令和7年国勢調査第3次試験調査
における郵送配布方式の試行結果
(概要)
総務省統計局統計調査部
国勢統計課
資料1-2
第3次試験調査における郵送配布方式の主な検証内容1しろまる 第3次試験調査(令和6年6月実施)において、茨城県(水戸市)及び栃木県
(宇都宮市)と連携し、オートロックマンション等の集合住宅における郵送配布方
式の導入について、実地に検証を実施
しろまる 具体的には、茨城県水戸市のオートロックマンション1棟(約100世帯)及び栃木
県宇都宮市のオートロックマンション3棟(計約180世帯)において、全ての居住世
帯に対し、実際に調査書類の郵送配布(「特別あて所配達郵便」による)を行い、
調査員調査と同様に正確な調査結果を得ることが可能かどうか、定量的・定性的両
方の視点から、多角的に検証
(主な検証内容)
1 回答状況(郵送配布方式と調査員調査との比較)
2 未回答世帯への督促の実施状況(督促前後の回答率の比較)
3 地方公共団体の事務の実施状況等
・「調査世帯一覧」(郵送名簿)の整備(注記)1、居住確認の実施状況
(注記)1 管理会社から協力を得るプロセス、協力が得られない場合の対応等
・調査関係書類の準備(注記)2 、「特別あて所配達郵便」の申請手続
(注記)2 封入作業の状況、宛名ラベル作成など
・「特別あて所配達郵便」による送達の状況
・市町村・指導員の事務負担、実査上の問題等
1 回答状況(郵送配布方式と調査員調査との比較)2しろまる 郵送配布方式で実施した地域の回答率をみると、オンライン回答と郵送回収を合わせて74.9%
となっており、調査員調査で実施したオートロックマンション等の多い地域の回答率(80.3%)
に比べ、5.4ポイント低くなっている。47.346.827.632.4 1.125.119.7
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
郵送配布方式
調査員調査(オートロックマンション)
調査方法別回答率
オンライン回答 郵送回収 調査員回収 聞き取り調査
回答あり:80.3
回答あり:74.9
(参考)地域別回答状況3〔世帯、%〕
オンライン
回答
郵送回収 調査員回収
オンライン
回答
郵送回収 調査員回収
総数 1,053 799 407 374 18 254 100.0 75.9 38.7 35.5 1.7 24.1
茨城県水戸市 471 375 179 183 13 96 100.0 79.6 38.0 38.9 2.8 20.4
栃木県宇都宮市 582 424 228 191 5 158 100.0 72.9 39.2 32.8 0.9 27.1
うち郵送配布方式 275 206 130 76 0 69 100.0 74.9 47.3 27.6 0.0 25.1
茨城県水戸市 92 79 37 42 0 13 100.0 85.9 40.2 45.7 0.0 14.1
栃木県宇都宮市 183 127 93 34 0 56 100.0 69.4 50.8 18.6 0.0 30.6
うち調査員調査 778 593 277 298 18 185 100.0 76.2 35.6 38.3 2.3 23.8
茨城県水戸市 379 296 142 141 13 83 100.0 78.1 37.5 37.2 3.4 21.9
栃木県宇都宮市 399 297 135 157 5 102 100.0 74.4 33.8 39.3 1.3 25.6
(別掲) 8,099 6,503 3,787 2,623 93 1,596 100.0 80.3 46.8 32.4 1.1 19.7
回答世帯
合計
(割合)
全国
(調査員調査(オートロックマンション))
総世帯 総世帯
回答世帯
合計
聞き取り
調査
聞き取り
調査
(実数)
44.7 46.5 47.317.518.527.60.010.020.030.040.050.060.070.080.090.0督促前
(7/5時点)
督促1回目後
(7/12時点)
督促2回目後
郵送配布方式(%)回答あり62.2回答あり65.1回答あり74.944.0 46.824.832.41.10.010.020.030.040.050.060.070.080.090.0督促前
(7/5時点)
督促後
調査員調査(オートロックマンション)(%)回答あり68.8回答あり80.32 未回答世帯への督促の実施状況(督促前後の回答率の比較)4(注記)調査員回収分(グレー部分)は督促後のみ
計上している。
オンライン回答
郵送回収
調査員回収
しろまる 郵送配布方式における督促前後の回答率をみると、督促前が62.2%、督促2回目後が74.9%と、
督促前後で12.7ポイント増加している。
しろまる 調査員調査で実施したオートロックマンション等の集合住宅の多い地域の回答率をみると、督
促前が68.8%、督促後が80.3%と、督促前後で11.5ポイント増加している。
⇒ 督促を複数回実施することにより、郵送配布方式でも調査員調査と同等の効果が得られている。
(注記)郵送督促1回目:7/5時点の回答状況に基づき、7/8に発送
郵送督促2回目:7/12時点の回答状況に基づき、7/16に発送
+11.5
ポイント
+12.7
ポイント
3 地方公共団体の事務の実施状況等5【「調査世帯一覧」(郵送名簿)の整備、居住確認の実施状況】
しろまる 郵送名簿の整備に先立ち、対象物件の管理会社に対し、空き室情報の提供依頼を実施。市町村のみで協力が得
られない場合は都道府県が同行するなどして対応。
しろまる 国が提供した住所データを基に、市町村において、管理会社から得られた空き室情報により「調査世帯一覧」
(郵送名簿)を作成(特段の問題はなかったが、事務負担は発生)。
しろまる 空き室情報が得られない場合は、指導員及び市町村において、対象物件の管理人等に実地で確認することによ
り居住確認を実施(特段の問題はなかったが、事務負担は発生)。
【調査関係書類の準備、「特別あて所配達郵便」の申請手続】
しろまる 国が提供した原稿に基づき、市町村において郵送配布用の調査関係書類を印刷した上で、職員が手作業により
封入封かん作業を実施。
しろまる 「調査世帯一覧」(郵送名簿)に基づき、「特別あて所配達郵便」の差出に必要なカスタマーバーコードを作
成した上で、ワープロソフトの機能等を活用して宛名ラベルを印刷。
しろまる 「特別あて所配達郵便」の利用に当たり、同サービスが利用可能な地域区分局への申請を市町村で実施。現時
点で全国的に広く活用されているサービスではないことから、郵便局側も手続に時間を要するなど、想定以上に
手続に手間が発生。
【「特別あて所配達郵便」による送達の状況】
しろまる 市町村において整備した郵送名簿に基づき、289通を発送。うち、郵便受けが塞がれている等の理由により不達
となったものが2件あったほか、郵便は到達したものの、事業所として利用されている居室であるなど対象外で
あることが判明したものが12件あった。
【市町村・指導員の事務負担、実査上の問題等】
しろまる 第3次試験調査においては、地域が限定されていたこともあり特段の問題なく実施できたが、本調査において
は、調査員調査と並行しての実施となり市町村事務が輻輳することから、市町村の体制強化や一部事務の民間委
託などを検討する必要がある、との意見があった。
試行結果の評価と本調査に向けた方向性6【試行結果の評価】
しろまる 督促を複数回実施することにより、調査員調査と同等の回収が確保できたことから、オートロッ
クマンション等の集合住宅における郵送配布方式の有効性は認められる。
しろまる 一方、市町村においては、郵送配布用の調査書類の準備や郵便局への「特別あて所配達郵便」の
申請手続など、通常の調査員調査では生じない事務が生じることから、本調査において調査員調
査に係る実査事務と並行して行うことは負担である、との意見があった。
【本調査に向けた方向性】
しろまる 上記を踏まえ、本調査においては、国及び都道府県が最大限支援の上、オートロックマンショ
ン等の集合住宅で構成される調査区に限定して郵送配布方式を導入(実査上の突発的な対応、
迅速な支援が可能な関東近郊の一部の市町村において試行的に実施)
しろまる 実査事務を担う市町村の事務負担軽減を図るため、一部事務(調査書類の準備事務など)の外
注など、国・都道府県・市町村の役割分担を整理の上、実施可能な負担軽減策を引き続き検討
(注記) 令和7年の本調査の実施状況を十分に検証した上で、地方公共団体と連携し、令和12年調査に
おける郵送配布方式の在り方を検討

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /