はしがき

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工業用水道事業は、地盤沈下対策や地域経済の活性化を図るための産業基盤施設として経済の発展に大きく貢献しており、平成27年度においては、供用開始している150団体が5,998箇所に及ぶ給水先に対して年間43億36百万m3の配水を行い、各事業所の安定した操業に大きな役割を果たしている。

しかしながら、今日の工業用水道事業は、企業の撤退や節水に伴う料金収入の減少のほか、高度成長期に整備した施設の老朽化に伴う大量更新、耐震化、資産規模の適正化、技術の継承(人材の育成)などが経営上の課題である。また、黒字であるものの、既に更新投資が過小(管路の更新が不十分)と見られる事業や、将来に向けた更新投資に係る対策が十分でない(将来に備えた内部留保財源が十分に確保されていない)と考えられる事業も見られる。

こうした課題に適切に対応していくためには、将来にわたって安定的に事業を継続するための中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を策定するとともに、コンセッションを含むPPP/PFI等による民間活用や資産の有効活用(水道事業との施設共有等)の推進や、施設・設備の規模の適正化の状況や老朽化の進行状況、今後必要となる投資の状況等を見据えた上で、更なる経営の効率化を推進する必要がある。

このような中で、総務省においては、事業の経営状況を客観的に捉え、類型別に分類比較をし、経営分析を行うための資料として「工業用水道事業経営指標」を作成しているところである。

本指標は、平成27年度地方公営企業決算状況調査を基礎とし、営業中の工業用水道事業( 243施設及びその施設を運営する150団体)について類型別に分類し、収益性、資産、財務状況、効率性・生産性等の観点に立ち、様々な角度から分析したものである。

本指標を、「経営戦略」の策定や抜本的な改革を検討する上での基本的な資料として積極的に活用され、将来にわたって安定的に事業を継続するための経営の健全性確保の一助としていただければ幸いである。

平成29年3月

総務省自治財政局公営企業経営室長
石黒 久也
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平成27年度工業用水道事業経営指標

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