練馬区「徴税吏員支援のシステム「未納対策支援AI」の開発と導入」
展開地域名: 練馬区
解決すべき課題
■しかくベテラン職員の退職・異動を含む人材不足
●くろまる 滞納整理の仕事には、交渉・差し押さえ・猶予がある。これらを適正に行うために財産調査というのを行っている。財産を隠していないかもしくは生活に困窮していないかを把握するための調査であるが、案件ごとに状況が違うので適格な調査が難しい。この上で、次のような課題があった。
・財産調査の選定先には、所得状況、移住地、家族構成、調査履歴、相談記録等を基にしており、選定作業は 1 案件につき平均 30 分かかっていた。
・調査結果については熟練職員かそうでないかで調査結果にバラつきがあった。
・滞納案件は 35,000 件あり、マンパワーが限られているため全件に着手するのは困難。
解決の手法
■しかく税金や保険料の滞納におけるノウハウ継承や業務の効率化を目指してAIの学習機能に着眼して富士通Japan株式会社どの共同開発に取り組んだ。
(練馬区「〜住民税等の未納対策強化と生活再建の支援に向け〜 練馬区と富士通Japanで共同開発した "未納対策を支援するAI"を全国で初めて開始します」参照。)
●くろまる 構想から丸 2 年かけ、2 つのAI「財産調査支援AI」と「難易度別分類支援AI」を構築することとなった。
<財産調査支援AI>
・調査先を瞬時にレコメンドするもの
<難易度別分類支援AI>
・担当案件と職員をマッチングするもの
●くろまる 本 AI を活用する実証実験を 2023 年 3 月 27 日から 12 月末まで実施。
(PR TIMES「富士通Japan、練馬区様とAIを活用した住民税などの未納対策業務を支援するシステムを共同開発し実業務での運用を開始」参照。)
解決における工夫点
●くろまる 各 AI についての工夫点:
<財産調査支援AI>
AI にベテランのノウハウを学習させた。例えば、この人は、○しろまる○しろまる銀行に預金がありそうだなといった、ベテランならではの経験則を加えている。こういったノウハウを隠し味として AI に導入したので、どこの自治体でもこのシステムはすぐに使うことができる。
<難易度別分類支援AI>
新人にも難しい案件を少しもたせ、ベテランにも易しい案件を少し持たせるようにバランスを調整し、職員の習熟度の向上に合わせて徐々に難易度の高い案件を振り分けるように職員のスキルの底上げができるようにしている。
●くろまる 実効性のあるシステムにするため、操作性・視認性等を徴収職員(現場)の視点で開発した。
事例による成果
●くろまる 2023 年 3 月 27 日から 12 月末までの実証に成果がみられ、2024 年 4 月から運営を開始。
この財産調査と難易度別分類支援における二つのAIの実業務への導入は全国初となる。
●くろまる 財産調査支援AI の活用で30分かかっていた選定作業、これがわずか3分と大幅に大幅にタイパもコストも改善した。
●くろまる 調査先候補数が 4 倍に増えその結果、預金口座など資産抽出件数が 8 倍となった。
(PR TIMES「富士通Japan、練馬区様とAIを活用した住民税などの未納対策業務を支援するシステムを共同開発し実業務での運用を開始」参照。)
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2024(令和6)年 4 月〜継続運用中
参考資料
本事例は、「東京都 Tokyo区市町村DXaward 2024(11/6開催)」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※(注記) 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■しかく東京都
・Tokyo区市町村DXaward 2024(11/6開催)
https://www.youtube.com/live/NbdjVfsMVc4
■しかく練馬区
・練馬区プレスリリース 送付日 2024年(令和6年)3月27日
〜住民税等の未納対策強化と生活再建の支援に向け〜 練馬区と富士通Japanで共同開発した "未納対策を支援するAI"を全国で初めて開始します
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/koho/hodo/r6/r603/20240327.files/20240327.pdf
■しかく富士通Japan
・練馬区と富士通Japan株式会社、住民税等の徴収業務効率化に向け、滞納整理にAIを活用する共同実証実験を開始!2023年3月27!
https://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/about/resources/news/press-releases/2023/0327.html
■しかくVLED(一般社団法人 デジタル地方創生推進機構)
・連載「2024年度自治体向け研修」第1回を公開しました 2025年2月27日
https://vled.or.jp/2025/02/27/2024dx01/
■しかく日本経済新聞
・自治体業務をAIで効率化 練馬区、税未納対策に活用 2024年12月27日
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=2&n_m_code=146&ng=DGKKZO85748090W4A221C2L83000
■しかくPR TIMES
・富士通Japan、練馬区様とAIを活用した住民税などの未納対策業務を支援するシステムを共同開発し実業務での運用を開始 2024年3月27日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000278.000093942.html
事例に関する問い合わせ先
練馬区 収納課 計画調整係
Tel: 03-5984-1433
本事例についてのご要望
本ページ掲載事例の、項目の追加・修正・削除等のご要望は地方公共団体DX事例データベースに対するご要望フォームよりお寄せください。