あにきにっき
8/30に愛知県知多市の「ふのブルーベリーガーデン」で野外上映会がありました。
ふのブルーベリーガーデンは、ブルーベリー狩りや音楽ライブなどのイベントも開かれている畑で、2023年から毎年夏に池谷先生の作品の野外上映会が行われています。
今年は『蟻の兵隊』の前日に『ちづる』を上映してくださることになり、74名のお客さんにお越しいただきました。
当日はおかげさまでよく晴れて、名古屋では40°Cの記録的猛暑日になりましたが、畑は風が吹き抜けて心地良く、巨大スクリーンの陰で意外と涼しく過ごせました。
お客さんは上映前にブルーベリーを摘み取りをしたり、芝生の上のシートやキャンピングチェアでゆったりと座られていて、ピンク色の夕焼けが染まるチルな雰囲気の中上映が始まりました。
近隣は住宅がないため音量が大きくても気兼ねなく、機材もとても良いものをご用意いただいて素晴らしい音響環境で上映していただきました。
遠くで花火大会の音が小さく聞こえるのも趣があって、中盤のピアノのBGMが流れるシーンでは畑の鈴虫の合唱と重なっていたのがとても美しく感じて胸がジーンとしました。
空が暗くなるにつれて月や星もよく見えて、暗がりでより映像が際立っていき引き込まれました。布野さんご夫婦お手製の巨大スクリーンは、縫い目もシワもひとつもなく真っ白で映像がとてもきれいでした。
ひとつ面白かったのが、母と妹がお金を巡ってケンカをするシリアスなシーンの時に大きなカマキリがスクリーンに留まり、取っ組み合いをしている母の背中をのそのそとよじ登っているのが見えてなんだかとても和みました。笑
生まれて初めて体験した野外上映、しかも自分の作品を上映していただいて、それをご覧になっているお客さんの笑い声が聞こえる...本当に幸せな光景でした。
上映後のトークショーは池谷先生と僕に加えて、今回母も初めて参加することになっていました。
...が、
上映会前夜、母からの電話があり
「今急にちーちゃんが帰ってきちゃった!」
「...え!?」
どうやらグループホームへ帰らず勝手に実家にきてしまったそうです。本人は「今日は泊まって明日グループホームに帰る」と言っていて、グループホームの職員と相談して翌日夕方に迎えにきてくださることになりました。
ということで、母は実家から離れられなくなり急遽ビデオ電話での参加になりました。
当日トークショーが始まる時間の前に妹は職員さんとグループホームへ帰り、母は無事に遠隔で参加することができました。
母がスクリーンに大写しになってしゃべっている間は、変なこと言わないか身内としてはハラハラしましたが、妹と2人暮らしをしていた時期について具体的なエピソードも交えて赤裸々に話してくれて、僕も初めて知った話もあり面白かったです。
トークショーが終わった後は、お客さんと焚き火を囲んでじっくりお話しました。
本当に濃厚な1日でした。
当事者の方やご家族、教育職・福祉職の方、池谷先生の作品のファンの方、ちづる上映委員会リーダーのササキくんなど、色々な地域からご参加いただいてお会いすることができて感無量でした。
布野さんご夫婦、ご協力いただいた皆様、素敵な上映会を開いてくださりありがとうございました!
6/29に船橋で上映会&語らいカフェがありました。
主催してくださったのは、同じくきょうだいの立場で、上行寺というお寺の副住職をされている遠山玄秀さん。
「親あるあいだの語らいカフェ」というイベントを開いて、ゲストを囲んで話を聞きながら参加者の方が気軽に胸の内を話せる場を作っていらっしゃいます。
遠山さんとのご縁を繋いでくださったのは、妹がお世話になっているグループホームを経営されている友野剛行さん。
そう、妹はいま船橋のグループホームに入っています。
今月から入ったばかりですが、早速色々お騒がせして職員さんにはご迷惑をおかけしております...。
引越し当日は職員さんとニコニコで実家を出て、翌日も作業所の仕事をがんばっていたらしいのですが、他の利用者さんのことをこわがるようになってだんだん作業所に入れなくなってしまったり、勝手に抜け出してショッピングモールに行ってしまったり、等...。
妹が新生活をスタートしてから3週間後、職場からの帰宅中に妻から連絡がありました。
「ちーちゃん、なぜか玄関前にいて今日ウチに泊まるって言ってるんだけど...」
「えっ!?!?」
長年好き勝手にやってきた生活とのギャップに耐えかねて、普段は嫌っているはずの兄貴まで頼って逃げてきたようです。
電車に乗ってきて、駅を降りてからは記憶だけを頼りにさまよいながら。ようやく辿り着いて安堵したのか、やけに上機嫌な様子とのこと...。
グループホームの方に相談したところ、ここで家に上げてしまうとクセになってしまうので今が踏ん張りどころ、というアドバイスをいただきました。妻とバトンタッチして僕から妹にグループホームに帰るよう直接説得することになりました。
いざ妹を目の前にすると不思議な気持ちになりました。
たまに実家に帰っても僕がいると絶対自分の部屋から出てこない妹が、なぜか我が家の前に立っている...。
兄妹2人きりになるのは何年ぶりだろ...。
感慨深いような、切ないような複雑な気持ちになりました。
「早くドア開けて〜」とヘラヘラしている妹に、僕は心を鬼にして「急に来られてもみんな困る。今日は泊められない」「今日はグループホームに帰って」と返しました。
妹の話を聞いたり、説得したりしているうちに表情がどんどん曇っていき、自分の思い通りにならないことを悟って「やだ!帰らない!」「もう(グループホーム)、蹴る!」と大声で泣いたり怒ったりするようになりました。
らちが明かないので、またグループホームの方に相談すると、驚きましたが「警察に協力してもらいましょう」と言われました。グループホームの方が迎えに行ってしまっても結局同じことになる、と。まぁ、たしかに...。
震える手で生まれて初めて110番しました、しかも「妹を連行してください」と...。
警察官4,5人の方が来てくれて、初めは丁寧に説得を試みてくれましたが、やはり玄関前に座り込んでいたので、お願いしてパトカーまで連れて行ってもらいました。かなり抵抗していたので、最終的に僕も背中を押して車に乗せました。乗った後は諦めたのかブスッとしたまま静かに前を睨んでまま座っていて、僕が「グループホームの人とよく話し合いなよ!」と言っても目もくれず黙って行ってしまいました。
車を見届けた後、急にどっと疲れを感じてその日は早々に寝てしまいました。夜警察から電話があったことにも気づかず...。後で聞かされたのですが、妹はその後宣言通りグループホームの扉を蹴破ってしまい、職員さんにも暴力をふるってしまった、とのことでした...。
そんなことがあってから一週間も経たないうちの上映会で、友野さんもグループホームの職員さんも会場にお越しいただいていたので、申し訳なくてどんな顔したらいいのかと、とても緊張しました。
でも友野さんは笑顔で「大丈夫ですよ!楽しんでいますよ!」と明るく言ってくださり、職員さんも「ちづるさんのことをもっと知りたいと思う」と言ってくださっていて安心しました。
そして今回は母も語らいカフェから参加することができました。
上映会イベントで妹なしで母が一緒なのは初めてで、正直なんだかやりにくかったですが、
妹の様子と、職員さんたちがどんな思いを持って支援してくださっているのかを一緒に聞くことができてよかったです。
上映会には20名ほどのお客さんがお越しくださり、障害を持つ方とその親御さん、きょうだいの方、障害を持つ方と様々な形で関わりのある方、引きこもりの方のご家族、デイサービスの方、色々な立場の方のお話をじっくりすることができました。
いつもは自分のことでいっぱいいっぱいですが、色々な人に自分の思いを話してみたり聞いたりしているうちに、少し自分を俯瞰して見ることができた気がします。
とても深みのある良い時間を過ごすことができました。
遠山さん、友野さん、ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
そして早速今後上映会第2弾もご検討いただいているそうでです!またどうぞよろしくお願いします。
1/25に兵庫県神戸市の須磨寺で上映会&トークがありました。
須磨寺ではこれまで池谷先生の作品のとても素敵な上映会が開かれていたと聞いていたので、今回『ちづる』を上映していただけることをとても光栄に思いました。
上映後、池谷先生と須磨寺副住職の小池陽人さんと鼎談させていただきました。
130名ほどのたくさんのお客さんにお越しいただき緊張しましたが、小池さんの優しいお人柄と池谷先生のいつもの軽快なトークのおかげで和やかにお話することができました。
今回のトークで昨年末我が家で起きた変化についてお話しました。
実は、妹が突然「家を出たい」と言い出したのです。母は実家に残って自分だけが引っ越す、と。
理由はよくわかりません。でももしかしたら、母の足腰が弱ってきて今までのように妹のペースに合わせた生活が難しくなってきたから、ということもあるかもしれません。何か思うことがあるのでしょう、かなり強い決意をしているようです。
母は戸惑いながらも、これは親離れ・子離れのための最後のチャンスかもしれない、と捉えました。妹の新生活をサポートしてくださる方々にも運良く巡り会うことができ、いまグループホームへの引越しに向けて動き始めています。
兄としては心から応援したい気持ちです。これからどんなふうになっていくのか、ドキドキハラハラしながら見守っています...。
小池さんが「お母様の待つ姿勢がとても良かった。待つということは実は難しいことだ。」とおっしゃってくださいました。目の前に色々な問題が立ちはだかり、映画の中で焦りを感じた僕からも責められるようなことを言われても、解決を急がず妹の気持ちを尊重し待ち続ける...。母もまさかこんな展開になるとは想像もしてなかったと思いますが、でも小池さんの「待つ」という言葉にハッとさせられました。
今年はなんだか大きな変化の一年になりそうです。
今回息子も手伝いに来てくれました。グッズ販売のレジを手伝ってくれたり、このブログのために写真撮影をお願いしたら100枚くらい連写で撮ってくれました。あとで「何が楽しかった?」と聞いたら「打ち上げが楽しかった!おれはそのためにがんばったんだ〜」と言っていました。
上映会場で、神戸でお世話になっているくららベーカリーの石倉さんや『僕とオトウト』の高木さん、きょうだいの方や元町プロダクションの皆さんと再会することができ、うれしかったです。新たな出会いにも恵まれ幸せな気持ちになりました。
池谷先生、小池さん、ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
10/13(日)に山梨県上野原市で『ちづる』と『梅切らぬバカ』の上映会とトークショーがありました。主催してくださったのは、お洒落なカフェ併設の生活介護事業所・ローグの皆さん。今回で『ちづる』の上映は3回目になり本当にありがたいです。1回目同様、息子も連れて行って会場設営やグッズ販売の手伝いをしてもらいました。
映画『梅切らぬバカ』は、女優の加賀まりこさんが50歳になった自閉症の息子の将来を案ずる老いた母親を演じるヒューマンドラマです。8050問題という重いテーマで観る前は身構えていましたが、クスッと笑えるシーンもたくさんあり、最後まで楽しみながら観ることができました。とは言え、やはり親子二人の平和な日々は母親が健康である前提に成り立つ綱渡りの生活であることも感じられて、そう遠くない将来の妹と母の姿に重ね合わせながら色々なことを考えさせられました。
上映後、特別支援学校に通われている娘さんがいる和智さんとローグ代表の井上さんと3人でトークしました。
和智さんにとって娘さんがどれほど大切な存在であるかを語られていて、そのまっすぐな言葉に感動しました。和智さんは娘さんが生まれた時から日々の成長を丁寧に記録されていて、学校の先生等これから深く関わる方には娘さんのことをより知ってもらうためにその手帳をお見せしてきたそうです。その人の歩んできた歴史に触れることで、一緒に過ごす時間が全く違うものに感じられるだろうなと思いました。
進行の井上さんから「『共生社会』という言葉にどんなことを思うか?」という難しい問いをいただいて、僕がしどろもどろになりながら「『共に生きる』という言葉を使うということは『共に生きてない』現状があるということで、すぐ近くでお互い生活しているけどそこにはきっと見えない壁があって...」と話していると、会場から息子が「見えない壁はどこにあるの?」と合いの手を入れてきて、頭が真っ白になって「どこにあるんだろうねぇ...」と言葉に詰まってしまいました。
その後『障害』という言葉についての話にもなり、僕は、ある場面では便利な言葉だし、手続き上使わなければならないこともあるとは思うが、その人らしさを見えづらくさせてしまう言葉ではないかと思う、と話しました。
『梅切らぬバカ』の中で、自閉症の息子のことをはじめは不審に思っていた隣の家の住民が、ひょんなきっかけで食事を共にすることになり、一杯飲み交わすことでぐんと距離が縮まるシーンがあります。「忠さんもどうぞ」ビールを注ぐと、加賀まりこ演じる母親が「名前で呼んでくれてありがとう」と言うのですが、井上さんがローグでもこの名前で呼び合う関係を大切にしたいと考えているとお話されていました。今回のトークで生まれた問いに通ずる大きなヒントのように感じました。これからも考え続けたいと思います。
和智さん、井上さん、ローグの皆様、本当にありがとうございました!
それではまた〜☆
6/11に明治学院大学の授業で講演してきました。
以前コラブルの上映会(http://blog.chizuru-movie.com/?eid=192#gsc.tab=0)のときにお世話になった猪瀬浩平先生にゲストスピーカーとしてお招きいただきました。
共生社会について考える、というのが授業のテーマで、障害者だけでなく難民やLGBTなど多様な人々の生活について考えていきます。
猪瀬先生は文化人類学の先生ですが、自閉症・知的障害を持つ6つ上のお兄さんのいるきょうだいでもあります。
(猪瀬先生の著書『野生のしっそう』
https://mishimasha.com/books/9784909394965/
コロナ禍真っ只中、突然家を飛び出して街を疾走・失踪するお兄さん...辿った道筋とその意味に思いを巡らせしながら、出会う人々との交流を綴った家族のエッセイ。オススメです!)
『ちづる』の回の授業では、前の週に映画を上映していただき、当日皆さんのご感想を伺った後、僕と猪瀬先生の実体験を交えながら障害を持つ人とその家族の生活について、学生さんと一緒に考えました。
実は昨年初めて授業にお招きいただき、今回は2回目でした。今回は僕以外にもゲストがいらっしゃり、彫刻家の平山匠さんと映画監督の田中悠輝さんとお話ししました。
平山さんは、障害を持つお兄さんが描いた絵をお兄さんからの話を聞きながら忠実に立体化してきょうだいで一緒に作品を作るという面白い取り組みをされています。
(平山匠さんWebサイト: http://takumi-hirayama.site/)
田中さんは、障害を持つ方の自立生活とそれをサポートしている方たちの姿を追ったドキュメンタリー映画『インディペンデント・リビング』を作られたり、路上生活をされている方の支援団体で働かれていたりして様々な方との関わっていらっしゃいます。
(映画『インディペンデント・リビング』https://bunbunfilms.com/filmil/)
お二人のご経験や思いを伺いながら色々なことを考えさせられ、あっという間の時間でした。
授業の中で、『ちづる』の編集中、池谷先生から「差別してるのはお前なんじゃないのか?」と言われて自分の中の差別の目に気づかされた、という話になりましたが、平山さんも田中さんも自らの中に差別の目があることを認めながらも、相手の方との関わりを続けていくことが大切だとおっしゃっていて共感しました。
猪瀬先生の進行も、学生さんにわかりやすい答を提示するのではなく、むしろ立ち止まって自分たちの足元を疑ってみて問いを深めていく哲学的なスタイルで、授業終了後も思い返しては考え続けたくなる濃厚な時間となりました。
無事授業が終わり、皆さんとボランティアセンターでパシャリ。
猪瀬先生、平山さん、田中さん、受講生の皆さま、本当にありがとうございました!
大変ご無沙汰しております。
昨年も上映会を開催していただき感謝です。大変遅くなってしまいましたが少しずつ更新していきたいと思います。
5/27に山梨県上野原市のローグにて上映会&トークショーがありました。
今回は、『ちづる』と『僕とオトウト』のコラボ上映。きょうだいであるローグの井上さんを中心に企画してくださいました。
きょうだいが企画し、きょうだいが作った映画のコラボ上映会。『僕とオトウト』監督の高木さんとは「いつかコラボ上映会ができたらいいよね」と話していましたが、思いの詰まった素敵な形で夢が叶えてくださりとてもうれしかったです。
最終上映回の後は井上さん・高木さん・僕の3人でトークが予定されていました。
トーク前、緊張しながら会場の外でボーッとしていると...。
タクシーからなんか見覚えのある方が...?
...って、あれ?池谷先生?!?
まさかの神戸からご来場にビックリ!「サプライズしようとしたのに失敗しちゃったな〜」と。余計緊張して頭真っ白になりそうでした^_^;
それぞれのきょうだいとしての思いを語り合ったり、コラボ上映ならではの『ちづる』『僕とオトウト』それぞれの作品の制作秘話や感想などの話ができてとても楽しい時間でした。Q&Aのあと池谷先生にも一言いただきました。打ち合わせのとき「池谷先生もいたらな...」と話していたので、思わず願いが叶ってうれしかったです。
お越しいただいた皆様、高木さん、池谷先生、そして井上さんとローグの皆様、本当にありがとうございました!
12/1に、立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科の重田先生のゼミでゲスト講師としてお招きいただきました。
昨年はZOOMでの授業でお世話になりましたが《http://blog.chizuru-movie.com/?eid=196#gsc.tab=0》、今年は対面ということで、久々に母校を訪れることができました。
社会福祉士資格取得のため福祉施設実習を終えたばかりの10数名の学生さんに、前週の授業で『ちづる』を観ていただき、当日「家族としてのあゆみ」というお題でお話することになっていました。
今回はコロナで上映会がなくなってから久しぶりの長い講演。コロナを機にこれまでの講演内容を見直し、いつもと同じ話をするのをやめよう、と心に決めていました。
100分間なので話だけだと退屈かなと思い、直前に思いついて母に頼んで実家の写真を送ってもらい使ってみました。
きょうだいとしてどんな思いで過ごしたかということに重点を置いて、当時を振り返りながら内容を考えましたが、準備不足や不慣れなこともあり、たどたどしくなってしまいました。でも話しながら色々思い出して追加できたエピソードもあり、チャレンジできたことは良かったと思いました。
でもやっぱり映画制作時の話になると慣れているのでスラスラしゃべれて話しやすかったです^_^; 100分間は色々お話できると思っていましたが、思っていたより短くあっという間に終わってしまいました。
学生さんから「妹さんの障害ではなくキャラクターを伝える映画だったので、ちづるさんかわいいなと思いました」という感想を聞かせてくれてとても嬉しく思いました。
これから福祉の世界で活躍される皆さんにとって何か少しでもお役に立てたら幸いです。
重田先生、ゼミ生の皆さま、ありがとうございました!
今回実は映画『へんしんっ!』《http://blog.chizuru-movie.com/?eid=198#gsc.tab=0》監督の石田くんも参加してくれました。立教に行くので会えるか聞いてみたら「僕も聴講してもいいですか?」と。授業中にインタビューして、当時はじめて『ちづる』を観たときの感想を聞かせてさせてもらいました。授業後久しぶりに近況などをゆっくり話すことができてうれしかったです。
その後機材管理室に行って、学生時代大変お世話になった水上さんにもお会いできて、ほっこりとした気持ちになりました。
やっぱり知っている人の顔を見られるとそれだけで心安らぎます。学内を歩きながら、在学中よりもずいぶん学生さんが少なくなった気がしました。気軽に人と会える日が一日でも早く戻ってくるといいな...。
2022年最後の講演が終了しました。今年も『ちづる』をご覧いただく機会をいただき感謝です。今年は夏にバナナが危ういかと思いましたがなんとか回復して、おかげさまで我が家は皆元気にしております。と、思っていたらつい先日母が足にヒビが入り松葉杖生活になってしまったらしいです...。健康第一、ですね...。皆様もどうぞご自愛くださいませ。
それではまた来年〜☆
11/5に山梨県上野原市で上映会&トークショーがありました。
藤野の上映会《http://blog.chizuru-movie.com/?eid=189#gsc.tab=0》を企画してくださった井上さんが、ご家族とともに『logue』という生活介護事業所を立ち上げられ、初めての地域イベントとして『ちづる』の上映会を開催してくださいました。
敢えてホールなどは借りず、logue併設のお洒落なカフェスペースを会場にして、3回も上映してくださり、地域にお住まいの方や関係者の方が100名ほどお越しくださいました。
皆さんlogueオリジナルコーヒーを飲みながらあたたかな雰囲気で映画をご覧になっていました。
途中logueコーヒーをプロデュースされたコーヒー屋さんが応援にお越しくださり、サプライズでお客さんにエスプレッソを振る舞ってくださいました。僕も一杯いただきましたがその美味しさにびっくり!正直に言うと普段コーヒーは飲まないのですが、こんなに美味しいエスプレッソなら何杯でも飲みたい!と思うほど。今さらながらコーヒーに興味が湧いてきました。
3回目の上映後に井上さんと米山さんという方と3人でトークを行いました。
米山さんは地域の障害児の親の会の元代表で、logueの活動を応援されている方です。たくさんの地域の方々に見守られながら子育てされてきたエピソードをご披露いただきました。『ちづる』を観たときはやはり親目線で母の葛藤に共感しながらご覧いただいたとのことでした。
井上さんからは同じきょうだいとしての思いを聞かせてもらい、家族・学校・地域など様々なテーマで語り合いながら、障害があるなしを超えてこれからどんなふうに一緒に暮らしていけるか、ということに思いを馳せました。
コロナ禍になってから久しぶりのリアル上映会、感慨深いものがあり、楽しくてあっという間の一日でした。
お越しいただいた皆さん、米山さん、ありがとうございました!
実は今回僕にとってもう一つの意味で特別な上映会となりました。それは、息子と上映会に参加する、という夢が叶ったからです。
子どもが生まれたときからいつか『ちづる』の上映活動について知ってもらえたらと思っていて、今回は「パパの仕事のお手伝い」として同行してもらいました。
息子は、優しいlogueのスタッフさんに可愛がってもらったりほめられたりするのがうれしかったようで、率先して椅子を並べたりして会場設営に走り回り、グッズ販売の店番や駐車場案内などをして、活き活きと働いていました。同世代のこどもたちともたくさん遊ぶことができて、一日中とても楽しそうでした。色々な人とのふれあいの中で彼の心が大きく育っているのを感じ、いつもより頼もしく見えました。
面白かったのが、前日に2人で会場にお邪魔して映像音響チェックをしているとき。
妹と母がとっくみあいのケンカをしているシーンを見ながらマイクで「もう、ふたりとも〜!笑」とツッコミを入れていました。
母が僕と話していて涙するシーンでは「パパも泣いちゃえば」と言っていました。
物心ついてから『ちづる』を観るのは初めてで、ところどころじーっと見入っていました。実家でよく会う叔母さんたちが映っていて、それをお客さんたちに観てもらっていることをどう思っているのか...。もう少し大きくなっらいつか聞けたらいいなと思ってます。
忘れられない大切な思い出ができました。
井上さん、logueの皆さんに感謝です。皆様ありがとうございました!
それではまた〜☆
11/7に、大阪シネ・ヌーヴォで公開中のドキュメンタリー映画『僕とオトウト』の上映後のトークに参加しました。
『僕とオトウト』は、『ちづる』と縁深い作品です。『ちづる』と同じく、池谷先生がプロデューサーを務められ、きょうだいの立場の監督が撮ったセルフドキュメンタリーです。
監督の高木さんとは、池谷先生が立教大学での集中講義で『ちづる』の解説をしてくださったときに出会いました。初めて『ちづる』を観終えて「赤崎さんは何で妹さんを隠していたんですか?」と聞いてくれたのが印象的でした。
高木さんは幼い頃から大好きな弟の壮真(そうま)さんをどこへ行くにも一緒に連れて行っていたと言います。
香川県で生まれ育ち、大学進学を機に京都に出てきた高木さん。やまゆり園の事件をきっかけに障害について改めて考えるようになり、池谷先生主催のアマチュアドキュメンタリー映像団体『元町プロダクション』に参加して、映画を作ることを決意します。
もっと壮真さんのことを知りたい、と故郷でカメラを回しているうちに、今まで蓋をしていた自分の気持ちに気づき、弟さんとの向き合い方を見つめ直していくストーリー。
壮真さんの繰り広げるドタバタ劇にクスッと笑ったり、家族ゆえの切ない思いに涙したり...、そして最後はあたたかい家族の光景にとても晴れやかな気持ちになります。
監督の一人語りでよく高木さんの顔が登場する映画ですが、後半になるにつれ心の成長が表情によく現れているのも見どころです。
制作の過程で、自分自身と正面から向き合うことから逃れられない、セルフドキュメンタリーならではの産みの苦しみがやはりあったそうです。当時高木さんから電話でその葛藤も聞いていて応援していたので、完成した作品を観させていただいたときは僕まで嬉しい気持ちでいっぱいになりました。そして高木監督が弟さんと誠実に向き合おうとする姿勢に学ぶべきことがたくさんあると感じました。
今回トークにご招待いただき、少しでも力になれたらと臨みましたが、いつもながら空回りしてうまくお話できずふがいなかったです...。^_^; 対して高木監督は堂々と思いを語っていて、とても頼もしく感じました。
今回のトークでたくさん感じたことはありましたが、お父さんがこの映画をすごく応援してくれているという話には思わず目頭が熱くなりました。
素晴らしい作品なので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいです。
『僕とオトウト』公式サイト
https://boku-to-otouto.com/#theater
大阪シネ・ヌーヴォで11/12(金)まで、京都みなみ会館で11/18(木)まで上映中です。
まだお知らせはないようですが、今後きっと各地で上映会が開かれると思います。その際はまたご案内できたらと思います。
それではまた〜☆
石田くんとの出会いは、彼が中学生、僕が大学4年生のときでした。身体障害のある生徒が通う特別支援学校の宿泊学習のボランティアに参加させていただき、電動車椅子で生活している石田くんとペアで行動することになったことがきっかけでした。
石田くんは賢くて優しい少年で、控えめだけどどこかしっかりとした芯があるように思えました。将来の夢について聞くと「医者になって人を助けたい」と話してくれたのが印象的でした。
介助らしい介助は初めてで戸惑っている僕に、石田くんは丁寧に教えてくれて、緊張がほぐれました。当時、僕は卒業後福祉の道に進むべきか迷っていましたが、宿泊学習で過ごした時間が背中を押してくれたように思います。
石田くんは中学生のころから映像制作に興味を持っていて、その後僕と同じ大学の映像身体学科に進学することになり、とても嬉しく思いました。在学中、映像表現について学びながら、大学でのバリアフリー上映会の実行委員会に参加し、日本語字幕・音声ガイド付き上映会の企画をしていました。
そして卒業制作でドキュメンタリー映画を作り、なんと『ぴあフィルムフェスティバル2020』でグランプリに!
作品は今年6月に劇場公開され、現在全国の劇場で上映されています。
タイトルは『へんしんっ!』。
石田監督は「障害者の表現活動の可能性」を探ろうと取材を始め、全盲の舞台女優の方や手話によるパフォーマンス活動をしているろう者の方たちと出会う中で、自分自身と向き合うようになり、ついには監督自身が身体表現の演者になっていく...というストーリー。
映画制作を通じて人を巻き込み、また巻き込まれながら、次第に彼が長年抱えていた周囲の人との葛藤が吐露され、勇気を出して自らのこころとからだを開いていく姿に胸を打たれました。
人は誰でも傷つかないように、傷つけないようにバリアを張って生きている。でも本当はそれを脱ぎ去ってもっと近づいてふれあいたいと願っている。手探りでおそるおそる手を伸ばし合って、お互いが許し合い、境界が溶け合ったそのとき、うれしいような恥ずかしいような感情が湧き上がって思わず笑顔になる。
映画を観終わってそんなふうに思って、あたたかい気持ちになりました。
『へんしんっ!』は、いくつもの点で他にはない映画体験ができる作品となっていますが、その上映方法も斬新です。日本語字幕と音声ガイド付きの『オープン上映』という形で、聴こえない人も見えない人も皆一緒に楽しむことができます。色んな立場の人が感想を語り合いたくなる映画だと思うのでとても素敵だなと思いました。ぜひ皆さんに劇場で体感してほしいです。
映画『へんしんっ!』ホームページ
https://henshin-film.jp/index.php
残念ながら劇場上映が終わってしまった地域もあり、映画は観たいけど色々な事情で映画館まで足を運ぶことができない方もいると思いますが、朗報です!
なんと、今年はオンラインでの開催される山形国際ドキュメンタリー映画祭2021での上映作品に選ばれました!
10月10日(日)午前11:00〜上映(英語字幕のみ)、上映後生配信で監督のQ&Aもあります。
ぜひこの機会をお見逃しなく!
山形国際ドキュメンタリー映画祭2021ホームページ
http://www.yidff.jp/index.html.ja
たくさんの良い出会いがありますように願ってます☆
それではまた〜
- 1/21PAGES
- >>