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大西 宏のマーケティング・エッセンス

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「光の道」を唱えるソフトバンクの孫社長と池田信夫教授は、通信インフラの今後については、考え方がまったく違いますが、お二人が一致しているのは、NHKの過去の番組の解放と活用です。

今はデジタル化で大騒動ですが、デジタル化は、通信事情の問題で、インターネットになれたユーザーからすれば、利便性では過去の延長でしかなく、投資のわりには効果が薄く、しかたなくテレビを買い替えさせられるというものでしかありません。

それよりは、NHKの過去番組を公開し、誰もがいつでも検索して視聴できるようにするほうがはるかに、視聴者の利益、また社会貢献につながってきます。

教育にも活用できます。教育に限っても、NHK教育テレビは教材の宝庫です。見逃した番組、かつては興味なかったけれど、今となっては見たいドキュメンタリー、日本の美しい風景を紹介している番組は、環境映像ともなります。

佐々木俊尚さんが、iPodが音楽を変えた、いつでも、どこでも、好きな音楽が聴けるようになり環境化した、だから音楽は流行で選ぶのではなく、自分の好みや気持ちで選ぶようになったということを『電子書籍の衝撃』で書かれていましたが、映像についてもそういう時代になるということです。

普通に考えれば、これだけ通信技術が進展した時代に、国民の資産としての過去の番組を自由に見ることができないほうが実に不思議で、NHKは国民資産をわざわざ蔵の奥に死蔵させてしまっていることになります。

NHKは、オンデマンドのサービスはあることはあるのですが、池田信夫先生がご指摘のように「使い物になりません」おそらく利用者はきわめて限られているはずです。NHKオンデマンドが公開されたときには期待感があり、サイトに訪れてガッカリしたきおくが今でも残っています。

問題は通信業界ではなく放送業界だ - 池田信夫

NHKオンデマンド

このNHKオンデマンドは、池田先生がご指摘のように民放連が「民業圧迫だ」として妨害し、総務省が独立採算を求めるなどの制限を行ったために使えないものになってしまっったのです。いくら反対しても、時代は確実にそちらに向かっていきます。ただそういった時代に日本が本来持っている強味やチャンスを活かせず、乗り遅れていくだけです。

まったく、おかしな話で、電波を免許で独占し、しかも携帯などに比べれば格安の電波料で事業を展開しておいて、視聴者の資産である番組を自由に見る権利よりは、利権を主張するというのは、理解の範囲を超えてしまっています。
もし、この資産を無料で、いつでも利用できるようにすれば、教育も変わります。日本の家電メーカーもより便利にオンデマンドを「テレビ」で便利に見ることができるように動くはずです。もちろん民放にもすぐれた番組はありますが、民放の過去番組は、民放の資産であり、それを活用するかどうかは、民放のそれぞれが決めることです。

また、昨日発表されたグーグルTVのようなものの普及が一挙に進むはずです。孫社長がおっしゃるような電子教科書もつくるコンテンツがつくりやすくなります。OSはグーグルでもなんでもいいのです。利用者が多く、より高度な利用がなされていれば、あるいは社会的な基盤づくりが整っていれば、利用を促進する技術で世界一になることも決して夢ではないと思います。

また池田先生がおっしゃっているように、版権フリー化を行えば、リッチな映像がいくらでもつくれ、それこそ、海外向けに流せば日本の観光誘致にも使えます。麻生政権の時に強調された、産業競争力としてのコンテンツ産業の発展を促すはずです。

経済波及効果もあり、コンテンツを軸に、産業の進化をはかり、国際競争力を高めることにもつながります。

そのためには、規制緩和です。政府がお金をかけずに、文化資産としてのNHKの過去番組を公開させる法案、著作権問題をクリアする法案を通すだけです。

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コメント一覧 (5)

    • 5. aka21
    • 2010年05月24日 18:00
    • 4 NHKのコンテンツというと、
      自分は大河ドラマの「風と雲と虹と」がすごく見たいんです。
      子供のころ、馬に乗った加藤剛がかっこよくて大好きでした。
      でも当時のNHKはフイルムを残すことをしてなくて、
      現在残っているのは総集編のみだそうです。
      一応、DVDも出ているんですが。
      このように、NHKって意外とコンテンツを大事にしてないんですね。
      ドキュメンタリーはそこそこ残っているようですけど。
      今もやっているのでしょうかね、NHKアーカイブス。
      個人的にはああいうのって最高だと思います、
      金出しても見たい番組です。
    • 4. aka21
    • 2010年05月24日 17:59
    • 5 だーかーらー。
      放送は基本、サーバ型が本来の姿なんですってば。
      見たいものを自分が見られる時間にお金を払って見る。
      なにかおかしなことがありますか?
      CMでペイするなんてビジネスモデルを確立したから、
      テレビ番組はみんな広告になっちゃったんですよ。
      見たいものが見られなくて、なんの娯楽ですか。
      ジャパニメーションが世界でウケてるとかいう話にしたって、
      その肝心のジャパニメーションは、
      ソフトや関連商品をを売るための単なる広告でしょう。
      たまたま広告がウケたからってそれを主要産業にしようって・・・。
      製作現場にしったって若手を育成する気もない、
      そんなコンテンツ=広告産業になんの展望があるんですか?
      視聴者が本当に見たいものが何か、
      サーバ型で視聴者自身に選ばせればいい。
      そうすればそれこそ競争の原理が活きてくるんじゃないですか?
      安易なひな壇芸人トーク
      安易なマンガ原作のドラマやアニメ
      安易な韓流逆輸入
      安易なお涙頂戴エセドキュメンタリー・・・
      現状のままではコンテンツの国際競争力なんてナンセンスですよ。
    • 3. ルル
    • 2010年05月24日 11:33
    • この話も素人目には、ソフトの話とハードの話がごちゃごちゃに聞こえてしまい、理解しにくい話が多いようです。例えば、電子教科書の話を孫氏から聞くとデバイス中心のハードの話のように聞こえてきますし、池田氏の話を聞くとコンテンツ中心のソフトの話のように聞こえてしまい、それぞれどう関連し、何を言いたいのかよく理解できないように思います。

      例えば携帯電話のSIMフリー化の話が出ると孫子が猛烈な反対論を唱える一方、池田氏からは電波の有効配分の話が出てそれぞれの思惑の違いにより、むしろ素人にとっては理解に混乱が起こしてしまうような議論になってしまっていると考えます。

      実はこれらは密接に関連した話なのでしょうが、こうしたオピニオンリーダーといわれている人たちが欧米のように真向から議論しようとしないところに問題があるのかも知れません。日本の携帯のガラパゴス化が言われて久しいですが、そろそろ何とかしないと日本経済沈没なんてことになりやしないか心配でなりません。
    • 2. 日々是マーケティング
    • 2010年05月23日 08:32
    • 先日発表された「グーグルテレビ」については、ニュースなどで見る限りイメージが湧きませんでした。

      現在放送されているのかわかりませんが、以前「NHKアーカイブス」という番組がありました。
      「シッカリ作られた、質の高い番組が以前は多かったんだな〜」という気がしました。
      現在NHK教育で放送されている「ハーバード白熱教室」などは、テレビ番組という枠ではなく、何度でも繰り返し見たい!と思える番組で、インターネットで授業を受けているような臨場感があります。

      この番組は、米国の放送局から買い取ったモノですが、個人的はNHK総合よりも、このような番組を放送する教育の方が、面白い番組が多いように感じています。

      「テレビがあれば、受信料を払え」ではなく、「魅力的な番組を買ってください」という考え方に変わって欲しい・・・と思うこの頃です。
    • 1. nanako
    • 2010年05月22日 12:35
    • オンデマンド、是非無料化してほしいです。

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