IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(1)AI開発力の強化と広島AIプロセスの成果の国際的普及103我が国における大規模言語モデル(LLM)の開発力強化に
向けたデータの整備・拡充
• 我が国のAI開発力強化のため、国立研究開発
法人情報通信研究機構(NICT)において、
LLM開発に必要となる大量・高品質な日本語を
中心とする学習用言語データを整備・拡充し、
我が国のLLM開発者等に提供。
安全なデータ連携による最適化AI技術の研究開発
• 分野横断的な我が国の社会課題の解決や産業
競争力の向上に貢献するため、実空間に存在
する多様なデータを安全に連携させることを
可能とする分散型機械学習技術を確立。
【予算】安全なデータ連携による
最適化AI技術の研究開発 2.3億円
(5年度補正 9.0億円)
【予算】我が国における大規模言語モデル(LLM)の開発力強化に向けたデータの整備・拡充
16.5億円 (5年度補正 100.0億円の内数)
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(1)AI開発力の強化と広島AIプロセスの成果の国際的普及104広島AIプロセスの成果の国際的普及
• 日本が令和5年の議長国を務めたG7関連会合等の成果を踏まえ、
G7やG20、OECD等の場において、広島AIプロセス国際指針及び
行動規範の普及・展開、インターネットガバナンスの強化、
DFFT((注記))の推進等の国際的な議論を引き続き主導。
(注記)Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通
• 広島AIプロセスの更なる前進を主導していくため、GPAI東京専
門家支援センターを立ち上げ、生成AIに関する調査・分析等の
プロジェクトを実施。これにより、生成AIの国際ルール形成や
課題解決に関与し、我が国産業の発展に寄与する。
• また、令和5年に京都で開催された国連主催のインターネッ
ト・ガバナンス・フォーラム(IGF)の成果を活用して、連携
の強化や国内外のマルチステークホルダーの参画強化等を図り、
インターネット・ガバナンスの強化に向けたグローバルな議論
をリードしていく。
【予算】多国間枠組におけるデータ流通等に係る連携強化事業
3.3億円 (6年度 1.4億円)
経済協力開発機構(OECD)への拠出
1.3億円 (6年度 1.2億円)G7マルチステークホルダー
との連携強化
広島AIプロセス
国際機関等との
連携
G7での継続的な議論
G20等への拡大
OECD,GPAI等との協力
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(2)次世代情報通信基盤Beyond 5Gの研究開発・国際標準化・社会実装・海外展開の加速105• 2030年代の導入が見込まれる次世代情報通信インフラBeyond
5Gについて、国際競争力の強化や経済安全保障の確保を図る
ため、我が国発の技術を確立し、社会実装や海外展開を目指
す。
• このため、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)に設
置された研究開発基金等を活用し、Beyond 5Gの重点技術等
について、民間企業や大学等による研究開発・国際標準化、
開発成果の確認・検証等を支援。
(注記)電波利用料財源による予算については、電波の有効利用に資する技術の研究開発に充てる。
【予算】革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業
155.0億円(うち電波利用料財源 150.0億円)
(5年度補正 190.0億円、6年度 159 .4億円)
オール光ネットワーク技術開発の促進及び普及・拡大
4.0億円(新規)
オール光ネットワーク技術等のBeyond 5G研究開発の加速
Beyond 5Gの全体像
1社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム
我が国が強みを有する技術分野を中心として、社会実装・海外展開に向け、一定期間内にTRL(注記)1を一定の水準(注記)2に到達させることを
目指す研究開発
2要素技術・シーズ創出型プログラム
プロジェクトの開始時点でTRL1〜3に該当する技術であって、社会実装まで一定の期間を要し、中長期的視点で取り組む要素技術の
確立や技術シーズの創出のための研究開発
3電波有効利用研究開発プログラム
電波法第103条の2第4項第3号に規定する電波の有効利用に資する技術の研究開発
4国際標準化活動支援
社会実装・海外展開志向型戦略的プログラムの実施者による戦略的な国際標準化活動に対する旅費や専門人材の人件費等の支援
事業のスキーム
(注記)1 TRL: Technology Readiness Level(技術成熟度)
(注記)2 4年以内にTRLが概ね6、5年以内にTRLが概ね7など
事業の概要
デジタル
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(2)次世代情報通信基盤Beyond 5Gの研究開発・国際標準化・社会実装・海外展開の加速106情報通信分野における国際標準化・知財戦略の推進
• Beyond 5Gをはじめとする情報通信分野の我が国の国際競争力の強化を図るため、研究
開発成果等に係る国際標準化や知財活動(オープン&クローズ戦略)を戦略的に推進。
我が国の戦略的な国際標準化活動の推進
国際標準化・知財活動をリード
する人材育成・情報発信強化
国内外の知財(特許)取得の分析
【予算】
情報通信分野における戦略的な標準化活動の推進 1.3億円 (6年度 1.5億円)
Beyond 5Gの実現に向けた総合的・戦略的な国際標準化・知財活動の促進 2.6億円(6年度 7.8億円)
革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業 5.0億円
(5年度補正 190.0億円、6年度 159 .4億円)の内数【再掲】
デファクト・フォーラム標準を含む
民間の標準化活動支援
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(3)宇宙通信分野における先端技術開発の推進107• 宇宙戦略基金を活用し、宇宙通信分野における民間企業の国際競争力につながる商業化等に
向けて、衛星光通信等の最先端通信技術の開発支援を強化。
【予算】宇宙戦略基金事業
5.0億円(5年度補正 3,000億円(うち総務省240億円))
宇宙戦略基金事業
内閣府 経済産業省
文部科学省 総務省
宇宙航空研究開発機構
民間企業、スタートアップ、
大学・国研等
【事業全体の目標(3Goals)】
しろまる 宇宙関連市場の拡大(2030年代早期に4兆円⇒8兆円 等)
宇宙関連市場の開拓や市場での競争力強化を目指した技術開発を支援
しろまる 宇宙を利用した地球規模・社会課題解決への貢献
社会的利益の創出等を目指した技術開発を支援
しろまる 宇宙における知の探究活動の深化・基盤技術力の強化
革新的な将来技術の創出等に繋がる研究開発を支援
<本制度のスキーム>
輸送
衛星等 探査等
支援分野
(3Areas)
基金造成
委託・
補助金交付
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(4)量子通信技術等や基礎的・基盤的な研究開発の推進108量子通信技術の研究開発
• 量子暗号通信網の早期社会実装に向けて、
量子暗号通信のさらなる長距離化・高速化
技術、ネットワークの高度化技術、運用・
認証技術の研究開発を推進。
• 量子コンピュータ・センサ等を接続する量
子インターネットの実現に向けて、量子状
態を維持した長距離通信を安定的に実現す
るための技術の研究開発を実施。
ネットワーク高度化技術
広域化技術
運用・認証技術
【予算】量子暗号通信網の早期社会実装に向けた研究開発 20.0億円(新規)
量子インターネット実現に向けた要素技術の研究開発 12.0億円(6年度 12.0億円)
鍵生成速度の高速化/長距離化
最適な伝搬経路への自律的な切替等
(盗聴・ネットワーク障害等)
安全なend-to-endの量子暗号通信の実現
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(4)量子通信技術等や基礎的・基盤的な研究開発の推進109グリーン社会に資する先端光伝送技術の研究開発
• オンライン化・リモート化の進展や超高精細映像、AI等の普及に伴う通信量及び消費電力
の急増並びに通信需要の多様化に対応するため、更なる高速大容量化、低消費電力化等を
実現する光ネットワーク技術の研究開発を実施。
【予算】グリーン社会に資する先端光伝送技術の研究開発
14.0億円(6年度 14.0億円)
FTTHサービス ビジネス向けサービス IoTサービス
4K・8K動画配信など 大規模ウェブ会議など 大量のセンサーなど
10テラビット級光伝送技術
•基幹網の高速・大容量化
(従来の100倍: 100ギガbps → 10テラbps)
•先端微細加工の適用による低消費電力化
(従来の10分の1)
大容量・高多重光アクセス網伝送技術
•アクセス網の高速・大容量化
(従来の100倍: 10ギガbps → 1テラbps)
•小型化等による消費電力低減
(従来の10分の1)
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(4)量子通信技術等や基礎的・基盤的な研究開発の推進110基礎的・基盤的な研究開発等
• 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)による基礎的・基盤的な研究開発等を実施。
【予算】国立研究開発法人情報通信研究機構運営費 315.4億円(6年度 300.1億円)
国立研究開発法人情報通信研究機構施設整備費 3.1億円(6年度 3.1億円)
サイバーセキュリティ
多様化するサイバー攻撃に対応
・サイバーセキュリティ
NICTER
耐量子計算機暗号など
今後の利用が想定される次世代暗号
・暗号技術
量子計算機を
使った暗号解読
革新的ネットワーク
Beyond 5Gを支える大容
量光ネットワーク
・フォトニックネットワーク
Beyond 5Gを実現する
超高速・省電力・拡張空間の
無線ネットワーク
・次世代ワイヤレス
マルチコア光ファイバ
直径
0.312mm
電磁波先進技術
ゲリラ豪雨など突発的大気現象の早期捕捉
・リモートセンシング
宇宙天気予報の提供
・宇宙環境
高精度な基準時刻の生成・分配供給
・時空標準
フェーズドアレイ気象レーダ
日本標準時システム
Deep Flare Net
NTN(非地上系ネットワーク)
フロンティアサイエンス
量子鍵配送技術の国際標準化
及び世界最高速の量子光源
・量子情報通信
光通信や感染症対策への
活用が可能な深紫外LED
・先端ICTデバイス
深紫外光デバイス
脳情報通信による人間機能の拡張
・脳情報通信
脳機能全体のモデル化
光通信と量子鍵配送
ユニバーサルコミュニケーション
自然な日本語に翻訳できる
高精度な多言語翻訳
・多言語コミュニケーション
ユーザの興味や背景・
コンテクストに応じた対話、
生成AI用の言語データ整備
・社会知コミュニケーション
スマホアプリ
消防や警察でも活用
ライセンスによる
企業における製品普及
対話ロボット
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(5)ICT分野におけるスタートアップ育成の推進111【予算】スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業 5.0億円 (6年度 3.0億円)
• 起業又は事業拡大を目指すスタートアップ等に対し、ICT分野における研究開発の支援
や、全国各地・各分野のステークホルダーからなる支援機関ネットワークによる官民
一体の伴走支援を強化することで、研究開発成果に基づくICTスタートアップのさらな
る創出・育成を促進。
くろまる 支援の概要 くろまる
スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業
くろまる 事業概要図くろまる
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(6)生成AIを含めたAI事業者ガイドラインの整備・普及112AIの高度化に応じたガバナンスに関する調査研究
• 生成AIの急速な普及を背景に、生成AIを含
めたAIに関する事業者が、AIに関する懸念
やリスクに適切に対応するための方針とし
て、国際的な動向も踏まえAI事業者ガイド
ラインの必要な改定を行い普及・浸透させ
ていくことで、我が国の生成AIの開発・提
供・利用を促進する。
• 我が国で策定したAI事業者ガイドラインを
国際的な議論の場にも提供し、国内外に
向け広く普及啓発を図る。
【予算】AIの高度化に応じたガバナンスに
関する調査研究
0.5億円(新規)
国際議論の場へ発信
AI事業者ガイドラインの改定・浸透
AIの普及・技術の深化。
各業界での急速なAI発展・普及により
大きな便益・イノベーション、Society5.0への寄与 等
国内外の社会情勢。
AI事業者ガイドラインを踏まえたAIの開発・提供・利用の促進、知見・事例の蓄積
諸外国(特に欧米)におけるAIガバナンスの最新動向
AIの安全性を巡る産学官での議論 等
IV 国際競争力の強化と国際連携の深化
12.新技術開発・国際的なルール作り・海外展開の一体的推進
(7)没入型技術の利活用における利用環境の整備113VR等(没入型技術)の利活用における利用環境整備事業
• VRデバイス等没入型技術の利活用については、生産性の向上など効果が報告されている一方
で、使用方法等によっては、身体面や感情・行動面に影響を及ぼすことも指摘されている。
• 没入型技術の利用に関する身体面や感情・行動面への影響を明らかにしつつ、生産性の向上
等の効果をより発揮できる利用方法等を検討し、適切な形での利活用を促進するために、
1没入型技術の望ましい利用の在り方に関する調査研究及び2安心・安全な没入型技術の
利用に関する研究開発を実施する。
アンケート等調査
ユースケースの調査
研究事例の調査
個人ユーザに対するアンケ
ート調査・ヒアリングを通
じて望ましい利用のあり方
を検討。
事業者・団体等のユースケー
スを通じてベストプラクティ
スを検討。
没入型技術の利活用によ
る身体、行動・感情等へ
の効果・影響に関する研
究事例の情報収集及び研
究者によるワークショッ
プを通じて、望ましい今
後の研究方法を検討。
❑アンケート調査❑心拍・脳波
等の検証
【VR酔いに関する評価手法】
<視野角に着目したアプローチ>
1調査研究 2研究開発
(注記)没入型技術:主に仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)を指す。
VR:ユーザーを仮想の環境に没入させる技術 AR:デジタルコンテンツと現実の世界を組
み合わせて表示する技術 MR:VR・ARの要素を組み合わせた技術
<視線(眼球の動き)に着目したアプローチ>
(注記)2D画像と3D画像における眼球
の動きに着目した研究方法
(出所)
MoguraVR
(出所)NICT
(出所)CNET Japan
【予算】VR等(没入型技術)の利活用における利用環境整備事業 0.8億円(新規)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /