6月5日深夜24:00......というか、6月6日深夜零時。
NHK−BS2で「巨大建造物シリーズ第2弾 ダムナイト」が厳かに幕を開けた。
厳かに、と言うと、語弊があるかも知れないが、やはりダムのどっしりした風格は「厳か」という言葉が似合うように思う。
まずは今年4月1日に行われた「滝沢ダム」の試験放流の話題から。「ダムサイト」の萩原さんの密着取材という感じで撮影スタッフ一同、滝沢ダムへ向かう。
現場に着くと、放流鑑賞ポイントを求めて萩原さんは走り回る。
映像では、滝沢ダムの放流シーンもたっぷり見せてくれた。
そして、スペシャルゲスト・国土交通省の川崎秀明さん提供の「苫田ダム」試験放流の映像。ラビリンス堰の越流シーン......これはなかなかの貴重映像である。
続いてDVD「放流」の映像が続く。風屋、宇奈月、稲核、豊稔池、白水、矢木沢......。
次には会場の皆さんに、ダムの魅力を聞く。
それぞれの魅力を感じる視点が興味深い。「自然の驚異を一気に引き受ける’キャプテン’のような存在」だとか、「巨大なのに妙になめらか」「ダムの周りの地形が好き」、中には「宮崎駿っぽい」という意見もあった。
そんなダムの情報をどこから仕入れるの?というMCビビル大木の質問に、萩原さん、宮島さんがおもむろに取り出したのが、「ダム年鑑」。萩原さん曰く、「ダムマニアならみんな持っていると思うんですけど......」。
そして、ゲート総覧。ここまでくると、専門家以上じゃないだろうか。
(スタジオまで持って行くのが重かったでしょうね。)
次の話題は「ダムカード」。会場には現在発行されているすべてのダムカード122枚を貼り付けたパネルが登場した。さすがに122枚すべてが揃うと壮観で、パネルの横に立った萩原さんも喜びと驚きの入り交じった表情だった。幻のレアカード「二瀬ダムスペシャルカード」も紹介されたが、宮島さんはしっかり手に入れているという。このカードは浦山、合角、滝沢、二瀬のカード4枚との
交換で手にはいるらしい。
続いて、宮島さんによる「ダムカレー」の『施工』実演。アーチダムカレーではオーバーハングという言葉まで出てきた。さすが、ダムマニアである。
今度は会場のダムファン、ダムマニアに、「マイ・フェイバリット・ダム」(私のいちばん好きなダム)を聞く。
やはり、黒部ダムは外せない、ということで黒部ダムが最初に紹介された。確かに、いくらダムのことを知らない人でも黒部ダムの名前を知らない人はほとんどいないだろう。黒部ダムの次は、新丸山ダムによって姿を消す運命の丸山ダム(岐阜県)が紹介された。
ゲストの川崎さんは、岩手県の田瀬ダムを一押し。川崎さんは、要所要所で専門家らしい説明を加えて、素人でもよく分かるようにわかりやすく解説されていた。その説明を聞いて、「へぇ〜」というため息とも感慨とも言えない声が会場から漏れる。
宮島さんは奈良俣ダム、萩原さんは宮ヶ瀬ダムを「マイ・フェイバリット・ダム」に押す。その理由は......これは「テーマページ」や「月刊ダム日本」を読んでいただければ分かると思うので割愛する。
40分弱という短い時間なので、まだまだダムについて語り切れていないと私は感じた。ダムの魅力はもっともっと奥深いと思うのだが、いずれにしても、なにはともあれ、まずはダムに実際に行ってみることだ、とあらためて思った。
ダムは、テレビや本で見ているだけでは駄目だ。まずは実物ありき。この番組を見て、今週末、ダムを訪れてみようと思った人が結構いるのではないか、と思う。かくいう私もその一人であることは言うまでもない。
(2008年6月6日、池ちゃん)