42科80属104種の木本性植物の葉の水抽出液(オートクレーブ抽出液)を添加した培地において,Microcystis aeruginosaの増殖抑制率を調べた。オートクレーブ抽出液に含まれるポリフェノール量をFolin-Denis法によって定量し,増殖抑制率との関連を検討した。その結果,14種において高い増殖抑制効果を認め,それらのうち12種を本研究において新たにみつけた。概して,抽出液中のポリフェノール量が多い植物ほど増殖抑制効果が高く,半数効果濃度が低い傾向がみられた。また,植物の分類群や生活形は増殖抑制効果やポリフェノール量と関連しなかった。以上より,分類群や生活形に関わらず,ポリフェノールを多く含む葉の抽出物は,Microcystis aeruginosaの増殖抑制に高い効果を示すことが示唆された。