ店舗売り上げで第2位のお店だそうだ。生活保護をもらっている人が多く住む、治安が良くないマカハ地域。お店に入り、分電盤を。全然違う、日本と。あらかじめわかっていたけど。テスターを使って、線間の電圧をはかる。すべて、3相4線の分電盤と判明。“主幹”がない!エアコンや冷凍・冷蔵庫といった日本で取り付けているブレーカがない(-_-;)主幹は店の外の壁に。それを開けるには、すべての電源を落とさなければダメだということがわかる。エアコンや冷凍機の室外機は屋上にあり、そのそばにブレーカがあることが判明。脚立と梯子を使って屋上に。最初から、なんときつい労働を。
2日目は、ダウンタウンから東のお店に設置。途中、サーフィンで有名な場所を通る。中級者以 上向きで、背骨や首を痛めることが多いとか。確かに、波は激しい。朝食は、セブンイレブンで、おすすめのサンドイッチを購入。移動途中で食べる。疲れが 残っているのか、センサ設置がいい加減になっている・・・・。昼食もセブンイレブン。人気のお寿司を、また車の中で食べる。どうにか、7店 舗を回り、午後3:00過ぎには終了。セブンイレブンハワイの事務所に入り、後片づけと、今後のスケジュール等について打ち合わせ。セブンイレブンハワイ のメンバーと懇親会があるので、このまま事務所にいるか?と聞かれたが、たばこを吸いたいので、ホテルに送ってもらう。懇親会のレストランにも自分で行く と言って、やっと一人に。ホテルに4時過ぎに着く。懇親会の会場まで、歩いて30分。眠ったら遅れそうなので、荷物を置いて、すぐ外にでる。アラモアナのショッピングモールを抜けて、海岸に。初めてのハワイの海岸。泳いでいる人もちらほら。海水に手をつけると、暖かい。気温は涼しいが、これなら泳げる。
時間がないので、懇親会の会場に。会場は、地元の人が集まるバー。これは僕の希望。B級グルメが好きだからと言って、とってもらった。行っても誰も来ていない?予約をしているといっても、通じない(これは英語力の問題か?)。しかたがないので、カウンターに座って、一人でビールを飲み始める。バカヤロー・・・・・
明らかになったのは、日本の見える化システムは、ガラパゴスだということ。今の2.4GHzじゃ、アメリカに対応できないね、確実に。
(つくばセンター交流研究員 藤本)
ホテルに着いたのは、同日、午前9 時・・・・・・。ホテルはセブンイレブン指定で、アラモアナショッピングセンタのそば。チェックインをしたが、部屋が空いていないとのこと。セブン イレブンハワイに電話したところ、会議中で11時ごろ迎えに行くとのこと。どうすればいいの?冬の服装のまま、ホテルのレセプションの前で、服を脱ぎ、夏服に着替える。荷物を預けても、まだ1時間以上の時間が。仕方がないので、まず喫煙所を探し、一服。ホテルの前のショッピングモールを散策。
10:30 頃迎えが来る。そのまま、一店舗目に向かう。ハワイは交通渋滞がひどいので、帰りを考えて西側から始めるとのこと。ホノルル国際空港を通り過ぎて、一路西 に。最初のお店は、ハワイ店舗売り上げで第2位のお店だそうだ。生活保護をもらっている人が多く住む、治安が良くないマカハ地域。お店に入り、分電盤を。全然違う、日本と。あらかじめわかっていたけど。テスターを使って、線間の電圧をはかる。すべて、3相4線の分電盤と判明。“主幹”がない!エアコンや冷凍・冷蔵庫といった日本で取り付けているブレーカがない(-_-;)主幹は店の外の壁に。それを開けるには、すべての電源を落とさなければダメだということがわかる。エアコンや冷凍機の室外機は屋上にあり、そのそばにブレーカがあることが判明。脚立と梯子を使って屋上に。最初から、なんときつい労働を。
これが主幹ブレーカ??
エアコンのコンプレッサーとブレーカ
これが分電盤
分電盤をあけたところ。設備とブレーカの関係がよくわからない。
店内の様子。日本の違ってゆったりしてい
センサとバッテリー駆動の受信機を適当にセットして、2件目に向かう。お昼を食べている時間がないから、セブンイレブンのハワイで評判のおにぎりを買って、店の前で食べる。そこから東に向かい、各店舗に設置。結局目標の5店舗に届かず、4店舗で終了。2日目は、8時にホテルを出発とのこと。2日目は、ダウンタウンから東のお店に設置。途中、サーフィンで有名な場所を通る。中級者以 上向きで、背骨や首を痛めることが多いとか。確かに、波は激しい。朝食は、セブンイレブンで、おすすめのサンドイッチを購入。移動途中で食べる。疲れが 残っているのか、センサ設置がいい加減になっている・・・・。昼食もセブンイレブン。人気のお寿司を、また車の中で食べる。どうにか、7店 舗を回り、午後3:00過ぎには終了。セブンイレブンハワイの事務所に入り、後片づけと、今後のスケジュール等について打ち合わせ。セブンイレブンハワイ のメンバーと懇親会があるので、このまま事務所にいるか?と聞かれたが、たばこを吸いたいので、ホテルに送ってもらう。懇親会のレストランにも自分で行く と言って、やっと一人に。ホテルに4時過ぎに着く。懇親会の会場まで、歩いて30分。眠ったら遅れそうなので、荷物を置いて、すぐ外にでる。アラモアナのショッピングモールを抜けて、海岸に。初めてのハワイの海岸。泳いでいる人もちらほら。海水に手をつけると、暖かい。気温は涼しいが、これなら泳げる。
サーフィンで有名な場所?ベローズ・フィールドビーチ
時間がないので、懇親会の会場に。会場は、地元の人が集まるバー。これは僕の希望。B級グルメが好きだからと言って、とってもらった。行っても誰も来ていない?予約をしているといっても、通じない(これは英語力の問題か?)。しかたがないので、カウンターに座って、一人でビールを飲み始める。バカヤロー・・・・・
懇親会に行く前に立ち寄ったアラモアナビーチ
写真右手前がセブンイレブンハワイのCEOのグレッグ。
そのうち、メンバーが集まり、懇親会が始まる。SEJハワイの社長の前で、何をしゃべればいいの?僕は、偉大な哲学者だ、とかアインシュタインの生まれ変わりだ、とか適当な話をして、時間を過ごす。来年の3月までに、産総研のメンバーがまた来る、とか適当なことを言って別れる。終わった~~~っ!データが取れているかどうか、うまく解析できるかどうか心配だが、考えないでおこう!!日本には日曜日の夕方4時過ぎに着く。賞味1.5日で、オアフ島の10店舗にセンサ100個以上、受信機30台を設置した。日本に着いたら、SEJハワイのCEOとセブンイレブンジャパンの役員から、非常に丁寧なお礼のメールが。そんなに期待されても、困るんですけど・・・・・明らかになったのは、日本の見える化システムは、ガラパゴスだということ。今の2.4GHzじゃ、アメリカに対応できないね、確実に。
(つくばセンター交流研究員 藤本)
2012年11月6日火曜日
電気学会第29回センサシンポ 企画セッション「グリーンセンサ」でPJ成果を報告
北九州市のシンボル小倉城
第29回「センサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウム(通称センサシンポ)」が、2012年10月22日から24日の日程で北九州国際会議場および西日本総合展示場で開催された。24日午後に、企画セッション「グリーンセンサ」を開催した。6件の発表すべてを招待講演とし、うち4件をGSN-PJの報告とした。(他の2件もPJ参画の企業からの発表)。シンポジウムの最終日最後のセッションにもかかわらず100名近くの聴衆を集め、関心の高さが伺えた。本セッションでグリーンセンサの現状、およびGSN-PJの目的、狙い、解決手段は理解されたものと考えます。
6件の発表は以下の通り。
3D3-1 『現状のグリーンセンサ技術とMEMSへの期待』
積 知範 オムロン(株)
3D3-2 『業務用車輌の省燃費化を狙ったセンサと制御システム』
大原淳士、加藤久弥、安部克則、高須賀直一、磯貝俊樹 (株)デンソー
3D3-3 『グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト』
伊藤寿浩1,3、谷岡明彦2,3、前田龍太郎1,3
1産業技術総合研究所、2東京工業大学、3NMEMS 技術研究機構
3D3-4 『グリーンセンサネットワークの実証「セブンイレブンの例」』
藤本 淳1、古澤真吾2、鈴木章夫1
1(独)産業技術総合研究所、2セブン-イレブン・ジャパン
3D3-5 『スマートオフィスに向けたグリーンセンサと空調技術』
西野 淳、鈴木雅富、橋本 哲
ダイキン工業(株)、NMEMS 技術研究機構
3D3-6 『グリーンセンサ用低消費電力アナログフロントエンド回路』
藤森 司1,2、大島 俊1,2、後藤 康1,2、伊藤寿浩1,3、前田龍太郎1,3
1NMEMS 技術研究機構、2(株)日立製作所、3(独)産業技術総合研究所
産総研伊藤先生のGSN発表
補足: 本会議は機械学会、応用物理学会などとの共催で、日本最大のセンサとマイクロマシンに関するシンポジウムであり、国際会議と比較してもそん色のない規模・内容の会議である(但し公式言語を英語としていないため、海外からの参加者はごくわずか)。本年は参加者が初めて600名を超えるなど、センサの重要性への認識がさらに深まってきたのではないかと考える。次回は仙台市で開催の予定。
NMEMS技術研究機構 今仲行一
2012年10月28日日曜日
MNE2012参加
38nd International Conference on Micro & Nano Engineering (MNE2012)が、9月16日から20日まで、フランス・トゥールーズのピエール バーディス コングレス センターで開催された。MNEはマイクロプロセス・ナノテクノロジーの国際学会として、日本のMN、米国EIPBNシンポジウムと共に最先端・最新研究が多く投稿される学会である。
今年の会議は15日時点で、参加登録数が597名(参加者が多い順にフランス:104名、ドイツ:83名、日本:82名)と発表があった。参加者数の点で言うと2年前に参加したMNE2010とそれほど減少していなかった。日本からは研究・販売拠点を有する日本の大手装置メーカからの参加者が数多く見受けられた。彼らの話によると、この学会をEUの顧客とのユーザミーテイングの場にしているとのことである。また、彼らによると、半導体産業での市場拡大が難しいので、センサ、バイオ分野への展開を模索しているとのことである。プログラムは、1.マイクロ・ナノリソグラフィ(127件)、2.マイクロ・ナノファブリケーション(215件)、3.マイクロ・ナノシステム・デバイス(118件)、4.バイオ・医学・化学用マイクロ・ナノファブリケーション(150件)の4つのカテゴリに分かれていた。(括弧の数字は提出されたアブストラクト数)。
MEMS・センサに関する発表としては、2010年のMNEではナノワイヤーを使ったガスセンサの製造プロセスに関するものが見られたが、今回は影を潜め、バイオセンサ、マイクロ流路に関する発表が主流であった。また、EB装置にMEMSを使うという発表が2件ほどあり、マルチビームをMEMSで制御するのかと期待したが、内容的にはMEMSプロセスを光学系の部品を作成したというものであった。リソグラフィに関しては、ナノインプリントの発表が大半を占めていた。これまでは、半導体デバイスの微細加工用途への期待もあり、300mm装置・プロセスの開発に関する発表が数多く見られたが、今回はそのような発表はなく、例えば大面積のフレキシブル基板(PETフィルム)にロールtoロールで100nm以下の3D構造を高速(1m/min)で作製するプロセスのように、有機半導体、TFT部材加工の発表が目立っていた。それ以外では、2光子励起によるマイクロ加工を300mmウエハで行う発表があった。まだ研究室で部品を集めてマルチビームシステムを作ったようなので、今後、そのような高速造形システムが装置化されて、低コストの加工プロセスとしてなりうるか注目していきたい。
我々のプロジェクトでもフレキシブル基板上に配線加工、機能集積化することが最終目標であることから、引き続き大面積の高速ナノインプリント技術、材料の開発動向の把握に努めていきたい。
(逆水登志夫@NMEMS技術研究機構)
MNE会場のピエールバーディス カンファレンスディナー会場の
コングレスセンター 「宇宙都市」を意味するシテ・ド・レスパス
ラベル:
NMEMS技術研究機構本部
2012年9月24日月曜日
Electronics Goes Green 2012+へ参加
2012年9月9-12日ベルリンで開催されたElectronics Goes Green 2012+にて「スマートコンビニ」に関する研究成果を発表した。これは、電子・電気業界の「環境技術」に関する会議であり、2000年より4年に一度(オリンピックの開催年)行われている。Fraunhofer IZM主体となり、CARE(Comprehensive Approach for the Recycling and Eco-efficiency of Electronics) Innovation (これも4年に一度、サッカーワールドカップの年にウイーンで開催) 、IEEE ISSST(USA)およびEcoDesign (日本)と協力して会議を開催している。
本年度は、従来とは場所を変え、ベルリンの南西部に位置するダーレムのSEMINALCAMPUS HOTELで開催された。保養所や別荘地が多い、のんびりした雰囲気の地域であった。
約200件の講演(ポスターも含む)と展示会が併設されていた。3日目の午前中に、「Power Monitoring using Wireless Sensor Nodes as an Effective Contribution to Power Saving in Convenience Stores」と題して25分の発表を行った。コンビニはヨーロッパではなじみが少ないので、マクロな知見、「「無線」と「省エネ」技術の普及には、「お手入れ型」研究手法が必要である」という点を主張しておいた。導入コストおよび経済的メリットに関する質問が多かったが、「お手入れ型」研究について関心をもったマスメディアもいた。
この会議の特長は、「法規制」「リサイクル」および「電子・電気業界」の3つのキーワード で表される。エネルギー関連の講演数は最近増えているが、ITおよびデータセンタのグリーン化に集中する傾向が見られる。今回のプロジェクト関連では、「熱発電を用いた自立型無線センサによる機械の状態のモニタリング」の展示や発表(Fraunhofer IZM)が最も興味深かった。
本年度は、従来とは場所を変え、ベルリンの南西部に位置するダーレムのSEMINALCAMPUS HOTELで開催された。保養所や別荘地が多い、のんびりした雰囲気の地域であった。
約200件の講演(ポスターも含む)と展示会が併設されていた。3日目の午前中に、「Power Monitoring using Wireless Sensor Nodes as an Effective Contribution to Power Saving in Convenience Stores」と題して25分の発表を行った。コンビニはヨーロッパではなじみが少ないので、マクロな知見、「「無線」と「省エネ」技術の普及には、「お手入れ型」研究手法が必要である」という点を主張しておいた。導入コストおよび経済的メリットに関する質問が多かったが、「お手入れ型」研究について関心をもったマスメディアもいた。
この会議の特長は、「法規制」「リサイクル」および「電子・電気業界」の3つのキーワード で表される。エネルギー関連の講演数は最近増えているが、ITおよびデータセンタのグリーン化に集中する傾向が見られる。今回のプロジェクト関連では、「熱発電を用いた自立型無線センサによる機械の状態のモニタリング」の展示や発表(Fraunhofer IZM)が最も興味深かった。
ゴミで出来た「芸術?」
会場の中庭
NMEMS 藤本
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