棋士編入試験に挑む西山朋佳女流三冠 第1局は寄せ切り勝利 第2局以降の差し回しに注目、平常心で指せるか楽しみな五番勝負
高橋は手厚く指したつもりが、馬の活用法を誤って自陣が薄くなる展開を余儀なくされ、次第に西山の優勢がハッキリした。
終盤の切れ味に定評のある西山は、タダのところに角を打つ攻防の一手から、確実に寄せ切って、第1局を勝利した。
この勝負、西山の応援団の方が多いと思うが、第2局以降どんな指し回しを見せるか、そして試験の合格が見えてきたとき、平常心で指せるかが楽しみな五番勝負となった。
次は10月2日である。
■しかく青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。