東京大学大学院総合文化研究科・教養学部
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2024 年 65 巻 3 号 p. 144-150
生命科学や医学を学ぶ大学生は,早期に動物のからだの成り立ちと構造,機能を理解する必要がある.そのための学習手段のひとつとして,大学では動物を用いた解剖実習が行われている.解剖実習に使用される生物としてカエルやザリガニが普及しているが,従来報告されている麻酔方法には安全性と使いやすさに改良の余地があった.また,よく用いられてきたアメリカザリガニは法規制の変更に伴い,解剖に適した大きな個体の入手が困難になりつつある.本研究では,ウシガエルおよびウチダザリガニを教材として用い,麻酔方法の改良を通じて,従来よりも実施しやすい解剖方法の開発を目指した.適切な麻酔の選定により,心臓をはじめとする器官の機能を維持した形での解剖を可能にした.これにより,後口動物および前口動物における消化器系,循環器系,泌尿生殖器系,神経系の観察と,各種器官の機能連関を考察可能な実習方法を確立できた.