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日本遺産「古代日本の「西の都」」の広域型が認定

最終更新日:

1.日本遺産とは

日本遺産(Japan Heritage)とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものです。

このたび、平成27年度に福岡県太宰府市が認定された日本遺産「古代日本の「西の都」〜東アジアとの交流拠点」が拡充されました。

ストーリーを構成する文化財のなかに、基山町に関係するものとして、「特別史跡基肄城跡」や「万葉集筑紫花壇」、「官道」が追加されました。

(参考:文化庁 日本遺産ポータルサイト)

https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/

2.日本遺産「古代日本の「西の都」〜東アジアとの交流拠点〜」とは

ストーリーの概要

大宰府政庁を中心としたこの地域は、東アジアからの文化、宗教、政治、人などが流入・集積するのみならず、古代日本にとって東アジアとの外交、軍事拠点でもあり、軍事施設や都市機能を建設するのに地の利を活かした理想の場所であった。現在においても大宰府跡とその周辺景観は当時の面影を残し、宗教施設、迎賓施設、直線的な道や碁盤目の地割跡は、1300年前の古代国際都市「西の都」を現代において体感できる場所である。

広域型への変更が認定

太宰府市単独の「地域型」から、基山町、筑紫野市、春日市、大野城市、那珂川市、宇美町を含む範囲へ拡充(「広域型」)が認定されました。

(参考:福岡県「日本遺産「古代日本の「西の都」」の広域型への変更が認定されました」)

https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/nishino-miyako.html)

3.構成文化財のストーリーの位置づけ

広域型への拡充認定に伴い、ストーリーを構成する文化財は全体で30項目になり、基山町に関係するものとして、以下の3項目が認定されました。

基肄城跡

663年の百済役の後、大野城跡と同じ665年に築城された古代山城である。
大宰府政庁の真南にある坊住山(基山(きざん)標高約404m)に所在し、大野城や水城とともに百済系都城の特徴をよく示している。
奈良時代には、妻を亡くした大伴旅人と弔問に訪れた官人らが基肄城に登って歌を詠むなど、かつての緊迫した雰囲気とは一転し、交流の場ともなっていた。
(参考:基山町「基肄(椽)城跡(きいじょうあと)」)

万葉集筑紫歌壇

万葉集約4500首のうち、筑紫で詠まれた歌は約320首。奈良時代の神亀から天平年間に太宰府に滞在し、万葉集に歌を残した著名な歌人集団。

とくに大宰府帥大伴旅人邸で開かれた「梅花宴」32首はその名を知られる。

当時「梅」は唐から渡ってきた新奇な先進の文物のひとつであった。

歌は大宰府近郊でも盛んに詠まれ、豊かな文化が育まれた。

(例)大伴旅人が奈良の都に帰任する際、友好のあった筑後守葛井連大成が詠んだ歌。(巻第四)

今よりは 城の山道は 寂しけむ 我が通はむと 思ひしものを

(訳)これからは、大宰府に通う際の城の山道は寂しくなることでしょう。私は貴方にお目にかかるのを楽しみに通い続けようと思っていましたのに。

(注記)城の山道とは、筑後国から大宰府へ向かう途中、基肄城東側の山腹を通っていた山越えの官道のことと推定されています。

官道

大宰府の出入口となった水城の西門・東門を通過する直線道である。

西門ルートは筑紫館(鴻臚館跡)と大宰府を結ぶ道で、外国使節はこのルートで大宰府へ入った。

東門ルートは博多に繋がっており都からの官人赴任ルートとみられる。

西門・東門ルートともに現在は市道として踏襲されている。

大宰府から南に向かっては、筑後、肥前、豊前、豊後など西海道各地へと連なる官道がのび、様々な文物や人々が交流し、都市大宰府の発展を支えた。

(参考:基山町 基肄城築造1350年記念特集コラム「基肄城を知る」 第9回万葉集に出てくる道、『城の山道』)

https://www.town.kiyama.lg.jp/kiji003768/3_768_10_5155.pdf

(注記)PDFで見ることができます。

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