Microsoft Word - 【0812】表紙・目次.doc


はじめに
(1) 特定原子力施設に係る実施計画作成に対する基本方針
本実施計画は,核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第64条の2第1項の
規定に基づき,特定原子力施設に指定された東京電力株式会社福島第一原子力発電所に関して,
同法第64条の3第1項の規定に基づき,作成するものである。
本実施計画の作成にあたっては,原子力規制委員会より示された「措置を講ずべき事項」に対
して,特定原子力施設に関する保安又は特定核燃料物質の防護ための措置を可能な限り具体化す
ることを基本とした。
また,本実施計画については,その内容に固執するものではなく,現場の状況や今後の技術開
発の状況を踏まえ,現場における作業に支障がないように迅速かつ柔軟に見直し等の対応を行う
こととする。本実施計画の取組の実施に向けた基本原則を以下に示す。
1 地域の皆さまと作業員の安全確保を大前提に,廃止措置等に向けた中長期の取組を計画
的に実施していく。
2 中長期の取組を実施していくにあたっては,透明性を確保し,地域及び国民の皆さまの
ご理解をいただきながら進めていく。
3 実施計画は現場の状況や研究開発成果等を踏まえ,継続的に見直していく。
当社は,本実施計画で具体化された措置等を速やかに実施することで,特定原子力施設から敷
地外への放射性物質の影響を極力低減させ,事故前のレベルとすることを目標とする。この目標
の達成に向けて現状の大きなリスクは,
溶融した燃料
(燃料デブリ)
及び使用済燃料の冷却不全,
再臨界,水素爆発,汚染水の漏えい,自然災害等による放射性物質の放出であり,特に至近の課
題解決として以下の内容を最優先事項とするとともに,特定原子力施設全体のリスクの低減や最
適化を図っていく。
1 汚染水の発生量の低減と確実な処理による汚染水貯蔵量の低減
2 使用済燃料の使用済燃料プールからの早期取り出し
また,地震・津波等の基準の見直しが発生した場合には,必要に応じて実施計画へ適切に反映
していく。さらに多くの作業がこれまでに経験のない技術的困難性を伴うものであることを認識
した上で,海外の事故対応等に係る知見・経験を十分に活用し,廃止措置を安全かつ速やかに実
施していくこととする。
(2) 本実施計画に基づく取組に対する経営層の関与
福島における事故の教訓を踏まえ,原子力安全の確保は経営上の最重要課題であると認識し,
原子力改革を進めるとともに,トップマネジメントを含む経営層自らが品質保証に深く関与して
いく。また本実施計画に基づく安全確保や信頼性向上の取組に対して,経営層自らが現場のリス
クを強く認識した上で方針を明確にし,実施状況を確認するための仕組みを構築し,適切な資源
配分を含めた実効性のある組織運営を実現していく。
また取組の基盤となる安全文化の醸成に対しても,これまで以上に関与を強め,協力企業を含
めて組織の隅々まで安全文化が浸透し,醸成されるように努めていく。

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