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プレスリリース

女川原子力発電所2号機における非常用ガス処理系の計画外の作動に係る原因と対策について

2024年 9月19日

当社は、2024年9月13日に発生した女川原子力発電所2号機における非常用ガス処理系(注記)1の計画外の作動について、本日、本事象が発生した原因および再発防止対策を取りまとめました。

本事象につきまして、地域の皆さま、関係の皆さまにご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。

当社といたしましては、今回策定した再発防止対策を確実に実施し、引き続き、原子力発電所の安全確保に万全を期してまいります。

事象の概要および原因と再発防止対策は、以下のとおりです。


(注記)1

原子炉建屋内に放射性物質の放出を伴う事故の際、自動起動し、原子炉建屋内を負圧にするとともに、放射性物質の除去を行い、外部への放射能による影響を低減する設備。


【事象の概要】

9月13日10時44分頃、女川原子力発電所2号機の定期事業者検査(注記)2の準備作業において、非常用ガス処理系の自動起動を防止するための処置を実施していたところ、非常用ガス処理系が計画外に作動した。

なお、本事象による環境への放射能の影響はなかった。

(2024年9月13日お知らせ済み)


(注記)2

発電所の設備を健全な状態に維持し、トラブルの未然防止や発電所の安全運転を図ることを目的として行う検査。


【事象発生に至った経緯】(別紙1参照)

定期事業者検査のうち、放射性物質を含む系統や機器などの放射線を測定する検出器(放射線モニタ)について、警報や非常用ガス処理系などが作動する設定値が正しいことを確認する検査の準備作業を行っていた。

そうした中、非常用ガス処理系の自動起動を防止するための処置として行ったジャンパ作業(注記)3において、保修部門の当社社員が、「端子1」を固定している「ねじ」を緩めたところ、端子に接続されているケーブルが一時的に離れ、リレー(注記)4への通電が切れた。

これにより、設計どおりに非常用ガス処理系の自動起動信号および原子炉建屋隔離信号が発信され、非常用ガス処理系が計画外に作動した。

(注記)3

電線等を用いて、電気回路間の端子をバイパスする作業。

(注記)4

電磁石の動作により電気回路の入切を行う装置(スイッチ)。


【事象発生の原因】(別紙2参照)

今回の作業箇所は、通常「ねじ」を緩める必要のない端子(以下、「バナナ端子」)を使用していたが(図1左側)、ジャンパ作業時は、バナナ端子が取り外されており、「ねじ」を緩める必要のある端子の状態(注記)5となっていた(図1中央)。

このため、本来であれば、一旦ジャンパ作業を中断し、バナナ端子に復旧したうえで作業をすべきであったが、当該社員は、端子の「ねじ」を緩める手法で作業を継続した。

同手法でジャンパ作業を継続する場合、ケーブルが接続されていない側(外線側)の端子で作業を実施すべきであったが(図2左側)、事象発生時はケーブルが接続されている側(内線側)の端子で実施した(図2中央)ことで、本事象が発生した。

また、過去に発生した類似事象を踏まえた再発防止対策(注記)6の実施状況を確認した結果、保修部門への水平展開が不十分であり、端子の構造を理解させる教育内容となっていなかった。

以上のことから、今回の事象は以下の原因によって発生したものと推定した。


(1)バナナ端子の取り外しに係るルールが不明確だった。

(2)保修部門におけるジャンパ作業に対する教育内容が不十分だった。

(3)現場状況に相違がある場合に、一旦作業を中断できなかった。


(注記)5

2号機における安全上重要な設備において、バナナ端子の取り付け状態を確認した結果、今回の作業箇所以外は全て正しく取り付けられていることを確認した。

(注記)6

2019年8月28日に発生した「女川原子力発電所2号機燃料プール冷却浄化系ポンプの停止」の事象に伴い、運転部門において教育資料の充実化および模擬制御盤による実際の端子を使用した実技訓練を実施している。(2019年9月5日お知らせ済み)


【再発防止対策】

(1)

「バナナ端子は原則として取り外さないこと」「やむを得ずバナナ端子の取り外しが必要な場合は、作業完了後に復旧したことを確認すること」を社内文書に定める。

(2)

「教育資料における端子の構造に関する記載の充実化」「模擬制御盤による実際の端子を使用した実技訓練の継続的な実施」により、各端子の役割についての知識習得とジャンパ作業の習熟を図る。

(3)

現場状況に相違がある場合は、一旦作業を中断し、作業継続の可否について管理職を含め協議する旨の周知・徹底を図るとともに、教育資料にも反映し、繰り返し教育していく。


以 上



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