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大川ダム

福島県
2007年08月20日

国土交通省所有の多目的ダム。
重力式コンクリートと、ロックフィルを組み合わせたコンバインダムという、珍しい型式。
右岸側の一部がロックフィル、他が重力式コンクリートとなっている。
洪水調節や、上水道用水確保の役割などの他に、発電という大きな役割を持っている。
このダムには発電所が2つあり、一つは東北電力の大川発電所、もう一つは電源開発の下郷発電所となる。
下郷発電所は揚水式の発電所で、この大川ダムを下部ダム、山一つ隔てた所にある大内ダムを上部ダムとしている。
大川発電所は、最大45m3/sの水を使い21,000kWの発電を、下郷発電所は最大314m3/sの水を使い、100万kWの発電をおこなっている。
阿賀野川本流にかかるダムらしく、放流設備も充実しており、クレスト部にはラジアルゲートが4門、常用洪水吐として、 コンジット部に高圧ラジアルゲートを5門装備している。
選択取水設備も装備し、ここから取水された水は大川発電所に導かれる。
他、低水放流設備として、ジェットフローゲートを1条装備している。
コンジットゲートの予備ゲートが、スペースの都合からか古風な造りになっている。
最近のダムでは、予備ゲートが呑口の上部に設置されていて、そのまま降ろす構造になっているが、このダムは、 ゲートが別の場所に収納されており、使用時はクレーンを使って定位置に運ぶ仕組みになっている。
ダムの資料館や発電所の資料館などもあるので、ゆっくりとダム巡りを楽しむ事ができるおすすめのダムだ。


下流より堤体を眺める。
写真では切れてしまっているが、左の部分がロックフィル部。
コンクリート部も特徴的で、多少「く」の字に折れ曲がっている。

上流側より堤体を眺める。
一番奥が選択取水設備。その隣に、非常用洪水吐のラジアルゲートが4門。 その手前に、コンジットゲートの予備ゲートが2門見える。
予備ゲート使用時は、一番手前に見えるクレーンを使い、 非常用洪水吐の下にある定位置に運ばれる。

堤体右岸のロックフィル部。
芝生が植えられ、公園の一部になっていた。

下流直下より堤体を眺める。
直下は広場になっており、堤体に触れる事ができる。

コンジットゲートの吐口。
中央3つには丸形のスポイラーがついている。
左右の吐口の位置は、クレストからの導流壁の中央にある。
なんか変だ。

天端を眺める。
徒歩でのみ通行可能。
実はこの天端、左右だけでなく、上下にうねっている。

選択取水設備。
とても巨大だった。

コンジット予備ゲートを動かすためのクレーン。
国交省のダムでは珍しい施設だと思う。

下郷発電所の放流部。
揚水時は、ここから水を汲み上げる。
白い建物は下郷発電所。

ダム湖の様子。
国道沿いだが、落ち着いた雰囲気。

天端より減勢工を見下ろす。
直角に曲がっているのが特徴的。
この先、また直角に曲がるのだ。
手前右側に見える赤い建物は、大川発電所。

減勢工の直角部分。
近くで見ると、その大きさに驚くだろう。

上写真のすぐ下流部分。
またもや直角に曲がっている。
手前からの水路は、大川発電所からの水路。
奥からの水路は、上の写真(洪水吐)からの水路。


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スペック

ダム名 大川(おおかわ)ダム
ダム型式 重力式コンクリート・フィル複合
河川名/水系名 阿賀川/阿賀野川水系
着工年/完成年 1971年/1987年
用途 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/かんがい用水/上水道用水/工業用水/発電
堤高 75.0m
堤頂長 406.5m
堤体積 1,000,000立方m
流域面積 825.6平方km
湛水面積 190ha
総貯水容量 57,500,000立方m
有効貯水容量 44,500,000立方m
ダム湖名 若郷湖(わかさとこ)
管理 国土交通省
本体施工者 鹿島建設・大林組

水位

設計洪水位
洪水時最高水位(サーチャージ水位) EL 391.0m
平常時最高水位(常時満水位) EL 380.0m
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) EL 373.0m(6月21日〜10月10日)・EL 370.0m
最低水位 EL 359.0m

放流設備

用途形状サイズ放流能力
非常用洪水吐ラジアルゲート×ばつ4門1,800m3/s
常用洪水吐高圧式ラジアルゲート×ばつ5門2,600m3/s
低水放流設備ジェットフローゲート×ばつ1条56m3/s
選択取水設備シリンダー4段ゲートΦ3.850m〜Φ4.600m45m3/s
発電所使用水量下郷発電所(電源開発)314m3/s
発電所使用水量大川発電所(東北電力)45.000m3/s

アクセス

磐越自動車会津若松ICより、国道121号線を会津若松市街方面に向かう。
するとすぐに、国道49号線にさしかかるので、ここを左折。
線路を潜るとすぐに、国道118号線が右手に別れるので、ここは国道118号線を選ぶ。
会津若松駅前を通り越し、そのまま国道118号線沿いに進む。
先ほどの交差点から、19kmほど走ると、芦ノ牧温泉に下る交差点にさしかかる。
ここからが要注意だ。
トンネルを抜け、300mほどの場所に、右手に下る旧国道があらわれる。
ここを右に。
意味不明な信号を通り越し、しばらく走ると、目の前に大川ダムが現れる。
堤体直下や、天端横など、色々駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
また、旧国道に入らずに、そのまま直進しても、ダムを見逃す事はない。
電源開発の資料館があるので、ここを目安にすると良いだろう。
資料館に車を停めて見学する方法もある。


みどり湖ダム
千振ダム

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