-1-第138回人口・社会統計部会 議事録
1 日 時 令和5年7月10日(月)16:00〜18:00
2 場 所 遠隔開催(Web会議)
3 出席者
【委 員】
津谷 典子(部会長)
、佐藤 香、富田 敬子
【臨時委員】
宇南山 卓、加藤 久和、川口 大司
【審議協力者】
厚生労働省、日本銀行、東京都、埼玉県
【調査実施者】
総務省統計局消費統計課:田村課長、大澤調査官、武井課長補佐ほか
【事務局(総務省)】
佐藤大臣官房審議官
統計委員会担当室:萩野室長、篠﨑政策企画調査官
政策統括官(統計制度担当)付統計審査官室:山形統計審査官、大村企画官ほか
4 議 題 全国家計構造調査の変更について
5 議事録
しろまる國分総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官室副統計審査官 事務局から御連
絡させていただきます。
ハウリングしてしまうおそれがありますので、発言する時以外はマイクをオフにしてく
ださい。マイクのオン・オフの操作は、画面の下、一番左の「マイクマーク」のアイコン
のクリックで行います。この「マイクマーク」に斜線が入っていれば、マイクはオフの状
態です。よろしくお願いいたします。
また、会議後に速記の方が議事録を作成される便宜もございますので、御発言いただく
際は、恐縮ですが、名前をおっしゃってから御発言ください。
ネットワークの状況など、細心の注意を払いつつ進めさせていただきますが、途中、声
が聞きづらいなど、不具合がありましたら、遠慮なくお知らせください。
それでは、皆様おそろいですので、津谷部会長、よろしくお願いいたします。
しろまる津谷部会長 それでは、定刻となりましたので、ただ今から第138回人口・社会統計部会
を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきありがと
うございます。 -2-本日は、
私以外の皆様にはウェブで御参加いただいております。
また、
川口臨時委員は、
17時頃からの御参加となります。
本日の審議案件は、6月16日の第194回統計委員会において総務大臣から諮問された全
国家計構造調査の変更についてです。
では、審議に先立ちまして、私から3点申し上げたいと思います。
1点目は、審議の進め方についてです。
審議は、資料2の審査メモに沿って、まず、事務局から審査状況と議論すべき論点を御
説明いただいた後、資料3に基づき、論点ごとに調査実施者から御回答をいただいた上で
審議をするという形で進めていきたいと考えております。
2点目は、参考2でお示ししております審議スケジュールについてです。
今回の諮問については、本日を含め、合計2回の部会審議を予定しております。2回の
部会で、一通りの審議を終え、答申案について、おおよその御理解をいただければ、最終
的な答申案は書面決議により決定するなど、効率的に審議を進めたいと考えております。
ただ、2回の部会で審議が終わらない可能性もありますので、大変恐縮ですが、予備日
である8月4日にも部会を開催させていただく可能性があることをお含み置きください。
答申案については、
8月下旬に開催予定の統計委員会で御報告したいと考えております。
最後に3点目ですが、本日の審議は18時までを予定しておりますので、効率的な議事進
行への御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速審議に入りたいと思います。
まず、諮問の概要についてですが、これについては、既に統計委員会等で事前に御説明
をいただいておりますので、この場での説明は割愛させていただきます。
なお、6月16日に本件が統計委員会に諮問された際、委員から特段の御発言はございま
せんでした。
それでは、資料2の審査メモに沿って、個別事項の審議に入りたいと思います。
まず、今回予定されている変更内容を審議する前提として、前回調査となる令和元年調
査の実施状況を確認したいと思います。
審査メモの1ページにあります、
「1 今回申請された計画の変更の概要」及び「(1)令和元年調査の見直しの概要」について、事務局から審査状況の御説明をお願いいたしま
す。
しろまる國分総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官室副統計審査官 事務局でござい
ます。資料2に基づいて御説明させていただきます。
1ページ目、
「1 今回申請された計画の変更について」でございます。
今回御審議いただく全国家計構造調査は、総務省が5年ごとに実施している基幹統計調
査でございます。
家計における消費等に関する統計調査として、表1に統計調査の体系をまとめておりま
すので、初めに御説明させていただきます。
表の上の段でございますが、まず、構造を捉えるもの、そして、下の段が動向を捉える
ものとなっております。 -3-それぞれ「基幹統計調査」、「一般統計調査」とございまして、今回諮問されております
全国家計構造調査は左上の部分にございます。
前々回の平成26年までは、
「全国消費実態調査」という名称で実施されておりまして、前
回調査で調査の目的を所得、資産をしっかりと把握するために変更しておりますので、そ
の名称も変更しております。
そして、報告者数ですが、2人以上の世帯、単身世帯、両方把握しておりまして、合わ
せて9万世帯と、その下の家計調査の約10倍の規模となる大変大きなものとなっておりま
す。
こちらの単身世帯については、
サンプルの確保が難しいところがありまして、
右側の
「全
国単身世帯収支実態調査」、「一般統計調査」ですが、こちらは民間のモニター登録者を対
象とした統計調査でございますが、
こちらを活用して補完するという形を取っております。
下の動向調査についても簡単に御説明させていただきます。
「家計調査」ですが、サンプル数約9,000世帯で、毎月実施しております。
こちらについても、やはり購入頻度が少ない高額商品などは、なかなか把握が難しいと
いうことで、
「一般統計調査」の「家計消費状況調査」
、こちらは「家計調査」に比べて非
常に大きなサンプルとなっておりますが、こちらで補っている形になっております。
また、
「家計調査」についても、
「全国消費単身モニター調査」というもので、単身世帯
はモニター調査で補強するという形になっております。
次に、今回の変更内容の概要につきまして、御説明させていただきます。
1ページ下の枠囲みの部分になります。
まず、「(1)調査方法の変更」でございますが、
「基本調査」及び「簡易調査」に加えて、
「家計調査世帯特別調査」及び「個人収支状況調査」についてもオンライン調査を拡大す
るという計画でございます。これらの変更で、本調査で用いる全ての調査票がオンライン
で回答いただけるというものになっております。
2ページに参りまして、「(2)報告を求める事項の変更」ですが、家計簿について、ま
ず、
「月々の給与」、「年金」及び「事業収入・賞与・その他の収入」に「控除または納付項
目の総額」の欄を新設いたします。
また、同じく家計簿について、
「月々の給与」及び「事業収入・賞与・その他の収入」に
「賃金のデジタル払いの額」の欄を新設いたします。
次に、世帯票でございますが、調査項目名を「就学の状況」から「教育」に変更すると
いうこと、そして、選択肢についても一部追加いたします。
また、同じく調査項目名ですが、
「地代支払の有無」から「土地の所有関係」に変更し、
選択肢についても変更するという計画でございます。「(3)公表期日の変更」ですが、
「家計収支に関する集計」の公表期日を調査実施年の
翌年11月から、同じく12月に1か月、後ろ倒しするという計画でございます。「(4)調査票情報の保存期間の変更」については、保存期間を2年から3年に変更する
という計画でございます。
以上が変更の概要でございまして、次に、「(1)令和元年調査の見直し」について御説 -4-明させていただきます。
まず、令和元年調査は、調査の構成から、調査方法、また、集計事項まで広く見直すも
のでございました。そして、令和6年調査では、前回の変更の枠組みは継承しつつ、更に
改善していくものとなりますので、まず、今回の変更内容の具体の審議に入る前に、前回
どのような課題があり、それにどのようにアプローチしたのか、そして、見直しの結果や
効果がどうだったのかということを確認させていただくため、こちらを項立てさせていた
だいております。
では、資料の御説明をさせていただきます。
「ア 令和元年調査の見直しの目的と主な見直し内容」でございます。
令和元年調査ですが、所得・家計資産に関する統計精度の向上、また、単身世帯の精度
向上が求められる一方で、報告者や実査を担う地方公共団体・統計調査員の負担軽減への
対応が急務となっておりまして、これらの相反する課題を同時に解決するため、調査計画
の全般について抜本的な見直しを行っております。
見直しの内容としまして、「(ア)総世帯・単身世帯の統計精度の向上」としては、前回
調査の時点で、
単身世帯の比率が全世帯の3分の1を超えているという状況であり、
また、
政策的にも単身世帯の精度向上のニーズがありましたので、まず、単身世帯の標本規模の
拡大を行っております。
そして、2つ目の「・」
(ポツ)として記載しておりますが、
「別集計としていた全国単
身世帯収支実態調査の結果を補正して統合」とございます。
これについては、先ほど御紹介したモニター調査、こちらは無作為抽出ではないので、
どうしても偏りが生じてしまうのですが、
それを適切に補正しまして、
令和元年調査では、
本系列という扱いにして、全体として全国家計構造統計として公表したところでございま
す。
次に、「(イ)所得・家計資産に関する統計精度の向上」でございます。
これについては、高齢化などを背景にして、所得の分布や、それ以上に資産の分布が広
がっているという状況がございましたので、
所得・
資産の部分の精度を高く捉えるために、
サンプルサイズを大きくしたいという目標がございました。
そこで、負担の重たい家計簿を外して、
「ロング・ショートフォーム方式」と記載してお
りますが、家計簿ありの基本調査と、家計簿を含まない簡易調査という形の2本立ての調
査の構成としまして、所得・資産を中心に調べる世帯を増加させております。
次に、「(ウ)報告者負担の軽減、調査事務の減量・効率化」としては、まず、家計簿の
記入期間について、2人以上の世帯では、それまで9月から11月の3か月間の記入をお願
いしていたものを、10月、11月の2か月間に短縮しております。
なお、単身世帯については、元々2か月という形で記入をお願いしておりました。
次に、必要性が薄れていた「耐久財等調査票」を廃止しております。
加えて、本調査ですが、学歴や負債の状況なども聞くような形で、記入者の心理的な忌
避感があるものでございましたので、なるべく軽減させたいというところで、世帯員の氏
名を削除するということも行っております。 -5-それに伴って、世帯票で、世帯員を「1人目」、「2人目」、「3人目」という形で区別す
る形式にしております。
また、調査方法の部分では、レシート読み取り機能を実装したオンライン家計簿を導入
し、簡易調査では郵送形式も導入しております。
3ページに参りまして、一番上のところでございますが、別途毎月実施されている調査
期間中の家計調査の調査世帯を本調査の対象世帯として組み込む形で、家計調査世帯特別
調査を実施しております。
この部分を簡単に口頭で補足させていただきます。
この家計調査を組み込むに当たっては、家計調査と本調査の調査事項それぞれを一部合
わせるということを行っておりまして、2つの調査の親和性が高まり、整合性も確保され
るという形になってございます。
以上が、前回の変更点でございまして、今、御説明したことのイメージ図を下に御用意
しております。
右側が、前々回の平成26年調査でございまして、左側が前回調査、令和元年の全国家計
構造調査となっております。
大きな変更点について簡単に御説明させていただきます。
まず、調査名の下のところに、サンプルサイズを記載しておりますが、特に単身世帯に
ついては全国消費実態調査の時代では、約4,700世帯を対象としておりましたが、
令和元年
調査では、1万4,500世帯ということで、約3倍の規模になっております。
それから、左側の図で、
「市町村調査」となっている2つでございますが、基本調査の家
計簿ありの調査、そして、家計簿なしの簡易調査という形で、年収・貯蓄の部分を調査で
きる形にしてございます。
3点目としまして、
「都道府県調査」の上の段になりますが、
「家計調査世帯特別調査」
というものを新たに設けまして、家計調査の結果を活用している。
それから、一番下の部分になりますが、モニター調査の結果についても、補正の上、統
合して集計するという形になってございます。
次に、
「イ 令和元年調査に係る統計委員会答申」について御説明させていただきます。
前回答申では、令和元年調査の見直しに関連した課題が2つ付されております。
枠囲みの部分になりますが、1つ目が、
「家計に関する統計の体系的整備に向けた検討」
ということで、今、御説明差し上げたとおり、前回非常に大きく調査を見直しております
ので、関係する統計調査の位置付けや役割分担、そして、統計の体系的整備の在り方など
を改めて整理し、基本計画に反映する方向で検討することというものでございました。
そして、2点目が、今回の変更を踏まえた調査手法等の更なる改善ということで、報告
者や調査員、地方の評価も含めて、実施状況や見直しの効果を検証・分析し、その結果を
踏まえて、令和6年調査の改善を検討するというものでございます。
4ページの「審査状況」でございます。
ここまでの審査状況を御説明させていただきます。まず、アのところでございます。
総務省は、必要な統計精度の向上と、報告者負担の軽減・事務効率化を図るため、本調 -6-査を抜本的に見直して令和元年に実施しております。
次に、イでございますが、令和元年調査の実施後、総務省は、地方公共団体から意見を
聞き、有識者が参画した研究会などで、令和元年調査の見直しの目的であった、単身世帯
などの統計精度の向上や、
報告者負担の軽減・事務効率化の効果について、
検証・分析し、
その検証結果を今回の調査計画案に反映したということでございます。
そして、ウでございますが、令和6年調査の変更については、この後、
(2)から(5)
で取り上げさせていただきますが、これらについては、抜本的に見直された令和元年調査
の大枠を継承した上で、必要な変更を講じようとするものですので、令和6年調査の変更
内容の妥当性を論じる前提として、まず、令和元年調査の実施状況について確認する必要
があると考えております。
最後のエでございますが、こちらは補足の御説明となりますが、先ほど御説明した今後
の課題の1つ目の体系的整備に向けた検討については、基本計画の反映に向けて検討する
というものでしたので、昨年、基本計画の改定に向けたワーキンググループで御審議をい
ただいております。そちらでは、令和元年調査については、平成30年答申を受け、家計に
関する構造統計として、関係統計との整合性を確保した上で、統計表章の充実等が図られ
ており、その結果も踏まえた令和6年調査の在り方については、今後、統計委員会による
諮問審議も想定されていることから、次期基本計画に掲載する必要性に乏しいとされたこ
とを受けまして、基本計画への掲載は見送られている状況でございます。
以上を踏まえまして、御審議いただきたい論点でございますが、まず、aとしまして、
令和元年調査における統計精度の向上や負担軽減・事務効率化の観点から、抜本的見直し
による効果は、具体的にどのようなものであったのか、また、関係統計との整合性の確保
や、家計に関する統計の体系的整備の観点から、どのような成果が得られたかという点を
確認させていただきたいと考えております。
次に、bとしまして、令和元年調査の検証・分析を行った結果、どのような課題認識の
下、どのような考え方で令和6年調査の見直しを計画しているのかという点についても、
確認させていただきたいと思っております。
事務局からは以上でございます。
しろまる津谷部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、各論点について、調査実施者から御回答をお願いいたします。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局統計調査部消費統計課長の田
村と申します。私から、資料3の調査実施者説明資料に基づいて御説明させていただきま
す。
今、御説明があった部分につきましては、資料3の1ページから4ページまでのところ
かと思いますので、その部分まで説明させていただきます。
資料1ページを御覧ください。
最初の上の囲みのところに、論点aのところを掲げさせていただいてございます。
抜本的見直しによる効果は具体的にどのようなものであったのか、また、どのような成
果が得られたのかということについて御説明してございます。 -7-効果や成果など、いろいろな観点がございますので、幾つかに分けて御説明させていた
だきます。
まず、調査票の回収率とオンラインの回答率でございます。
表1を御覧ください。左側が調査票の回収率でございます。
前回も大きく見直したのが令和元年調査でございまして、91.0%の回収率、その前が、
見直し前の平成26年で96.2%でございまして、調査環境の悪化を受けて、回収率は落ちて
はいるのですけれども、一定程度の回収率を維持できているという状況でございます。
右側がオンライン回答率でございます。
先ほどの審査メモの御説明でもございましたが、令和元年調査において、レシート読取
機能を備えたオンライン調査システムを用いたオンライン回答に変更したということでご
ざいまして、平成26年調査では、表計算ソフトを用いたオンライン回答だったものを切り
替えたことによって、
オンライン回答率も18.6%と大幅に向上している状況でございます。
続きまして、表2を御覧ください。令和元年において見直した統計調査の結果精度の観
点から見ていただきますと、表2のようになってございます。
総世帯につきましては、平成26年調査結果で集計してございませんが、一番下の行の単
身世帯のところを御覧いただきますと、
「消費支出」、「年間収入」の結果、いずれも誤差率
が改善していることお分かりいただけるかと思います。
見直しによって、2人以上の世帯の標本が落ちている分、消費支出のところなどの誤差
は若干悪くなってはいるのですけれども、2人以上の世帯と単身世帯を合わせたものが一
番上の総世帯の行でございまして、御覧いただきますと、
「消費支出」、「年間収入」、「家庭
資産総額」
、いずれも一定の結果精度が維持できていると考えてございます。その中でも、
単身世帯が、特に結果精度が改善しているということでございます。
これは、表2の上部に2つ、箇条書で書いてございます。そこに記載しているように、
令和元年調査における見直しが結果精度の改善に寄与しているものと考えてございます。
続きまして、標本誤差ではなく非標本誤差です。こちらの観点から見ていきたいと思い
ます。
次の2ページ目の下の方に、図1-1から図2-2までございます。こちらを御確認く
ださい。
まず、
図1-1と1-2を御覧いただきたいのですけれども、
「調査世帯のうち当初抽出
世帯の割合」と書かせていただいてございます。
この全国家計構造調査は、2ページ目の上のところに「(注記)」が書いてあるかと思うので
すけれども、この全国家計構造調査では、当初抽出世帯における回答が困難な場合、調査
対象世帯を代替選定している状況でございます。このため、当初抽出した世帯が無作為で
抽出された状態なので、なるべくこの状態で当初抽出した世帯を調査するという状況が好
ましいということになります。
これを見ていただきますと、図1-1、
「調査全体」と書いてございます。これは、
「基
本調査」と「簡易調査」
、つまり、先ほどの調査の見直しで言えば「資産」のところに該当
します。その当初抽出世帯の割合というものは、見ていただいたらお分かりのとおり、一 -8-番右側の「令和元年」のところで改善している状況がお分かりいただけるかと思います。
図1-2は、
「基本調査」
、つまり、家計簿です。収入・支出、収支の部分でございます
けれども、こちらについては、前回、平成26年に比べると悪化しているところではありま
すが、
先ほどの調査の見直しの中でございましたとおり、
2人以上の世帯につきましては、
家計簿の記入期間を3か月から2か月に短縮し、さらに、家計簿なしの簡易調査の導入も
行っているところでございます。
家計簿の記入期間を短縮したという効果もございまして、上の実線の方、2人以上の世
帯の当初抽出世帯の割合の落ち方が、点線の単身世帯の当初抽出世帯の割合の落ち方に比
べると緩やかになっていることがお分かりいただけるかと思います。
先ほどの見直しによって、この「基本調査」における2人以上の世帯のところにつきま
しても、非標本誤差が是正・抑制されているということがお分かりいただけるかと思いま
す。
さらに、図2-1と2-2を御覧ください。こちらは、表題を見ていただくと、内容が
異なっているのがお分かりいただけるかと思います。
「1世帯を確保するための記入依頼
世帯数」です。
例えば、
図2-1で、
令和元年調査の実線の方、
2人以上の世帯を見ていただきますと、
2.02となってございます。これは何を意味するかといいますと、調査対象世帯を1世帯確
保するために、平均2.02世帯に訪問して、つまり、先ほどの代替選定を含めて、2.02世帯
に依頼することによって確保できているという数字を表してございます。
これを見て、当然、これが多くなればなるほど、調査員の負担が重くなるわけなのです
が、見ていただくと明らかなとおり、平成26年調査に比べれば、令和元年調査の方が明ら
かに少なくなっているということでございます。
「基本調査」と「簡易調査」を全て合わせたものが、御覧のようになっている。
「基本調査」につきましても、単身世帯の方は増加しているという状況があるのですけ
れども、
「基本調査」
に限定してみても、
2人以上の世帯についてはあまり変わっておらず、
若干落ちているという状況になってございます。
このような意味で申し上げましても、令和元年調査における見直しによって、非標本誤
差というものを抑制するという意味で、調査世帯の負担軽減、また、調査依頼事務の減量・
効率化が進んでいるということがお分かりいただけるかなと思います。
めくっていただきまして、3ページ目でございます。
同じく、記入者にとっての負担という観点を、また少し違う見方ではあるのですけれど
も、調査世帯に配布する調査票の総数の変化を簡単に表にしてみました。
表3を御覧ください。一番上の列が令和元年調査、つまり、前回調査です。
2の次の行のところが、平成26年、見直し前の調査でございます。
先ほど来、御説明している調査の見直しによって、調査票の枚数が変わった部分がござ
いまして、それを差引きで見ていただきますと、一番下の1-2のところになります。
例えば、
「耐久財等調査票」については廃止になったので、その分がなくなるということ
や、家計簿についても、3か月を2か月にするなどの見直しによって、冊数が減少してい -9-るということでございます。
このように見ていただきますと、資産の部分などを含めて、全体として標本を拡大して
いるところもございますので、個々の調査票単位で見れば、当然、増えている部分もある
のですけれども、
逆に先ほど触れた耐久財等調査票や、
家計簿といったところについては、
総数としては減少しているところでございます。
さらに、大事なところは、一番左の家計簿です。これは、ほかの調査票と違って、非常
に記入の負担が重いというところがございます。
上から4行目に書いておりますけれども、
調査期間中に毎日の記入を要し、
特に報告者負担の重い
「家計簿」
のところかと思います。
このようなところについては、先ほどの記入期間の見直しに加えまして、先ほども少し
出てきました家計調査世帯の活用といったことにより、最も記入の負担が重いところが削
減されているということでございます。
このようなことをまとめますと、総じて、令和元年調査の見直しによって、報告者負担
の軽減が図られ、かつ調査票の回収審査事務を中心として、調査事務が減量・効率化され
ているということが言えるかと思います。
もう一点、調査票の審査回収事務の減量・効率化の観点で言いますと、調査員に対する
報告数というところを見ていただければと思います。
表4でございますが、報告方法というのが、大きく分けて3種類ございます。調査員に
提出する、オンラインで回答する、もう一つは郵送で提出する、この3つです。その報告
方法ごとに調査回答世帯数を記載したのが表4でございます。一番右側の列が平成26年調
査で、左が前回見直した令和元年調査ということでございます。
平成26年は郵送調査がございませんが、その分、令和元年調査で郵送調査の部分が出て
いるということでございます。
先ほど来、申し上げているとおり、資産を把握するために全体として標本規模を拡大し
ておりますので、一番上の行の「調査回答世帯」については、平成26年調査よりも令和元
年調査の方が多くなっているということでございます。
しかしながら、調査員に対して報告された世帯数を見ていただきますと、先ほどのオン
ラインの回答や郵送による回答が増えている影響もございまして、調査員に対する報告数
は、逆に減少しているということがお分かりいただけるかと思います。
このような意味でも、調査員による世帯の接触機会が減少しまして、調査票の審査回収
事務等が減量・効率化されたということが言えるかと考えてございます。
このように、
様々な観点からお話しさせていただきましたけれども、
令和元年調査では、
4ページ目の図3のところにも書いているのですが、家計に関する統計調査の体系整備を
行って、家計調査世帯の活用や、全国単身世帯収支実態調査を用いた一体的な集計といっ
たことを包括的に、何か1つをやったということではなく、包括的に取り組むことによっ
て、統計の精度向上と、報告者負担の軽減及び調査事務の減量・効率化という、二律背反
するトレードオフの関係にあるものを、
いずれもおおむね実現できたと考えてございます。
今後につきましては、
今、
令和元年調査の総論をお話しさせていただきましたけれども、
令和元年調査でも課題になった部分がございますので、それについては、この後の個々の
-10-
課題のところで改善策を御説明していきたいと思っています。
続いて、4ページ目を御覧ください。
令和元年調査の検証・分析を行った結果、どのような課題認識の下、どのような考え方
で令和6年調査の見直しを計画しているのかということでございます。
先ほどの課題を踏まえまして、その回答欄に記載させていただきましたけれども、調査
実施者として、統計局だけではなく、地方公共団体や、あるいは独立行政法人統計センタ
ーといったところと相談させていただきまして、そこから報告された令和元年調査の実施
状況につきまして、我々で分析させていただきました。
令和元年調査の見直し等に伴って、やはり調査項目の未記入や誤記入といった事象が発
生したということが、調査票の審査、あるいは疑義照会の中で分かってございます。
また、当然、未記入、誤記入が増えれば、そういった疑義照会の業務について、地方公
共団体の事務負担の増加が生じているということも明らかになってございますので、令和
元年調査の見直しによって、先ほど幾つか複数の観点から、ある程度成果が得られたとい
う御説明をさせていただきましたが、それでも個々の調査事項については、そういった課
題に対応するために、調査票を変更させていただきたいというのが、今回諮問させていた
だいている内容ということになります。
その内容については、第2段落のところを見ていただきますと、民間モニターによる検
証を実施させていただきました。これは、令和元年調査のときにはこのような調査事項だ
ったものを、このように見直してみた場合ということで、それぞれモニターに回答しても
らい、それは、このような意味で記入して欲しかったという調査実施者側の意図を回答が
終わったモニターの方に改めて伝えた上で、その趣旨のとおりに回答してくれているかど
うかを聞いているということでございます。
その結果、今回諮問させていただいている変更案によって、記入精度の向上が確認でき
ましたので、
それを反映した案として、
今回御意見を伺っているということでございます。
ここでは、まだ全体の見直しの計画のお話だと思うので、個々のお話については、この
後、出てくるかと思うのですけれども、検証結果と見直しの詳細につきましては、この資
料3の別紙1として添付してございますので、併せて御参照いただければと思います。
まずは、ここまでかと思います。一旦、以上でございます。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
それでは、ただ今の事務局からの御説明と調査実施者からの御回答について、御質問、
御意見ございませんでしょうか。お願いいたします。
しろまる加藤臨時委員 加藤です。
しろまる津谷部会長 加藤臨時委員、お願いいたします。
しろまる加藤臨時委員 よろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 はい、どうぞ。
しろまる加藤臨時委員 2つ程お伺いしたいのですが、オンライン回答率が令和元年で18.6%ま
で上昇したということなのですけれども、これはコロナの前ということだと思います。こ
の18.6%はどのように評価されているのか、お伺いしたいのが1点。
-11-
もう一つ、回答方法の中でオンラインと郵送と調査員調査と3つあったということなの
ですが、
先ほどの中で誤記入等々の話があったのですけれども、
それぞれ回答の信頼度は、
回答方法によって違ったということがあったのか、その点について教えていただければと
思います。どうぞよろしくお願いいたします。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
統計局、いかがでございましょうか。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 1点目でございます。オンライン回答率
18.6%をどのように評価するかということでございます。
若干難しいところではあるかなと思います。
それは、
加藤臨時委員がおっしゃるとおり、
コロナ前ということもございますので、
コロナ後の生活を既に知っている我々からすると、
若干物足りなく映るという御趣旨なのだろうとは思うのですけれども、この時点では、一
定程度の成果が出ていると考えてございますし、若干の傍証になるのですけれども、調査
自体は別と言えば別なのですが、毎月、同じく統計局で実施している家計調査という調査
がございます。そちらの現時点でのオンライン回答率はもう少し高くなっているというこ
ともございますので、令和元年の調査としては、一定の評価はできると考えています。
今回の令和6年調査で同じ程度のオンライン回答率というところでは、調査の実施とし
てはあまり好ましくないのではないかと考えているところでございます。
2点目の御質問ですけれども、調査方法を変えることによって、記入の結果精度に差が
生じるかどうかというところについてです。
これについては、もちろんオンラインでやれば、その分、オンラインのシステムによる
チェックが働くということが、よくあるといいますか、この世界ではよく行われることな
ので、その分のチェックはかかるかと思うのですけれども、ただ、どのようなときに、ど
のようなチェックをかけるのかというところについては、調査票の回答方法によって、差
異があるわけではございません。同じチェックをかけるに当たって、それがシステムを経
由して、人手を介さずに効率良くできるか、人手を介さなければならないかという差では
ないかなと考えてございます。
まとめますと、オンラインの回答率は一定の評価はあるだろうということと、回答方法
による記入内容、
記入精度の差については、
恐らくないのではないかと考えてございます。
以上です。
しろまる加藤臨時委員 ありがとうございました。
しろまる津谷部会長 加藤臨時委員、よろしいでしょうか。
しろまる加藤臨時委員 ありがとうございました。
さすがに今だとオンライン回答率が18.6%となると、少し低いかなと思って申し上げた
次第でした。どうもありがとうございました。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
そのほか、御質問、御意見ございませんでしょうか。
宇南山臨時委員、お願いいたします。
しろまる宇南山臨時委員 ありがとうございます。
-12-
2ページ目の当初抽出世帯の割合と1世帯を確保するための記入依頼世帯数の点で、当
初抽出世帯の割合が、図1-2の基本調査だと低下している一方で、1世帯を確保するた
めの記入依頼世帯数が減少している。これは、少し状況として理解しにくいのですが、1
回目は断られるけれども、そんなに何度も訪問しなくても、2世帯目、3世帯目ぐらいで
引き受けてもらえるという変化と理解してよろしいでしょうか。
もしそうだとすると、なぜこのような変化が起きたと分析されているのか教えていただ
ければと思います。よろしくお願いいたします。
しろまる津谷部会長 統計局、よろしいでしょうか。御回答をお願いいたします。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 すみません。少し理解しきれていないのか
もしれないのですけれども、図1-1と図1-2のところでよろしかったでしょうか。
しろまる宇南山臨時委員 図1-2と図2-2のところで、変化の方向が逆になっているのが分
かりにくい。なぜなのだろうなと思ったという点です。
しろまる武井総務省統計局統計調査部消費統計課課長補佐 ありがとうございます。総務省統計
局の武井でございます。お答えいたします。
先ほど宇南山臨時委員が少しおっしゃっていましたけれども、まず、当初抽出世帯に関
しましては、あくまでも最初に抽出した世帯を注目して、こちらの数値を作っているもの
でございます。
一方で、1世帯を確保するための記入依頼の世帯数でございますけれども、当初抽出世
帯のみではなくて、もちろん当初抽出世帯で回答が困難な場合がございまして、その場合
に、何度も代替の世帯を繰り返して抽出するということで、その回数を表したものが、図
2-1と2-2になります。
ですので、
先ほど宇南山臨時委員が言われた理解でおおむね正しいかと思っております。
今回、代替世帯に1回断られ、次の世帯に行って断られるという、代替世帯の繰り返し
の回数がなぜ減ったのかというところでございますが、オンライン調査システムを導入し
たり、また、家計簿の記入期間を3か月から2か月に削減したという効果が現れているか
なと分析しているところでございます。
以上になります。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
宇南山臨時委員、いかがでございましょうか。
しろまる宇南山臨時委員 ありがとうございます。
今の御説明だと、当初抽出の方で下がっている理由がよく分からず、上手く改善できて
いるならば、両方とも改善の方向に動くような気がしており、そうでないとすると、想定
できることは、例えば、特定の都道府県などで、今までは繰り返してお願いしないと確保
できなかったが、2件目、3件目ぐらいでうまくストップできるようになったのではない
かという、地域性の問題ではないかという予想があります。もしそうだとすると、何か上
手くいくようになった都道府県の経験が、ほかの県にもベストプラクティスとして適用可
能なのではないかと思います。
必ずしもこれが悪いことだとは思っておりませんので、回答を求めるものではないので
-13-
すけれども、是非とも都道府県別などで御検討いただけると、より調査の改善ができるの
ではないかなと思いました。ありがとうございます。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
統計局から御回答はございますか。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
重要な御指摘、どうもありがとうございました。少し検討させていただきたいと思いま
す。
しろまる津谷部会長 ありがとうございます。
そのほか、川口臨時委員からもお手が挙がっております。お願いいたします。
しろまる川口臨時委員 どうもありがとうございます。
3つ質問がございます。
1つ目は、誤差率の話で、今までは単身の資産のところが分からなかったのが分かるよ
うになったということで、素晴らしいことだと思うのです。相対的に言うと、3%を超え
る誤差率ということで、ほかの項目に比べると、まだ誤差率が高いということだと思うの
ですけれども、この点、もう少し精度を上げるような方策というものは御検討になってい
るのかというのが、1点目の質問です。
2点目なのですけれども、この非標本誤差のところで、当初抽出の報告がされているの
ですけれども、恐らく、当初抽出で答えるところが増えたことによって、非標本誤差が減
ったというためには、やはり当初抽出の世帯と代替世帯だと、回答のパターンが異なると
いったことが議論の前提になっているのかなと理解したのです。何かその辺の知見があれ
ば教えていただきたいというのが2番目の質問です。
3番目に関しては、負担の減少を枚数の減少で測られて、それも重要な視点だと思うの
ですけれども、
少し御指摘があったように、
例えば、
家計簿を回答するという話になると、
同じ枚数でも時間的なコストは結構かかっている可能性があるかなと思ったりしています。
これは、この統計だけに関わる話ではないのですけれども、回答者負担を考えるに当たっ
て、どれくらいの時間がかかるのかという考え方は存り得ないのかということも御質問差
し上げたいと思います。3点です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
3点の御質問がございました。統計局、いかがでございましょうか。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
1点目の単身世帯の家計資産総額の誤差のところにつきましては、誤差率の3.2%とい
うもの。この統計に限らないのですが、誤差率が出てきたときに、それを高いと評価する
か、低いと評価するかというところは、若干難しいところではあるのですけれども、家庭
資産総額と考えれば、普通に考えて、ただの消費支出に比べても、なお分散が大きいとい
うことは、ほぼ間違いないところだろうとは思うのです。その中で3.2%という数字は、実
施者側から申し上げるのは何なのですけれども、かなり良い数字が出ているのではないか
なと考えてございます。
これまで単身世帯がなかなか増やせなかった理由というのが、そもそもで言うならば、
-14-
調査の実施が難しい。先ほどの非標本誤差の方に行ってしまうのですけれども、そのよう
なこともある中で、
3.2%が担保できているので、
今回の令和6年調査の見直しのところで
は、その部分の拡大については、申し訳ございませんが、担保はしておらず、逆に、この
誤差で一定程度評価されるのではないかと考えているところでございます。
2点目が、負担のところでしたか。
しろまる津谷部会長 川口臨時委員、2点目の御質問をもう一度お願いできますでしょうか。
しろまる川口臨時委員 当初抽出世帯と代替世帯で回答のパターンに差があるかという質問です。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 分かりました。すみません。ありがとうご
ざいました。
当初抽出世帯と代替抽出世帯で回答のパターンの違いがあるかどうかというところにつ
いては、現状、分析できておらず、逆に、どういうところで出てくるか、どういう測定の
仕方があるのかというところから検討していかなければいけないところかなと考えていま
す。
代替抽出をするに当たっては、もちろん、完全に無作為抽出した当初抽出世帯とは若干
異なってくるわけです。当初抽出世帯を除くという条件付になってしまう分だけ、そのバ
イアスが若干出てくる可能性はもちろん否定し難いのですけれども、その中で代替選定す
る際にも、抽出する層を合わせた上で、改めて無作為抽出するということで、なるべく回
答パターンに差が出ないような調査の実施方法を取っているということでございます。
あと、3点目のところについては、調査票の負担の考え方を単純な枚数だけではなく、
1冊当たりの記入時間によって考慮すべきではないかということは、まさしくおっしゃる
とおりでございます。
ここで言う、
3ページ目の表3のところで、
負担が軽減されている、
調査事務が減量・効率化されていると我々が主張している理由は、一番下の行の1-2の
ところを見ていただきますと、これはあえて合算しなかったのですが、このプラスマイナ
スを足し引きしていただきますと、明らかにマイナスの方が大きいということが前提とし
てあり、なおかつ、例えば、今回で言えば、年収貯蓄等調査票や、世帯票といった調査票
の中に、
川口臨時委員のおっしゃる記入時間がかかるものが含まれているのであるならば、
合算したときに調査事務が減量・効率化されているという主張は少し怪しくなってくるの
ですけれども、今回はマイナスのところに出てくる家計簿が、川口臨時委員がおっしゃる
ように、定量的に測定はしていないのですけれども、どう考えてもほかの調査票よりも明
らかに記入時間がかかるものがマイナスになっているということでございます。時間まで
は測定しませんでしたが、川口臨時委員のおっしゃる論に立つならば、調査事務の減量・
効率化がされているという論も支持されるのではないかなと考えているところでございま
す。
御説明は以上でございます。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
川口臨時委員、いかがでございましょうか。
しろまる川口臨時委員 どうもありがとうございました。
1点目と3点目は承知いたしました。
-15-
2点目に関しては、もしもよろしければ、今後、検討していただければと思います。あ
りがとうございました。
しろまる津谷部会長 統計局、よろしいでしょうか。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 ありがとうございます。
方法から検討させていただきたいと思います。
しろまる津谷部会長 そのほか、御質問、御意見ございませんでしょうか。
佐藤委員、お願いいたします。
しろまる佐藤委員 御説明ありがとうございました。
回答者の負担は、かなり軽減されたのではないかと思います。随分工夫された調査にな
ったと思います。評価したいと思います。
一方ですけれども、先ほど川口臨時委員からの御質問にもありましたけれども、資料3
の4ページ、論点の回答に、別紙1のとおり調査項目の未記入や誤記入などの事象が発生
し、調査票の審査及び調査世帯への疑義照会について、地方公共団体の事務負担の増加が
生じたという記述があるのです。この疑義照会の増加というものは、どのくらいの増加件
数、率だったのかが分からないのですが、その辺りのことについて、少し詳しく御説明い
ただけますでしょうか。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
申し訳ございません。この部分について、どれくらい増えたかという定量的なデータは
持ち合わせてございません。先ほどの地方公共団体と、あと独立行政法人統計センターか
ら、
こういう疑義照会が増えたのだという定性的な報告を受けたということでございます。
この後になるかと思いますけれども、個々の調査項目の見直しの段に当たっては、先ほ
ど少し触れましたモニターの再検証結果を使って、誤解した回答を記入した世帯の割合が
どの程度改善したかということについて、後ほど御説明できるかと思っています。
しろまる佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
モニターによる検証をしていらっしゃるので、どのくらい増えたかということは不要か
もしれないのですが、一応押さえておいた方がよろしいかと思いました。
続いての質問で申し訳ありませんが、誤記入によって精度が低下するという心配はなか
ったのでしょうか。
しろまる津谷部会長 統計局、お願いいたします。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
先ほどの御質問とも少し関連するのかなとは思うのですけれども、未記入、誤記入があ
った場合に、そのまま素通りさせるのではなく、文字どおり審査事務を行う。そのため、
業務が増えるということなのですけれども、その審査を行って、調査世帯まで立ち返った
上で、これはどういう趣旨だったのか、あるいはこことここは矛盾しているのではないか
ということを確認した上で修正させていただいてございます。その点については、大丈夫
かと思います。
しろまる佐藤委員 精度の高い結果を得るための御苦労、本当にありがとうございます。
私からは以上です。ありがとうございました。
-16-
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
実際どれぐらいの時間とマンパワーが余計にかかったのかということについての情報は、
モニターから取っていらっしゃらないので、これについての定量的なデータを得ようとす
れば、あらかじめ準備をしないと難しいのではないかと思いますが、地方公共団体、都道
府県から定性的にきちんと報告を受けられて対応されていると思います。
これについては、
後でもう少し具体的に御説明をいただきたいと思います。
そのほか、御質問、御意見ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
先ほど調査実施者である統計局からの御説明にもありましたように、令和元年調査で行
った抜本的な変更の初期の目的は総じて達成されており、今後に向けて細かい改善点はご
ざいますけれども、おおむね効果は上がっているのではないかという統計局御自身の検討
結果・評価でございました。
これについて、いろいろと御質問をいただきましたが、川口臨時委員からの2点目の御
質問である当初抽出された世帯と代替世帯、それ以外の世帯との間に回答パターンの差は
ないのかということについては、まだ検討されていないということですので、今後を見据
えて、これについて御検討いただくようお願いしたいと思います。
ただ、一言で回答パターンといっても多様ですので、次回の部会までに全て検討を済ま
せていただきたいということではありません。しかし、今後のこともあり、先ほどから統
計局からもこれについて検討したいという前向きな御回答をいただいておりますので、全
体としておおむね適当という結論を出すことに、大きな御異論はなかったと理解させてい
ただいてよろしいでしょうか。
しかし、非常に重要で具体的な御指摘もいただきましたので、それについては、きちん
とフォローしていただくことを統計局にお願いしたいと思います。次回の部会までの宿題
ということではございませんが、留意していただくようお願いしたいと思います。
川口臨時委員、それでよろしいでしょうか。
しろまる川口臨時委員 もちろん結構です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございます。
それでは、次に移りたいと思います。
審査メモの4ページ、「(2)調査方法の変更について」でございます。
まず、事務局から審査状況の御説明をお願いいたします。
しろまる國分総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官室副統計審査官 事務局でござい
ます。
資料2、4ページの下を御覧ください。「(2)調査方法の変更」について、記載してお
ります。
今回、基本調査及び簡易調査に加え、家計調査世帯特別調査及び個人収支状況調査にも
オンライン調査を拡大する計画としております。
5ページ目に参りまして、
「審査状況」でございます。
今回の申請では、表2にございますとおり、都道府県調査についてもオンライン調査を
-17-
導入し、全ての調査票をオンライン化するということでございます。
イに参りますが、また、総務省は、オンライン調査の対象範囲の拡大だけではなく、オ
ンライン調査システムの改善についても予定しているとのことです。「(ア)レシート読取機能の改善」としまして、こちらはスマートフォン等のカメラ機能
を用いて写真撮影した画像を自動で解析して家計簿に入力するというものですが、こちら
のレシート読取機能をオンライン家計簿に実装しております。これについて、個人収支簿
においても、令和6年調査では採用、そして、最新版のレシート読取エンジンを使用する
ことで、課題であった読取エラーを可能な限り解消し、世帯の回答しやすさを改善する予
定としているとのことでございます。
次に、「(イ)回答状況管理システムの機能改善」としまして、下の模式図の右半分、青
い箇所が該当しますが、この回答状況管理システムについては、オンライン回答の状況の
把握だけではなく、こちらは郵送回答(簡易調査のみ)となりますが、郵送回答の提出状
況の登録も可能となっております。さらに、今回調査世帯の回答状況を一元的に把握でき
る機能や、回答状況の通知機能を備えることで、地方公共団体、統計調査員等の事務の効
率化を図る予定としているということでございます。
これらについては、報告書の負担軽減や、統計調査員及び地方公共団体の事務の効率化
に資するものであり、事務局としては適当であると考えておりますが、オンライン調査の
範囲拡大によって期待される効果や、オンライン回答の推進方策について確認する必要が
あるかと考えております。
6ページ目に参ります。
論点でございますが、aとしまして、令和元年調査におけるオンライン回答はどのよう
な状況であったのか、そして、令和6年調査において、新たに家計調査世帯特別調査と、
個人収支状況調査にもオンライン調査を拡大するとしていますが、どのような効果が見込
まれるのか、令和元年調査において導入に至らなかった課題はどう解決されたのかという
ところを確認させていただきたいと考えております。
また、論点bとしまして、オンライン調査の対象範囲の拡大や、システムの機能改善に
ついて、実査を担当する地方の意見・要望はどのように反映されているのか、また、オン
ライン調査の推進に当たり、地方公共団体とは、今後、どのように連携を図ることとして
いるのか。
また、論点cとしまして、オンライン回答率はどの程度を見込んでいるのか、また、オ
ンライン回答の推進に向け、講ずることとしている方策は適切かという点を確認させてい
ただきたいと思っております。
以上でございます。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
それでは、各論点について、調査実施者である統計局から御回答をお願いいたします。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
資料3の5ページ目を御覧ください。今の論点につきましては、5ページ及び6ページ
で御説明させていただきたいと思います。
-18-
まず、論点のaでございます。令和元年調査におけるオンライン回答の状況につきまし
ては、表5を御覧いただければと思います。
一番左側に書かせていただいている18.6%という数字が、先ほどの御説明のときにも出
てきた数字でございまして、それを調査単位で内訳を書いたのが御覧のような数字になっ
ているということでございます。
前回の調査のときには、上の説明書きのところにも書いてございますけれども、予算制
約がある中でオンライン回答システムを大幅に見直して新規構築したということがござい
ますので、
表5の右2つ、
「家計調査世帯特別調査」、「個人収支状況調査」
につきましては、
オンラインの回答を準備することが間に合わなかったという状況がございまして、オンラ
イン回答率としては0.0と入れています。表としては「-」
(バー)としたいところではあ
るのですが、先ほどお話しした一番左側の18.6%という数字の中には、この「家計調査世
帯特別調査」と「個人収支状況調査」の世帯が両方入った上での18.6%となっていますの
で、ここは0.0%と記載させていただいてございます。
ここについては、まず、左側の「基本調査」と「簡易調査」のところを優先してオンラ
インを導入したということになります。それは、予算制約がある中で、対象となる世帯の
規模や、先ほどの基本調査の家計簿のところの記入負担のことを考えまして、まず、ここ
から優先的に導入したということでございます。
この状況を踏まえまして、令和6年調査においては、令和元年調査では導入しなかった
とお話ししました「家計調査世帯特別調査」、「個人収支状況調査」にもオンライン調査を
導入することを考えてございます。
これによる効果につきましては、一般論としてお話しするならば、
「次に」から始まる段
落の2行目のところ、
「報告者負担の軽減」
、それから、
「調査事務の減量・効率化」という
ことに尽きるということなのですけれども、特に、今回導入する先ほどの2つ、
「家計調査
世帯特別調査」と「個人収支状況調査」につきましては、家計調査の調査対象世帯に対し
て実施するという共通点がございまして、この家計調査でも、現在、オンラインで回答で
きるという状況になっています。
そのため、
その家計調査でオンライン回答した世帯の方々
に対して、前回調査では、
「家計調査世帯特別調査」だけは紙で回答してください、
「個人
収支状況調査」については紙で回答してくださいということをお願いしなければならなか
った状況にあったわけです。それが、今回オンライン回答システムを導入することによっ
て、
「家計調査世帯特別調査」と「個人収支状況調査」においても、家計調査同様にオンラ
インで円滑に回答していただけるという効果が見込まれるわけです。
さらに、先ほどお話ししましたレシート読取機能につきましても、オンライン個人収支
簿に実装させることによって、効率的に記入できるということもあろうかと思います。
そして、このようにしてオンライン回答した世帯、それから、世帯の調査票につきまし
ては、これも一般論と近いのですが、紙の調査票のような回収及び審査の事務が不要とな
ることによって、事務負担量の軽減・効率化が期待されるというところでございます。
続きまして、5ページ目の下の論点bとcのところです。こちらについて御説明させて
いただきます。
-19-
先ほどの一般論のところでお話しさせていただいたとおり、令和元年調査で大きく見直
した後に、定性的にではあるのですけれども、地方公共団体と独立行政法人統計センター
に意見を聞かせていただいたところでございます。
それはオンライン回答についても同様でございまして、具体的に言いますと6ページ目
の表6-1に、全国家計構造調査のオンライン調査システムに関する意見・要望と、今回
の令和6年調査における改善の計画を対比の形で記載させていただいているところでござ
います。
左側にありますような意見・要望が都道府県から出されてきています。
一番上のところについては、家計調査対象世帯について、引き続きオンラインで回答で
きるようにするという意味では、
「家計調査世帯特別調査」と「個人収支状況調査」につい
てもオンライン回答を実施してほしいという意見・要望が、都道府県から出てきています
ので、それを踏まえて範囲を拡大するということです。
それ以外にも、調査の忌避感があるので、オンライン回答を推進してほしいといった意
見・要望をいただいているところでございます。
さらに、システム機能改善のところを見ていただきますと、先ほどレシート読取機能の
精度向上を掲げさせていただきましたが、これにつきましても、意見・要望の一番上のと
ころを御覧いただきますと、レシート自動入力機能の精度が低くて速度も遅いので、改善
してほしいという意見・要望をいただいているところでございます。
それ以外にも、オンラインですので、エラーチェックのようなところももちろんそうな
のですけれども、未記入の方に対する自動の督促機能や、世帯の問合せ先を追加してほし
いという話や、未入力のところのメッセージをきちんと通知してほしいという改善要望を
いただいているところでございます。それに応じた機能を、今回、令和6年調査で追加し
ていければと考えているところでございます。
更に言いますと、今、お話ししたことは、調査世帯側が入力するに当たって必要とされ
る機能という部分になろうかと思うのですけれども、6ページの下の表6-2のところな
のですけれども、これはどちらかといいますと都道府県の方々から、このようなシステム
であってほしいという御要望をいただいているところでございます。
特に、確かにそうかなと思うのが、研修の充実です。要するに、都道府県や地方公共団
体の調査員の方々も、世帯の方に説明をしなければならないので、まず、自分たちが理解
する必要があるわけです。そのため、その部分の研修を充実させてほしいというのが大き
な括りとしてあります。代表的なものが一番上のところですけれども、説明資料だけでは
分かりづらいため、調査員が説明時に活用できるようなデモ画面があると良いという御指
摘をいただいているところでございます。
そのため、デモの画面、右側の改善計画の上から2つ目の「・」
(ポツ)なのですけれど
も、動画を活用した研修用教材の充実化ということも図ってまいりたいと思っています。
また、これは厳密に言うと対応しているものではないのかもしれないのですけれども、
改善計画の一番上の「・」
(ポツ)です。地方公共団体向けの試用環境の整備。試しに使っ
てみるという環境を整備してあげることによって、地方公共団体の方が、世帯の側に立っ
-20-
て試しに使ってみることによって、より的確な記入依頼といいますか、オンライン回答を
勧めることができるだろうということでございます。このようなところについても、機能
を追加していきたいと考えているところでございます。
順番が多少前後しますけれども、表6-2の上にある、
「なお」から始まる段落のところ
でございますが、令和6年調査のオンライン回答率の目標についてでございます。基本計
画を念頭に置きつつ、令和元年調査が18.6%という状況なので、今回は35%を目標にして
いるところでございます。
以上でございます。
しろまる津谷部会長 御説明、御回答、ありがとうございました。
それでは、ただ今の御説明、御回答に対し、委員の皆様からの御質問、御意見をお伺い
したいと思います。
御質問、御意見ございませんでしょうか。
富田委員、お願いいたします。
しろまる富田委員 富田です。
先ほどの論点を含めまして、大変細かい改善の努力をなされているところ、まずは評価
をしたいと思います。
その上で、今の御報告の中で、1点伺いたいことがございます。
回答状況の管理システムですけれども、オンライン回答に加えて、郵送回答の収集も管
理すると読み取れるのですが、2つの回答方法がある場合、重複をどのように避けられて
いるのか。何か二重の回答がないような工夫をなさっているのかどうか、お聞かせいただ
ければと思いました。よろしくお願いいたします。
しろまる津谷部会長 統計局、御回答をお願いいたします。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
世帯の方が、オンラインでも郵送でも両方回答するということは、原理的に不可能かと
言われれば可能なので、両方で回答されるということも起こり得るわけです。
これは、先ほどの未記入、誤記入のときに御説明した内容と基本的に考え方は同じでご
ざいまして、同一の世帯から両方で回答された場合につきましては、紐付けで分かるよう
になっておりますので、その場合、また世帯の方に戻って回答内容を確認するということ
でございます。
しろまる津谷部会長 富田委員、よろしいでしょうか。
しろまる富田委員 はい。ありがとうございました。
しろまる津谷部会長 オンラインと郵送の二重回答については、システム上は可能であるが、認
識できるので、回答内容の確認ができるということでございました。
そのほか、御質問、御意見ございませんでしょうか。いかがでございましょうか。
様々なデータをきちんとそろえられ、定性的に地方公共団体とも連絡を取られて、多様
な対応を前向きに、丁寧になさろうという計画だと思います。
よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
-21-
それでは、これについては、おおむね適当と整理させていただきたいと思います。
オンライン調査の拡大は、我が国の政府統計調査の基本方針であるオンライン化に沿っ
た対応ですので、適当であると思いますし、先ほど申しましたように、地方公共団体との
連携やオンライン回答率の向上は、エビデンスに基づいて様々な方策を立てるという計画
の一環ですので、妥当であると思います。
この項目につきましては、特に御異議、御異論は出なかったと理解いたしますので、御
了承をいただいたものとして整理をさせていただいてよろしいでしょうか。
では、この項目について、御了承をいただいたものとして整理させていただきます。あ
りがとうございました。
それでは、
次に、
審査メモの6ページの「(3)
報告を求める事項の変更」
につきまして、
事務局から審査状況の御説明をお願いいたします。
しろまる國分総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官室副統計審査官 事務局でござい
ます。
6ページ、「(3)報告を求める事項の変更」について御説明させていただきます。
まず、
「変更内容」でございますが、先ほど御説明させていただきましたとおり、家計簿
について、1と2は回答欄を新設するというもの。そして、世帯票について、3と4は調
査項目名を変更して、選択肢も追加や見直しを行うというものでございました。
「審査状況」でございますが、変更の内容の詳細について、以下、御説明させていただ
きます。
まず、1でございますが、家計簿について、令和元年調査において、
「控除または納付項
目」の合計額を直下に位置する「口座振込額」欄に誤って記入する事例が生じたため、こ
ちらの場所に「控除または納付項目」の総額欄を新設しまして、
「口座振込額」欄について
は、配置、また配色を変更するということでございます。
2点目でございますが、労働基準法施行規則の一部を改正する省令が、令和5年4月1
日に施行されたことに伴いまして、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への
資金移動による賃金支払いが可能となったため、
「賃金のデジタル払い額」
の欄を新設する
ということでございます。
次、3に参りまして、こちらは世帯票でございますが、
「就学の状況」において、世帯員
全員の学歴を把握しておりますが、令和元年調査においては、就学中の世帯員のみが、こ
の設問に回答するものと誤解され、記入漏れとなる事例が生じたことから、調査項目名を
「教育」に変更するということでございます。
また、
「未就学・その他」について、就学前の子供に関する教育、保育等に関する現行制
度を踏まえまして、選択肢に「認定こども園」を追加するということでございます。
次に、4に参ります。同じく世帯票ですが、現住居に関する調査事項の1つとして、
「地
代支払の有無」を把握しておりますが、
「地代」という名称から、調査内容が伝わりにくい
との地方の意見を踏まえまして、調査項目名を「土地の所有関係」に変更しまして、さら
に、選択肢を「所有地」、「無償の借地」、「有償の借地」の3区分とするということでござ
います。
-22-
次に、8ページに参ります。これらのことについては、制度の改正の対応や、前回調査
結果を踏まえた改善を図るものでありますので、より的確な実態把握の観点から、事務局
としては、おおむね適当と考えておりますが、見直しの検討過程や、その効果、調査結果
の利活用の観点から、支障はないか確認する必要があると考えております。
論点のaとしましては、今回の調査事項の見直しは、どのような考え方や手順等に基づ
き、検討を行ったのか、また、前回の変更事項の評価や新たなニーズの把握はどのように
行ったのかという点を確認させていただきたいと思っております。
また、論点bとしまして、家計簿について、まず、
(a)でございます。
「控除または納
付項目の総額」欄を新設することによる効果は何か、また、報告者の記入負担や、調査員
等の審査事務が増加するおそれはないか。
(b)としまして、
「賃金のデジタル払いの額」を「口座振込額」と分けて把握する理由
は何か、また、どのような利活用が想定されているのかという点を確認させていただきた
いと思っております。
また、最後に、論点cとしまして、世帯票については、
(a)でございますが、
「就学の
状況」から「教育」への変更は適当か、また、
「認定こども園」は平成18年から開始された
制度でございますが、今回、このタイミングで選択肢として追加する理由は何か。
(b)として、
「地代支払の有無」から「土地の所有関係」への変更及び「土地の所有関
係」の選択肢の設定は適切か、また、時系列比較・分析の観点から、利活用上の支障は生
じないか、これらについて確認させていただきたいと思っております。
以上でございます。
しろまる津谷部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、各論点について、調査実施者である総務省統計局から御回答をお願いいたし
ます。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
改めまして、資料3の7ページをお開きいただければと思います。7ページから11ペー
ジまでのところについて御説明させていただきます。
まず、7ページの論点のaところでございます。回答として、文字で2段落書かせてい
ただいています。
1行目は、先ほど御説明した内容でございまして、それに加えまして、2行目に書いて
ございますけれども、令和4年8月に関係府省、地方公共団体を対象としまして、この統
計調査に関するニーズ把握を行ったということでございます。
これらを合わせまして、令和6年調査の調査事項の見直し案を作成した上で、外部有識
者から構成される研究会に諮りまして、意見を聞いたということに加え、民間モニターに
よる検証を実施して、その結果に基づいて、今回、見直し内容の案を決定していくという
ことでございます。
民間モニターによる検証の結果につきましては、先ほどお話ししました別紙1のところ
で随時出てくるということになります。
その下のbのところなのですけれども、
「控除または納付項目の総額」
欄を新設すること
-23-
による効果と、記入者負担、それから、審査事務の増加のところでございます。
まず、効果のところでございますけれども、図4の家計簿、新旧対照表を御覧いただけ
ればと思います。
右側の黄色の令和元年調査のところで、黄色く囲っているところが「口座振込額」なの
ですけれども、これを左側の令和6年調査では、配色を変えた上で、下の方に配置してい
るということでございます。
この右側の令和元年調査をよく見ていただきますと、黄色く囲っている「口座振込額」
の左側のところに「給与総額」というものがあるのです。これは、その上にある「収入項
目」を書く欄があるのですけれども、これを合算した金額になっているのですが、この黄
色く囲っている口座振込額のところは、よく見ていただくと、その上にあるものは「所得
税」や「住民税」など、控除されている部分なので、控除されている額を足しても、この
「口座振込額」にならないのです。つまり、左側は合算したものを書く欄になっているの
に、右側は合算したものを書くと間違ってしまうという図になっています。
そこで、
左側の令和6年調査の案を見ていただきたいのですけれども、
給与総額の方も、
右側の控除の方も、上の各項目を合算したものを書く欄に合わせてしまえば良いのではな
いかという案にしているということでございます。そのため、左側は給与総額、右側は控
除または納付項目の総額、それぞれ上のものを足していただければ良く、それを基に手取
りの口座振込額が出てくるということになります。
その右に賃金のデジタル払いの額もあるのですが、
それはまた後ほど御説明しますので、
一旦、そこをない状態で考えていただくと、給与総額から控除額を引いていただいたもの
が口座振込額になる。この配置の方が、世帯にとっても、ぱっと見て誤認しにくいという
意味で、負担が小さくなるのではないかなと考えています。
更に言いますと、次のページの図5なのですけれども、記入欄がいろいろ増えてくるの
ですけれども、その欄につきましては、大体一般的な給与明細書から記入できる項目にな
っているということでございます。そのため、ここに書いてある、上の一般的な給与明細
書のイメージをそのまま転記していただければ良いかなということでございます。
さらに、その次のところですけれども、口座振込額の欄につきまして、先ほどお話しし
たとおり、令和6年調査でも、引き続き残す案としてございますので、報告者が記入する
欄自体は増えるのですけれども、記入者負担や調査事務については、そこに掲げている2
つの理由によって、総じて変わらないものと考えてございます。
1つ目は、転記可能だということ。
もう一つは、先ほどの誤記入があると、結局、審査の事務が増えてしまうということで
す。そのため、間違いにくくしておく方が、当然、審査訂正の事務は抑制されるだろうと
いうことでございます。
新しく追加した場合も、図5のように、支給額合計と控除額計を書いていただくことが
できるわけです。図6のように、そのまま転記して記載していただくことができますとい
う意味で言うならば、記入欄は増えたのですけれども、そこについての記入者負担として
は、大きくは増えていないのではないかということでございます。
-24-
続きまして、9ページでございます。
先ほど後でとお話しした、賃金のデジタル払いのところです。これを分けて把握する理
由は何かということなのですけれども、簡潔に申しますと、制度が変わったからというこ
とになります。
1行目のところに書いていますけれども、労働基準法施行規則の改正に伴って、令和5
年4月から賃金の支払いが、先ほど口座振込額としましたけれども、いわゆる銀行等の預
金取扱金融機関以外に資金移動業者の口座にも可能になったということでございます。
その下の「(注記)」のところにございますが、制度としてはできているということでござい
ますが、現時点で、それができるという指定を受けた事業者につきましては、今、我々で
確認している限りでは存在しないということになります。
実際、この調査自体は、来年の秋、10月、11月ということなので、そのときまでの状況
がどうなるか分からないということはあるのですけれども、調査実施者側としては、この
記入の仕方を担保せざるを得ないので、今回このような案にしているということでござい
ます。
これはどういった理由で把握するのかということなのですけれども、例えば、仮に手取
額のうちの5万円を賃金のデジタル払いで受け取ったとした場合、それがなかったらどの
ようになるかといいますと、口座に振り込まれた賃金を、結局、賃金移動業者の口座、い
わゆるしろまるしろまるペイというものに対してチャージを行う。5万円のチャージを行った状態とい
うことになるわけです。口座に振り込まれたものを5万円チャージするのですけれども、
そのチャージをする手間がなく、最初から5万円チャージされた状態として給料が支払わ
れるということになります。
5万円をチャージした場合に、この家計簿としては記入するのか、しないのかというこ
とで言うと、実は記入することになっております。この賃金のデジタル払いに限らないの
ですけれども、全国家計構造調査の家計簿においては、全体の収支のバランスをきちんと
取っているという状態を保ったままで書いてもらうことになりますので、お金が口座から
出ていった分、資金移動業者の口座に入ったものについても記入してもらわないといけな
いということになります。そのため、今回、賃金のデジタル払いの欄を設けて、そこに5
万円と記入していただいた場合には、先ほどお話ししたとおり、その口座に振り込まれて
から5万円チャージしたときに記入してもらったものと同じような分類を調査実施者側の
方で付すということになるわけです。
要するに、家計でここに入力されたものについては、口座からチャージしたものと同じ
ように、
2行目に書いていますけれども、
家計総合集計に用いるということでございます。
このため、同様に、賃金のデジタル払いの額についても把握しておくということになるわ
けです。
さらに、
「また」
のところに書いてございますけれども、
賃金のデジタル払いについては、
通常の金融機関等の口座とは別の取扱いとされていますので、先ほど転記の話をさせてい
ただきましたけれども、給与明細書でも別々に記載されることが想定されるわけです。そ
のため、調査世帯としては、そのまま転記が可能であることから、記入者の負担、報告者
-25-
負担は総じて変わらないだろうと考えられます。更に言うと、この欄を設けていなかった
場合、誤解を招くおそれがあるだろうなと考えてございます。
具体的に言いますと、口座振込については、デジタル払いのところが除かれることにな
るのだろうと思うのですけれども、その部分をデジタル払いの額がなかったら、そのまま
口座振込額のところに記入されるという可能性があるわけです。そのとき、先ほどの例で
言うならば、本来もらっている給料よりも5万円低い額が口座振込額のところに記載され
てしまうということになります。
このようなことを避けるという意味でも、今回、この欄を設けたということでございま
す。これを設けることによって、そのような記入誤りに伴う審査事務の抑制にもつながる
だろうと考えてございます。
10ページ目でございますけれども、c「世帯票について」の(a)のところです。
「就学の状況」から「教育」への変更については、先ほど来、お話ししている地方公共
団体からの御指摘があったところでございまして、就学中以外、つまり、卒業してしまっ
た方の世帯の未記入が見受けられたということなので、これは別の名称に変更する方が良
いという御意見をいただきました。
今回は「教育」と名称を変更しているのですけれども、この変更につきましては、例え
ば、令和2年国勢調査や令和4年就業構造基本調査など、他の基幹統計調査でも同様の名
称を用いているということでございます。
さらに、民間モニターによる検証においても、変更によって未記入の割合が5.6ポイント
改善しているという状況でございます。
加えて、
「認定こども園」のところにつきましては、この5年間で、特に幼保連携型の認
定こども園を中心としまして、その数が顕著に増加しているということでございます。言
うなれば、制度が世の中に浸透してきたということです。この状況に合わせて、新たに選
択肢を追加したいと考えているところでございます。
11ページ目でございます。
「地代支払の有無」のところを「土地の所有関係」と変更する
ことについてです。
先ほど御説明もありましたけれども、1行目、2行目のところです。
「地代」という用語
自体があまり認知されていなかったということなので、何を問われているのかが少し分か
りにくかったということがございます。そのため、まず、調査項目名からその内容が伝わ
りやすい名称に変更してほしい、
その方が良いという御意見があったので、
「土地の所有関
係」という名称に変更したということでございます。
この全国家計構造調査の中には、この「土地の所有関係」の前のところに、
「住居の所有
関係」
という調査項目がございますので、
これと平仄を合わせるならば、
「住居の所有関係」、「土地の所有関係」を聞かれるという流れの方が分かりやすいだろうということでござい
ます。
併せて、選択肢も変更したということでございます。これは、民間モニターによる検証
でも確認してみたところ、変更による記入状況が4.6ポイント改善しているということで
ございます。
-26-
先ほど選択肢を変更するとお話ししましたが、具体的にどう変更しているのかというの
を、表7で見ていただくとよろしいかなと思います。
左側が「土地の所有関係」
、つまり、今回の見直し案です。選択肢を2つから3つに変え
ました。
「所有地」、「無償の借地」、「有償の借地」という書き方にすれば、
「地代」という
言葉を使わずに、そんなに難しい単語も入っていないという選択肢、それから、調査項目
名になっているのかと思います。
時系列比較・分析の観点から行ったときに支障はないかという点については、対応表と
して見ていただくと、最終的には地代、土地の代金を支払っているかどうかということで
言うならば、上の2つ、
「所有地」と「無償の借地」は支払っていないに該当しますし、
「有
償の借地」のところは支払っていると該当しますから、これを集計の段で合わせてあげる
ということをやれば、利活用の支障は生じ得ないということになります。
以上でございます。
しろまる津谷部会長 御説明と御回答ありがとうございました。
それでは、ただ今の御説明に対し、御質問、御意見ございませんでしょうか。
宇南山臨時委員、お願いいたします。
しろまる宇南山臨時委員 ありがとうございます。
デジタル払いについてなのですけれども、取扱いについてはよく理解できて、記入の仕
方としては理解できました。
ただ、1点、逆にデジタル払いを受けた場合に、あたかも自分でデジタル通貨を購入し
たように扱われてしまうということは、集計の段階の話だと思いますけれども、今後、デ
ジタル払いがどうなるか想像付かないのですが、もしもそれなりの普及を見せた場合に、
どういう人がデジタル払いを受けているのだというのを確認できた方が良いと思いますの
で、デジタル通貨を自分で購入したのと同じように扱ってしまって区別が付かないという
状態は避けていただいた方が良いかなと思いました。
もう一点、認定こども園のところなのですけれども、少し関連して、別の話題ではある
のですが、確認させていただきたいのです。
恐らく、保育費用というのが、家計調査だと家計収支項目に分類されていますし、全国
家計構造調査でも分類していると思うのですが、3歳未満か3歳以上かで、保育費用にな
るか、教育費になるかが分かれることになっていると思います。この項目の分類分けの際
に、ここの世帯票の情報を使うのでしょうかという質問であります。もしそうであると、
微妙に3歳未満かどうかというのをどのように判断するか。兄弟がいた場合に、どのよう
に判断しているのかについて教えていただければと思います。
以上です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
御質問が2点ございます。御回答、御説明、よろしいでしょうか。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
1点目につきましては、宇南山臨時委員がおっしゃったとおりでございまして、どれく
らい浸透するのかがまだ分からない段階なので、少し言い難いところがあるのですけれど
-27-
も、全体の収入としては、先ほどの例で言うならば、しろまるしろまるペイで支給された5万円につい
ては、当然、統合して集計するのですが、デジタル払いの別掲については、現時点でまだ
事業者として指定されていることを我々として確認できていない状況で、今ここで、別掲
で集計しますというところまでは、お約束することは少し難しいのかなと考えているとこ
ろでございます。少し制度の浸透状況を見てみたいなと考えてございます。
2点目について、少しお待ちいただいてよろしいですか。
しろまる武井総務省統計局統計調査部消費統計課課長補佐 お答え申し上げます。
御質問は、
「教育費」と、
「その他諸雑費」にある「保育料」のお話をされているのかと
承知しております。
確かに年齢区分だけですと、
「教育費」なのか、
「保育料」なのかということが分からな
いところもございますけれども、一応、家計簿の方でも御記入いただけるのかなと思って
います。延長の保育料なら「保育料」
、幼稚園の保育料だったら「教育費」で、ある程度カ
バーできるものかと考えております。
世帯に関しましては、宇南山臨時委員御承知のとおり、年齢も調べておりますし、どち
らか分からないという状況になった場合に、
「教育」の収支項目分類に入るのか、
「その他
諸雑費」
に入るのか、
判定が難しいのではないかという趣旨で理解いたしましたけれども、
そういった家計簿の記入状況などを確認しながら、1つずつ格付しているというのが実態
でございます。
以上になります。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
宇南山臨時委員、いかがでございましょうか。
しろまる宇南山臨時委員 ありがとうございます。
デジタル払い、確かに絶対今すぐ対応して欲しいとは言えないのですが、答申等が終わ
ると、システム等の構築に入るかと思うのです。その際に、念のためという形だと思いま
すが、別掲しようと思えばできる体制で臨んでいただければと考えているところです。
以上です。
しろまる武井総務省統計局統計調査部消費統計課課長補佐 ありがとうございます。
一応、集計上のお話をさせていただきますと、現在、例えば、現金をチャージした場合
に格付している番号があるのですけれども、それと、デジタル払いの格付の番号を区別す
れば、
恐らくできるかなとは思っておりますので、
前向きに検討していきたいと思います。
しろまる津谷部会長 宇南山臨時委員、よろしいでしょうか。
ほかの情報と兼ね合わせて、集計段階で紐付けして別掲できるようにすることについて
は、きちんと準備する必要がある。現段階では、まだ指定申請を行っている業者はゼロと
いうことですが、来年、この調査が実査される時期までには、申請があるのではないか。
今後のことを考えると、様々な状況が起り得ることを想定して、いろいろと準備を進めた
方が良いのではないかという御意見であったかと思います。
宇南山臨時委員、よろしいでしょうか。
しろまる宇南山臨時委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
-28-
しろまる津谷部会長 加藤臨時委員からお手が挙がっております。加藤臨時委員、お願いいたし
ます。
しろまる加藤臨時委員 ありがとうございます。加藤です。
2点ほど教えていただきたいのですが、1つ、今のデジタル払いのところとも共通する
のですが、給与支払額と、口座振込額、そして、デジタル払いの額で一致させるというこ
とです。例えば、もう既に現金の手渡し払いといったものが入ってくる可能性はないのか
なということを思ったのが1点です。
もう一つ、これも細かい話なのですが、教育のところで、
「未就学・その他」となってい
るのですが、この「その他」というものは一体どういう方なのでしょうか。
この2点だけ教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
しろまる津谷部会長 統計局、御回答をお願いいたします。
しろまる武井総務省統計局統計調査部消費統計課課長補佐 手渡しについては、口座振込などと
は別に、日々の収入と支出の欄がございまして、そちらに毎日の収入が現金等で支払われ
た場合には、記入いただく形になっております。
その他につきましては、例えば、乳児、新生児ですと、ベビーシッターに預けたりとい
ったこともございますので、そういったものを考慮して「その他」という項目を設けてお
ります。
以上でございます。
しろまる津谷部会長 一番上の「未就学・その他」には、具体的にどのような人が当てはまると
考えられるのかという御質問です。
「教育」のところです。
しろまる武井総務省統計局統計調査部消費統計課課長補佐 少々お待ちください。
しろまる津谷部会長 審査状況メモ7ページの「就学の状況」
を「教育」
に直されたところです。
しろまる武井総務省統計局統計調査部消費統計課課長補佐 小学校・中学校を卒業されていない
方は通常いらっしゃらないかなと思いますので、
「その他」という欄を御覧ください。保育
園、幼稚園、その他、乳児などということで、預けているような感じのことをおっしゃい
ましたけれども、逆に預けていない方のことを意味しているのかなと思います。そういっ
たものを想定しているところです。保育園、保育所、幼稚園、それ以外のものという意味
合いで「その他(乳児など)
」という項目を令和元年までは設けていたということでござい
ます。令和6年調査につきましても同じ意味でございます。
しろまる津谷部会長 確かにこのラベリングは、少し分かりにくいかなと思います。学校教育制
度の範疇にある、小学校にまだ行っていないお子さんを対象とする幼稚園、保育園、認定
こども園、そして幼稚園や保育園にも行っていない乳児や新生児などは、どこに該当する
のでしょうか。示された選択肢を見るとはっきりするのですが、
「未就学・その他」という
ラベルだけを見ると、何を指すのだろうかと思ってしまうという御指摘かと思います。
加藤臨時委員、それでよろしいでしょうか。
しろまる加藤臨時委員 在学中、卒業、未就学しかないのではないかと思ったのです。
しろまる津谷部会長 「その他」が余分ではないかということですね。
しろまる加藤臨時委員 分かりました。承知しました。ありがとうございました。
-29-
しろまる津谷部会長 これについていかがでしょうか。統計局では、以前からこのラベルと回答
の選択肢を使っていらっしゃるということですが、実際、回答するとなると、
「その他」は
何を指すのかなと迷うことも考えられます。この部分だけを見ると混乱を招くかもしれな
いという御指摘です。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 確かにおっしゃるとおりのようなところも
あります。下の選択肢まで読めば分かる、ということだと思うのですけれども、少し考え
ます。
しろまる津谷部会長 ただ、時系列を変えるということについては慎重に御検討ください。時系
列を維持することの費用対効果を考えて、費用が効果よりも上回っていると判断されれば
変えるべきだと思いますが、時系列の連続性、継続性についても、もう少し御相談いただ
くということでよろしいでしょうか。
加藤臨時委員、それでよろしいでしょうか。
しろまる加藤臨時委員 それで結構です。ありがとうございます。
しろまる宇南山臨時委員 すみません。宇南山です。
しろまる津谷部会長 宇南山臨時委員、どうぞ。
しろまる宇南山臨時委員 確かに、日本において小学校、中学校も、卒業後も、在学もしていな
いという人は原則いないことになっているわけですが、
やはり学校に一度も行かなかった、
例えば、外国で適切に対応する部分がないなど、文字どおり、学校に行かなかった人もい
るということを考えると、一応「その他」というものを形式的には残しても、それほどお
かしいことではないのではないかなと思います。下を見れば、原理的にはそのように学校
に行っていない人は、
「乳児など」とは付いていますけれども、
「その他」を選ぶことにな
るのかなと思います。
例えば、40歳で「その他(乳児など)
」に印が付いているとエラーなのかどうなのか、難
しい判断になってしまうのかもしれませんが、あまりこれまで問題になっていないのだと
すれば、一応、そのまま「その他」を残しても良いのではないかなと思いました。
しろまる津谷部会長 御意見ありがとうございました。
これについて、ほかに御意見や御質問はございませんでしょうか。
しろまる富田委員 すみません。富田です。
しろまる津谷部会長 どうぞ、富田委員、お願いいたします。
しろまる富田委員 よろしいでしょうか。
私が質問しようと思ったこともまさにこの点でございまして、やはり今の部分ですと、
選択肢、あと問いとの関連性から分かりにくいなということを感じておりました。
そこで、1つ御提案なのですけれども、今回、新しく「認定こども園」という選択肢が
回答の中に増えましたので、一番下のところにある矢印に向けての「未就学・その他」と
いう表記を、例えば、
「幼年教育」や「就学前教育」と、改めて1つ項目を立て、それに加
えて、
「未就学もしくはその他」
という1つのカテゴリーを残したらいかがでしょうかとい
う御提案です。
一番上のところが、現在、
「就学中」、「卒業」、「未就学・その他」と、今、3つの区分に
-30-
なっていると思いますが、これを「就学」、「卒業」
、そして1つ、
「就学前教育」若しくは
「幼年教育」というカテゴリーを付けて、それを矢印で引っ張って、一番下の選択肢に結
び付ける。そして、もう一つ、
「その他」や「未就学」という別の項目を立てれば、今、問
題になっているところがもう少しはっきりするのではないかと考えます。
いずれにしましても、今、幼保連携ということが急速に進んでおりますので、
「認定こど
も園」という選択肢をここに加えたことは評価したいと思います。
以上です。
しろまる津谷部会長 複数の御意見をいただきましたが、この「未就学・その他」をどうするか
ということについてと、質問の仕方を更に変更してはどうかという御提案であったかと思
います。
統計局で、これらの御意見について検討していただき、次回の部会で御回答をいただく
ということでよろしいでしょうか。
委員の皆様、それでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
加藤臨時委員、よろしいでしょうか。
どうぞ、萩野室長。
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 今の論点のところで、もしかしたらもう答えがあるの
かもしれませんけれども、インターナショナルスクールというものは、一応小学校・中学
校には入らない、義務教育にはならないのですが、回答に当たって問題になっていないの
か、それとも、むしろ「その他」として想定されているのか、その点も含めて御検討いた
だければと思います。
しろまる津谷部会長 4点目の萩野室長からの御提案というか御質問でございますが、これにつ
いても、統計局で総合的に御検討いただいて、次回の部会でその御回答をお伺いしたいと
思います。よろしくお願いいたします。
川口臨時委員からもお手が挙がっております。川口臨時委員、お願いいたします。
しろまる川口臨時委員 どうもありがとうございます。
すごく単純な質問なのですけれども、賃金のデジタル払いのところです。QRコード系
電子マネーにチャージしたり、交通系電子マネーにチャージしたりということだというこ
とで、
イメージはついたのですけれども、
回答者の皆様というか、
私も含めてなのですが、
賃金のデジタル払いと言われたときに、何を意味しているのかということはすぐに分かる
のかなと、
少し心配です。
その辺、
何か工夫の余地はないのかなと思ったのですけれども、
いかがでしょうか。
しろまる津谷部会長 統計局、いかがでございましょうか。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 総務省統計局でございます。
全くもっておっしゃるとおりでございまして、そこについては、家計簿の記入のしかた
のところでは書かなければならないだろうなと考えています。
公式の会議の場だったので、しろまるしろまるペイというものを具体的に挙げるのがはばかられたの
で挙げなかったのですけれども、記入のしかたのところでは、当然、それはこのようなも
-31-
のということは、しろまるしろまるペイということは、主要なところについては書いていくことは必要
になってくるのではないかと思っています。
よろしいですか。
しろまる津谷部会長 川口臨時委員、いかがでございましょうか。
しろまる川口臨時委員 よく分かりました。ありがとうございます。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
そのほか、御質問ございませんか。よろしいでしょうか。
萩野室長、お願いいたします。
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 先ほど加藤臨時委員の御指摘のあった現金のところな
のですが、ほかのところで記入があるということは分かるのですけれども、田村消費統計
課長の説明だと、この給与総額と控除の差額で実際に手にするものが、この口座振込額と
デジタル払いの合計に一致する。だから、そのチェックにも当たるのだということなので
すけれども、給与振込の代わりとして現金でもらうということがあったとすると、それは
この差額の部分に該当するわけです。
そのため、口座振込額、デジタル払い、現金払いの合計が、給与総額と控除の差額にな
るということなので、そこの部分も勘案しないと、データのチェックにはつながらないと
思うのです。
これは過去においてもそうだったので、新しい話ではないと思うのですけれども。
しろまる山形総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官 補足説明して良いですか。
しろまる津谷部会長 山形審査官、お願いいたします。
しろまる山形総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官 この家計簿は、毎日の記入欄が
あるのですけれども、1か月間まとまって支払われるものは、別の口座振込欄というもの
が設けてあり、そのページのことを今、議論されているわけですが、それ以外に現金で受
け取る給与があるのであれば、それは受け取った日の収支のところに書くということにな
る。
例えば、給与のうち、一部口座振込、一部現金と分けて受け取っている人がいるのであ
れば、その口座振込の欄に例えば20万円、何月何日に現金収支があったら例えば10万円と
なって、その20万円と10万円を合わせて30万円というのが自分の給与明細と一致するとい
うことです。
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 そうすると、9ページの図7の給与総額と差額が、こ
の2つの支払い方法で一致するということは、必ずしもそうではないということで良いで
すね。
しろまる山形総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官 もし給与を振込と現金で分けて
支払われているという人がいれば、これには当たらない。
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 あるいは、毎月の給料が全部現金の人もそうです。
しろまる山形総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官 毎月現金の人は、口座振込欄に
記入しないので、給与をもらったという時点で、何月何日の家計簿の収支の方に何十万円
もらいましたということを記入する。
-32-
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 すごく概念的な話なのですけれども、もしこれが口座
振込の欄であれば、現金で支払われるのと、賃金のデジタル払いは同じ扱いのような気が
するのです。だから、デジタル払いというものは、口座振込のところに記入するべき話で
はなくて、現金の代替としてもらっているものであるから、現金の収支の方に入ってくる
べきものです。この賃金のデジタル払いは一体何なのかというと、口座振込ではないです
よね。現金をもらっているのと同じ位置付けです。
その辺の概念をしっかり整理していただかないと、口座振込の話なのか、何なのかとい
うのがよく分からないので。
しろまる武井総務省統計局統計調査部消費統計課課長補佐 まだ支払いがどういう状態でなされ
るかという例がないので、記入例があれば、具体的にもう少し対応できるかなと思ったの
ですけれども。
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 口座振込ではないということは確実なのですよ。だか
ら、ここに入れるのが良いのですか、悪いのですかという話になってくる。むしろ、ここ
に入れるのであれば、口座振込の話ではなくて、現金以外の給料の話にしなければいけな
い。
しろまる田村総務省統計局統計調査部消費統計課長 概念として、デジタル払いは口座振込では
ないという御主張だと思うのです。実際、そのとおりで、先ほど私も説明資料の中でもそ
のように説明したとおりでございます。
しろまる津谷部会長 どうぞ、山形審査官、お願いいたします。
しろまる山形総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官 恐らく、今、萩野室長がおっし
ゃったように、デジタル払いの部分を口座振込の欄ではなく、振り込まれた日の家計簿の
何月何日の収支のところに記入するという整理もあり得るので、少し吟味された方が良い
のではないかなと思いました。
しろまる津谷部会長 賃金のデジタル払いの実例は今のところまだない。さらに言うと、来年の
この調査の時期までにどの程度デジタル払いが浸透するのかが、現段階では分からないと
いうことが最大の難点ではないかと思います。
ただ、先ほどから萩野室長や山形審査官から御指摘いただいているように、どのような
枠組みで所得を把握するのかについて、少しお考えいただく必要があるのではないかと思
います。賃金の受け取り方法は、口座振込、デジタル払い、プラス現金払いと、大きく分
けてこの3種類になるのではないかと思いますが、従来から口座振込については非常に詳
しく情報を取っていらっしゃったと思いますが、今回、デジタル払いが入ってきますし、
加藤臨時委員から御指摘いただいたように、現金払いもあるのではないかと思います。
ですので、先ほども申しましたが、不確定要素は多いとは思いますが、これについても
う少し御検討いただきたいと思います。そして、次回の部会で、その検討結果をここで御
説明いただければと思います。それでよろしいでしょうか。
加藤臨時委員、その他何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
しろまる加藤臨時委員 私は部会長の言うとおりでよろしいと思います。
しろまる津谷部会長 では、そのようにさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い
-33-
いたします
次に、川口臨時委員、どうぞお願いいたします。
しろまる川口臨時委員 記載上は、何かそれが記入漏れなどになってしまう可能性もあるのかな
ということを懸念いたしまして、結局、現金が先ほどの欄の中に入っていないので、合計
額が合わないというのが問題なのかなと思ったのです。
そのため、もしも概念整理上で少し問題だということであれば、振込額のところに合わ
せて現金というものを入れて、現金と振込とデジタル払いを合算して手取りの部分になる
のだということであれば、そういう整理の仕方もあるのかなと思いました。
何が言いたいかというと、家計簿の中でデジタル払いの部分を捉えようとすると、事実
上、何か記入漏れが発生してしまうのではないかなという懸念を持ちましたというところ
が一番言いたいことなのです。御検討いただければありがたいなと思います。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
現在、部会の終了予定時刻を5分ほどオーバーしております。委員の皆様には御面倒を
おかけいたしますが、もう少し審議を続けさせていただきたいと思います。
今回計画されている変更事項についての審議結果を要約しますと、まず、従来の「就学
の状況」を「教育」に変えることが計画されていますが、特に、
「未就学・その他」という
ラベルの意味がいまひとつ分かりにくいので、これを修正する必要があるのではないかと
いう御指摘をいただきました。そして、次に、今回の調査では、賃金のデジタル払いとい
う項目を新たに導入することが計画されておりますが、この項目をどのような枠組みのも
とで、どのように扱うべきなのかについてもう少し考える必要があるのではないかという
ことで、所得の内訳と枠組みについて御検討いただきたいということです。今後、デジタ
ル払いは増えていくのではないかと思いますので、令和6年調査だけでなく、その後の調
査も見据えて、これについて統計局で御相談いただき、次回の部会で、お答えをお聞きす
ることにしたいと思います。それでよろしいでしょうか。
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 すみません。萩野です。
表7の「土地の所有関係」、「地代支払の有無」のところですけれども、これも次回にお
答えいただきたい話なのです。実は、この「土地の所有関係」と「地代支払の有無」とい
うものは、本当はこのように一致しているわけではないのです。
例えば、有償の借地があって、本当は地代を払わなければいけないのだけれども、自分
の持っているほかの土地の地代をもって相殺するなど、いろいろなことがあります。その
ため、実は有償の土地だけれども、地代を支払っていないというケースもあります。
ただ、このような調査項目にしても良いと思うのですけれども、完全に一致していると
いう言い方は間違いなので、利活用の支障は生じないといっても、概念は少し違ってきま
すけれども、土地の所有関係に着目した方が良いということであれば、それはそれで良い
のですが、そのような説明をされた方が良いのかなということです。
詳しくは税理士などにお問合せいただいた方が良いと思いますが、これは少し概念が違
うということだけ御指摘させていただきます。
以上です。
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しろまる津谷部会長 これにつきましても、次回の部会で審議させていただきたいと思います。
いろいろな場合が想定されるので、説明をもう少し厳密にする必要があるのではないかと
いうことでございます。
では、終了予定時刻も過ぎておりますので、本日の部会はここまでとさせていただきた
いと思います。
次回の部会では、審査メモの8ページ以降の「
(4)公表の期日の変更」
、そして、9ペ
ージの「
(5)調査票情報の保存期間の変更」について審議したいと思います。それに加え
て、
「2 平成30年答申における『今後の課題』への対応状況」についても審議させていた
だき、今日の部会で出された2つの宿題への統計局の御回答をお聞きしたいと思います。
統計局より検討結果の御説明をいただいたあと、答申案の方向性について御議論をいただ
き、可能であれば、大筋合意をいただければと思います。とはいえ、答申案は大変大事で
ございますので、丁寧かつ慎重に審議を進めたいと思います。
予定していた時間を10分近く上回っております。長い間、活発な御審議をいただき、あ
りがとうございました。
本日の部会はここまでとさせていただきたいと思います。
また、本日の部会の審議の内容につきましては、7月の統計委員会において、私から報
告させていただきます。
それでは、事務局から御連絡をお願いいたします。
しろまる國分総務省政策統括官(統計制度担当)付統計審査官室副統計審査官 事務局でござい
ます。
次回の部会は、7月27日木曜日、14時から開催いたします。次回もウェブ開催を予定し
ております。
なお、本日の部会審議の内容について、追加の御質問や、お気付きの点等ございました
ら、7月14日金曜日、15時までに、メールにより事務局まで御連絡をお願いいたします。
最後に、本日の部会の議事録については、事務局で作成次第、メールにて御照会させて
いただきますので、こちらにつきましても、御確認をよろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
以上をもちまして、本日の部会は終了とさせていただきます。次回の部会審議も、どう
ぞよろしくお願いいたします。本日は長時間、ありがとうございました。

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