(57)【 特 許 請 求 の 範 囲 】
【 請 求 項 1 】
情 報 入 力 装 置 と 、 情 報 格 納 装 置 と 、 情 報 演 算 装 置 と 、 情 報 出 力 装 置 を 有 し 、 各 地 域 に お
け る 災 害 発 生 に 関 係 す る 複 数 の 要 因 を 、 2 次 元 以 上 の 空 間 ( 以 下 、 多 次 元 空 間 と い う 。 )
を 構 成 す る 座 標 軸 上 に 対 応 さ せ 、 前 記 複 数 の 要 因 に 係 る 要 因 デ ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の
実 績 デ ー タ を 教 師 値 と し て 用 い 、 前 記 複 数 の 要 因 に 係 る 要 因 デ ー タ に 対 応 し た 災 害 発 生 ・
非 発 生 を 定 量 的 数 値 で 表 現 し な が ら 、 放 射 状 基 底 関 数 ネ ッ ト ワ ー ク 又 は サ ポ ー ト ベ ク タ ー
マ シ ン を 用 い て 解 析 す る こ と で 、 前 記 多 次 元 空 間 内 で 前 記 災 害 発 生 と 災 害 非 発 生 の 境 界 を
形 成 さ せ 、 こ の 境 界 を 前 記 災 害 の 発 生 と 非 発 生 を 分 離 す る こ と が 可 能 な 判 別 境 界 線 又 は 判
別 境 界 面 ( 以 下 、 判 別 境 界 線 を 含 め て 判 別 境 界 面 と い う 。 ) な る 基 準 と し て 、 あ る 地 域 に
お け る 災 害 発 生 の 危 険 度 を 演 算 す る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム で あ っ て 、
前 記 情 報 入 力 装 置 は 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 災 害 発 生 の 要 因 デ ー タ と 、 前 記 判 別 境 界 面
を 構 成 す る 境 界 デ ー タ と を 、 対 策 工 の 有 無 に よ っ て 予 め 分 類 し て 前 記 情 報 格 納 装 置 に 入 力
可 能 な 手 段 で あ っ て 、 前 記 境 界 デ ー タ を 、 対 策 工 の 着 手 地 域 で 既 に 対 策 工 の 施 工 さ れ た 箇
所 の 対 策 工 施 工 後 の 要 因 デ ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ か ら 得 ら れ た 境 界 デ ー タ
( 以 下 、 特 に 、 第 1 の 境 界 デ ー タ と い う 。 ) と 、 対 策 工 の 着 手 地 域 で 既 に 対 策 工 の 施 工 さ
れ た 箇 所 の 対 策 工 施 工 以 前 の 要 因 デ ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ か ら 得 ら れ た 境
界 デ ー タ ( 以 下 、 特 に 、 第 2 の 境 界 デ ー タ と い う 。 ) 又 は 対 策 工 の 未 着 手 地 域 の 箇 所 の 要
因 デ ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ か ら 得 ら れ た 境 界 デ ー タ ( 以 下 、 特 に 、 第 3 の
境 界 デ ー タ と い う 。 ) 又 は 前 記 第 2 の 境 界 お よ び 第 3 の 境 界 を 求 め る た め に 用 い た 要 因 デ1020
JP 3975407 B2 2007年9月12日
ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ か ら 得 ら れ た 境 界 デ ー タ ( 以 下 、 特 に 、 第 4 の 境 界
デ ー タ と い う 。 ) の う ち 少 な く と も 一 つ の 境 界 デ ー タ と し て 前 記 情 報 格 納 装 置 に 格 納 し 、
前 記 情 報 演 算 装 置 は 、 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 と 第 2 の 解 析 条 件 設 定 部 と 潜 在 危 険 度 演 算
部 と 対 策 工 効 果 演 算 部 と を 備 え 、
前 記 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 は 、 前 記 境 界 デ ー タ の う ち 、 前 記 第 1 乃 至 第 4 の 境 界 デ ー タ
の 内 い ず れ か 1 の 境 界 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 こ の 境 界 デ ー タ か ら 構
成 さ れ る 判 別 境 界 面 が 、 前 記 要 因 を 次 元 と し て 構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 形 成 さ れ
、 こ の 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 、 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要
因 デ ー タ 又 は 前 記 情 報 入 力 装 置 か ら 入 力 さ れ た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 座 標 点
と し て 入 力 す る 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 で あ り 、
前 記 潜 在 危 険 度 演 算 部 は 、 前 記 判 別 境 界 面 か ら 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ の 座 標
点 ま で の 距 離 ( 但 し 、 こ の 距 離 は 、 前 記 座 標 点 が 前 記 判 別 境 界 面 に 対 し て 前 記 多 次 元 空 間
の 原 点 側 に あ る 場 合 を 正 と す る 。 以 下 、 同 様 。 ) を 前 記 災 害 発 生 の 潜 在 危 険 度 と し て 演 算
す る 潜 在 危 険 度 演 算 部 で あ り 、
前 記 第 2 の 解 析 条 件 設 定 部 は 、 前 記 境 界 デ ー タ の う ち 、 第 1 の 境 界 デ ー タ を 前 記 情 報 格
納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 こ の 第 1 の 境 界 デ ー タ か ら 構 成 さ れ る 判 別 境 界 面 が 、 前 記 要 因 を
次 元 と し て 構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 形 成 さ れ 、 こ の 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 、 前 記
情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ 又 は 前 記 情 報 入 力 装 置 か ら
入 力 さ れ た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 座 標 点 と し て 入 力 す る と と も に 、 前 記 第 2
の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か
ら 読 み 出 し て 、 こ の 第 2 あ る い は 第 3 あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ か ら 構 成 さ れ る 判 別 境 界
面 が 、 前 記 要 因 を 次 元 と し て 構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 形 成 さ れ 、 こ の 多 次 元 空 間
の 座 標 中 に 、 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ 又 は 前 記
情 報 入 力 装 置 か ら 入 力 さ れ た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 座 標 点 と し て 入 力 す る 第
2 の 解 析 条 件 設 定 部 で あ り 、
前 記 対 策 工 効 果 演 算 部 は 、 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 さ れ た 第 1 の 境 界 デ ー タ で 構 成
さ れ る 第 1 の 判 別 境 界 面 か ら 、 及 び 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 さ れ た 第 2 の 境 界 デ ー タ
あ る い は 第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ で 構 成 さ れ る 第 2 の 判 別 境 界 面 か ら
前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ の 座 標 点 ま で の 距 離 ( 以 下 、 そ れ ぞ れ 第 1 境 界 距 離 及 び
第 2 境 界 距 離 と い う 。 ) を 演 算 し 、 前 記 第 1 境 界 距 離 か ら 第 2 境 界 距 離 を 差 し 引 い た 距 離
を 演 算 し 、 こ の 値 を 災 害 発 生 の 対 策 工 効 果 度 と す る 対 策 工 効 果 演 算 部 で あ り 、
前 記 潜 在 危 険 度 及 び 前 記 対 策 工 効 果 度 は 前 記 情 報 格 納 装 置 に 格 納 さ れ 、
前 記 情 報 出 力 装 置 は 、 前 記 地 域 に お け る 前 記 潜 在 危 険 度 と 前 記 第 1 境 界 距 離 と 前 記 第 2
境 界 距 離 と 前 記 対 策 工 効 果 度 の う ち 少 な く と も 1 の 情 報 を 出 力 可 能 な 手 段 で あ る こ と を 特
徴 と す る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム 。
【 請 求 項 2 】
前 記 情 報 装 置 は 、 総 合 危 険 度 演 算 部 を 備 え 、
前 記 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 は 、 前 記 境 界 デ ー タ の う ち 、 前 記 第 2 の 境 界 デ ー タ あ る い は
第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 前 記 第
2 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ か ら 構 成 さ れ る 判 別
境 界 面 が 、 前 記 要 因 を 次 元 と し て 構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 、 前 記 情 報 格 納 装 置 か
ら 読 み 出 し た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ 又 は 前 記 情 報 入 力 装 置 か ら 入 力 さ れ た 前 記
あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 座 標 点 と し て 入 力 す る 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 で あ り 、
前 記 総 合 危 険 度 演 算 部 は 、 前 記 あ る 地 域 が 対 策 工 な し の 場 合 に 、 前 記 あ る 地 域 に お け る
前 記 潜 在 危 険 度 を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 総 合 危 険 度 と し 、 前 記 あ る 地 域 が 対
策 工 あ り の 場 合 に 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 前 記 潜 在 危 険 度 と 前 記 対 策 工 効 果 度 及 び 総 合 危
険 度 関 数 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 前 記 潜 在 危 険 度 と 前 記 対 策 工 効 果 度
を 併 せ た 総 合 危 険 度 を 演 算 し 、
前 記 情 報 出 力 装 置 は 、 前 記 総 合 危 険 度 を 出 力 す る こ と を 特 徴 と す る 請 求 項 1 記 載 の 防 災
事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム 。1020304050(2) JP 3975407 B2 2007年9月12日
演 算
【 請 求 項 3 】
前 記 あ る 地 域 は 、 個 別 の 災 害 発 生 の 恐 れ の あ る 箇 所 、 あ る い は 複 数 の 災 害 発 生 の お そ れ
の あ る 箇 所 を 包 含 す る 地 域 で あ る こ と を 特 徴 と す る 請 求 項 1 又 は 請 求 項 2 に 記 載 の 防 災 事
業 計 画 支 援 シ ス テ ム 。
【 請 求 項 4 】
前 記 情 報 演 算 装 置 は 、 前 記 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ を 標 準 化 し て 標 準 化 デ ー タ を
生 成 す る 標 準 化 解 析 部 を 有 す る こ と を 特 徴 と す る 請 求 項 1 乃 至 請 求 項 3 の い ず れ か 1 項 に
記 載 の 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム 。
【 請 求 項 5 】
前 記 情 報 演 算 装 置 は 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 災 害 発 生 の 恐 れ の あ る 個 別 の 箇 所 、 あ る い
は 災 害 発 生 の お そ れ の あ る 複 数 の 箇 所 を 包 含 し 、 前 記 あ る 地 域 を 識 別 可 能 な 地 域 デ ー タ を
含 む 地 図 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 す 機 能 と 、
自 己 の 演 算 し た 前 記 潜 在 危 険 度 又 は 前 記 情 報 格 納 部 に 格 納 さ れ た 前 記 潜 在 危 険 度 を 読 み
出 し て 、 前 記 潜 在 危 険 度 に 含 め ら れ る 前 記 地 域 デ ー タ を キ ー と し て 、 前 記 地 図 デ ー タ に 含
ま れ る 地 域 デ ー タ と を 照 合 し 、 前 記 地 域 デ ー タ が 一 致 す る 地 域 及 び / 又 は そ の 周 辺 の 地 域
に 関 す る 地 図 デ ー タ を 読 み 出 す 機 能 と 、
前 記 地 図 デ ー タ 上 に 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ と 前 記 境 界 デ ー タ と 前 記 潜 在 危
険 度 の う ち 少 な く と も 1 の 情 報 を 、 視 覚 的 に 識 別 可 能 な 形 態 で 示 さ れ る 情 報 と し て 前 記 出
力 装 置 に 出 力 さ せ る 機 能 を 有 す る こ と を 特 徴 と す る 請 求 項 1 乃 至 請 求 項 4 の い ず れ か 1 項
に 記 載 の 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム 。
【 発 明 の 詳 細 な 説 明 】
【 技 術 分 野 】
【 0 0 0 1 】
本 発 明 は 、 複 数 の 箇 所 の 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 情 報 を 解 析 し て 得 ら れ た 災 害 の 発 生 限
界 線 、 避 難 基 準 線 あ る い は 警 戒 基 準 線 ( 以 下 、 こ れ ら を 総 称 し て C L を 略 す 場 合 が あ る 。
) を 基 準 と し て 、 あ る 箇 所 の 災 害 発 生 の 危 険 度 を 評 価 す る と 共 に 、 災 害 防 止 の た め の 対 策
工 の 要 否 を 評 価 す る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム に 関 す る 。
【 背 景 技 術 】
【 0 0 0 2 】
わ が 国 で は 、 毎 年 全 国 各 地 で さ ま ざ ま な 災 害 が 発 生 し て お り 、 尊 い 人 命 や 貴 重 な 財 産 が
失 わ れ て い る 。 災 害 の 発 生 は 、 我 が 国 の 自 然 条 件 と 密 接 な 関 係 が あ り 、 宿 命 的 な 課 題 の 一
つ で あ る と い え る 。 例 え ば 、 土 砂 災 害 に つ い て は 、 国 土 の 約 7 割 が 山 地 地 形 で あ る こ と や
地 質 的 に 脆 弱 な 地 域 が 多 い 等 の 地 理 的 条 件 、 都 市 化 の 進 展 に よ る 山 麓 部 の 災 害 危 険 箇 所 へ
の 人 口 増 加 等 の 社 会 的 条 件 、 更 に は 台 風 や 梅 雨 等 に よ り 災 害 の 誘 因 と な る 集 中 豪 雨 に 見 舞
わ れ 易 い と い っ た 気 象 的 条 件 な ど が 、 災 害 発 生 の 原 因 と し て 考 え ら れ る 。 ま た 河 川 災 害 を
例 に 取 れ ば 、 急 流 河 川 の 多 い 地 理 的 条 件 や 、 台 風 や 梅 雨 等 の 集 中 豪 雨 に 見 舞 わ れ 易 い と い
っ た 気 象 的 条 件 等 が 災 害 発 生 の 原 因 と し て 考 え ら れ る 。
【 0 0 0 3 】
か か る 災 害 を 未 然 に 防 止 す る に は 、 ハ ー ド 対 策 の 施 工 が 有 効 で あ る 。
し か し 、 災 害 危 険 箇 所 は 全 国 各 地 に 存 在 し 、 近 年 の 公 共 事 業 費 の 削 減 や 現 在 の 整 備 率 の
低 さ な ど 、 費 用 面 や 工 期 面 か ら 見 て も す べ て の 災 害 危 険 箇 所 に お け る ハ ー ド 対 策 の 整 備 を
行 う こ と は 困 難 で あ り 、 ハ ー ド 対 策 に よ る 整 備 率 は 、 依 然 と し て 低 い の が 現 状 で あ る 。
ま た 、 既 に 災 害 危 険 箇 所 に 対 し て な さ れ た 既 存 の 対 策 工 に 対 し て も 、 そ の 効 果 を 把 握 し
、 追 加 の 対 策 工 の 要 否 の 判 断 も 必 要 で あ る 。
こ の よ う な 状 況 下 、 災 害 の 危 険 度 を 定 量 的 、 客 観 的 か つ 効 率 的 に 判 断 し な が ら 、 い ず れ
の 災 害 危 険 箇 所 に 対 し て 優 先 的 に ハ ー ド 対 策 を 施 す か に つ い て 、 対 策 工 の 効 果 を 考 慮 し つ
つ 、 防 災 事 業 計 画 を 立 案 す る こ と が 重 要 と な る 。
さ ら に 、 近 年 の 台 風 や 地 震 に よ る 大 規 模 な 被 害 や 、 異 常 気 象 の 影 響 も あ っ て 、 ハ ザ ー ド
マ ッ プ の 構 築 の 徹 底 の み な ら ず 、 そ の 逐 次 更 新 の ニ ー ズ は 、 コ ン ピ ュ ー タ 処 理 に 基 づ く 自
動 化 シ ス テ ム へ の 依 存 度 を 高 め 、 そ れ に 伴 っ て 得 ら れ る 評 価 の 精 度 や 鮮 度 の 担 保 も 無 視 で1020304050(3) JP 3975407 B2 2007年9月12日
き な い 重 要 な 課 題 と な っ て い る 。
【 0 0 0 4 】
こ の よ う な 状 況 を 踏 ま え 、 本 願 発 明 者 ら は 、 災 害 に 対 す る 潜 在 的 な 危 険 度 と 、 対 策 工 の
客 観 的 評 価 に 基 づ く 総 合 的 な 危 険 度 を 評 価 可 能 と す る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム の 構 築 を
目 指 し 、 鋭 意 研 究 を 重 ね て き た 。 本 願 発 明 は 、 か か る 研 究 成 果 に 基 づ く も の で あ る 。
【 0 0 0 5 】
こ の よ う に 防 災 事 業 計 画 の 立 案 支 援 な ど の た め に 実 際 の 災 害 発 生 あ る い は 非 発 生 に 関 す
る デ ー タ を コ ン ピ ュ ー タ 処 理 す る こ と で 精 度 の 高 い 情 報 を 得 る 研 究 に 関 し て は 、 本 発 明 者
ら が 既 に 、 が け 崩 れ の 発 生 予 測 に 用 い ら れ る 発 生 降 雨 、 非 発 生 降 雨 の 判 別 境 界 線 で あ る が
け 崩 れ の 発 生 限 界 線 や 、 避 難 基 準 線 、 警 戒 基 準 線 を 設 定 す る 方 法 に つ い て 非 特 許 文 献 1 に
示 さ れ る よ う に 発 表 し て い る 。
非 特 許 文 献 1 で は 、 複 雑 な 自 然 現 象 を 直 線 近 似 せ ず 、 高 精 度 の 発 生 限 界 線 等 を 設 定 す る
こ と を 目 的 と し て 、 非 線 形 判 別 に 優 れ た 放 射 状 基 底 関 数 ネ ッ ト ワ ー ク ( R B F N ) を 用 い
、 地 域 毎 の 非 線 形 が け 崩 れ 発 生 限 界 雨 量 線 を 設 定 す る 方 法 を 提 案 し て い る 。 本 非 特 許 文 献
1 に 開 示 さ れ る 技 術 で は 、 R B F N を 用 い て 、 そ の 学 習 機 能 を 利 用 し て 最 適 な 中 間 層 と 出
力 層 の 重 み を 決 定 す る こ と に よ っ て 非 線 形 が け 崩 れ 発 生 限 界 雨 量 線 を 設 定 し て い る 。
そ の 結 果 、 例 え ば 非 特 許 文 献 1 で は 、 横 軸 に 実 効 雨 量 、 縦 軸 に 時 間 雨 量 を と っ た 判 別 境
界 面 が 曲 線 の 集 合 と し て 描 か れ る 。
こ の 曲 線 は 、 い わ ば 等 高 線 を 示 し た も の で 、 こ れ が 非 線 形 の が け 崩 れ 発 生 限 界 線 を 示 し
て い る 。 判 別 境 界 面 は 、 災 害 の 発 生 、 非 発 生 の 実 効 雨 量 と 時 間 雨 量 を プ ロ ッ ト し な が ら 、
そ の 高 さ 方 向 と し て 災 害 の 発 生 の 場 合 に は 教 師 値 を − 1 と し 、 非 発 生 の 場 合 に は 教 師 値 を
+ 1 と し た 放 射 状 基 底 関 数 を 考 え 、 そ の 重 ね 合 わ せ に よ っ て 演 算 さ れ た も の で あ る 。 従 っ
て 、 こ れ ら の 等 高 線 は 、 原 点 に 近 い 方 が 高 い も の で 、 原 点 の 存 在 す る 左 下 の 角 か ら 対 角 方
向 に 向 か っ て な だ ら か に 低 い も の と な っ て い る 。
こ の よ う な 災 害 の 発 生 限 界 線 や 避 難 基 準 線 、 警 戒 基 準 線 ( 以 下 、 こ れ ら を 総 称 し て C L
と い う 。 ) を 定 量 的 、 客 観 的 に 描 く こ と に よ っ て 精 度 の 高 い 防 災 事 業 の 立 案 の 判 断 が 可 能
で あ り 、 ま た 、 コ ン ピ ュ ー タ 処 理 に よ っ て 膨 大 な デ ー タ を 短 時 間 に 処 理 で き る こ と か ら 、
C L の 陳 腐 化 を 防 止 し て 精 度 の 高 い 情 報 を 提 供 で き る の で あ る 。
【 0 0 0 6 】
ま た 、 特 許 文 献 1 に お い て は 、 「 災 害 対 策 支 援 シ ス テ ム 」 と し て 、 災 害 発 生 時 に 実 行 す
べ き 災 害 対 策 を 自 動 的 に 選 択 し て 表 示 し 、 そ の 進 捗 状 況 を 併 せ て 示 す 手 段 を 備 え た シ ス テ
ム が 開 示 さ れ て い る 。
本 特 許 文 献 1 に 開 示 さ れ る 災 害 対 策 支 援 シ ス テ ム は 、 基 本 的 に は i f − t h e n 形 式 で
、 予 め 発 生 す る 事 象 と そ れ に 対 応 す る 対 策 を 関 連 付 け て 格 納 さ れ た 対 策 リ ス ト を 読 み だ し
て 、 対 応 す る も の で あ る 。 災 害 時 に 精 神 的 、 時 間 的 、 人 的 に 余 裕 の な い 状 況 で 、 的 確 な 判
断 を 可 能 と す べ く な さ れ た も の で あ る 。 ま た 、 標 準 的 な 作 業 時 間 と 実 働 時 に 要 し た 作 業 時
間 及 び 対 策 可 能 な 残 り 時 間 を 表 示 す る こ と で 、 対 策 進 捗 状 況 を リ ア ル タ イ ム に 把 握 す る こ
と が 可 能 で あ る と 同 時 に 、 重 要 度 の 高 い 対 策 と 低 い 対 策 を 取 捨 選 択 す る た め に も 用 い る こ
と が で き る 。
【 0 0 0 7 】
さ ら に 、 特 許 文 献 2 に お い て は 、 非 特 許 文 献 1 に 開 示 さ れ る 技 術 を 警 戒 避 難 シ ス テ ム に
応 用 し た 発 明 が 開 示 さ れ て い る 。 本 特 許 文 献 2 に 開 示 さ れ た 発 明 で は 、 災 害 に 影 響 を 及 ぼ
す 地 形 要 因 、 地 質 ・ 土 質 要 因 、 環 境 要 因 及 び 地 震 要 因 を 踏 ま え た 上 で 、 短 期 降 雨 指 標 と し
て 、 例 え ば 発 生 時 刻 か ら 3 時 間 以 内 の 最 大 時 間 雨 量 ( 以 下 、 一 定 時 間 内 の 代 表 的 な 雨 量 を
「 時 間 雨 量 」 と 略 す こ と が あ る 。 ) を 、 ま た 、 長 期 降 雨 指 標 と し て 、 例 え ば そ の 時 刻 に お
け る 半 減 期 を 7 2 時 間 と し た 実 効 雨 量 を 用 い て 、 C L を 演 算 す る も の で あ る 。
こ の よ う に し て 得 ら れ た C L を 用 い る こ と で 、 信 頼 性 の 高 い 警 戒 避 難 支 援 シ ス テ ム を 提
供 す る こ と が 可 能 で あ る 。
【 非 特 許 文 献 1 】 倉 本 和 正 他 5 名 : RBFネ ッ ト ワ ー ク を 用 い た 非 線 形 が け 崩 れ 発 生 限 界
雨 量 線 の 設 定 に 関 す る 研 究 、 土 木 学 会 論 文 集 の N o . 6 7 2 / V I − 5 0 , p p . 1 1 71020304050(4) JP 3975407 B2 2007年9月12日
− 1 3 2 , 2 0 0 1 . 3
【 特 許 文 献 1 】 特 開 2 0 0 2 − 2 3 0 2 3 5 号 公 報
【 特 許 文 献 2 】 特 開 2 0 0 3 − 1 8 4 0 9 8 号 公 報
【 発 明 の 開 示 】
【 発 明 が 解 決 し よ う と す る 課 題 】
【 0 0 0 8 】
し か し な が ら 、 非 特 許 文 献 1 及 び 特 許 文 献 2 に 開 示 さ れ た 発 明 で は 、 災 害 の 発 生 限 界 線
や 、 避 難 基 準 線 、 警 戒 基 準 線 を 設 定 す る こ と に 主 眼 を 置 い て お り 、 あ る 特 定 の 地 域 あ る い
は 一 定 の 条 件 毎 に ま と め ら れ た 地 域 グ ル ー プ に お い て 、 短 期 降 雨 指 標 や 長 期 降 雨 指 標 が ど
の 程 度 に 至 れ ば 災 害 の 発 生 の 危 険 性 が あ る の か を 客 観 的 に 評 価 す る こ と に 留 ま っ て い た 。
極 端 に 言 え ば 、 同 一 地 点 に お い て 、 蓄 積 さ れ た 短 期 及 び 長 期 の 降 雨 指 標 の デ ー タ を 入 力 し
て 、 そ の 地 点 で 蓄 積 さ れ た 降 雨 デ ー タ に 基 づ い て 、 ど の 程 度 の 降 雨 で 災 害 が 生 じ る こ と に
な る か と い う 判 断 を 行 っ て い た の で あ る 。
こ れ で は 、 客 観 的 、 定 量 的 な 評 価 で あ っ て も 、 地 域 毎 あ る い は グ ル ー プ 毎 に 個 別 具 体 的
な 評 価 を 行 う こ と は で き る も の の 、 特 定 の 地 域 で は な く 、 地 域 全 般 に 共 通 の 一 般 的 、 普 遍
的 な 評 価 を 行 う こ と が 困 難 で あ る と い う 課 題 が あ っ た 。 す な わ ち 、 デ ー タ と し て は 、 広 範
な 地 域 の デ ー タ を 一 緒 に 用 い て 、 そ れ ら に 含 ま れ る 様 々 な 要 因 を 把 握 し 、 そ れ ら の 要 因 の
中 か ら 変 数 と し て 選 択 し て 組 合 わ せ る こ と に よ っ て 得 ら れ る 総 合 的 な 潜 在 危 険 度 を 評 価 す
る こ と が 困 難 で あ る と い う 課 題 が あ っ た 。
【 0 0 0 9 】
ま た 、 特 許 文 献 1 に 開 示 さ れ た 発 明 で は 、 基 本 的 に 複 雑 で は あ る け れ ど も 予 め 定 め ら れ
た あ る い は 既 知 の 条 件 と そ の 対 策 を リ ス ト 状 の デ ー タ 構 造 を 備 え た も の を 用 い て 、 対 策 の
具 体 的 な 実 施 手 順 を 示 す も の で あ る 。 確 か に 対 策 リ ス ト は 補 正 、 更 新 が 可 能 で あ る も の の
基 本 的 に は 入 力 さ れ た デ ー タ を 基 に 判 断 が な さ れ 、 コ ン ピ ュ ー タ は 、 事 象 と 対 策 を 結 合 さ
せ る と い う 処 理 を 行 う に 過 ぎ な い も の で あ る と い う 課 題 が あ っ た 。
ま た 、 本 特 許 文 献 1 に 開 示 さ れ た 発 明 で は 、 事 象 が 発 生 し た 後 の 防 護 策 を 示 す も の で あ
っ て 、 事 前 の 予 防 策 に つ い て 教 示 す る も の で は な い の で 、 こ の 発 明 を 本 願 発 明 の よ う な 災
害 の 防 災 事 業 の 計 画 支 援 に 用 い た と し て も 、 例 え ば 斜 面 の 潜 在 的 な 危 険 度 と 、 加 え て 対 策
工 を 施 し た 後 の 危 険 度 か ら 対 策 工 の 効 果 を 定 量 的 に 把 握 す る こ と は 困 難 で あ る と い う 課 題
も あ る 。
【 0 0 1 0 】
本 発 明 は 、 か か る 従 来 の 事 情 に 対 処 し て な さ れ た も の で あ り 、 防 災 事 業 計 画 に 係 る 前 述
の 状 況 に 鑑 み 、 防 災 事 業 計 画 を 立 案 す る 際 に 、 例 え ば 対 策 工 の 施 工 の 優 先 順 位 付 け な ど で
、 地 域 全 体 を 網 羅 し な が ら 各 地 域 の そ れ ぞ れ の 災 害 発 生 の 潜 在 的 な 危 険 度 を 客 観 的 か つ 定
量 的 に 評 価 し た 評 価 情 報 と し て 提 示 し 、 さ ら に 、 既 に 災 害 に 対 す る 対 策 工 を 施 し た 箇 所 に
つ い て は 、 対 策 工 が 施 さ れ る 前 後 で 潜 在 的 な 危 険 度 が ど の 程 度 低 減 さ れ た か を 定 量 的 に 判
断 し て 、 他 の 対 策 工 を 施 し て い な い 箇 所 の 潜 在 危 険 度 と 同 一 レ ベ ル で 比 較 す る こ と で 、 現
時 点 で の 対 策 工 の 有 無 を 問 わ ず 新 た な 対 策 工 の 要 否 に つ い て 統 一 さ れ た 評 価 を 実 行 す る こ
と が で き る 、 客 観 的 で 精 度 の 高 い 評 価 を も っ て 、 防 災 事 業 計 画 の 立 案 を 支 援 す る こ と が で
き る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム を 提 供 す る こ と を 目 的 と す る 。
【 課 題 を 解 決 す る た め の 手 段 】
【 0 0 1 1 】
上 記 目 的 を 達 成 す る た め 、 請 求 項 1 記 載 の 発 明 で あ る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム は 、 情
報 入 力 装 置 と 、 情 報 格 納 装 置 と 、 情 報 演 算 装 置 と 、 情 報 出 力 装 置 を 有 し 、 各 地 域 に お け る
災 害 発 生 要 因
要 因 デ ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績
デ ー タ を 用 い
災 害 の 発 生 と 非 発 生 を 分 離 す る 判 別 境 界 線 又 は 判 別 境1020304050(5) JP 3975407 B2 2007年9月12日
に 関 係 す る 複 数 の を 、 2 次 元 以 上 の 空 間 ( 以 下 、 多 次 元 空 間 と い う 。 ) を 構
成 す る 座 標 軸 上 に 対 応 さ せ 、 前 記 複 数 の 要 因 に 係 る
教 師 値 と し て 、 前 記 複 数 の 要 因 に 係 る 要 因 デ ー タ に 対 応 し た 災 害 発 生 ・ 非 発
生 を 定 量 的 数 値 で 表 現 し な が ら 、 放 射 状 基 底 関 数 ネ ッ ト ワ ー ク 又 は サ ポ ー ト ベ ク タ ー マ シ
ン を 用 い て 解 析 す る こ と で 、 前 記 多 次 元 空 間 内 で 前 記 災 害 発 生 と 災 害 非 発 生 の 境 界 を 形 成
さ せ 、 こ の 境 界 を 前 記 こ と が 可 能 な
界 面 ( 以 下 、 判 別 境 界 線 を 含 め て 判 別 境 界 面 と い う 。 ) 基 準 と し て 、 あ る 地 域 に お け
る 災 害 発 生 の 危 険 度 を 演 算 す る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム で あ っ て 、
前 記 情 報 入 力 装 置 は 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 災 害 発 生 の 要 因 デ ー タ と 、 前 記 判 別 境 界 面
を 構 成 す る 境 界 デ ー タ と を 、 前 記 情 報 格 納 装 置 に 入 力
可 能 な 手 段 で あ っ て 、
前 記 情 報 演 算 装 置 は 、
前 記 境 界 デ ー タ
を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 こ の 境 界 デ ー タ
構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 に
、 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要
因 デ ー タ 又 は 前 記 情 報 入 力 装 置 か ら 入 力 さ れ た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 座 標
と し て 入 力 す る 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部
前 記 判 別 境 界 面 か ら 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ の 座 標
ま で の 距 離
を 前 記 災 害 発 生 の 潜 在 危 険 度 と し て 演 算
す る 潜 在 危 険 度 演 算 部
前 記 情 報 出 力 装 置 は 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 前 記 潜 在 危 険 度
の う ち 少 な く と も 1 の 情 報 を 出 力 可 能 な 手 段 で あ る も の
で あ る 。
な お 、 本 願 発 明 に お い て は 、 「 災 害 発 生 の 危 険 度 」 及 び 「 災 害 発 生 の 潜 在 危 険 度 」 と し
て い る が 、 こ れ は 、 そ れ ぞ れ 「 災 害 非 発 生 の 安 全 度 」 及 び 「 災 害 非 発 生 の 潜 在 安 全 度 」 と
い う 概 念 を も 含 む も の で あ り 、 決 し て 排 除 す る も の で は な い 。 以 下 の す べ て の 請 求 項 に 記
載 さ れ た 発 明 に 対 し て も 同 様 で あ る 。1020304050(6) JP 3975407 B2 2007年9月12日
な る
対 策 工 の 有 無 に よ っ て 予 め 分 類 し て
前 記 境 界 デ ー タ を 、 対 策 工 の 着 手 地 域 で 既 に 対 策 工 の 施 工 さ れ た 箇
所 の 対 策 工 施 工 後 の 要 因 デ ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ か ら 得 ら れ た 境 界 デ ー タ
( 以 下 、 特 に 、 第 1 の 境 界 デ ー タ と い う 。 ) と 、 対 策 工 の 着 手 地 域 で 既 に 対 策 工 の 施 工 さ
れ た 箇 所 の 対 策 工 施 工 以 前 の 要 因 デ ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ か ら 得 ら れ た 境
界 デ ー タ ( 以 下 、 特 に 、 第 2 の 境 界 デ ー タ と い う 。 ) 又 は 対 策 工 の 未 着 手 地 域 の 箇 所 の 要
因 デ ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ か ら 得 ら れ た 境 界 デ ー タ ( 以 下 、 特 に 、 第 3 の
境 界 デ ー タ と い う 。 ) 又 は 前 記 第 2 の 境 界 お よ び 第 3 の 境 界 を 求 め る た め に 用 い た 要 因 デ
ー タ と 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ か ら 得 ら れ た 境 界 デ ー タ ( 以 下 、 特 に 、 第 4 の 境 界
デ ー タ と い う 。 ) の う ち 少 な く と も 一 つ の 境 界 デ ー タ と し て 前 記 情 報 格 納 装 置 に 格 納 し 、
第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 と 第 2 の 解 析 条 件 設 定 部 と 潜 在 危 険 度 演 算
部 と 対 策 工 効 果 演 算 部 と を 備 え 、
前 記 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 は 、 の う ち 、 前 記 第 1 乃 至 第 4 の 境 界 デ ー タ
の 内 い ず れ か 1 の 境 界 デ ー タ か ら 構
成 さ れ る 判 別 境 界 面 が 、 前 記 要 因 を 次 元 と し て の 座 標 中 形 成 さ れ
、 こ の 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に点で あ り 、
前 記 潜 在 危 険 度 演 算 部 は 、
点 ( 但 し 、 こ の 距 離 は 、 前 記 座 標 点 が 前 記 判 別 境 界 面 に 対 し て 前 記 多 次 元 空 間
の 原 点 側 に あ る 場 合 を 正 と す る 。 以 下 、 同 様 。 )
で あ り 、
前 記 第 2 の 解 析 条 件 設 定 部 は 、 前 記 境 界 デ ー タ の う ち 、 第 1 の 境 界 デ ー タ を 前 記 情 報 格
納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 こ の 第 1 の 境 界 デ ー タ か ら 構 成 さ れ る 判 別 境 界 面 が 、 前 記 要 因 を
次 元 と し て 構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 形 成 さ れ 、 こ の 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 、 前 記
情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ 又 は 前 記 情 報 入 力 装 置 か ら
入 力 さ れ た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 座 標 点 と し て 入 力 す る と と も に 、 前 記 第 2
の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か
ら 読 み 出 し て 、 こ の 第 2 あ る い は 第 3 あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ か ら 構 成 さ れ る 判 別 境 界
面 が 、 前 記 要 因 を 次 元 と し て 構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 形 成 さ れ 、 こ の 多 次 元 空 間
の 座 標 中 に 、 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ 又 は 前 記
情 報 入 力 装 置 か ら 入 力 さ れ た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 座 標 点 と し て 入 力 す る 第
2 の 解 析 条 件 設 定 部 で あ り 、
前 記 対 策 工 効 果 演 算 部 は 、 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 さ れ た 第 1 の 境 界 デ ー タ で 構 成
さ れ る 第 1 の 判 別 境 界 面 か ら 、 及 び 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 さ れ た 第 2 の 境 界 デ ー タ
あ る い は 第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ で 構 成 さ れ る 第 2 の 判 別 境 界 面 か ら
前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ の 座 標 点 ま で の 距 離 ( 以 下 、 そ れ ぞ れ 第 1 境 界 距 離 及 び
第 2 境 界 距 離 と い う 。 ) を 演 算 し 、 前 記 第 1 境 界 距 離 か ら 第 2 境 界 距 離 を 差 し 引 い た 距 離
を 演 算 し 、 こ の 値 を 災 害 発 生 の 対 策 工 効 果 度 と す る 対 策 工 効 果 演 算 部 で あ り 、
前 記 潜 在 危 険 度 及 び 前 記 対 策 工 効 果 度 は 前 記 情 報 格 納 装 置 に 格 納 さ れ 、
と 前 記 第 1 境 界 距 離 と 前 記
第 2 境 界 距 離 と 前 記 対 策 工 効 果 度
【 0 0 1 2 】
ま た 、 請 求 項 2 に 記 載 さ れ る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム は 、 請 求 項 1 に 記 載 の 防 災 事 業
計 画 支 援 シ ス テ ム に お い て 、 前 記 情 報 装 置 は 、 総 合 危 険 度 演 算 部 を 備 え 、
前 記 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 は 、 前 記 境 界 デ ー タ の う ち 、 前 記 第 2 の 境 界 デ ー タ あ る い は
第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 前 記 第
2 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ か ら 構 成 さ れ る 判 別
境 界 面 が 、 前 記 要 因 を 次 元 と し て 構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 の 座 標 中 に 、 前 記 情 報 格 納 装 置 か
ら 読 み 出 し た 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ 又 は 前 記 情 報 入 力 装 置 か ら 入 力 さ れ た 前 記
あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 座 標 点 と し て 入 力 す る 第 1 の 解 析 条 件 設 定 部 で あ り 、
前 記 総 合 危 険 度 演 算 部 は 、 前 記 あ る 地 域 が 対 策 工 な し の 場 合 に 、 前 記 あ る 地 域 に お け る
前 記 潜 在 危 険 度 を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 総 合 危 険 度 と し 、 前 記 あ る 地 域 が 対
策 工 あ り の 場 合 に 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 前 記 潜 在 危 険 度 と 前 記 対 策 工 効 果 度 及 び 総 合 危
険 度 関 数 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 し て 、 前 記 潜 在 危 険 度 と 前 記 対 策 工 効 果 度
を 併 せ た 総 合 危 険 度 を 演 算 し 、
前 記 情 報 出 力 装 置 は 、 前 記 総 合 危 険 度 を 出 力 す る も の で あ る 。
【 0 0 1 5 】
請 求 項 に 記 載 さ れ た 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム は 、 請 求 項 1 に 記 載 さ れ
る 発 明 に お い て 、 地 域 は 、 個 別 の 災 害 発 生 の 恐 れ の あ る 箇 所 、 あ る い は 複 数 の 災 害 発 生 の
お そ れ の あ る 箇 所 を 包 含 す る 地 域 で あ る も の で あ る 。
【 0 0 1 8 】
請 求 項 に 記 載 さ れ た 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム は 、 請 求 項 1 乃 至 請 求 項 の い ず れ か
1 項 に 記 載 さ れ る 発 明 に お い て 、 情 報 演 算 装 置 は 、 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の 実 績 デ ー タ を 標 準
化 し て 標 準 化 デ ー タ を 生 成 す る 標 準 化 解 析 部 を 有 す る も の で あ る 。
【 0 0 1 9 】
請 求 項 に 記 載 さ れ た 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム は 、 請 求 項 1 乃 至 請 求 項 の い ず れ か
1 項 に 記 載 さ れ る 発 明 に お い て 、 前 記 情 報 演 算 装 置 は 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 災 害 発 生 の
恐 れ の あ る 個 別 の 箇 所 、 あ る い は 災 害 発 生 の お そ れ の あ る 複 数 の 箇 所 を 包 含
地 図 デ ー タ を 前 記 情 報 格 納 装 置 か ら 読 み 出 す 機 能 と 、 前 記 地 図 デ ー タ 上 に 、 前 記 あ る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ と 前 記 境 界 デ ー タ と 前 記 潜 在 危
険 度 の う ち 少 な く と も 1 の 情 報 を 、 視 覚 的 に 識 別 可 能 な 形 態 で 示 さ れ る 情 報 と し て 前 記 出
力 装 置 に 出 力 さ せ る 機 能 を 有 す る も の で あ る 。
【 発 明 の 効 果 】
【 0 0 2 0 】
本 発 明 は 、 防 災 事 業 計 画 の 立 案 に 際 し 、 例 え ば 災 害 を 未 然 に 防 止 す る 対 策 工 の 施 工 の 要
否 を 判 断 す る た め の 潜 在 危 険 度 を 客 観 的 か つ 定 量 的 に 評 価 す る 材 料 を 提 供 す る こ と が 可 能
で あ る 。
ま た 、 異 な る 地 域 毎 に 共 通 の 災 害 の 要 因 に 関 す る 潜 在 危 険 度 が 定 量 的 に 演 算 さ れ る た め
、 そ の 評 価 を 基 に す れ ば 、 対 策 工 施 工 の 優 先 順 位 を 客 観 的 に 決 定 す る こ と も 可 能 で あ る 。
【 0 0 2 1 】
さ ら る 地 域 が 対 策 工 の 着 手 地 域 で あ る 場 合 に 、 そ の 対 策 工 の 着 手 地 域 に お け る 潜
在 危 険 度 と 、 対 策 工 の 未 着 手 地 域 の デ ー タ 及 び / 又 は 対 策 工 の 着 手 地 域 に お け る 対 策 工 施
工 前 の 状 態 に お け る デ ー タ を 用 い て 演 算 さ れ る 潜 在 危 険 度 の 差 分 を と っ て 、 対 策 工 効 果 度
を 演 算 す る こ と が 可 能 で あ る 。 こ れ に よ っ て 、 客 観 的 か つ 定 量 的 に 対 策 工 の 妥 当 性 の 判 断
や 今 後 更 な る 対 策 工 の 要 否 の 判 断 、 最 も 対 策 効 果 の 高 い 工 法 の 選 定 が 可 能 と な る 。
【 0 0 2 2 】
ま 策 工 を 施 し た 地 域 と 対 策 工 を 施 し て い な い 地 域 が 混 在 す る 場 合 に お い て も 、 対1020304050(7) JP 3975407 B2 2007年9月12日
演 算
3 又 は 請 求 項 24 35 4
し 、 前 記 あ る
地 域 を 識 別 可 能 な 地 域 デ ー タ を 含 む
自 己 の 演 算 し た 前 記 潜 在 危 険 度 又 は 前 記 情 報 格 納 部 に 格 納 さ れ た 前 記 潜 在 危 険 度 を 読 み
出 し て 、 前 記 潜 在 危 険 度 に 含 め ら れ る 前 記 地 域 デ ー タ を キ ー と し て 、 前 記 地 図 デ ー タ に 含
ま れ る 地 域 デ ー タ と を 照 合 し 、 前 記 地 域 デ ー タ が 一 致 す る 地 域 及 び / 又 は そ の 周 辺 の 地 域
に 関 す る 地 図 デ ー タ を 読 み 出 す 機 能 と 、
に 、 あ
た 、 対
策 工 の 要 否 に つ い て 現 時 点 で の 対 策 工 の 有 無 に 無 関 係 に 統 一 さ れ た 評 価 を 基 に 総 合 的 な 判
断 を 実 行 す る こ と が で き る 。
さ ら に 、 特 に 請 求 項 に 記 載 さ れ た 発 明 に よ れ ば 、 ハ ザ ー ド マ ッ プ と し て よ り 視 覚 的 に
広 く 利 用 す る こ と が で き る 。
【 発 明 を 実 施 す る た め の 最 良 の 形 態 】
【 0 0 2 3 】
本 発 明 の 実 施 の 最 良 の 形 態 及 び 実 施 例 を 説 明 す る 前 に 、 本 願 特 許 請 求 の 範 囲 及 び 明 細 書
に 記 載 さ れ る 発 明 、 実 施 の 形 態 及 び 実 施 例 の 理 解 を 容 易 に す る た め 、 本 願 明 細 書 及 び 特 許
請 求 の 範 囲 の 中 で 使 用 さ れ る 語 の 定 義 を 示 す 。
ま ず 、 本 願 で い う 「 防 災 事 業 」 と は 、 直 接 的 に 防 災 の た め の 施 設 を 施 工 す る 事 業 に 限 ら
ず 、 災 害 の 発 生 の 恐 れ の あ る 箇 所 の 危 険 性 を 調 査 す る た め に 行 う 調 査 事 業 な ど 、 そ の 施 工
に つ き 優 先 順 位 付 け を 必 要 と す る あ ら ゆ る 災 害 を 対 象 と し た 全 て の 防 災 に 係 る 事 業 を 包 含
す る も の で あ る 。 ま た 、 「 対 策 工 」 と は 、 防 災 事 業 と し て 、 予 防 的 に あ る い は 主 に は 発 生
し た 災 害 の 復 旧 の た め に 施 工 さ れ る 全 て の 工 法 を 言 う 。 具 体 的 に は 、 斜 面 の 対 策 工 を 例 に
取 る と 、 ロ ッ ク ネ ッ ト 工 、 植 生 工 、 モ ル タ ル 吹 き 付 け 工 、 ス ト ン ガ ー ド な ど 比 較 的 簡 易 な
も の か ら 、 法 枠 工 、 ロ ッ ク ボ ル ト 工 、 ア ン カ ー 工 、 押 さ え 盛 土 工 、 擁 壁 工 な ど 抑 止 効 果 が
高 く 比 較 的 規 模 の 大 き な も の ま で 、 全 て が 含 ま れ る 。 ま た 河 川 水 害 の 対 策 工 を 例 に 取 る と
、 洪 水 調 節 ダ ム 、 水 制 工 、 護 岸 工 、 河 川 堤 防 等 、 こ ち ら も あ ら ゆ る 工 法 が 対 象 と な る 。
本 願 で い う 「 地 域 」 と は 、 あ る 一 定 の 広 さ を 持 っ た 地 形 の 範 囲 の み な ら ず 、 特 定 の 狭 い
範 囲 の 「 箇 所 」 や 「 地 点 」 、 さ ら に は 個 別 の 「 災 害 の 恐 れ の あ る 箇 所 」 あ る い は 複 数 の 「
災 害 の 恐 れ の あ る 箇 所 」 を 包 含 す る 地 形 と い う よ う な 概 念 を 含 む も の で あ る 。
【 0 0 2 4 】
ま た 、 本 願 で い う 「 災 害 発 生 の 要 因 」 は 、 災 害 発 生 の 素 因 と な り う る 地 形 要 因 、 土 質 ・
地 質 ・ 岩 質 ・ 構 造 要 因 、 表 層 の 状 況 に 係 る 要 因 、 形 状 要 因 、 変 状 要 因 、 地 震 時 の 安 定 性 に
係 る 要 因 、 対 策 工 に 係 る 要 因 、 さ ら に 災 害 発 生 の 誘 因 と な り う る 短 期 降 雨 指 標 及 び 長 期 降
雨 指 標 な ど の 指 標 で 代 表 さ れ る 降 雨 要 因 や 河 川 流 量 や 河 川 水 位 、 地 下 水 位 な ど の 指 標 で 代
表 さ れ る 水 文 要 因 、 気 圧 、 風 向 、 風 力 な ど の 指 標 で 代 表 さ れ る 降 雨 以 外 の 気 象 要 因 を 含 む
も の で あ る 。 具 体 的 に は 、 表 土 の 厚 さ 、 地 盤 の 状 況 、 斜 面 と 不 連 続 面 の 関 係 、 断 層 の 有 無
、 岩 石 区 分 等 の 地 形 や 地 質 に 係 る 要 因 、 植 生 、 樹 木 の 樹 齢 、 伐 採 痕 の 有 無 、 湧 水 の 有 無 、
崩 壊 履 歴 の 有 無 等 の 環 境 に 係 る 要 因 、 時 間 雨 量 、 実 効 雨 量 、 連 続 雨 量 、 土 壌 雨 量 指 数 等 の
降 雨 に 係 る 要 因 を 含 み 、 こ れ ら を 判 別 境 界 面 の 設 定 に 供 さ れ る 危 険 度 の 解 析 を 実 行 す る た
め の 属 性 と し て 用 い る こ と が で き る も の で あ る 。 な お 、 対 策 工 に 係 る 要 因 と は 、 対 策 工 の
有 無 に 加 え て そ の 対 策 工 が 想 定 さ れ る 落 石 や 崩 壊 を 十 分 に 予 防 し て い る か 否 か な ど の 性 能
、 機 能 に 関 す る 要 因 を い う 。
【 0 0 2 5 】
ま た 、 本 願 で い う 「 短 期 降 雨 指 標 」 と 「 長 期 降 雨 指 標 」 は 、 従 来 技 術 と 同 様 で あ る が 、
「 短 期 的 な 降 雨 指 標 」 と 「 長 期 的 な 降 雨 指 標 」 を 意 味 し 、 そ の 間 に 厳 密 な 規 定 は な く 、 短
期 降 雨 指 標 と し て は 、 例 え ば 、 時 間 雨 量 や 半 減 期 を 短 く し た 実 効 雨 量 が 用 い ら れ 、 長 期 降
雨 指 標 と し て は 、 例 え ば 、 積 算 雨 量 や 半 減 期 を 長 く し た 実 効 雨 量 あ る い は 土 壌 雨 量 指 数 等
が 用 い ら れ る 。
さ ら に 、 本 願 で は 、 災 害 発 生 要 因 の 組 合 せ に 対 す る 災 害 発 生 ・ 非 発 生 の デ ー タ を 「 実 績
デ ー タ 」 と 呼 ぶ 。
本 願 発 明 に 用 い ら れ る 「 判 別 境 界 線 」 と し て は 、 例 え ば 2 次 元 平 面 に お い て は 、 先 の 非
特 許 文 献 1 や 特 許 文 献 2 に お い て 開 示 さ れ て い る C L が 代 表 的 な も の で あ る 。 こ れ ら の 文
献 に 示 さ れ る と お り 、 R B F N な ど を 利 用 し て 、 あ る 地 点 の 降 雨 指 標 に 対 す る 発 生 と 非 発
生 の 事 象 に 教 師 値 ( そ れ ぞ れ − 1 , + 1 ) を 用 い 、 ま ず 判 別 境 界 面 を 解 析 し 、 そ の 後 所 望
の 水 平 平 面 と 判 別 境 界 面 の 交 線 を C L と し て 抽 出 す る も の で あ る 。 ま た 、 判 別 境 界 面 の 代
表 例 と し て は 、 先 の R B F N を 用 い て 解 析 さ れ た 判 別 境 界 面 の 他 、 本 願 の 実 施 の 形 態 に お
い て 説 明 す る と お り 、 サ ポ ー ト ベ ク タ ー マ シ ン を 用 い て 解 析 さ れ る 分 離 超 平 面 ( 以 下 、 H
P と 略 す こ と が あ る 。 ) が あ る 。 も ち ろ ん 、 判 別 境 界 線 及 び 判 別 境 界 面 は こ れ ら の 解 析 に1020304050(8) JP 3975407 B2 2007年9月12日5 限 定 す る も の で は な く 、 災 害 発 生 の 要 因 か ら 少 な く と も 2 つ の 要 因 を 選 択 し た 平 面 あ る い
は 多 次 元 の 空 間 中 に 概 念 さ れ 、 災 害 発 生 と い う 観 点 か ら 安 全 側 と 危 険 側 へ 分 離 す る た め の
線 あ る い は 面 の す べ て を 包 含 す る も の で あ る 。 但 し 、 こ れ ら の 判 別 境 界 線 あ る い は 判 別 境
界 面 の 解 析 に 本 願 の 発 明 の 本 質 が あ る の で は な く 、 あ く ま で も こ れ ら の 線 や 面 が 存 在 し て
い る こ と を ベ ー ス に そ れ を 用 い る も の で あ る 。
【 0 0 2 6 】
以 下 、 本 発 明 の 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム に つ い て 図 1 乃 至 8 を 参 照
し な が ら 説 明 す る 。
図 1 は 、 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム の 構 成 図 で あ る 。 ま た 、 図 2 は
本 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム を 用 い た 演 算 処 理 方 法 を 示 す フ ロ ー チ ャ ー ト で あ る 。
図 1 に お い て 、 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム は 、 入 力 部 1 と 演 算 部 2 と 出 力 部 9 と 複 数 の
デ ー タ ベ ー ス 1 1 , 1 3 , 1 6 , 2 3 か ら 構 成 さ れ る 。
入 力 部 1 は 、 こ れ ら の デ ー タ ベ ー ス に 格 納 さ れ る デ ー タ 1 0 a を 予 め 入 力 し た り 、 あ る
い は 演 算 部 2 の 作 動 時 に 直 接 デ ー タ 1 0 a や 解 析 条 件 1 0 b を 入 力 す る た め に 使 用 さ れ る
も の で あ る 。 具 体 的 に は 、 例 え ば 、 キ ー ボ ー ド 、 マ ウ ス 、 ペ ン タ ブ レ ッ ト 、 あ る い は 、 コ
ン ピ ュ ー タ 等 の 解 析 装 置 や 計 測 機 器 等 か ら 通 信 回 線 を 介 し て デ ー タ を 受 信 す る 受 信 装 置 な
ど 複 数 種 類 の 装 置 か ら な り 目 的 に 応 じ た 使 い 分 け 可 能 な 装 置 が 考 え ら れ る 。
【 0 0 2 7 】
演 算 部 2 は 、 標 準 化 解 析 部 3 、 解 析 条 件 設 定 部 4 、 潜 在 危 険 度 演 算 部 5 、 デ ー タ 分 類 部
6 、 対 策 工 効 果 演 算 部 7 及 び 総 合 危 険 度 演 算 部 8 か ら 構 成 さ れ る も の で あ る 。
演 算 部 2 は 、 デ ー タ ベ ー ス か ら 読 み 出 さ れ た り 、 入 力 部 1 か ら 入 力 さ れ る 判 別 境 界 線 や
判 別 境 界 面 に 関 す る デ ー タ 1 0 a や 災 害 発 生 に 関 す る 実 績 に 関 す る デ ー タ 1 0 a 、 及 び 解
析 条 件 1 0 b を 用 い て 、 潜 在 危 険 度 や 対 策 工 効 果 度 の 解 析 や 、 対 策 工 の 施 工 有 無 が 混 在 し
た 地 点 が 混 在 す る 場 合 に お い て 、 対 策 工 の 有 無 に よ ら ず 統 一 的 な 総 合 危 険 度 の 解 析 を 行 う
も の で あ る 。 演 算 部 2 と し て 具 体 的 に は 、 ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン や パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ
等 の コ ン ピ ュ ー タ が 考 え ら れ る 。
ま た 、 デ ー タ ベ ー ス と し て は 、 磁 気 デ ィ ス ク や 光 デ ィ ス ク 等 の コ ン ピ ュ ー タ 用 の 記 憶 装
置 に デ ー タ を 格 納 し た も の が 考 え ら れ 、 出 力 部 9 と し て は 、 C R T 、 液 晶 、 プ ラ ズ マ あ る
い は 有 機 E L な ど に よ る デ ィ ス プ レ イ 装 置 、 あ る い は プ リ ン タ 装 置 な ど の 表 示 装 置 、 さ ら
に は 外 部 装 置 へ の 伝 送 を 行 う た め の ト ラ ン ス ミ ッ タ な ど の 発 信 装 置 な ど が 考 え ら れ る 。
【 0 0 2 8 】
主 と し て 以 上 の よ う な 構 成 要 素 を 備 え る 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム
は 、 概 ね 以 下 の よ う な 処 理 手 順 に よ っ て そ の 処 理 を 行 う こ と が で き る 。
図 2 の ス テ ッ プ S 1 に も 示 さ れ る と お り 、 入 力 部 1 に よ る 入 力 処 理 で は 、 先 ず 、 デ ー タ
を 入 力 す る 処 理 を 行 う が 、 そ の 入 力 デ ー タ と し て は 、 例 え ば 、 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 、 あ
る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 な ど が あ る 。 ま た 、 災 害 発 生 の 要 因 に 係 る 定 量 的 な デ ー タ (
以 下 、 要 因 デ ー タ と い う 。 ) と 、 災 害 の 発 生 の 有 無 を 対 応 付 け た 実 績 デ ー タ が あ り 、 こ の
要 因 デ ー タ と 実 績 デ ー タ を 各 地 域 に お い て 対 応 さ せ た デ ー タ セ ッ ト と し て 災 害 実 績 デ ー タ
1 2 が あ る 。 こ の よ う な 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 は 、 実 測 デ ー タ で も よ い が 、 標 準 化 処 理 を 行
い 標 準 化 デ ー タ と し て も よ い 。
な お 、 要 因 デ ー タ の 定 量 的 と は 、 例 え ば 地 形 要 因 と し て そ の 地 域 が 斜 面 を 形 成 し て い る
場 合 に 、 そ の 勾 配 を 角 度 や パ ー ミ ル 、 あ る い は 高 さ を メ ー ト ル な ど 測 定 し た 場 合 の そ の 数
値 を 意 味 し た り 、 あ る い は 例 え ば 地 形 要 因 と し て そ の 地 域 の 土 質 が 侵 食 に 弱 い 土 質 で あ る
か 否 か を 3 段 階 の レ ベ ル で 表 現 し た 場 合 に は 、 そ の レ ベ ル 1 , 2 , 3 な ど も 定 量 的 と す る
も の で あ る 。 す な わ ち 、 物 理 量 と し て 数 値 で 表 現 で き る も の の 他 、 非 物 理 量 で あ っ た り 、
定 性 的 に し か 表 現 で き な い よ う な 場 合 に 、 そ の 状 態 を 何 ら か の レ ベ ル で 表 現 す る よ う な 場
合 も そ の レ ベ ル の 数 値 を も っ て 定 量 的 と す る も の で あ る 。
本 発 明 に よ っ て 演 算 可 能 な 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 の 実 例 と し て 表 1 、 2 、 3 を 挙 げ る 。 表
1 は 道 路 沿 線 の 斜 面 点 検 デ ー タ に 基 づ く 災 害 実 績 デ ー タ で 、 7 個 の 地 形 ・ 地 質 要 因 と 対 策
工 の 有 無 を 示 す 要 因 、 災 害 発 生 の 有 無 か ら 構 成 さ れ て い る 。 表 2 は 土 石 流 危 険 渓 流 の 調 査1020304050(9) JP 3975407 B2 2007年9月12日
カ ル テ に 基 づ く 災 害 実 績 デ ー タ で 、 5 個 の 地 形 ・ 地 質 要 因 と 2 個 の 降 雨 要 因 、 災 害 発 生 の
有 無 か ら 構 成 さ れ て い る 。 表 3 は 河 川 水 害 に 関 す る 調 査 デ ー タ に 基 づ く 災 害 実 績 デ ー タ で
6 個 の 地 形 要 因 、 基 本 高 水 流 量 お よ び ダ ム 調 節 流 量 の 水 文 要 因 と 災 害 発 生 の 有 無 か ら 構 成
さ れ て い る 。
【 0 0 2 9 】
【 表 1 】
【 0 0 3 0 】
【 表 2 】 【 0 0 3 1 】10203040
(10) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 3 】
【 0 0 3 2 】
入 力 部 1 で は 、 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 及 び 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 を 境 界 デ ー タ ベ ー ス 1
3 に 格 納 す る 。 ま た 、 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 を 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1 に 格 納 す る 。 但 し 、 こ
れ ら の デ ー タ は デ ー タ ベ ー ス に 格 納 さ れ る こ と な く 、 直 接 演 算 部 2 に 送 信 さ れ る 場 合 も あ
る 。
【 0 0 3 3 】
演 算 部 2 の 標 準 化 解 析 部 3 で は 、 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 や 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は
判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 が 標 準 化 さ れ て い な い 場 合 で あ っ て 、 潜 在 危 険 度 や 対 策 工 効 果 度 等
を 標 準 化 し た 評 価 と し て 得 る 場 合 に 、 こ れ ら の デ ー タ を 標 準 化 す る も の で あ る 。 災 害 実 績
デ ー タ 1 2 に は 、 要 因 デ ー タ が 含 ま れ て お り 、 標 準 化 さ れ て い な い 場 合 に 、 こ れ ら を 標 準
化 し た 方 が 望 ま し い 場 合 に は 標 準 化 解 析 部 3 を 用 い て 標 準 化 処 理 を 行 う 。 同 様 に 、 判 別 境
界 線 デ ー タ 1 4 や 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 に つ い て も 要 因 デ ー タ に 係 る 部 分 に つ い て は 標 準
化 処 理 を 行 う 。
そ の 際 の 基 準 と な る 値 な ど の 標 準 化 解 析 に 用 い ら れ る 条 件 に つ い て は 、 解 析 デ ー タ ベ ー
ス 1 6 に 解 析 条 件 デ ー タ 1 7 と し て 格 納 さ れ て い る 。 基 準 値 を 例 え ば 各 地 域 に お け る 要 因
デ ー タ の 最 大 値 と し て 解 析 条 件 デ ー タ 1 7 と し て 格 納 し て お き 、 標 準 化 解 析 部 3 は 、 解 析
デ ー タ ベ ー ス 1 6 か ら 解 析 条 件 デ ー タ 1 7 を 読 み 出 し て 、 こ れ と 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1 か
ら 読 み 出 し た 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 、 あ る い は 境 界 デ ー タ ベ ー ス 1 3 か ら 読 み 出 し た 判 別 境
界 線 デ ー タ 1 4 又 は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 を 用 い て 標 準 化 処 理 を 実 施 す る 。 基 準 値 は 要 因
デ ー タ の 最 大 値 に 限 定 す る も の で は な く 、 所 望 の 基 準 値 を 解 析 条 件 デ ー タ 1 7 と し て 予 め
解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 に 格 納 し て お く と よ い 。
な お 、 こ の 標 準 化 解 析 部 3 に お け る 処 理 に つ い て は 選 択 的 で も あ る た め 図 2 に お い て は
図 示 し て い な い 。
【 0 0 3 4 】
次 に 、 演 算 部 2 の 解 析 条 件 設 定 部 4 で は 、 図 2 で は ス テ ッ プ S 2 に 示 さ れ る と お り 、 解
析 を 行 う 対 象 や パ ラ メ ー タ な ど を 設 定 す る も の で あ る 。 具 体 的 に は 、 災 害 実 績 デ ー タ 1 2
か ら ど の 地 域 の ど の 要 因 デ ー タ の 組 合 せ を 抽 出 し 、 そ れ に 対 応 す る ど の 境 界 デ ー タ 、 す な
わ ち ど の 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 を 抽 出 す る か を 設 定 す る も
の で あ る 。1020304050(11) JP 3975407 B2 2007年9月12日
こ こ で 解 析 条 件 設 定 部 4 は 、 入 力 部 1 を 介 し て 、 ど の よ う な 条 件 で 解 析 を 行 う か に つ い
て 入 力 を 促 し 、 入 力 さ れ た 条 件 を キ ー と し て 、 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1 と 境 界 デ ー タ ベ ー ス
1 3 に ア ク セ ス し て 該 当 す る 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 と 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 又 は 判 別 境 界 面
デ ー タ 1 5 を 読 み 出 す 。 入 力 を 促 す た め に 表 示 さ れ る 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1 及 び 境 界 デ ー
タ ベ ー ス 1 3 に 格 納 さ れ て い る デ ー タ 内 容 あ る い は デ ー タ 構 造 を 示 す パ ラ メ ー タ デ ー タ 1
8 は 、 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 に 格 納 さ れ て い る た め 、 解 析 条 件 設 定 部 4 は ま ず 、 こ の 解 析
デ ー タ ベ ー ス 1 6 に ア ク セ ス し て 、 パ ラ メ ー タ デ ー タ 1 8 を 読 み 出 し て 、 そ の パ ラ メ ー タ
デ ー タ 1 8 を 出 力 部 9 を 利 用 し て 表 示 な ど さ せ る と よ い 。 こ の 表 示 を 受 け て 本 防 災 事 業 計
画 支 援 シ ス テ ム の ユ ー ザ ー は 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 や 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 、 判 別 境 界 面 デ
ー タ 1 5 の デ ー タ の 選 択 を 行 う こ と が で き る 。
そ の 選 択 を 受 け て 、 解 析 条 件 設 定 部 4 は 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 に 含 ま れ る 要 因 デ ー タ の 組
合 せ に 対 応 し て 形 成 さ れ る 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 が 構 成 さ
れ る 多 次 元 空 間 上 に 、 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 に 含 ま れ る 評 価 対 象 と な る 地 域 に お け る 要 因 デ
ー タ を 入 力 す る 。
【 0 0 3 5 】
潜 在 危 険 度 演 算 部 5 で は 、 図 2 に ス テ ッ プ S 3 と し て 示 さ れ る と お り 、 解 析 条 件 設 定 部
4 に よ っ て 設 定 さ れ た 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 と 、 評 価 対 象
と な る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を ベ ー ス に 、 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ
ー タ 1 5 が 表 す 判 別 境 界 面 か ら 評 価 対 象 と な る 地 域 の 要 因 デ ー タ の 座 標 ( 点 B j ) ま で の
距 離 を 演 算 す る 。
演 算 さ れ た 距 離 は 、 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 4 と し て 潜 在 危 険 度 演 算 部 5 に よ っ て 評 価 情 報
デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 格 納 さ れ る 。
【 0 0 3 6 】
こ こ で 、 図 3 を 参 照 し な が ら 、 具 体 的 に 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー
タ 1 5 と 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 に 基 づ く 判 別 境 界 面 、 さ ら
に 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 4 を 具 体 的 に 説 明 す る 。
図 3 は 、 サ ポ ー ト ベ ク タ ー マ シ ン を 用 い て 解 析 し た 判 別 境 界 面 を 2 次 元 平 面 上 に 示 し た
概 念 図 で あ る 。 図 3 で は 、 横 軸 に 、 地 形 要 因 の 1 つ で あ る 湧 水 の 状 況 を と り 、 縦 軸 に は 地
形 要 因 の 1 つ で あ る 被 覆 状 況 を と る も の で あ る 。 本 図 は 概 念 図 で あ る た め 、 詳 細 に 軸 目 盛
を 付 し て い な い が 原 点 か ら 遠 ざ か る ほ ど 、 危 険 側 に な る も の で あ る 。 図 中 点 線 で 表 現 さ れ
る 線 が 、 判 別 境 界 面 を 表 し て い る 。
こ の 判 別 境 界 面 を 構 成 す る の が 、 境 界 デ ー タ ベ ー ス 1 3 に 格 納 さ れ て い る 判 別 境 界 面 デ
ー タ 1 5 で あ る 。 ( 以 下 、 こ の 判 別 境 界 面 を 図 2 の ス テ ッ プ S 3 に 記 載 さ れ る と お り 判 別
境 界 面 I と い う 。 )
ま た 、 黒 丸 は あ る 地 域 で 災 害 が 発 生 し た デ ー タ で あ る こ と を 示 し て お り 、 白 丸 は あ る 地
域 で 災 害 が 発 生 し な か っ た デ ー タ で あ る こ と を 示 し て お り 、 そ れ ら の 地 域 の 地 形 要 因 の 定
量 デ ー タ に 対 応 さ せ て こ の 2 次 元 平 面 上 に 点 を プ ロ ッ ト し て い る 。 図 中 に も 記 載 さ れ て い
る が 、 判 別 境 界 面 ( 判 別 境 界 面 I ) か ら 危 険 側 へ 離 れ る ほ ど 潜 在 危 険 度 が 高 く な り 、 そ れ
に 伴 っ て プ ロ ッ ト さ れ て い る デ ー タ も 発 生 デ ー タ が 増 え て い る こ と が わ か る 。
こ の 発 生 ・ 非 発 生 デ ー タ が 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 で あ る 。 詳 細 に は 、 発 生 と し て 黒 丸 と な
っ て い る の は 、 実 績 デ ー タ に よ る も の で 、 そ の プ ロ ッ ト さ れ て い る 位 置 は 要 因 デ ー タ に よ
る も の で あ る 。
な お 、 本 実 施 の 形 態 に お い て は 、 横 軸 に 地 形 要 因 の 1 つ で あ る 湧 水 の 状 況 を と り 、 縦 軸
に 被 覆 状 況 を と っ て い る の で 、 原 点 か ら 遠 ざ か る ほ ど 危 険 側 に な り 、 近 づ く ほ ど 安 全 側 と
な る が 、 地 形 要 因 に よ っ て は 、 そ の 逆 も 存 在 す る こ と は 言 う ま で も な い 。 ま た 、 地 形 要 因
の み な ら ず 、 原 点 か ら の 遠 近 に よ っ て 安 全 側 あ る い は 危 険 側 と な る こ と は 広 く 地 域 の 要 因
デ ー タ の 特 質 に 基 づ く も の で あ り 、 本 願 発 明 の 特 徴 に 基 づ く も の で は な い 。 さ ら に 、 要 因
デ ー タ の 特 質 と は 無 関 係 に 、 単 に 縦 軸 と 横 軸 に お い て 、 原 点 に 近 い 側 に 安 全 側 を 取 る か 危
険 側 を 取 る か は 適 宜 決 定 さ れ て よ く 、 特 に 本 実 施 の 形 態 に お い て 限 定 す る も の で は な い 。
こ れ ら に つ い て は 、 以 下 の 実 施 の 形 態 の 説 明 に お い て も 同 様 で あ る 。1020304050(12) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 0 0 3 7 】
潜 在 危 険 度 演 算 部 5 で は 、 図 3 に 示 さ れ る 判 別 境 界 面 I か ら 、 評 価 の 対 象 と な る 地 域 の
デ ー タ 点 ま で の 距 離 f ( x 、 y ) を 演 算 し て 、 そ の 距 離 を 潜 在 危 険 度 と す る も の で あ る 。
従 っ て 、 図 3 に 示 さ れ る と お り 、 判 別 境 界 面 か ら 原 点 寄 り の デ ー タ 点 で は 、 そ の 潜 在 危 険
度 は 正 と な り 安 全 側 で あ り 、 原 点 か ら 遠 ざ か る 側 の デ ー タ 点 で は 逆 に 潜 在 危 険 度 は 負 と な
り 危 険 側 と な る こ と が わ か る 。 ま た 、 距 離 で 表 現 さ れ て い る の で 、 評 価 対 象 の 地 域 に お け
る 潜 在 危 険 度 が 定 量 的 に 表 現 さ れ 、 他 地 域 と の 比 較 に お い て も 客 観 的 に 判 断 が 可 能 で あ る。 図 3 に 示 さ れ る 各 デ ー タ は 、 地 域 毎 に 要 因 デ ー タ が 異 な る た め 2 次 元 平 面 で 様 々 な 位 置
に プ ロ ッ ト さ れ る が 、 そ れ ら の デ ー タ 収 集 を 重 ね る こ と に よ っ て 地 形 要 因 な ど の 災 害 発 生
要 因 と 、 実 際 の 災 害 の 発 生 ・ 非 発 生 の 関 係 の 評 価 の 精 度 が 向 上 し 、 よ り 普 遍 的 、 一 般 的 な
評 価 を 行 う こ と が 可 能 と な る 。
あ る 地 域 の 道 路 沿 線 斜 面 を 対 象 に 、 サ ポ ー ト ベ ク タ ー マ シ ン を 用 い て 地 形 ・ 地 質 要 因 か
ら 作 成 し た 判 別 境 界 面 に よ り 求 め た 潜 在 危 険 度 の 算 出 例 を 示 す 。 分 析 は 全 716箇 所 の 斜 面
デ ー タ に つ い て 70%を 学 習 デ ー タ 、 30%を テ ス ト デ ー タ と し て 用 い た 。 表 4 お よ び 表 5 は 学
習 デ ー タ を 対 象 と し た 潜 在 危 険 度 の 算 出 結 果 ( 上 位 20位 、 下 位 20位 ) を 示 し た も の で あ る。【 0 0 3 8 】
【 表 4 】 102030(13) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 5 】 【 0 0 3 9 】
図 4 は 、 こ こ で 設 定 さ れ た 潜 在 危 険 度 と 過 去 の 災 害 発 生 実 績 に 基 づ く 災 害 発 生 確 率 と の
関 係 を 示 し た も の ( 潜 在 危 険 度 は 偏 差 値 化 し て 表 示 ) で あ る 。 白 抜 き で 表 現 さ れ る ヒ ス ト
グ ラ ム は 災 害 が 発 生 し た 場 合 の も の で あ り 、 ハ ッ チ ン グ を 施 し た ヒ ス ト グ ラ ム は 災 害 が 発
生 し な か っ た 場 合 の も の で あ る 。 ま た 、 黒 三 角 の プ ロ ッ ト を 結 ぶ 線 図 は 、 災 害 発 生 確 率 を
示 す も の で あ る 。 本 図 か ら 、 危 険 度 と 災 害 発 生 確 率 の 間 に 高 い 相 関 が あ る こ と が 認 め ら れ
る 。
ま た 、 図 5 は 従 来 道 路 沿 線 斜 面 の 評 価 に 用 い ら れ て き た 道 路 防 災 総 点 検 要 領 に 基 づ く 診
断 結 果 ( 評 点 ) と 災 害 発 生 確 率 と の 関 係 を 示 し た も の で あ る ( 評 点 は 偏 差 値 化 し て 表 示 )
。 凡 例 に つ い て は 、 図 4 と 同 様 で あ る 。 前 述 の 図 4と 比 較 し た 場 合 、 明 ら か に 判 別 境 界 面
に 基 づ く 潜 在 危 険 度 の 方 が 高 い 相 関 を 示 し て い る こ と が わ か る 。 こ れ は 、 本 発 明 の 実 施 例
に お け る 評 価 精 度 が 従 来 手 法 よ り 向 上 し て い る こ と を 示 す 一 例 で あ る 。
さ ら に 図 6 で は 、 学 習 デ ー タ で 形 成 し た 判 別 境 界 面 を 利 用 し て テ ス ト デ ー タ の 潜 在 危 険
度 を 求 め る こ と を 試 み た 結 果 で あ る 。 こ こ で も 潜 在 危 険 度 と 災 害 発 生 確 率 の 間 に は 明 瞭 な
相 関 が 認 め ら れ 、 本 発 明 の 汎 用 性 が 示 さ れ て い る 。 ま た 、 テ ス ト デ ー タ に 関 す る 従 来 手 法
で の 評 価 結 果 を 図 7 に 示 す が 、 こ れ と の 比 較 で も 、 本 発 明 の 実 施 例 の 方 が 高 い 精 度 を 有 し
て い る こ と が 認 め ら れ る 。
【 0 0 4 0 】
こ の よ う な 実 施 例 の 対 象 と な る も の は 、 道 路 斜 面 に 限 っ た も の で は な い 。 他 の 災 害 の 発
生 が 想 定 さ れ る 様 々 な 対 象 物 に 対 し て 、 そ の 潜 在 危 険 度 を 求 め る こ と が 出 来 る 。 以 下 に 、
道 路 斜 面 以 外 を 対 象 と し て 潜 在 危 険 度 を 算 出 し た 事 例 を 示 す 。
表 6 は 土 石 流 危 険 渓 流 を 対 象 と し て 土 石 流 発 生 の 潜 在 危 険 度 を 算 出 し た 例 で あ る 。 デ ー タ
に 記 載 さ れ て い る 要 因 の 数 や 内 容 は 道 路 斜 面 と 異 な る も の の 、 同 様 に 潜 在 危 険 度 を 算 出 す
る こ と が 出 来 る 。 図 8 は 、 表 6 で 示 し た デ ー タ に 関 し 、 サ ポ ー ト ベ ク タ ー マ シ ン を 用 い て
判 別 境 界 面 を 解 析 し 、 図 3 を 用 い て 説 明 し た 判 別 境 界 面 か ら 評 価 の 対 象 と な る 地 域 の デ ー
タ 点 ま で の 距 離 を f ( x , y ) A と し て 、 そ の 算 出 さ れ た f ( x , y ) A に よ る 潜 在 危 険 度
と 災 害 発 生 状 況 の 関 係 に つ い て 図 4 と 同 じ 書 式 で 示 す 。 こ こ で も 、 危 険 度 と 災 害 発 生 確 率
の 間 に 高 い 相 関 が あ る こ と が 認 め ら れ る 。 ま た 、 図 9 は 図 8 と 同 じ デ ー タ を 対 象 と し て 、
判 別 境 界 面 か ら デ ー タ 点 ま で の 距 離 を 潜 在 危 険 度 と す る こ と に 代 え て 、 ラ フ 集 合 を 用 い て
土 石 流 発 生 の 危 険 度 設 定 を 行 う 従 来 手 法 を 試 み た 結 果 で あ る ( 竹 本 大 昭 他 6名 : ラ フ 集1020304050(14) JP 3975407 B2 2007年9月12日
合 を 用 い た 土 石 流 発 生 ・ 非 発 生 Ruleの 抽 出 と 危 険 度 の 設 定 手 法 に 関 す る 研 究 、 砂 防 学 会 誌
、 Vol.57、 No.2、 p.4‐15、 2004) 。 両 図 を 比 較 す る と 、 本 発 明 の 手 法 が 既 往 の 手 法 に 対 し
て 高 い 精 度 を 有 し て い る こ と は 明 ら か で あ る 。
表 7 は 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 を 対 象 と し て が け 崩 れ 発 生 の 潜 在 危 険 度 を 算 出 し た 例 で あ
る 。 図 1 0 に 算 出 さ れ た f ( x , y ) A に よ る 潜 在 危 険 度 と 災 害 発 生 状 況 の 関 係 に つ い て
示 す が 、 こ こ で も 危 険 度 と 災 害 発 生 確 率 の 間 に 高 い 相 関 が あ る こ と が 認 め ら れ る 。
表 8 は 地 す べ り 危 険 箇 所 を 対 象 と し て 地 す べ り 発 生 の 潜 在 危 険 度 を 算 出 し た 例 で あ る 。 図
1 1 に 算 出 さ れ た f ( x , y ) A に よ る 潜 在 危 険 度 と 災 害 発 生 状 況 の 関 係 に つ い て 示 す が
、 上 述 の 例 と 同 様 に 危 険 度 と 災 害 発 生 確 率 の 間 に 高 い 相 関 が あ る こ と が 認 め ら れ る 。
【 0 0 4 1 】
【 表 6 】 【 0 0 4 2 】
【 表 7 】 【 0 0 4 3 】10203040
(15) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 8 】 【 0 0 4 4 】
図 1 2 は 、 図 2 に お い て は ス テ ッ プ S 3 と し て 表 現 さ れ る 判 別 境 界 面 I 上 の デ ー タ と あ
る 地 域 に お け る デ ー タ 点 ( B j ) と の 距 離 を 求 め て 潜 在 危 険 度 を 演 算 す る ア ル ゴ リ ズ ム の
一 例 を 示 す フ ロ ー チ ャ ー ト で あ る 。
図 1 2 に お い て 、 ス テ ッ プ S 3 − 1 は 、 判 別 境 界 面 I 上 に 概 念 さ れ る 点 A i ( x i , y
i ) の i を 最 初 の 点 と す べ く 1 と し 、 判 別 境 界 面 I と 点 B j と の 距 離 を 表 す k の 初 期 値 を
無 限 大 と す る も の で あ る 。
ス テ ッ プ S 3 − 2 で は 、 点 A i と 点 B j の 距 離 を 演 算 し 、 ス テ ッ プ S 3 − 3 で は 演 算 し
た 距 離 k i と そ れ ま で の k の 値 と 比 較 し 、 ス テ ッ プ S 3 − 4 で は k i が k よ り も 小 さ い な
ら ば k と し て 演 算 し た 距 離 k i を 用 い 、 大 き け れ ば そ の ま ま k を k と す る も の で あ る 。
ス テ ッ プ S 3 − 5 で は 、 i が 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 の 中
で 最 後 の デ ー タ で あ る か 否 か を チ ェ ッ ク し 、 最 後 で な け れ ば i を 1 つ イ ン ク リ メ ン ト し て
、 再 度 ス テ ッ プ S 3 − 2 か ら の 演 算 を 実 施 し 、 最 後 の 値 で あ れ ば 、 ス テ ッ プ S 3 − 6 と し
て 、 判 別 境 界 面 I と デ ー タ 点 B j の 距 離 f ( x j , y j ) と し て 、 k の 値 を 得 る こ と に な
る 。
す な わ ち 、 判 別 境 界 面 I を 構 成 す る す べ て の デ ー タ 点 か ら 評 価 の 対 象 と な る 地 域 の デ ー
タ 点 ま で の 距 離 を 演 算 し 、 最 小 値 を 更 新 す る こ と で 距 離 と し て 演 算 す る ア ル ゴ リ ズ ム で あ
る 。
【 0 0 4 5 】
図 1 2 に 示 す ア ル ゴ リ ズ ム は 、 2 次 元 の 判 別 境 界 面 I を 用 い た が 、 3 次 元 以 上 の 平 面 に
お い て も 同 様 に 演 算 を す る こ と が 可 能 で あ り 、 2 次 元 に 限 定 す る も の で は な い 。 ま た 、 今
回 の ア ル ゴ リ ズ ム の み に 限 定 す る も の で も な く 、 多 次 元 空 間 や 曲 線 か ら あ る 点 ま で の 距 離
を 演 算 し 得 る ア ル ゴ リ ズ ム で あ れ ば ど の よ う な ア ル ゴ リ ズ ム で も よ い の は 言 う ま で も な い
。 こ れ は 、 以 下 に 説 明 す る 実 施 の 形 態 に お い て も 同 様 で あ る 。 な お 、 図 1 2 中 の ス テ ッ プ
S 2 に 示 さ れ る 距 離 を 示 す k i の 関 数 は 、 予 め 入 力 部 1 か ら 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 に 潜 在
危 険 度 関 数 デ ー タ 1 9 と し て 格 納 さ れ る 関 数 で あ り 、 潜 在 危 険 度 演 算 部 5 に お い て 解 析 時
に 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 か ら 読 み 出 さ れ る も の で あ る 。
潜 在 危 険 度 演 算 部 5 に お い て 演 算 さ れ た 距 離 は 、 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 潜 在 危 険
度 デ ー タ 2 4 と し て 格 納 さ れ る 他 に も 、 出 力 部 9 を 介 し て 直 接 出 力 さ れ る 場 合 も あ る 。 ま
た 、 出 力 部 9 に は 、 あ る 地 域 の 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 に 含 ま れ る 要 因 デ ー タ や 、 解 析 に 使 用
さ れ た 判 別 境 界 面 に 関 す る 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 や 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 を 表 示 あ る い は
信 号 送 信 等 で 出 力 す る 。
以 上 、 潜 在 危 険 度 を 演 算 す る 場 合 に 必 要 な シ ス テ ム 構 成 に つ い て 説 明
【 0 0 4 6 】1020304050(16) JP 3975407 B2 2007年9月12日
し た 。
次 に 、 あ る 地 域 が 、 既 に 対 策 工 が 施 工 済 の 地 域 で あ る 場 合 に つ い て 、 そ の 対 策 工 の 効 果
を 客 観 的 か つ 定 量 的 に 評 価 す る こ と が で き る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム に つ い て 図 1 及 び
図 2 に 加 え て 図 1 3 乃 至 図 1 6 を 参 照 し な が ら 説 明
対 策 工 の 効 果 を 評 価 す る 場 合 に お い て は 、 先 の 実 施 の 形 態 に お け る 災 害 実 績 デ ー タ 1 2
に 、 加 え て 要 因 デ ー タ と し て 対 策 工 に 係 る 要 因 に 関 す る デ ー タ が 含 ま れ る 。 ま た 、 判 別 境
界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 に お い て は 、 各 地 域 の 内 、 対 策 工 が 施 さ れ
た 地 域 で は 、 対 策 工 の 施 工 前 と 施 工 後 の デ ー タ が 含 ま れ て い る 。
こ れ ら の デ ー タ は 、 入 力 部 1 か ら 入 力 さ れ 、 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1 あ る い は 境 界 デ ー タ
ベ ー ス 1 3 に 格 納 さ れ る 。 ま た 、 先 の 実 施 の 形 態 と 同 様 に 、 入 力 部 1 か ら 解 析 条 件 1 0 b
が 解 析 条 件 デ ー タ 1 7 や パ ラ メ ー タ デ ー タ 1 8 と し て 入 力 さ れ 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 に 格
納 さ れ る 。
【 0 0 4 7 】
演 算 部 2 で は 、 入 力 部 1 に よ っ て デ ー タ が 格 納 さ れ た デ ー タ ベ ー ス か ら 読 み 出 さ れ た り
、 直 接 入 力 部 1 か ら 入 力 さ れ る 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 、 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 、 判 別 境 界 面
デ ー タ 1 5 や 解 析 条 件 デ ー タ 1 7 、 パ ラ メ ー タ デ ー タ 1 8 及 び 対 策 工 効 果 関 数 デ ー タ 2 0
を 用 い て 、 対 策 工 効 果 に 関 す る 解 析 を 行 う 。
ま ず 、 先 の 実 施 の 形 態 と 同 様 に 、 図 2 の ス テ ッ プ S 1 と し て 行 う 入 力 処 理 は 同 様 で あ る
。 但 し 、 前 述 の と お り 、 対 策 工 に 係 る 要 因 デ ー タ が 含 ま れ る 。 評 価 対 象 と な る あ る 地 域 に
お け る 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 の 要 因 デ ー タ に は 対 策 工 の 有 無 が 付 加 さ れ 、 ま た 、 判 別 境 界 線
デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 と し て 入 力 さ れ る 各 地 域 の 判 別 境 界 面 の 境 界 デ
ー タ は 、 対 策 工 が 施 工 さ れ て い る 地 域 の 対 策 工 施 工 後 の 境 界 デ ー タ ( 第 1 の 境 界 デ ー タ )
、 対 策 工 が 施 工 さ れ て い る 地 域 の 対 策 工 施 工 前 の 境 界 デ ー タ ( 第 2 の 境 界 デ ー タ ) 、 対 策
工 が 施 工 さ れ て い な い 地 域 の 境 界 デ ー タ ( 第 3 の 境 界 デ ー タ ) 、 対 策 工 が 施 工 さ れ て い る
地 域 の 対 策 工 施 工 前 の 要 因 デ ー タ と 対 策 工 が 施 工 さ れ て い な い 地 域 の 要 因 デ ー タ を 併 せ た
デ ー タ か ら 設 定 さ れ る 境 界 デ ー タ ( 第 4 の 境 界 デ ー タ ) に 分 類 し て 入 力 す る か 、 あ る い は
入 力 し た 後 に 分 類 す る か の い ず れ か を 行 う 必 要 が あ る 。 な お 、 こ れ ら の 4 つ の 境 界 デ ー タ
に 分 類 し な け れ ば な ら な い と い う 意 味 で は な く 、 こ れ ら を 適 宜 組 合 わ せ た 分 類 と し て も よ
い 。
な お 、 標 準 化 解 析 部 3 に お け る 標 準 化 処 理 は 先 の 実 施 の 形 態 と 同 様 で あ る の で そ の 説 明
を 省 略 す る 。
【 0 0 4 8 】
演 算 部 2 の 解 析 条 件 設 定 部 4 に お い て は 、 図 2 の ス テ ッ プ S 2 と し て 示 さ れ て い る が 、
先 の 実 施 の 形 態 と 同 様 に 、 入 力 部 1 を 介 し て 解 析 の 条 件 を 入 力 す る 。 ま ず 、 解 析 条 件 設 定
部 4 は 、 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 に ア ク セ ス し 、 パ ラ メ ー タ デ ー タ 1 8 を 出 力 部 9 を 介 し て
表 示 さ せ る 。 こ の パ ラ メ ー タ デ ー タ 1 8 で は 、 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 や 判 別 境 界 線 デ ー タ 1
4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 の 内 容 あ る い は 構 造 が 示 さ れ て お り 、 さ ら に 、 対 策 工 効
果 の 解 析 を 行 う の か 、 単 に 潜 在 危 険 度 の 解 析 を 行 う の か 、 こ れ ら を 併 せ て 総 合 的 な 解 析 を
行 う の か に つ い て も 表 示 す る た め の デ ー タ が 含 ま れ て い る 。
対 策 工 効 果 の 解 析 が 実 施 さ れ る こ と が 選 択 さ れ 、 ま た ど の よ う な 境 界 デ ー タ を 用 い る か
、 そ の 災 害 の 要 因 も 含 め て 選 択 さ れ 、 さ ら に い ず れ の 地 域 に 対 す る 対 策 工 効 果 の 解 析 を 実
施 す る の か が 選 択 さ れ る と 、 解 析 条 件 設 定 部 4 は 、 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 に 含 ま れ る 要 因 デ
ー タ の 組 合 せ に 対 応 し て 形 成 さ れ る 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5
が 構 成 さ れ る 多 次 元 空 間 上 に 、 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 に 含 ま れ る 評 価 対 象 と な る 地 域 に お け
る 要 因 デ ー タ を 入 力 す る 。
【 0 0 4 9 】
但 し 、 本 実 施 の 形 態 に お け る 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 が 構
成 さ れ る 多 次 元 空 間 と し て は 、 先 の 第 1 の 境 界 デ ー タ に よ る 判 別 境 界 面 ( 以 下 、 図 2 の ス
テ ッ プ S 4 に 示 さ れ る と お り 判 別 境 界 面 IIと い う 。 ) が 示 さ れ る も の と 、 第 2 の 境 界 デ ー
タ に よ る あ る い は 第 3 の 境 界 デ ー タ に よ る あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ に よ る 判 別 境 界 面 (
以 下 、 図 2 の ス テ ッ プ S 4 に 示 さ れ る と お り 判 別 境 界 面 IIIと い う 。 ) が 示 さ れ る も の の1020304050(17) JP 3975407 B2 2007年9月12日
す る 。
2 通 り の 多 次 元 空 間 が あ る 。 す な わ ち 、 前 者 の 第 1 の 境 界 デ ー タ に よ る 判 別 境 界 面 は 、 対
策 工 あ り の デ ー タ の み を 集 め て 解 析 さ れ た 判 別 境 界 面 で あ り 、 後 者 の 第 2 の 境 界 デ ー タ あ
る い は 第 3 の 境 界 デ ー タ あ る い は 第 4 の 境 界 デ ー タ に よ る 判 別 境 界 面 は 、 対 策 工 な し の デ
ー タ の み を 集 め て 解 析 さ れ た 判 別 境 界 面 と な る 。
こ の 2 つ の 多 次 元 空 間 上 に 、 共 通 し て 評 価 対 象 と な る 地 域 に お け る 要 因 デ ー タ を 入 力 す
る の で あ る 。
【 0 0 5 0 】
デ ー タ 分 類 部 6 は 、 予 め 入 力 部 1 を 介 し て 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1 あ る い は 境 界 デ ー タ ベ
ー ス 1 3 に 格 納 さ れ て い る 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 や 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 、 判 別 境 界 面 デ ー
タ 1 5 な ど が 対 策 工 の 有 無 に よ っ て 第 1 乃 至 第 4 の 境 界 デ ー タ の よ う に 分 類 さ れ て い な い
場 合 に 、 分 類 す る も の で あ る 。 具 体 的 に は 、 解 析 条 件 設 定 部 4 に よ っ て 読 み 出 す 際 に 分 類
さ れ て い な い こ と が 判 明 す る と 、 デ ー タ 分 類 部 6 は 、 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1 に 格 納 さ れ た
災 害 実 績 デ ー タ 1 2 を 解 析 条 件 設 定 部 4 か ら 読 み 出 し て 分 類 し て 解 析 条 件 設 定 部 4 に 分 類
さ れ た デ ー タ と し て 転 送 す る 。 境 界 デ ー タ ベ ー ス 1 3 の 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 及 び 判 別 境
界 面 デ ー タ 1 5 に つ い て も 同 様 で あ る 。 な お 、 こ の デ ー タ 分 類 部 6 も 常 に 第 1 乃 至 第 4 の
境 界 デ ー タ に 分 類 す る と い う も の で は な く 、 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 や 判 別 境 界 面 デ ー タ 1
5 の 形 態 や 種 類 に よ っ て 適 宜 分 類 さ れ る よ う に し て も よ い 。
な お 、 解 析 時 に 直 接 デ ー タ が 入 力 部 1 か ら 入 力 さ れ 、 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1 や 境 界 デ ー
タ ベ ー ス 1 3 を 介 さ な い 場 合 も 、 デ ー タ 分 類 部 6 は 解 析 条 件 設 定 部 4 を 介 し て デ ー タ を 分
類 す る こ と が 可 能 で あ る 。 ま た 、 こ の デ ー タ 分 類 部 6 は デ ー タ が 対 策 工 の 有 無 に よ っ て 境
界 デ ー タ や 災 害 実 績 デ ー タ が 予 め 分 類 さ れ て い る 場 合 に は 必 ず し も 設 け な く と も よ い 。
【 0 0 5 1 】
対 策 工 効 果 演 算 部 7 で は 、 図 2 に ス テ ッ プ S 4 − 1 と し て 示 さ れ る と お り 、 判 別 境 界 面
II上 の 点 C( x i , y i ) か ら 評 価 対 象 と な る 地 域 の 要 因 デ ー タ の 座 標 ( 点 B j ) ま で の
距 離 ( f ( x 、 y ) b 1 ) を 演 算 す る 。
こ の 演 算 方 法 に つ い て は 、 例 え ば 先 の 実 施 の 形 態 に お い て 図 1 2 を 参 照 し て 説 明 し た ア
ル ゴ リ ズ ム を 用 い て 計 算 さ れ る 。
さ ら に 、 ス テ ッ プ S 4 − 2 と し て 示 さ れ る と お り 、 判 別 境 界 面 III上 の 点 D( x i , y i
) か ら 評 価 対 象 と な る 地 域 の 要 因 デ ー タ の 座 標 ( 点 B j ) ま で の 距 離 ( f ( x 、 y ) b 2 )
を 演 算 す る 。 こ の 演 算 方 法 に つ い て も 図 1 2 を 参 照 し て 説 明 し た ア ル ゴ リ ズ ム を 用 い て 計
算 さ れ る 。
ス テ ッ プ S 4 − 1 と 4 − 2 に お い て 演 算 さ れ た そ れ ぞ れ の 距 離 の 差 分 を ス テ ッ プ S 4 −
3 に お い て と る 。 こ の 差 分 が 、 対 策 工 の 効 果 を 表 現 す る 対 策 工 効 果 度 で あ る 。 こ の 対 策 工
効 果 度 は 、 対 策 工 が 存 在 し た 場 合 の 距 離 と 対 策 工 が 存 在 し な い 場 合 の 距 離 の 差 分 で あ り 、
こ の 差 が 正 と し て 現 れ る 場 合 に は そ れ が 効 果 と し て 表 現 で き る も の で あ る 。 ス テ ッ プ S 4
− 3 で 演 算 さ れ た 差 分 が 負 で あ れ ば 、 対 策 工 の 効 果 が な い と し て い る 。 こ れ は 、 対 策 工 を
施 工 し た 結 果 逆 に 危 険 性 が 増 加 す る よ う な 場 合 が 考 え ら れ る 場 合 に は 、 負 の 対 策 工 効 果 度
と し て 判 断 さ れ る た め 、 必 ず し も ス テ ッ プ S 4 − 4 で 示 す よ う に 0 と す る 必 要 が な い 場 合
も あ る 。
一 方 、 正 で あ れ ば そ の ま ま ス テ ッ プ S 4 − 5 で 示 す よ う に 対 策 工 効 果 度 と し て 、 そ の 差
分 を f ( x , y ) B と す る 。
演 算 さ れ た 距 離 の 差 分 、 す な わ ち 対 策 工 効 果 度 f ( x , y ) B は 、 対 策 工 効 果 度 デ ー タ
2 5 と し て 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 格 納 さ れ る 。
【 0 0 5 2 】
こ こ で 、 図 1 3 乃 至 図 1 6 を 参 照 し な が ら 、 対 策 工 効 果 の 概 念 と そ れ を 定 量 的 に 表 現 す
る 対 策 工 効 果 度 に つ い て 説 明 す る 。
図 1 3 は 、 サ ポ ー ト ベ ク タ ー マ シ ン を 用 い て 解 析 し た 分 離 超 平 面 に 基 づ き 設 定 さ れ た 判
別 境 界 線 を 2 次 元 平 面 に 表 し た 概 念 図 で あ る 。 図 1 3 ( a ) は 、 対 策 工 が 施 工 さ れ て い る
地 域 の 第 1 の 境 界 デ ー タ を 用 い て 示 さ れ る 判 別 境 界 面 IIを 示 し て お り 、 図 1 3 ( b ) は 、
対 策 工 が 施 工 さ れ た が 、 そ れ 以 前 の 実 績 デ ー タ か ら 構 成 さ れ る 第 2 あ る い は 第 3 あ る い は1020304050(18) JP 3975407 B2 2007年9月12日
第 4 の 境 界 デ ー タ を 用 い て 示 さ れ る 判 別 境 界 面 IIIを 示 し て い る 。
図 1 3 の 横 軸 及 び 縦 軸 は 何 も 記 載 さ れ て い な い が 、 こ れ は 図 3 と 同 様 で あ る た め 省 略 す
る も の で あ る 。 ま た 、 白 丸 や 黒 丸 に つ い て も 同 様 で あ る 。
図 1 3 ( a ) と ( b ) を 比 較 す る と 、 対 策 工 が あ る 場 合 は 、 判 別 境 界 面 IIが 危 険 側 ま で
伸 び て い る が 、 対 策 工 が な い 場 合 に は 、 判 別 境 界 面 IIIが 原 点 側 ( 安 全 側 ) へ 寄 っ て い る
。 こ れ は 、 対 策 工 の 施 工 に よ っ て 、 多 少 要 因 が 危 険 側 と な っ て も 災 害 が 発 生 す る 危 険 度 が
低 下 し て 安 全 側 の 領 域 が 増 大 し て い る こ と を 意 味 し て い る 。 す な わ ち 、 全 体 的 に は 対 策 工
の 効 果 が 現 れ て い る こ と に な る 。 図 1 3 の ( c ) に 同 じ 2 次 元 平 面 に 判 別 境 界 面 IIと 判 別
境 界 面 IIIを 配 し て 対 策 工 効 果 と の 関 係 を 示 す 。
ま た 、 判 別 境 界 面 IIか ら 評 価 対 象 の デ ー タ 点 ( 図 1 3 で は 灰 色 の 点 ) ま で の 距 離 f ( x
, y ) B 1 と 判 別 境 界 面 IIIか ら 評 価 対 象 の デ ー タ 点 ま で の 距 離 f ( x , y ) B 2 を 比 較 す る
と 、 対 策 工 が あ る 場 合 の 方 が 、 判 別 境 界 面 の 近 傍 と な っ て い る 。 こ の 差 分 を 取 る の が 図 2
の ス テ ッ プ S 4 − 3 で あ る 。 但 し 、 計 算 上 距 離 は 、 判 別 境 界 面 か ら 評 価 対 象 の デ ー タ 点 ま
で の 距 離 を 演 算 す る の で 、 図 1 3 ( a ) , ( b ) に 示 さ れ る よ う に 評 価 対 象 の デ ー タ 点 が
判 別 境 界 面 か ら 危 険 側 に 存 在 す る 場 合 に は 、 そ れ ぞ れ の 距 離 は 負 値 と な る 。 負 値 で 差 分 を
取 る た め 、 絶 対 値 と し て の 距 離 の 短 い 方 か ら 長 い 方 を 引 く と 正 値 と な り 、 こ れ が 対 策 工 効
果 度 f ( x , y ) B と な る 。
【 0 0 5 3 】
本 実 施 の 形 態 に お い て は 、 図 1 4 乃 至 図 1 6 に 示 さ れ る と お り 、 対 策 工 の 効 果 が 現 れ る
場 合 を 3 つ の グ ル ー プ に 分 類 し て い る 。 図 1 4 乃 至 図 1 6 は 、 そ れ ぞ れ グ ル ー プ 1 乃 至 3
を 概 念 と し て 説 明 す る た め の 図 で あ り 、 グ ル ー プ 1 は 、 図 1 3 と 同 様 に 、 い ず れ も 対 策 工
の 有 無 に よ っ て 判 別 境 界 面 の 危 険 側 へ 評 価 対 象 の デ ー タ 点 が 存 在 す る こ と に 変 わ り な い が
、 対 策 工 が 存 在 す る 方 が 判 別 境 界 面 に 近 づ い て 安 全 性 が 高 ま っ た こ と を 示 す グ ル ー プ で あ
る 。 ま た 、 グ ル ー プ 2 は 、 対 策 工 が な い 場 合 に は 危 険 側 へ 存 在 し 、 対 策 工 が あ る 場 合 に は
安 全 側 へ 存 在 す る こ と を 示 す グ ル ー プ で あ り 、 グ ル ー プ 3 は グ ル ー プ 1 と は 逆 に 、 い ず れ
も 安 全 側 へ 存 在 す る も の の 、 対 策 工 が 存 在 す る 方 が 判 別 境 界 面 か ら 遠 く に 存 在 し て 安 全 性
が 高 ま っ た こ と を 示 す グ ル ー プ で あ る 。
こ の よ う に 対 策 工 効 果 度 を 演 算 す る こ と で 、 評 価 対 象 の 地 域 に お け る 対 策 工 を 客 観 的 か
つ 定 量 的 に 評 価 す る こ と が 可 能 と な り 、 対 策 工 の 施 工 の 是 非 や そ の 効 果 に つ い て 定 量 的 に
評 価 す る こ と が 可 能 と な る 。 ま た 、 地 域 毎 に 対 策 工 の 効 果 と 地 形 要 因 な ど を 比 較 す れ ば 、
対 策 工 の 効 果 を 発 揮 し 易 い 地 形 要 因 な ど 、 対 策 工 と 地 形 要 因 な ど の 災 害 要 因 と の 関 連 も 評
価 す る こ と が 可 能 で あ る 。
さ ら に 、 対 策 工 の 効 果 が 評 価 さ れ る こ と か ら 、 対 策 工 が 施 工 さ れ て い る こ と に よ っ て 、
災 害 の 対 策 必 要 地 域 か ら 除 外 さ れ が ち な 地 域 に お い て 、 さ ら に 追 加 の 対 策 工 の 要 否 に つ い
て も 定 量 的 な 判 断 が 可 能 で あ る た め 、 他 地 域 と の 優 先 順 位 の 決 定 に も 寄 与 す る こ と が 可 能
で あ る 。 ま た 、 施 さ れ て い る 対 策 工 の 種 類 と 対 策 工 効 果 お よ び 発 生 し て い る 災 害 の 種 別 の
関 係 を 分 析 す れ ば 、 対 象 と な る 災 害 毎 に 最 も 効 果 的 な 対 策 工 法 の 選 定 を 支 援 す る こ と も 可
能 と な る 。
【 0 0 5 4 】
な お 、 本 実 施 の 形 態 に お い て は 、 図 1 2 中 の ス テ ッ プ S 3 − 2 に 示 さ れ る 距 離 を 示 す k
i の 関 数 は 、 予 め 入 力 部 1 か ら 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 に 対 策 工 効 果 関 数 デ ー タ 2 0 と し て
格 納 さ れ る 関 数 で あ り 、 対 策 工 効 果 演 算 部 7 に お い て 解 析 時 に 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 か ら
読 み 出 さ れ る も の で あ る 。 ま た 、 対 策 工 効 果 演 算 部 7 に お い て 演 算 さ れ た そ れ ぞ れ の 距 離
及 び そ の 差 分 は 、 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 対 策 工 効 果 度 デ ー タ 2 5 と し て 格 納 さ れ る
他 に も 、 先 の 実 施 の 形 態 と 同 様 に 出 力 部 9 を 介 し て 直 接 出 力 さ れ る 場 合 も あ る 。 出 力 部 9
に は 、 あ る 地 域 の 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 に 含 ま れ る 要 因 デ ー タ や 、 解 析 に 使 用 さ れ た 判 別 境
界 面 に 関 す る 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 や 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 も 併 せ て 表 示 あ る い は 信 号 送
信 等 で 出 力 す る 。
以 上 、 対 策 工 の 効 果 を 評 価 す る た め の 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム に つ い て 説 明 し た 。
【 0 0 5 5 】1020304050(19) JP 3975407 B2 2007年9月12日
次 に 、 先 に 説 明 し た 潜 在 危 険 度 と 対 策 工 効 果 度 を 併 せ る こ と に よ っ て 、 対 策 工 の 有 無 に
か か わ ら ず 、 す な わ ち 、 対 策 工 の 着 手 地 域 と 未 着 手 の 地 域 の デ ー タ が 混 在 す る 場 合 に お い
て 、 統 一 的 な 対 策 工 の 施 工 の 要 否 や 優 先 順 位 を 評 価 し 得 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム に つ
い て 図 1 , 2 を 参 照 し な が ら 説 明
本 実 施 の 形 態 に お け る 構 成 は 、 図 1 に 記 載 さ れ る そ の も の で あ る 。 そ れ ぞ れ の 構 成 要 素
に つ い て は 、 先 の 潜 在 危 険 度 を 演 算 す る 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム 及 び
対 策 工 効 果 度 を 演 算 す る 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム に お い て 説 明 し た の
で 省 略 し 、 今 回 新 た に 追 加 さ れ る 構 成 要 素 で あ る 総 合 危 険 度 演 算 部 8 に つ い て 説 明 す る 。
【 0 0 5 6 】
総 合 危 険 度 演 算 部 8 で は 、 図 2 に お け る ス テ ッ プ S 3 で 演 算 さ れ た 潜 在 危 険 度 ( f ( x
、 y ) A ) と ス テ ッ プ S 4 − 5 で 演 算 さ れ た 対 策 工 効 果 度 ( f ( x 、 y ) B ) と を 加 え る 演
算 を 行 う ( ス テ ッ プ S 6 − 1 ) 。 具 体 的 に は 、 総 合 危 険 度 演 算 部 8 は 、 潜 在 危 険 度 を 潜 在
危 険 度 演 算 部 5 か ら 読 み 出 す か 、 あ る い は 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 格 納 さ れ た 潜 在 危
険 度 デ ー タ 2 4 を 読 み 出 し て 、 ま た 、 対 策 工 効 果 度 を 対 策 工 効 果 演 算 部 7 か ら 読 み 出 す か
、 あ る い は 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 格 納 さ れ た 対 策 工 効 果 度 デ ー タ 2 5 を 読 み 出 し て
加 え る 演 算 を 行 う 。
図 2 で は 、 ス テ ッ プ S 5 と し て 潜 在 危 険 度 が 負 の 場 合 に お い て 総 合 評 価 を 実 施 す る よ う
に な っ て い る が 、 こ れ は ス テ ッ プ S 5 で 潜 在 危 険 度 が 正 で あ れ ば 、 既 に 、 そ の 地 域 が 安 全
側 へ 含 ま れ て い る こ と を 意 味 し て お り 、 対 策 工 の 施 工 が 不 要 で あ る こ と を 示 し て い る か ら
で あ る 。 そ の よ う な 場 合 に は 、 図 2 の ス テ ッ プ S 6 − 2 で 示 さ れ る よ う に 対 策 が 不 要 と い
う 判 断 が な さ れ る 。 な お 、 本 実 施 の 形 態 に お い て は 潜 在 危 険 度 と 対 策 工 効 果 度 を 加 え る 演
算 を 実 施 し て い る が 、 こ れ ら は 必 ず し も 加 え る 演 算 で あ る 必 要 は な く 、 潜 在 危 険 度 と 対 策
工 効 果 度 を 併 せ た 効 果 を 定 量 的 に 表 現 可 能 で あ れ ば 、 所 望 の 演 算 式 で 代 替 し て も よ い 。
ス テ ッ プ S 6 − 1 で 得 ら れ る 総 合 的 危 険 度 ( F ( x 、 y ) ) は 、 対 策 工 が 施 工 さ れ て い
な い 場 合 に は 対 策 工 効 果 度 ( f ( x 、 y ) B ) が 存 在 し な い た め 、 潜 在 危 険 度 の み と な り
、 対 策 工 が 施 さ れ て い る 場 合 に は 対 策 工 効 果 度 ( f ( x 、 y ) B ) も 含 め た 危 険 度 と な り
、 対 策 工 の 有 無 に 係 わ ら ず 定 量 的 で 総 合 的 な 評 価 を 実 施 す る こ と が 可 能 で あ る 。
対 策 工 の 着 手 地 域 と 未 着 手 地 域 が 混 在 す る 地 域 に お い て 、 そ れ ら を 別 々 に 評 価 す る の で
は な く 、 一 律 に 潜 在 危 険 度 と い う 尺 度 を 用 い て 統 一 的 に 評 価 す る こ と が 可 能 で あ る た め 、
既 に 対 策 工 を 施 工 済 で あ っ て も 、 追 加 で 対 策 工 が 必 要 で あ る 地 域 の 優 先 順 位 を 未 着 手 の 地
域 よ り も 高 く 評 価 し な け れ ば な ら な い 場 合 に お い て 、 同 一 の 基 準 で 客 観 的 に 評 価 す る こ と
が 可 能 と な る 。 対 策 工 の 効 果 の 評 価 尺 度 と 潜 在 危 険 度 の 評 価 の 尺 度 が 、 判 別 境 界 面 か ら の
距 離 と い う 統 一 さ れ た 危 険 度 あ る い は 安 全 度 と し て 定 義 さ れ て い る た め で あ る 。
本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム を 用 い る こ と に よ れ ば 、 公 平 性 と 透 明 性
が 要 求 さ れ る 公 共 事 業 の 優 先 順 位 を 容 易 に 定 量 的 に 迅 速 に 判 断 す る こ と が で き る 。
【 0 0 5 7 】
本 実 施 の 形 態 に お け る 図 2 中 の ス テ ッ プ S 6 − 1 に 示 さ れ る F ( x 、 y ) の 関 数 は 、 予
め 入 力 部 1 か ら 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 に 総 合 危 険 度 関 数 デ ー タ 2 1 と し て 格 納 さ れ る 関 数
で あ り 、 総 合 危 険 度 演 算 部 8 に お い て 解 析 時 に 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 か ら 読 み 出 さ れ る も
の で あ る 。 こ の 関 数 は 、 前 述 の と お り 和 算 以 外 の 関 数 で あ っ て も よ い 。 ま た 、 総 合 危 険 度
演 算 部 8 に お い て 演 算 さ れ た 総 合 危 険 度 は 、 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 総 合 危 険 度 デ ー
タ 2 6 と し て 格 納 さ れ る 他 に も 、 先 の 実 施 の 形 態 と 同 様 に 出 力 部 9 を 介 し て 直 接 出 力 さ れ
る 場 合 も あ る 。 出 力 部 9 に は 、 あ る 地 域 の 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 に 含 ま れ る 要 因 デ ー タ や 、
解 析 に 使 用 さ れ た 判 別 境 界 面 に 関 す る 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 や 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 も 併
せ て 表 示 あ る い は 信 号 送 信 等 で 出 力 す る 。
【 0 0 5 8 】
以 上 、 潜 在 危 険 度 、 対 策 工 効 果 度 及 び こ れ ら を 総 合 的 に 評 価 す る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス
テ ム に つ い て 説 明 し た 。 図 3 、 図 1 3 乃 至 図 1 6 で は 、 判 別 境 界 面 と し て サ ポ ー ト ベ ク タ
ー マ シ ン を 用 い て 得 ら れ た 分 離 超 平 面 に 基 づ く 境 界 面 、 す な わ ち 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 5 を
用 い た も の を イ メ ー ジ し た が 、 も ち ろ ん 放 射 状 基 底 関 数 ネ ッ ト ワ ー ク を 用 い た 解 析 を 行 っ1020304050(20) JP 3975407 B2 2007年9月12日
す る 。
て 得 ら れ る 判 別 境 界 線 を 用 い て も よ く 、 さ ら に は 、 ど の よ う な 解 析 手 法 を 用 い て 得 ら れ た
判 別 境 界 面 を 用 い て も よ い 。
【 0 0 5 9 】
続 け て 、 ハ ザ ー ド マ ッ プ を 作 成 し て 表 示 す る こ と が 可 能 な 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム の
実 施 の 形 態 に つ い て 図 1 7 を 参 照 し な が ら 説 明
こ れ ま で 、 潜 在 危 険 度 、 対 策 工 効 果 度 及 び 総 合 危 険 度 を 演 算 ・ 評 価 す る 防 災 事 業 計 画 支
援 シ ス テ ム に つ い て 説 明 し た が 、 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム は 、 演 算
さ れ た 潜 在 危 険 度 、 対 策 工 効 果 度 及 び 総 合 危 険 度 を 評 価 す べ き 地 域 を 含 む 地 図 上 に 情 報 と
し て 表 示 し 得 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム で あ る 。
図 1 7 に 示 さ れ る よ う に 、 得 ら れ た 潜 在 危 険 度 、 対 策 工 効 果 度 、 総 合 危 険 度 を 地 点 番 号
、 安 全 で あ る か あ る い は 災 害 発 生 の 危 険 が あ る か な ど の 判 定 と と も に 表 示 す る も の で あ る
。 こ の 判 定 は 、 総 合 危 険 度 が 正 で あ れ ば 安 全 、 負 で あ れ ば 危 険 性 が あ る と い う も の で あ る。 図 中 、 星 印 で 示 さ れ る 地 点 に お け る 情 報 を 表 の 形 態 で 表 示 し て い る 。
こ の よ う な 表 示 は 、 例 え ば 図 1 に 示 さ れ る 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 に 予 め 入 力 部 1 を 介 し
て 地 図 デ ー タ 2 2 を 格 納 し て お き 、 こ の 地 図 デ ー タ 2 2 に あ る 地 域 の 演 算 ・ 評 価 情 報 を リ
ン ク さ せ て 出 力 部 9 を 介 し て 表 示 さ せ る こ と に よ っ て 実 現 さ れ る 。
具 体 的 に は 、 要 因 デ ー タ と 災 害 の 実 績 デ ー タ の セ ッ ト で あ る 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 は 地 域
毎 に 、 入 力 部 1 か ら 解 析 時 に 入 力 さ れ た り 、 予 め 入 力 部 1 を 介 し て 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 1
に 格 納 さ れ る が 、 そ の 際 に 各 地 域 を 識 別 可 能 な 地 域 デ ー タ も 含 め て 格 納 さ れ る 。 一 方 、 地
図 デ ー タ 2 2 中 に も 同 様 に そ の 地 域 デ ー タ を 含 め て お く 。 そ し て 、 例 え ば 潜 在 危 険 度 演 算
部 5 が 出 力 部 9 を 介 し て 所 望 の 地 域 の 情 報 を 出 力 す る 場 合 に は 、 ま ず 、 潜 在 危 険 度 演 算 部
5 が 、 自 己 の 演 算 し た 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 4 あ る い は 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 格 納 さ
れ た 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 4 を 読 み 出 し て 、 そ の 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 4 に 含 ま れ る 当 該 地 域
の 地 域 デ ー タ を キ ー と し て 、 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 か ら 地 図 デ ー タ 2 2 を 照 合 し な が ら 、
潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 4 に 含 ま れ る 地 域 デ ー タ と 一 致 す る 地 域 と 必 要 に 応 じ て そ の 周 辺 の 地
域 も 含 め て 読 み 出 し て 、 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 3 を そ の 地 域 デ ー タ が 示 す 地 域 に 符 号 あ る い
は 記 号 、 番 号 な ど と 符 合 さ せ て 出 力 部 9 を 介 し て 表 示 さ せ る も の で あ る 。 又 、 対 策 工 効 果
演 算 部 7 あ る い は 総 合 危 険 度 演 算 部 8 に お い て も 対 策 工 効 果 度 デ ー タ 2 5 、 総 合 危 険 度 デ
ー タ 2 6 を 視 覚 的 に 表 示 す る も の と し て 同 様 の 機 能 を 備 え る も の で あ る 。 従 っ て 、 上 述 し
た と お り 、 演 算 さ れ た 潜 在 危 険 度 、 対 策 工 効 果 度 、 総 合 危 険 度 に つ い て も そ の ま ま 当 該 地
域 の 地 域 デ ー タ を 符 合 さ せ て 格 納 し て お く こ と が 望 ま し い 。
【 0 0 6 0 】
識 別 可 能 に 表 示 す る の は 、 図 1 7 に 示 さ れ る 情 報 の 他 、 災 害 実 績 デ ー タ 1 2 の 中 身 で あ
る 要 因 デ ー タ や 実 績 デ ー タ 、 さ ら に は 境 界 デ ー タ な ど を 含 め て も よ い 。 但 し 、 境 界 デ ー タ
の 場 合 に は 、 地 図 デ ー タ 2 2 に 含 ま れ る 地 域 デ ー タ に 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 4 あ る い は 判 別
境 界 面 デ ー タ 1 5 に お い て も 含 ま れ る 地 域 デ ー タ を 照 合 し て 、 該 当 す る 複 数 の 地 域 に つ い
て 表 示 す る 方 が 望 ま し い 。
地 域 デ ー タ を キ ー と し て 、 地 図 デ ー タ 2 2 を 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 か ら 読 み 出 し て 照 合
す る 機 能 、 及 び 情 報 と 該 当 す る 地 域 を 含 む 一 定 範 囲 の 地 図 デ ー タ 2 2 を 併 せ て 出 力 部 9 に
出 力 さ せ る 機 能 は 、 潜 在 危 険 度 演 算 部 5 、 対 策 工 効 果 演 算 部 7 、 総 合 危 険 度 演 算 部 8 の い
ず れ に も 備 え さ せ る と よ い が 、 例 え ば ハ ザ ー ド マ ッ プ 作 成 部 な る 構 成 要 素 を 演 算 部 2 に 追
加 す る も の で あ っ て も よ い 。 す な わ ち 、 ハ ザ ー ド マ ッ プ 作 成 部 は 、 潜 在 危 険 度 演 算 部 5 か
ら あ る い は 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 か ら 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 4 を 読 み 出 し て こ の 潜 在 危
険 度 デ ー タ 2 4 に 含 ま れ る 地 域 デ ー タ を キ ー と し て 、 解 析 デ ー タ ベ ー ス 1 6 か ら 地 図 デ ー
タ 2 2 を 照 合 し な が ら 、 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 4 に 含 ま れ る 地 域 デ ー タ と 一 致 す る 地 域 と 必
要 に 応 じ て そ の 周 辺 の 地 域 も 含 め て 読 み 出 し て 、 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 3 を そ の 地 域 デ ー タ
が 示 す 地 域 に 符 号 あ る い は 記 号 、 番 号 な ど と 符 合 さ せ て 出 力 部 9 を 介 し て 表 示 さ せ る も の
で あ る 。 以 上 、 潜 在 危 険 度 演 算 部 5 を 例 に し て 説 明 し た が 、 対 策 工 効 果 演 算 部 7 や 総 合 危
険 度 演 算 部 8 に お い て 演 算 さ れ る 対 策 工 効 果 度 や 総 合 危 険 度 に つ い て も 同 様 で あ る 。1020304050(21) JP 3975407 B2 2007年9月12日
す る 。
な お 、 地 域 デ ー タ は 、 図 1 7 に 示 す よ う な 地 点 番 号 、 あ る い は こ の 後 説 明 す る 表 9 に 示
さ れ る よ う な I Dで あ っ て も よ い し 、 緯 度 と 経 度 の 組 合 せ デ ー タ や 地 域 を 特 定 す る た め に
オ リ ジ ナ ル に 作 成 し た 番 地 や 記 号 、 符 号 等 で あ っ て も よ く 、 地 域 を 認 識 し て 特 定 可 能 で あ
れ ば ど の よ う な デ ー タ 構 造 、 デ ー タ 形 態 を と っ て も 差 し 支 え な い 。 ま た 、 地 図 上 に 示 す 地
域 デ ー タ と 符 合 す る 地 点 は 図 1 7 で は 、 星 印 で 示 し て い る が 、 特 に 限 定 す る も の で は な く
、 地 点 が 明 示 さ れ れ ば 他 の 符 号 、 記 号 、 番 号 な ど で も よ く 、 ま た 、 例 え ば 地 域 デ ー タ を 示
す I D と 同 じ も の を 地 図 上 に 付 し て 、 そ の ま ま 地 域 デ ー タ を 地 点 と し て 表 示 す る よ う に し
て も よ い 。 さ ら に 、 地 図 デ ー タ 2 2 と あ る 地 域 に お け る 潜 在 危 険 度 や 対 策 工 効 果 度 な ど の
情 報 を 組 合 わ せ た デ ー タ を ハ ザ ー ド マ ッ プ デ ー タ と し て 潜 在 危 険 度 演 算 部 5 、 対 策 工 効 果
演 算 部 7 あ る い は 総 合 危 険 度 演 算 部 8 が 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 格 納 す る よ う に し て
も よ い し 、 ハ ザ ー ド マ ッ プ 作 成 部 を 備 え る 場 合 に は こ の ハ ザ ー ド マ ッ プ 作 成 部 が 評 価 情 報
デ ー タ ベ ー ス 2 3 に 格 納 す る よ う に し て も よ い 。
ま た 、 地 図 デ ー タ 2 2 は 、 地 域 デ ー タ を 含 み な が ら 例 え ば 、 そ の 地 域 デ ー タ の 各 々 に 対
し て 、 避 難 場 所 に 関 す る デ ー タ や 過 去 の 災 害 履 歴 を 説 明 す る テ キ ス ト デ ー タ 、 安 全 度 あ る
い は 危 険 度 に 応 じ て 色 分 け さ れ る 場 合 の そ の 色 に 関 す る デ ー タ な ど ハ ザ ー ド マ ッ プ に 必 要
な デ ー タ が 適 宜 対 応 付 け な が ら 含 ま れ て も よ い こ と は 言 う ま で も な い 。 な お 、 当 該 地 域 の
潜 在 危 険 度 、 対 策 工 効 果 度 、 総 合 危 険 度 な ど を 表 示 す る 場 合 は 、 必 ず し も 図 1 7 に 示 さ れ
る よ う に 一 覧 表 と す る 必 要 は な く 、 情 報 が 単 独 あ る い は 複 数 で 羅 列 さ れ た り 、 例 え ば カ ー
ソ ル を 移 動 さ せ る こ と で 当 該 地 域 が 特 定 さ れ る よ う な 場 合 に 安 全 度 や 危 険 度 に よ っ て 色 を
表 示 す る よ う な も の で あ っ て も よ い 。
【 0 0 6 1 】
次 に 、 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム を 実 際 に 稼 動 さ せ て 得 た 解 析 結 果
を 実 施 例 と し て 紹 介 す る 。
解 析 に は 、 実 際 に 山 口 県 内 の あ る 地 方 自 治 体 に お い て 収 集 し た デ ー タ を 用 い た 。 解 析 結
果 を 表 9 に 示 す 。 表 9 に お い て 、 分 類 と は 、 評 価 対 象 の 地 域 が の り 面 で あ る か 自 然 斜 面 で
あ る か と 示 し て お り 、 I D は 対 象 地 域 を 認 識 す る も の で あ る 。 ま た 、 f ( x 、 y ) b 1 は 、
対 策 工 が 施 工 済 で あ る 場 合 の 図 1 3 ( a ) に 示 さ れ る 場 合 の 判 別 境 界 面 IIか ら 評 価 対 象 の
要 因 デ ー タ 点 ま で の 距 離 を 示 し 、 f ( x 、 y ) b 2 は 図 1 3 ( b ) に 示 さ れ る 場 合 の 判 別 境
界 面 IIIか ら 評 価 対 象 の 要 因 デ ー タ 点 ま で の 距 離 を 示 し て い る 。 そ し て 次 の 欄 の 差 分 は 、
対 策 工 効 果 度 を 示 す も の で あ り 、 最 後 の グ ル ー プ 分 け は 、 先 に 図 1 4 乃 至 図 1 6 を 参 照 し
な が ら 説 明 し た グ ル ー プ に 分 類 し た 結 果 で あ る 。
こ れ ら は 、 い ず れ の 地 域 も 対 策 工 の 効 果 が 判 明 し た 例 を 示 す も の で あ る 。
【 0 0 6 2 】102030(22) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 9 】 【 0 0 6 3 】
対 策 工 効 果 度 の 算 出 に 関 し て も 、 道 路 斜 面 以 外 へ の 適 用 は 十 分 可 能 で あ る 。 表 1 0 に 土
石 流 危 険 渓 流 、 表 1 1 に 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 、 表 1 2 に 地 す べ り 危 険 箇 所 に お け る 対 策
工 効 果 度 の 算 出 結 果 を 一 覧 表 で 示 す ( い ず れ も 対 策 工 効 果 度 が 判 明 し た も の の う ち 、 効 果
度 上 位 2 5 位 ま で を 示 す ) 。
【 0 0 6 4 】102030(23) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 1 0 】 【 0 0 6 5 】102030(24) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 1 1 】
【 0 0 6 6 】1020
(25) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 1 2 】 【 0 0 6 7 】
次 に 、 同 じ く 先 の 地 方 自 治 体 に お い て 収 集 し た デ ー タ を 基 に 、 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災
事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム の 妥 当 性 に つ い て 確 認 す る た め の 解 析 を 実 施 し た の で そ の 結 果 に つ
い て 説 明 す る 。
表 1 3 は 、 潜 在 危 険 度 が 負 値 か ら 対 策 工 効 果 の 評 価 に よ っ て 、 総 合 的 な 潜 在 危 険 度 と し
て 正 値 と な っ た 2 2 箇 所 の 解 析 結 果 を 示 す も の で あ る 。 こ の 解 析 の 基 と な っ た デ ー タ は 平
成 8 年 に 採 取 さ れ た が 、 そ れ 以 降 、 こ れ ら の 地 域 に お い て は 災 害 の 発 生 が 確 認 さ れ て お ら
ず 、 対 策 工 効 果 を 加 味 し た 危 険 度 の 総 合 的 な 評 価 が 妥 当 で あ る こ と が 理 解 さ れ る 。
ま た 、 図 1 8 は 潜 在 危 険 度 f ( x , y ) A と 災 害 発 生 率 の 相 関 を 示 す グ ラ フ で あ り 、 図
1 9 は 、 対 策 工 効 果 f ( x , y ) B を 考 慮 し て 算 出 し た 斜 面 危 険 度 F ( x , y ) と 災 害 発
生 率 の 相 関 を 示 す グ ラ フ で あ る 。 こ こ で は 、 潜 在 危 険 度 f ( x , y ) A に 比 べ て 、 斜 面 危
険 度 F ( x , y ) の 方 が 危 険 度 と 災 害 発 生 確 率 の 相 関 が 高 く 、 ま た 高 危 険 度 側 と 低 危 険 度
側 で の 災 害 発 生 ・ 非 発 生 箇 所 数 の 分 離 性 も 高 く な っ て い る こ と が 認 め ら れ る 。 こ の こ と も
、 潜 在 危 険 度 f ( x , y ) A に 対 策 工 効 果 を 加 味 し て 斜 面 の 危 険 度 を 検 討 し た 結 果 が 妥 当
で あ る こ と を 示 す も の と い え る 。
【 0 0 6 8 】10203040
(26) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 1 3 】
【 0 0 6 9 】
さ ら に 、 平 成 8 年 以 降 、 災 害 は 発 生 し た 地 域 が 同 地 方 自 治 体 内 に は 1 4 件 存 在 し た が 、
こ れ ら の 1 4 件 に つ い て 解 析 し た 結 果 を 表 1 4 に 示 す 。
表 1 4 で は 、 潜 在 危 険 度 、 対 策 工 効 果 、 総 合 危 険 度 に 加 え て 、 総 合 危 険 度 に よ る 判 定 結
果 と 技 術 者 が 専 用 の カ ル テ を 用 い て 判 断 し た 結 果 を 示 し て い る 。
表 1 4 に よ れ ば 、 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム を 用 い て 解 析 し た 総 合
危 険 度 に よ る 判 定 で は 、 1 4 箇 所 中 1 3 箇 所 で 総 合 危 険 度 が 負 値 と な っ て い る た め 、 対 策
が 必 要 と 判 定 さ れ て い る が 、 技 術 者 の 判 断 で は は っ き り 、 対 策 が 必 要 と 判 断 さ れ た の は 8
箇 所 に 留 ま っ て い る 。
こ の 表 1 4 の 結 果 か ら 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム は 、 た と え 熟 練 し
た 技 術 者 の 判 断 で あ っ た と し て も そ れ を 上 回 る 効 果 を 奏 す る こ と が で き る こ と が 理 解 さ れ
る 。
【 0 0 7 0 】102030(27) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 1 4 】 【 0 0 7 1 】
段 落 0 0 4 0 お よ び 段 落 0 0 6 2 に 示 し た よ う に 、 道 路 斜 面 以 外 を 対 象 と し た 場 合 で も
潜 在 危 険 度 、 対 策 工 効 果 度 は そ れ ぞ れ 求 め る こ と が 出 来 る こ と か ら 、 そ れ ら を 用 い て 総 合
的 な 斜 面 危 険 度 を 算 出 す る こ と が 出 来 る 。 表 1 5 に 土 石 流 危 険 渓 流 、 表 1 6 に 急 傾 斜 地 崩
壊 危 険 箇 所 、 表 1 7 に 地 す べ り 危 険 箇 所 で の 総 合 的 な 斜 面 危 険 度 の 算 出 結 果 を 一 覧 で 示 す。 そ れ ぞ れ の 斜 面 危 険 度 F ( x 、 y ) と 災 害 発 生 状 況 の 関 係 を 確 認 す る と 図 2 0 、 図 2 1
、 図 2 2 の よ う に な っ た 。 い ず れ の 結 果 に お い て も 、 設 定 さ れ た 斜 面 危 険 度 と 災 害 発 生 状
況 は よ く 相 関 し て お り 、 本 手 法 の 妥 当 性 が 示 さ れ た も の と 考 え ら れ る 。
【 0 0 7 2 】1020
(28) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 1 5 】
【 0 0 7 3 】
【 表 1 6 】
【 0 0 7 4 】10203040
(29) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 表 1 7 】 【 産 業 上 の 利 用 可 能 性 】
【 0 0 7 5 】
自 治 体 や 防 災 セ ン タ ー な ど 公 的 な 機 関 に お け る 防 災 計 画 の 立 案 業 務 や ハ ザ ー ド マ ッ プ 作
成 な ど 幅 広 い 用 途 が あ る 。 ま た 、 教 育 機 関 な ど に お い て 災 害 の 未 然 防 止 や 避 難 訓 練 用 の 教
材 と し て も 活 用 が 見 込 ま れ 、 さ ら に 、 建 設 ・ 土 木 事 業 を 営 む 私 企 業 に お い て も 、 防 災 事 業
の ニ ー ズ 掘 り 起 こ し や 事 業 提 案 の た め の ツ ー ル 、 あ る い は 公 的 機 関 と の 連 携 を 図 る た め の
共 有 ツ ー ル と し て 活 用 が 可 能 で あ り 、 企 業 の 防 災 技 術 に 関 す る 研 究 開 発 や 設 計 事 業 な ど の
用 途 に も 適 用 可 能 で あ る 。
【 図 面 の 簡 単 な 説 明 】
【 0 0 7 6 】
【 図 1 】 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム の 構 成 図 で あ る 。
【 図 2 】 本 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム を 用 い た 演 算 処 理 方 法 を 示 す フ ロ ー チ ャ ー ト で あ る。【 図 3 】 サ ポ ー ト ベ ク タ ー マ シ ン を 用 い て 解 析 し た 分 離 超 平 面 ( 判 別 境 界 面 ) を 曲 線 で 表
現 し て 2 次 元 平 面 上 に 示 し た 概 念 図 で あ る 。
【 図 4 】 図 3 に お い て 設 定 さ れ る 潜 在 危 険 度 と 過 去 の 災 害 発 生 実 績 に 基 づ く 災 害 発 生 確 率
と の 関 係 を 示 し た グ ラ フ で あ る 。
【 図 5 】 道 路 防 災 総 点 検 要 領 に 基 づ く 診 断 結 果 ( 評 点 ) と 災 害 発 生 確 率 と の 関 係 を 示 し た
グ ラ フ で あ る 。
【 図 6 】 学 習 デ ー タ で 形 成 し た 判 別 境 界 面 を 利 用 し て テ ス ト デ ー タ の 潜 在 危 険 度 を 求 め る
こ と を 試 み た 結 果 を 示 し た グ ラ フ で あ る 。
【 図 7 】 図 6 の テ ス ト デ ー タ を 用 い て 図 5 と 同 様 に 従 来 の 道 路 防 災 点 検 要 領 に 基 づ く 手 法
で の 評 価 結 果 を 示 し た グ ラ フ で あ る 。
【 図 8 】 土 石 流 危 険 渓 流 を 対 象 と し た 表 6 の デ ー タ に 基 づ い て 土 石 流 発 生 の 潜 在 危 険 度 と
災 害 発 生 確 率 と の 関 係 を 示 し た グ ラ フ で あ る 。
【 図 9 】 土 石 流 危 険 渓 流 を 対 象 と し た 表 6 の デ ー タ に 基 づ い て 、 ラ フ 集 合 を 用 い て 解 析 さ
れ た 土 石 流 発 生 の 危 険 度 と 災 害 発 生 確 率 と の 関 係 を 示 し た グ ラ フ で あ る
【 図 1 0 】 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 を 対 象 と し た 表 7 の デ ー タ に 基 づ い て が け 崩 れ 発 生 の 潜1020304050(30) JP 3975407 B2 2007年9月12日
在 危 険 度 と 災 害 発 生 確 率 と の 関 係 を 示 し た グ ラ フ で あ る 。
【 図 1 1 】 地 す べ り 危 険 箇 所 を 対 象 と し た 表 8 の デ ー タ に 基 づ い て 地 す べ り 発 生 の 潜 在 危
険 度 と 災 害 発 生 確 率 と の 関 係 を 示 し た グ ラ フ で あ る 。
【 図 1 2 】 図 2 の ス テ ッ プ S 3 と し て 表 現 さ れ る 判 別 境 界 面 I 上 の デ ー タ と あ る 地 域 に お
け る デ ー タ 点 ( B j ) と の 距 離 を 求 め て 潜 在 危 険 度 を 演 算 す る ア ル ゴ リ ズ ム の 一 例 を 示 す
フ ロ ー チ ャ ー ト で あ る 。
【 図 1 3 】 ( a ) 、 ( b ) 、 ( c ) い ず れ も サ ポ ー ト ベ ク タ ー マ シ ン を 用 い て 解 析 し た 分
離 超 平 面 ( 判 別 境 界 面 ) を 曲 線 で 示 し た 2 次 元 平 面 を 表 す 概 念 図 で あ る 。
【 図 1 4 】 ( a ) 、 ( b ) い ず れ も 対 策 工 の 効 果 に 対 す る グ ル ー プ 分 類 の う ち 、 グ ル ー プ
1 の 概 念 を 説 明 す る た め の 概 念 図 で あ る 。
【 図 1 5 】 ( a ) 、 ( b ) い ず れ も 対 策 工 の 効 果 に 対 す る グ ル ー プ 分 類 の う ち 、 グ ル ー プ
2 の 概 念 を 説 明 す る た め の 概 念 図 で あ る 。
【 図 1 6 】 ( a ) 、 ( b ) い ず れ も 対 策 工 の 効 果 に 対 す る グ ル ー プ 分 類 の う ち 、 グ ル ー プ
3 の 概 念 を 説 明 す る た め の 概 念 図 で あ る 。
【 図 1 7 】 本 実 施 の 形 態 に 係 る 防 災 事 業 計 画 支 援 シ ス テ ム に よ っ て 作 成 さ れ た ハ ザ ー ド マ
ッ プ の 一 例 を 示 す 概 念 図 で あ る 。
【 図 1 8 】 あ る 地 域 に お け る 潜 在 危 険 度 f(x,y) A と 災 害 発 生 率 の 相 関 を 示 す グ ラ フ で あ る。【 図 1 9 】 図 1 8 に 示 さ れ る 地 域 と 同 一 地 域 に お け る 対 策 工 効 果 f(x,y) B を 考 慮 し て 算 出
し た 斜 面 危 険 度 F(x,y)と 災 害 発 生 率 の 相 関 を 示 す グ ラ フ で あ る 。
【 図 2 0 】 土 石 流 危 険 渓 流 を 対 象 と し て 対 策 工 効 果 f(x,y) B を 考 慮 し て 算 出 し た 斜 面 危 険
度 F(x,y)と 災 害 発 生 率 の 相 関 を 示 す グ ラ フ で あ る 。
【 図 2 1 】 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 を 対 象 と し て 対 策 工 効 果 f(x,y) B を 考 慮 し て 算 出 し た 斜
面 危 険 度 F(x,y)と 災 害 発 生 率 の 相 関 を 示 す グ ラ フ で あ る 。
【 図 2 2 】 地 す べ り 危 険 箇 所 を 対 象 と し て 対 策 工 効 果 f(x,y) B を 考 慮 し て 算 出 し た 斜 面 危
険 度 F(x,y)と 災 害 発 生 率 の 相 関 を 示 す グ ラ フ で あ る 。
【 符 号 の 説 明 】
【 0 0 7 7 】
1 ... 入 力 部 2 ... 演 算 部 3 ... 標 準 化 解 析 部 4 ... 解 析 条 件 設 定 部 5 ... 潜 在 危 険 度 演 算
部 6 ... デ ー タ 分 類 部 7 ... 対 策 工 効 果 演 算 部 8 ... 総 合 危 険 度 演 算 部 9 ... 出 力 部 1
0 a ... デ ー タ 1 0 b ... 解 析 条 件 1 1 ... 実 績 デ ー タ ベ ー ス 1 2 ... 災 害 実 績 デ ー タ 1
3 ... 境 界 デ ー タ ベ ー ス 1 4 ... 判 別 境 界 線 デ ー タ 1 5 ... 判 別 境 界 面 デ ー タ 1 6 ... 解 析
デ ー タ ベ ー ス 1 7 ... 解 析 条 件 デ ー タ 1 8 ... パ ラ メ ー タ デ ー タ 1 9 ... 潜 在 危 険 度 関 数
デ ー タ 2 0 ... 対 策 工 効 果 関 数 デ ー タ 2 1 ... 総 合 危 険 度 関 数 デ ー タ 2 2 ... 地 図 デ ー タ
2 3 ... 評 価 情 報 デ ー タ ベ ー ス 2 4 ... 潜 在 危 険 度 デ ー タ 2 5 ... 対 策 工 効 果 度 デ ー タ
2 6 ... 総 合 危 険 度 デ ー タ 102030
(31) JP 3975407 B2 2007年9月12日 【図1】(32)JP 3975407 B2 2007.9.12 【 図 2 】
(33) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 図 3 】
【 図 4 】
(34) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 図 5 】
【 図 6 】
【 図 7 】
(35) JP 3975407 B2 2007年9月12日 【図8】(36)JP 3975407 B2 2007.9.12 【図9】(37)JP 3975407 B2 2007.9.12 【図10】(38)JP 3975407 B2 2007.9.12 【図11】(39)JP 3975407 B2 2007.9.12
【 図 1 2 】
(40) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 図 1 3 】
(41) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 図 1 4 】
(42) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 図 1 5 】
(43) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 図 1 6 】
(44) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 図 1 7 】
【 図 1 8 】
(45) JP 3975407 B2 2007年9月12日
【 図 1 9 】
(46) JP 3975407 B2 2007年9月12日 【図20】(47)JP 3975407 B2 2007.9.12 【図21】(48)JP 3975407 B2 2007.9.12 【図22】(49)JP 3975407 B2 2007.9.12
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(73)特許権者 591260672
中電技術コンサルタント株式会社
広島県広島市南区出汐2丁目3番30号
(73)特許権者 594162308
西日本技術開発株式会社
福岡県福岡市中央区渡辺通一丁目1番1号
(74)代理人 100111132
弁理士 井上 浩
(72)発明者 古川 浩平
山口県宇部市常盤台2丁目16番1号 山口大学工学部内
(72)発明者 小林 央宜
福岡県福岡市中央区渡辺通1丁目1番1号 西日本技術開発株式会社内
(72)発明者 尹 禮分
香川県高松市林町字新町2217番20 香川大学工学部内
(72)発明者 大石 博之
山口県宇部市常盤台2丁目16番1号 山口大学工学部内
(72)発明者 中山 弘隆
兵庫県神戸市東灘区岡本8丁目9番1号 甲南大学理工学部内
(72)発明者 竹本 大昭
岡山県岡山市津島京町3丁目1番21号 株式会社エイトコンサルタント内
(72)発明者 荒木 義則
広島県広島市南区出汐2丁目3番30号 中電技術コンサルタント株式会社内
(72)発明者 澤田 尚
福岡県福岡市中央区渡辺通1丁目1番1号 西日本技術開発株式会社内
審査官 宮地 匡人
(56)参考文献 特開2003−184098(JP,A)
特開2004−280773(JP,A)
特開2004−003274(JP,A)
特開2005−115639(JP,A)
特開2005−350972(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/00
(50) JP 3975407 B2 2007年9月12日

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