・洪水緩和機能は、森林が洪水流出ハイドログラフのピーク流量を減少させ、ピーク流量発生までの時間を遅らせ、さらには減水部を緩やかにする機能水資源貯留機能
・治水上問題となる大雨のときには、洪水のピークを迎える以前に流域は流出に関して飽和状態となり、降った雨のほとんどが河川に流出するような状況となることから、降雨量が大きくなると、低減する効果は大きくは期待できない。
・このように、森林は中小洪水においては洪水緩和機能を発揮するが、大洪水においては顕著な効果は期待できない。
・水資源貯留機能は、無降雨日に河川流量が比較的多く確保される機能?A治水・利水計画について
・しかし、流況曲線上の渇水流量に近い流況では(すなわち、無降雨日が長く続くと) 、地域や年降水量にもよるが、河川流量はかえって減少する場合がある。このようなことが起こるのは、森林の樹冠部の蒸発散作用により、森林自身がかなりの水を消費するからである。
・治水・利水計画は、森林の機能でカバーし得ない流況変動に対して、ある水準までは安全・安定を確保したいとする要求への対応計画である。(注)日本学術会議
・あくまで森林の存在を前提にした上で治水・利水計画は策定されており、森林(自然的調整)とダム(人工的調節)の両方の機能が相まってはじめて目標とする治水・利水安全度が確保されることになる。