自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書
【第 1.1 版】
令和4年9月2日
総務省
目次
1. はじめに ......................................................................3
1.1 本手順書の趣旨 ................................................................3
1.2 本手順書の構成及び更新 ........................................................3
2. 行政手続のオンライン化の必要性・メリット ......................................5
2.1 必要性、準拠すべき法律等 ......................................................5
2.2 メリット ......................................................................9
3. 自治体における行政手続のオンライン化の取組方針 ...............................11
3.1 BPR の取組みの徹底(書面規制、押印、対面規制の見直し含む) ....................11
3.2 三層の対策の見直し(マイナンバー利用事務系の分離の見直し) ...................12
3.3 オンライン化すべき手続とその方向性 ...........................................14
(1) 31 手続のうち、子育て関係・介護関係の 26 手続(市町村対象手続) ..............14
(2) 31 手続のうち、罹災証明書の発行申請手続(市町村対象手続) ...................15
(3) 31 手続のうち、自動車保有関係手続(都道府県対象手続) .......................16
(4) 転出届・転入予約(市町村対象手続) .........................................16
(5) 上記を除く全ての手続 .......................................................17
3.4 オンライン化の方法 ...........................................................18
4. 自治体における作業手順 .......................................................21
4.1 推進体制の構築 ...............................................................21
4.2 オンライン化に取り組む手続の検討 .............................................21
4.3 仕様検討・調達 ...............................................................23
4.4 サービスの導入、運用 .........................................................24
4.5 全体スケジュールのイメージ ...................................................25
5. 標準的なシステム構成例 .......................................................31
6. 国の主な支援策等 .............................................................32
6.1 マイナポータルに関する国の取組み .............................................32
(1) マイナポータルの全自治体接続基盤の構築、申請書の標準様式 ...................32
(2) マイナポータルの UI/UX 改善 .................................................35
(3) ぴったりサービス申請 API の提供 .............................................35
6.2 財政措置 .....................................................................36
(1) デジタル基盤改革支援補助金 .................................................36
(2) 特別交付税(共同オンラインシステムの導入経費) .............................37
7. 用語集 .......................................................................39 31. はじめに
1.1 本手順書の趣旨
「デジタル・ガバメント実行計画」
(令和2年 12 月 25 日閣議決定)においては、
自治体におけるデジタル・ガバメントの推進には、サービスのフロント部分だけでは
なく、バックオフィスも含め、エンドトゥエンドでデジタル化・業務改革(BPR)の取
組みを徹底することが必要であり、このような観点を踏まえ、行政手続のオンライン
化の推進等に取り組むこととされている。これを踏まえ、令和2年末に総務省が策定
した「自治体 DX 推進計画」
(令和2年 12 月 25 日総務省)においては、デジタル化に
よる利便性の向上を国民が早期に享受できるよう、令和4年度末を目指して、国と自
治体が協力して、原則、全自治体で、特に国民の利便性向上に資する手続について、
マイナポータルからマイナンバーカードを用いてオンライン手続を可能にするとと
もに、それ以外の各種行政手続についても、
「地方公共団体におけるオンライン利用
促進指針」
(令和2年3月4日改訂 内閣官房・内閣府・総務省)を踏まえ、積極的に
オンライン化を進めるとしたところである。
各自治体においては、
既にオンライン化の取り組みを一定程度進めている団体があ
る一方で、今後、どの手続を、どのようなスケジュールでオンライン化するのか、具
体的な進め方の検討を初めて開始する団体もある。
本手順書は、
自治体のこうした多様な状況を踏まえつつ、
各自治体において、
「自治
体 DX 推進計画」の内容を着実に実施できるよう、オンライン化に取り組むに当たっ
ての手順を提示するものである。
なお、令和4年9月2日改定時点の本手順書は、特に国民の利便性向上に資する手
続について、
マイナポータルからマイナンバーカードを用いてオンライン手続を令和
4年度末までに可能にすることを目指すことを示したものである。デジタル庁から夏
頃に示される予定の
「地方公共団体の基幹業務システムの共通機能に関する標準仕様
書」では、ガバメントクラウド申請管理機能の提供についても記載される予定だが、
標準化後の基幹業務システム(標準準拠システム)においても本手順書の申請管理シ
ステム及びガバメントクラウド申請管理機能のいずれを利用することも可能となる
予定である。これらの詳細な関係及び連携方式等については、令和4年秋頃の改定に
向けて検討を行っていく。
1.2 本手順書の構成及び更新
本手順書では、準拠すべき法律等を踏まえ、自治体における行政手続のオンライン
化の取組方針を示した上で、自治体内で推進体制を構築し、システムを導入し、運用
を開始するまでの手順について提示する。
また、自治体の基幹システムとぴったりサービスとのエンドトゥエンド接続の標
準仕様書として令和3年9月 30 日に自治体に提供した、標準的なシステム構成例に 4係る状況や国の主な支援策等を示すことで、自治体が行政手続のオンライン化に着
実に取り組むことを目的とした構成となっている。
なお、今後、本手順書に修正を加える必要が生じた際には、随時、更新を行うこ
とを予定している。 52. 行政手続のオンライン化の必要性・メリット
2.1 必要性、準拠すべき法律等
「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」
(令和2年7月
17 日閣議決定)において、
「令和4年度までにほとんどの住民がマイナンバーカード
を保有していることを想定し、
マイナンバーカードを様々な手続をデジタルで行うた
めの基盤と位置付けた取組を進めることも重要」とされており、今後、マイナンバー
カードを保有するメリットを住民が最大限享受できるよう、自治体において、行政手
続のオンライン化に取り組む必要がある。
また、地方公共団体における行政手続のオンライン化については、
「情報通信技術
の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び
効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一
部を改正する法律(令和元年法律第 16 号。以下「デジタル手続法」という。
)による
改正後の情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律」
(平成 14 年法律第 151
号。以下「デジタル行政推進法」という。
)第5条第4項の規定により、地方公共団体
は、
情報通信技術を利用して行われる手続等に係る当該地方公共団体の情報システム
の整備等の必要な施策を講ずるよう努めなければならないこととされている。
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」
(令和4年6月7日閣議決定)において
は、
「地方公共団体が優先的にオンライン化を推進すべき手続」
として、
a)処理件数が
多く住民等の利便性の向上や業務の効率化効果が高いと考えられる手続、
b)住民のラ
イフイベントに際し、
多数存在する手続をワンストップで行うために必要と考えられ
る手続がまとめられた。その上で、
「自治体 DX 推進計画」に記載の「特に国民の利便
性向上に資する手続」
とされた 31 手続については、
令和4年度末を目指して、
原則、
全自治体で、
マイナポータルからマイナンバーカードを用いてオンライン手続を可能
にすることとしている。また、それ以外の各種行政手続についても、積極的にオンラ
イン化を進めることとしている。
だいやまーく「デジタル行政推進法」
(平成 14 年法律第 151 号) 抜粋
(国の行政機関等による情報システムの整備等)
第五条 国の行政機関等は、情報システム整備計画に従って情報システムを整備しな
ければならない。
(略)
4 国の行政機関等以外の行政機関等は、国の行政機関等が前三項の規定に基づき講
ずる措置に準じて、情報通信技術を利用して行われる手続等に係る当該行政機関等
の情報システムの整備その他の情報通信技術を活用した行政の推進を図るために必
要な施策を講ずるよう努めなければならない。
5 国は、国の行政機関等以外の行政機関等が講ずる前項の施策を支援するため、情
報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 6図表1 デジタル手続法(令和元年法律第 16 号)の概要
だいやまーく「デジタル社会の実現に向けた重点計画」
(令和4年6月7日閣議決定) 抜粋
別冊 オンライン化を実施する行政手続の一覧等
V 地方公共団体が優先的にオンライン化を推進すべき手続
デジタル庁及び総務省は、
次に掲げる手続について、
地方公共団体が優先的に、
かつ、
早急に進めることができるよう、関係府省庁と連携しガイドラインの作成等により支
援する。
a)処理件数が多く、オンライン化の推進による住民等の利便性の向上や業務の効率化
効果が高いと考えられる手続
1)図書館の図書貸出予約等
2)文化・スポーツ施設等の利用予約
3)研修・講習・各種イベント等の申込
4)地方税申告手続(eLTAX)
5)自動車税環境性能割の申告納付
6)自動車税の賦課徴収に関する事項の申告又は報告
7)自動車税住所変更届
8)水道使用開始届等 79)港湾関係手続
10)道路占用許可申請等
11)道路使用許可の申請
12)自動車の保管場所証明の申請
13)駐車の許可の申請
14)建築確認
15)粗大ごみ収集の申込
16)産業廃棄物の処理、運搬の実績報告
17)犬の登録申請、死亡届
18)感染症調査報告
19)職員採用試験申込
20)入札参加資格審査申請等
21)入札
22)衆議院・参議院選挙の不在者投票用紙等の請求
23)消防法令における申請・届出等
b)住民のライフイベントに際し、多数存在する手続をワンストップで行うために必要
と考えられる手続
ア.子育て関係
1)児童手当等の受給資格及び児童手当の額についての認定請求
2)児童手当等の額の改定の請求及び届出
3)氏名変更/住所変更等の届出
4)受給事由消滅の届出
5)未支払の児童手当等の請求
6)児童手当等に係る寄附の申出
7)児童手当に係る寄附変更等の申出
8)受給資格者の申出による学校給食費等の徴収等の申出
9)受給資格者の申出による学校給食費等の徴収等の変更等の申出
10)児童手当等の現況届
11)支給認定の申請
12)保育施設等の利用申込
13)保育施設等の現況届
14)児童扶養手当の現況届の事前送信
15)妊娠の届出 8イ.介護関係
1)要介護・要支援認定の申請
2)要介護・要支援更新認定の申請
3)要介護・要支援状態区分変更認定の申請
4)居宅(介護予防)サービス計画作成(変更)依頼の届出
5)介護保険負担割合証の再交付申請
6)被保険者証の再交付申請
7)高額介護(予防)サービス費の支給申請
8)介護保険負担限度額認定申請
9)居宅介護(介護予防)福祉用具購入費の支給申請
10)居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給申請
11)住所移転後の要介護・要支援認定申請
ウ.被災者支援関係
1)罹(り)災証明書の発行申請
2)応急仮設住宅の入居申請
3)応急修理の実施申請
4)障害物除去の実施申請
5)災害弔慰金の支給申請
6)災害障害見舞金の支給申請
7)災害援護資金の貸付申請
8)被災者生活再建支援金の支給申請
エ.転出・転入手続関係
1) 転出届
2) 転入予約
(注記)下線が「自治体 DX 推進計画」において「特に国民の利便性向上に資する手続」とさ
れた 31 手続。
だいやまーく「自治体 DX 推進計画」
(令和4年9月2日総務省)抜粋
3. 取組事項
(3)自治体の行政手続のオンライン化
(中略)
【取組方針】
1 2022 年度には、全市区町村においてマイナポータルを通じたオンラインによ 9る転出届・転入予約を実現できるよう、マイナポータルを改修するとともに、市
区町村のシステム改修等に対する支援を行う。
2 デジタル化による利便性の向上を国民が早期に享受できるよう、2022 年度末を
目指して、原則、全自治体で、特に国民の利便性向上に資する手続について、マ
イナポータルからマイナンバーカードを用いてオンライン手続を可能にする。
具体的には、以下の 31 手続を対象として、積極的・集中的にマイナポータル
を活用したオンライン化を進める。
図表2 対象手続一覧
(注)
「デジタル・ガバメント実行計画(2020 年 12 月 25 日閣議決定)における「地方
公共団体が優先的にオンライン化を推進すべき手続」のうち、住民がマイナンバ
ーカードを用いて申請を行うことが想定される手続から選定
3 さらに、上記以外の各種行政手続についても、重点計画の「オンライン化を実施
する行政手続の一覧等」の「V地方公共団体が優先的にオンライン化を推進すべ
き手続」を踏まえ、積極的にオンライン化を進める。
2.2 メリット
行政手続のオンライン化のメリットとして「住民の利便性の向上」と「行政運営の
簡素化・効率化」が挙げられる。
利用者中心の行政サービス改革を徹底し、利用者から見て一連のサービス全体が、
「すぐ使えて」
「簡単」で「便利」であることを目指し、行政手続のオンライン化を推
進し、住民ひいては自治体もメリットを享受できる環境を整備する。 101住民の利便性の向上
・夜間、休日など、24 時間いつでも手続を行える。
・自宅やオフィス、遠隔地からでもどこでも手続を行える。
・スマートフォンやタブレットから手続を行える。
・申請、届出等の用紙の入手が不要で、移動時間や待ち時間を節約することができ
る。
・利用者に分かりやすく、デジタル機器に不慣れな方でも容易に操作できる UI(ユ
ーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)により、誰もが迷わ
ず簡単に利用できる。
・入力チェック機能、オンラインヘルプ機能により記入漏れや入力誤りといったミ
スが防止できる。
・マイナンバーカードの電子証明書を利用して申請することにより、本人確認用書
類などの添付書類が不要となる。また、マイナンバーカード所持者について、電
子証明書のスマートフォン(移動端末設備)への搭載を可能とするとして法改正
がされたところである。
・財務省の歳入金電子納付システム等を活用したインターネットバンキングなど、
支払い手段が増える。
・前年度記載した履歴を翌年度活用することで、書き写しが不要になる。
・申請内容によっては複数の手続をまとめて申請することができる。
などが考えられる。
2行政運営の簡素化・効率化
・住民から受け付けた申請情報(申請データ)と業務システム保持情報との目視点
検での確認作業(突合)が不要になり、職員の負担軽減につながる。
・申請者の個人特定が自動化できるため、本人確認作業の時間削減のみならず、正
確性向上が図れる。
・住民票や罹災証明書発行をコンビニで行うなどにより窓口の混雑緩和につながる。
などが考えられる。 113. 自治体における行政手続のオンライン化の取組方針
行政手続のオンライン化に取り組むに当たっては、既存の行政手続を前提とするの
ではなく、業務内容や業務プロセス等を抜本的に見直し、再構築するいわゆる BPR の
取組みとあわせて行うことが重要である。このため、国の法令等に基づくもののみな
らず、自治体が独自に実施する手続も含めて、書面規制・押印・対面規制の見直しに
取り組むほか、
「申請自体を不要とすることはできないか」という観点も含めて検討
することが必要となる。
また、自治体内のセキュリティポリシーを見直すことにより、オンライン手続の前
提となる体制を整備した上で、各種手続の種類に応じて、オンライン化の手法(シス
テム整備等の方向性)を検討することが必要である。
3.1 BPR の取組みの徹底(書面規制、押印、対面規制の見直し含む)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止及び新たな生活様式の確立に向け、行政
手続における書面規制・押印・対面規制の抜本的な見直しが急務となっている。国の
法令等に基づいて自治体が実施する手続については、
「書面規制、
押印、
対面規制の見
直しについて」(令和2年7月2日内閣府)において、所管府省が、国の緊急対応等に
ついてガイドライン等を自治体に発出するとともに、必要な法令等の見直しを行うこ
ととされた。これを踏まえ、
「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関
する法律(令和3年法律第 37 号)
」においては、48 法律を改正し、押印を求める各種
手続についてその押印を不要とするとともに、書面の交付等を求める手続について電
磁的方法により行うことを可能とした。
各自治体においては、
「地方公共団体における書面規制、
押印、
対面規制の見直しに
係る留意事項について」(令和2年7月7日 総行行第 169 号 総行経第 35 号 総務省
自治行政局長)に示されている留意事項を参考として、
書面規制、
押印、
対面規制の見
直しに積極的に取り組むことが望まれる。また、
「地方公共団体における押印見直し
マニュアル」(令和2年 12 月 18 日内閣府)において、押印の見直しに取り組む際の推
進体制、作業手順、判断基準等や先行的な自治体の取組みが示されており、参考とさ
れたい。
さらに、
「デジタル・ガバメント実行計画」において、自治体が行政手続のオンライ
ン化を進めるに当たっては、法令に基づく行政手続だけでなく、条例又は規則に基づ
く行政手続も含めて対象とすることとし、バックオフィスを含めたデジタル化や窓口
の見直し(対面手続において紙に書くことを求めない、いわゆる「書かない窓口」へ 12の変更等)を含めた業務改革(BPR)の実施を前提に、
「本人確認のオンライン化」
「手
数料納付のオンライン化」
「添付書類の省略」について同時に推進することとされて
いる。本人確認のオンライン化については、国では「行政手続におけるオンラインに
よる本人確認の手法に関するガイドライン」((平成 31 年2月 25 日)各府省情報化統
括責任者(CIO)連絡会議決定)に基づき取り組むこととされており、自治体において
も参考にされたい。手数料納付のオンライン化については、インターネットバンキン
グなどの活用等を検討する。添付書類の省略については、その必要性の精査を行った
上で、なお提出を求める必要がある添付書類は、費用対効果を踏まえて、行政機関間
の情報連携等の仕組みの活用を推進する。情報連携による省略が困難な添付書類につ
いては、e メールでの提出や簡易な申請ウェブサイトによるオンライン提出など、少
なくとも申請者がオンラインで提出することを可能とするなど、可能な限り一連の手
続がデジタルで完結するように取り組む。
さらに、これらの BPR の取組みにとどまらず、オンライン化自体を目的とするので
はなく、
「申請自体を不要とすることはできないか」など利用者目線での BPR の取組
みが重要となる。
また、
住民からオンライン申請を受付けた後の職員のバックヤードの処理について
も、紙が前提ではないエンドトゥエンドの業務フローを前提に、職員の工数がどれだ
け下がるかという視点からもオンライン化の工程を検討することが必要である。
こうした取組みを進めるに当たって、法令や国の制度の見直しが必要と考えられる
場合には、地方分権改革における提案募集方式(内閣府)を活用することにより、国
に対して、自治体への事務・権限の移譲や地方に対する規制緩和(義務付け・枠付け
の見直し及び必置規制の見直し)を求めることが可能であり、ご活用いただきたい。
これまでも、各府省が所管する法令等に基づく手続について、申請時の添付書類を省
略可能とした事例がある。また、紙媒体での手続が義務付けられている手続について
オンラインによる届出を可能とするよう提案があり、実際に検討されている事例等も
あるので、各自治体から積極的な提案がなされることが期待される。
3.2 三層の対策の見直し(マイナンバー利用事務系の分離の見直し)
令和2年 12 月 28 日に改定された「地方公共団体における情報セキュリティポリシ
ーに関するガイドライン」では、十分にセキュリティが確保されていると国が認めた
特定通信(eLTAX、ぴったりサービス、自治体情報セキュリティ向上プラットフ
ォームが考えられる。)に限り、
連携サーバを介して、
マイナンバー利用事務系へのイ
ンターネット経由の申請等のデータの片方向の電子的移行が可能となったところで
ある。 13自治体では、自団体のセキュリティポリシーの見直しを適切に行った上で、LGWAN
接続系に届いたデータをマイナンバー利用事務系に取り込む際に、従来、USB 等の外
部媒体による移動や紙に打ち出して再度入力するといった手間が必要になっていた
ところについて、エンドトゥエンドでのオンライン化が実現できる。結果、単なる行
政手続のオンライン化にとどまらず、行政サービスに係る受付・審査・決裁・書類の
保存業務といったバックオフィスを含む一連の業務をより効率的に処理することが
可能になる。
また、令和4年3月 25 日に「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに
関するガイドライン」が更に改定され、国が認めた特定通信に限り、インターネット
等と LGWAN を経由してマイナンバー利用事務系との双方向のデータの移送が可能と
なったところである。
従来、マイナンバー利用事務系からの特定通信は認められていなかったため、申請
管理システムで審査を行った内容について、
マイナンバー利用事務系の申請管理シス
テムから直接、申請処理状況(処理中、要再申請、完了、却下、取り下げのステータ
ス)を更新することができず、LGWAN 接続系から「マイナポータル申請管理」を利用
して申請処理状況を登録する必要があった。
本改定でマイナンバー利用事務系からの
特定通信が認められたことにより、マイナンバー利用事務系の申請管理システムから
直接、手続の申請処理状況を申請者にオンラインで伝えることが可能になった。
図表3 三層の対策の見直し(イメージ) 143.3 オンライン化すべき手続とその方向性
準拠すべき法律等を踏まえ、
自治体が行政手続のオンライン化に取り組むに当たっ
ては、各手続の種類に応じて、以下を踏まえたシステム整備等の方向性を検討する。
(1)31 手続のうち、子育て関係・介護関係の 26 手続(市町村対象手続)
子育て関係・介護関係の 26 手続については、
「デジタル社会の実現に向けた重点
計画」や「自治体 DX 推進計画」の趣旨を踏まえ、原則、全自治体で、マイナポータ
ルからマイナンバーカードを用いたオンライン接続を検討すること。
申請情報入力フェーズ(申請画面・機能の構築)について
マイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン接続を行う場合、住民が
行政手続を行う際に入力する申請画面・機能の構築は、以下のいずれかの方法が
選択可能となる。
(マイナポータルの全自治体接続基盤の構築や申請書の標準様式
(プリセット)など、下記A及びBについての詳細は「6.国の主な支援策等」に
記載。)A)ぴったりサービスの利用
B)ぴったりサービス申請 API を活用し、民間 WEB サイトやアプリ等において申
請画面及び機能を構築(マイナポータルにおいては、令和2年 12 月から、
地方公共団体や民間事業者において「ぴったりサービス申請 API」と連携し
た WEB サイトやアプリを開発することで、ぴったりサービスの基盤を活用し
た独自のオンライン申請サービスを住民に提供することが可能。)申請情報受付フェーズ(地方公共団体内のシステム)について
住民から申請されたデータをぴったりサービスから基幹システムにエンドトゥ
エンドで接続するためのシステム改修等を行う。
自治体では、
「地方公共団体にお
ける情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を踏まえ、自団体のセキ
ュリティポリシーの見直しを適切に行ったうえで、エンドトゥエンドのオンライ
ン接続が実現できる。
令和3年9月 30 日に策定した標準仕様では、連携サーバや FW(ファイヤーウォー
ル)の設置、その他周辺機器の改修、LGWAN 接続系とマイナンバー利用事務系との接
続に係る改修等が必要であることや、連携サーバと基幹システム間のデータ連携につ
いて、申請管理システムを導入し、申請管理に必要な機能を集約する構成とすること
等を標準的なシステム構成例として示している。
令和4年度中にほとんどの住民がマイナンバーカードを保有することを想定して
おり、マイナンバーカードを保有するメリットを住民が最大限享受できるよう、マイ
ナポータルからの申請データを、
特定通信を通して申請管理システムに取り込んで格
納する機能の構築等や、既存住基システム等の改修を行うことにより、オンライン手
続の受付体制を整備することが必要である。 15さらに、よりスムーズに手続を受け付けることを可能とし、行政運営の簡素化・効
率化に資するよう、手続の処理件数等を勘案した上で、申請管理システムと基幹シス
テムとの接続を行い、
エンドトゥエンドのオンライン接続を実現させることを積極的
に検討する。
図表4 自治体の行政手続のオンライン化の仕組み(イメージ)
(2)31 手続のうち、罹災証明書の発行申請手続(市町村対象手続)
令和4年度から、内閣府が開発を行った「クラウド型被災者支援システム」が地
方公共団体情報システム機構によって運用開始予定であり、マイナポータル(ぴっ
たりサービス)との連携が想定されている。
(注記) 「クラウド型被災者支援システム」とは、総務省の「小規模市町村向けクラウド基盤の構
築によるマイナンバーカードを活用した住民票の写し等のコンビニ交付サービスの導入促進
に向けた実証事業」
(令和2年度補正予算第1号)において構築されたクラウド型バックアッ
プセンターと、クラウド型バックアップセンター上に構築する被災者支援システム、罹災証
明書等の電子申請受付システム及び罹災証明書のコンビニ交付のための証明書交付センター
を含めた全体を指す。
本システムでは、各自治体において導入している被災者支援システムとの連携も
想定しているため、既に民間事業者が提供している被災者支援システムを導入して
いる自治体については、クラウド型被災者支援システムと連携して罹災証明書のコ
ンビニ交付に係る機能を利用することが可能である。
(例えば、
被災者支援システム 16は独自のものを利用した上で、クラウド型被災者支援システムのうち、罹災証明書
のコンビニ交付に係る機能のみを導入する等の運用が考えられる。)よって、当該手続のオンライン化に際しては、1内閣府が整備するクラウド型被
災者支援システムを導入する、
2上記(1)のように、
標準的なシステム構成例を参照
し、マイナポータルと各自治体で導入している被災者支援システムのオンライン接
続を行う(この際、自治体の選択により、クラウド型被災者支援システムの機能と
連携する)、の2通りが考えられる。
各自治体において適切な方法を検討すること。
詳細については、今後、内閣府から示されるが、総務省からも情報提供を行う予
定である。
(3)31 手続のうち、自動車保有関係手続(都道府県対象手続)
当該4手続については、警察庁・総務省・国土交通省が提供する自動車保有関係
手続のワンストップサービスにより対応。
(標準的なシステム構成例は用いない。)(4)転出届・転入予約(市町村対象手続)
転出・転入手続については、
「デジタル・ガバメント実行計画」等を踏まえ、マイ
ナンバーカード所持者がオンラインで転出届・転入予約を行い、転入地があらかじ
め通知された転出証明書情報及び転入予約情報により事前準備を行うことで、手続
時間の短縮、ワンストップ化を図れるよう、デジタル社会形成整備法により住民基
本台帳法(昭和 42 年法律第 81 号)が改正された。
この転出・転入手続のワンストップ化については、令和4年度中の実現に向け、
現在、必要なシステム改修を実施しているところである。マイナポータルを活用し
た転出・転入手続に係る住民からのオンライン申請(転出届・転入予約)の需要増
に対応し、上記(1)の子育て関係・介護関係の 26 手続と同様に、マイナポータルか
らマイナンバーカードを用いてオンラインで転出届・転入予約ができるよう、検討
することが必要である。 17図表5 転出・転入手続のワンストップ化
(5)上記を除く全ての手続
各種行政手続についてマイナポータルを利用することを推奨するが、それ以外の
方法によるオンライン化を妨げない。
ただし、
基幹系 20 業務システムについては、それぞれ標準仕様が作成され、これ
らに係る手続については、マイナポータルとのオンライン接続について記載される
可能性があることを踏まえ、オンライン化の際にはぴったりサービスの活用または
ぴったりサービス申請 API の活用を前提として調達を検討し、将来的に手戻りのな
いようクラウドでの導入の検討、またはシステムの作り込みの回避をすることが望
ましい。
1申請情報入力フェーズ(申請画面・機能の構築)について
マイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン接続を行う場合について
は、(1)1の「申請情報入力フェーズ(申請画面・機能の構築)について」を参照
すること。
なお、マイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン接続を行わない場
合、各地方公共団体において、独自のオンライン申請サービス(汎用的電子申請
システム 1
)を構築する。1「汎用的電子申請システム」にはぴったりサービスも含まれるが、本手順書では便宜上、
「汎用的電子申請シ
ステム」の記載はぴったりサービスを除いた、自治体独自のオンライン申請サービスを指すこととする。 182申請情報受付フェーズ(地方公共団体内のシステム)について
マイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン接続を行う場合について
は、(1)2「申請情報受付フェーズ(地方公共団体内のシステム)について」を参
照すること。
なおマイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン接続を行わない場合、
独自のオンライン申請サービス(汎用的電子申請システム)を構築する。
汎用的電子申請システムを検討する場合は、そのサービスが利用しているシステム
環境を必要に応じて確認する必要がある。確認にあたり、、「地方公共団体における情
報セキュリティポリシーに関するガイドライン」のクラウドサービスの利用等を参照
し、適切にサービスを選択すること。
3.4 オンライン化の方法
「3.3 オンライン化すべき手続とその方向性」で示したマイナポータルと基幹シス
テムとの申請データの連係は、
各地方公共団体での現在の状況や自治体業務システム
標準化の動向等を鑑みた上で、
以下の対応方法のなかから適切な方法でオンライン化
を行うこと。
図表6 オンライン化の方法
(注記)マイナンバーカードを用いて既に汎用的電子申請システム等でオンライン申請を
行っている自治体は、
ぴったりサービスの手続検索に汎用的電子申請システムへの
リンクを記載する等の連携を検討すること。
概要 補助金対象 基幹システム改修Aマイナポータルからの申請データを、特定通信を通して申請管理システムに取り込み、格納する機能の構築等
や、既存住記システム等の改修を行う。さらに、申請管理システムと基幹システムとの接続を行い、エンドトゥエンド
のオンライン接続を実現させることを積極的に検討。
(注記) 「自治体の行政手続のオンライン化に係る申請管理システム等の構築に関する標準仕様書」(令和3年9月30日総務
省)3.4における方式3又は4
しろまる しろまるBマイナポータルからの申請データを、特定通信を通して申請管理システムに取り込み、格納する機能の構築等
や、既存住記システム等の改修を行う。基幹システムの改修は行わず、申請内容照会画面からの転記又は
RPA等簡易ツールの利用による連携方式を採用する。
(注記) 「自治体の行政手続のオンライン化に係る申請管理システム等の構築に関する標準仕様書」(令和3年9月30日総
務省)3.4における方式1又は2
しろまる -Cマイナポータルからの申請データを、LGWAN端末からマイナポータル申請管理にアクセスして申請データを取得。
LGWAN端末→基幹システム間はデジタル(RPA、USB等)手段で連携。 - -Dマイナポータルからの申請データを、LGWAN端末からマイナポータル申請管理にアクセスして申請データを取得。
LGWAN端末→基幹システム間はオフライン(紙で打ち出し手入力)で連携。 - - 19図表7 (A)申請管理システムと基幹システムの接続
図表8 (B)申請管理システムを導入 基幹システムとは画面転記・RPA 等で接続
政府共通NWLGWAN
地方公共団体
LGWAN
接続ルータ
マイナンバー利用事務系
LGWAN接続系
基幹システム
申請管理システム
DMZ(新設)
特定通信
特定通信
連携サーバ
基幹システム改修
一括取込機能等で連携
ぴったりサービス
省庁連携機能
開示システム
LGWAN-ASPサービス
マイナポータル(デジタル庁)
J-LIS
地方公共団体
情報システム機構
電子署名の有効性確認
各団体の判断により
利用継続は可能
電子署名の有効性確認
電子申請
住民
申請データの
ダウンロード
マイナポータル申請管理
(申請データ
ダウンロード機能)
政府共通NWLGWAN
ぴったりサービス
省庁連携機能
開示システム
LGWAN-ASPサービス
マイナポータル(デジタル庁)
J-LIS
地方公共団体
情報システム機構
電子署名の有効性確認
各団体の判断により
利用継続は可能
電子署名の有効性確認
電子申請
住民
申請データの
ダウンロード
マイナポータル申請管理
(申請データ
ダウンロード機能)
地方公共団体
LGWAN
接続ルータ
マイナンバー利用事務系
LGWAN接続系
基幹システム
申請管理システム
DMZ(新設)
特定通信
特定通信
連携サーバ
画面転記・RPAで連携 20図表9 (C)LGWAN 端末で申請データ取得 基幹システム間はデジタル手段で連携
図表 10 (D)LGWAN 端末で申請データ取得 基幹システム間はオフラインで連携
ぴったりサービス
省庁連携機能
開示システム
LGWAN-ASPサービス
マイナポータル(デジタル庁)
J-LIS
地方公共団体
情報システム機構
電子署名の有効性確認
各団体の判断により
利用継続は可能
電子署名の有効性確認
電子申請
住民
申請データの
ダウンロード
マイナポータル申請管理
(申請データ
ダウンロード機能)
LGWAN
接続ルータ
マイナンバー利用事務系
LGWAN
接続端末
LGWAN接続系
LGWAN
政府共通NW基幹システム
デジタル(RPA、USB等)
手段で連携
地方公共団体
ぴったりサービス
省庁連携機能
開示システム
LGWAN-ASPサービス
マイナポータル(デジタル庁)
J-LIS
地方公共団体
情報システム機構
電子署名の有効性確認
各団体の判断により
利用継続は可能
電子署名の有効性確認
電子申請
住民
申請データの
ダウンロード
マイナポータル申請管理
(申請データ
ダウンロード機能)
LGWAN
接続ルータ
マイナンバー利用事務系
LGWAN
接続端末
LGWAN接続系
LGWAN
政府共通NW基幹システム
紙出力
手入力
地方公共団体 214. 自治体における作業手順
行政手続のオンライン化の取組みに当たっては、3に示した方向性を踏まえた上で、
「推進体制の構築」、「オンライン化に取り組む手続の検討」、「仕様検討・調達」、「サ
ービスの導入・運用」の4つのフェーズに沿って、それぞれ作業項目を整理する。
本章では、4.1 及び 4.2 において、全ての手続に共通した手順(推進体制の構築、
オンライン化に取り組む手続の検討)を示した上で、4.3 から 4.5 において、子育て
関係・介護関係の 26 手続や、それに併せてマイナポータルと自治体の基幹システム
のオンライン接続を行う各種手続に係る取組みに係る自治体の手順を示している。
各自治体においては、
本章に沿ってオンライン化の取組みを進めることを想定して
いるが、本作業項目及び想定月数はあくまで例示であり、各自治体の現況等に応じて
作業項目の整理をされたい。
4.1 推進体制の構築
行政手続のオンライン化の推進には、既存業務フローの見直し、BPR 等が必要であ
り、
その推進過程においては、
庁内において様々な意見の違いが生じると考えらえる。
そのような違いを超えてオンライン化を推進するためには、システムのオープン化や
市町村合併時のシステム統合で経験した時と同じように、実施に向けた強いメッセー
ジを、全職員に同じ意識で浸透させることが必要となる。すなわち、CIO をはじめと
する上位層からのガバナンスの効いた体制が必要となる。
加えて、BPR を実施する観点から、ICT の知見がある職員と業務に詳しい職員が協
働できるような体制が必要となる。
よって、自治体がオンライン化に取り組むに当たって、まずは、早期に全庁的・横
断的な推進体制を立ち上げることが重要である。その際には、準備段階で首長等に説
明を行い、オンライン化に係る体制整備の理解を得ることが求められる。その際、準
拠すべき法律等をはじめ、オンライン化の目的・意義、検討スケジュール等を含めて
説明を行うことが望ましい。
全体のネットワーク構築等に関わる見積り・予算化・プロジェクト推進は、こうし
た全庁的・横断的な推進体制のもと、
DX 推進担当部門や情報政策担当部門が取りまと
めることを想定する。
4.2 オンライン化に取り組む手続の検討
各自治体におけるオンライン化の取組みの進捗状況は様々であるところ、オンライ
ン化に取り組む手続の検討手順について、自治体を以下の4類型に分類した上で提示
する。
1今後、行政手続のオンライン化に取り組む自治体
2現在、ぴったりサービスを導入し、オンライン化を実施している自治体
3現在、汎用的電子申請システムを導入し、オンライン化を実施している自治体 224手続により、ぴったりサービスと汎用的電子申請システムをそれぞれ導入し、オン
ライン化を行っている自治体
だいやまーく子育て関係・介護関係の 26 手続及び転出届・転入予約
子育て関係・介護関係の 26 手続については、原則、全自治体で、マイナポータ
ルからマイナンバーカードを用いたオンライン接続を検討することを求めている
ため、
オンライン化未導入の手続がある場合には、
オンライン化の取組みを進める。
また、転出届・転入予約についても同様に検討すること。
・1の自治体
オンライン化に取り組む際には、
システム導入の簡便さやコスト等に鑑みれば、
ぴったりサービスの導入によりオンライン化に取り組むことが推奨される。
・2の自治体
これらの手続のうち、オンライン化していない手続について、ぴったりサービ
スを利用したオンライン化に取り組む。
・3の自治体
既存の汎用的電子申請システムを引き続き使用することも考えられるが、令和
3年度及び令和4年度において、後述のデジタル基盤改革支援補助金が活用でき
ることも踏まえ、既存システムの更新時期や利便性、費用対効果等を勘案し、既
存システムにおける申請画面とぴったりサービス申請APIの連携を行うことや、
ぴったりサービスへの移行を行うことによって、エンドトゥエンドのオンライン
接続を可能とし、これまで以上の業務効率化を図ることについて検討を行うこと
も考えられる。
・4の自治体
ぴったりサービスの導入によりオンライン化に取り組むことが推奨されるが、
既にオンライン化に取り組んでいる手続との関係や上記3等も踏まえ、取組みの
方針を検討する。
だいやまーく上記以外の手続
上記以外の手続についてもオンライン化を検討する場合、まず、DX 推進担当部門
や情報政策担当部門、行政改革担当部門が中心となり、自治体内の手続の洗い出し
が必要となる。その上で、手続の処理件数、紙原本の提出の必要性、添付書類の性
質(例えば、添付書類が運転免許証や通帳等、申請者の手元にあるような手続の場
合は、
オンライン化に適していると考えられる。)等について検証を行った上でオン
ライン化に適した手続を選定し、更に、業務効率化等の観点から、オンライン化す
べき手続の優先順位を検討する。
これらにより、
オンライン化に取り組む手続を決定した後、
上記
だいやまーく子育て関係・
介護関係の 26 手続及び転出届・転入予約」における1〜4の自治体類型ごとの考
え方に準じて、ぴったりサービスの導入又は汎用的電子申請システムの導入を検討
する。 23なお、
「3.3(5)上記を除く全ての手続」にあるとおり、基幹系 20 業務システム
については、それぞれ標準仕様が作成され、これらに係る手続については、マイナ
ポータルとのオンライン接続について記載される可能性があることを踏まえ、オン
ライン化の際にはぴったりサービスの活用またはぴったりサービス申請 API の活用
を前提として調達を検討し、将来的に手戻りのないようクラウドでの導入の検討、
またはシステムの作り込みの回避をすることが望ましい。
4.3 仕様検討・調達
4.1 及び 4.2 のとおり、DX 推進担当部門や情報政策担当部門、行政改革担当部門を
中心とし、プロジェクトを立ち上げ、オンライン化に取り組む手続が決定された後、
関係規定等の検討・整備や予算要求、調達仕様の作成等、システム導入に向けた具体
的な作業に移ることとなる。
4.3 から 4.5 では、子育て関係・介護関係の 26 手続や、転出届・転入予約等併せて
マイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン接続を行う各種手続について、
取組みを行う場合の自治体作業を想定し、具体的な作業手順を提示することとする。
しろまる関係規定等の検討・整備
・三層の対策の見直し(マイナンバー利用事務系の分離の見直し)
「3.2 三層の対策の見直し(マイナンバー利用事務系の分離の見直し)
」参照
三層の対策の見直しを踏まえ、情報セキュリティポリシーを適切に見直し、変更す
る。
・規則等の改正
申請様式が規則等で定められている場合に、
必要に応じて規則等の改正を実施する。
しろまる調達仕様作成、予算要求
エンドトゥエンドのオンライン接続に係る標準仕様を確認した上で、関係部門やベ
ンダと協議し、事業内容について検討等を行う。
具体的には、以下のような内容について検討等を行う。
(標準的なシステム構成例
等の詳細は 5.において後述する。)・ぴったりサービス未導入団体においては、導入に向けた登録作業。また、ぴったり
サービスの画面を確認し、申請書のプリセット内容や編集方法を確認する。
・現在の申請受付事務フローを整理し、オンライン申請を導入した場合の事務の運用
方法を机上でシミュレーションして検討する。・マイナポータルのぴったりサービスから基幹系システムへ申請データを効率的に取
り込むための庁内ネットワークについての検討を行う。・業務システムを担当している事業者へ標準仕様や申請受付事務フローの検討結果を
元に、意見照会を行う。 24・住民記録システムの事業者には、申請者(本人)の利用者証明用電子証明書のシリ
アル番号を元に業務宛名番号を取得する方式等について意見照会を行う。
・申請情報入力フェーズ(申請画面・機能の構築)について、ぴったりサービスを利
用するのか、又はぴったりサービス申請 API を活用し、民間 WEB サイトやアプリ等
において申請画面及び機能を構築するのかについて検討する。
これらの検討を行った上で、協議した内容に沿ったサービスの提案・見積をベンダ
より入手し、関係部門と協議を行った上で予算要求を行う。
・また、デジタル基盤改革支援補助金を活用する場合には、補助金事務を行う。
4.4 サービスの導入、運用
ベンダからシステムを調達した後、関係部門は、事業者と契約後、本番システム環
境の機能を実機確認し、実運用の流れを再確認する。必要に応じ、各手続の事務運用
マニュアルを整備する。また、本稼働を行う時期に合わせて、広報誌、ホームページ
等による広報(利用促進)を行い、住民が必要な手続をインターネットで検索した際
に、
そのキーワードでヒットする最初のページのわかりやすい場所に URL を貼り付け
るなどの方策も有効である。
また、運用開始後、オンラインの利用率を伸ばすためには、オンライン化は住民に
とって使いやすいものでなければならず、一度対応したら終わりではなく、UI/UX を
常に見直していく必要がある。そのためには、手続時に戸惑う部分や誤記入が多いポ
イント等を確認するなど普段から住民の声を聞き改善していくための体制づくりを
引き続き構築していくことが重要である。併せて、オンラインは窓口と比べて問合せ
への柔軟な対応が困難な側面があるため、Q&A の充実、チャットボット等を整備し、
状況に応じて窓口へ誘導するなど、住民目線での対応も求められる。 254.5 全体スケジュールのイメージ
7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4
令和4年度
本書記載箇所、
今後公表予定資料との対応
実施
主体
作業内容
予算要求・予算調整
令和3年度市区町村
広報
関係規定等の
検討・整備
インターフェイス
(ぴったりサービス申請API)
推進体制の構築
運用テスト
運用
調達仕様作成
調達手続
調達
導入(・移行)
現状把握
オンライン化する手続と方向性の検討
関係部門との協議ベンダ提案
サービス提供準備
サービス移行
サービス提供開始
検討組織立ち上げ
標準仕様確認、庁内ネットワークベンダ、業務システムベンダへの意見照会
検討・調達等 テスト・導入
セキュリティポリシーの変更 申請様式等の規則改正
補助金事務
標準仕様をもとに提案・見積
サービス約款等説明の実施
導入手続検討 運用方法検討
4.1 推進体制の構築
2.1 必要性、準拠すべき法律等
3 オンライン化の取組み方針
オンライン接続に係る標準仕様書(令和3年夏)
4.3 仕様検討・調達 4.4 サービスの導入、運用
4.2 取組む手続の検討 26図表 11 オンライン化の取組み全体の流れ
No 作業項目 作業内容
1 推進体制の構築
・DX 推進担当部門や情報政策担当部門を中心とし、全
庁的・横断的な推進体制を立ち上げる。
2 関係部門との協議
・子育て関係・介護関係の 26 手続に加え、新たにオン
ライン申請を導入または、ぴったりサービスへの移
行を行う手続を選定する。
・現在の申請受付事務フローを整理し、オンライン申
請を導入した場合の事務の運用方法を机上でシミュ
レーションして検討する。
((注記)1)3現状把握
オンライン化する手続と
方向性の検討
・子育て関係・介護関係の 26 手続以外の手続について
は自治体内の手続の洗い出しを行い、必要な検証を
行った上でオンライン化に適した手続を選定し、業
務効率化等の観点から、オンライン化すべき手続の
優先順位を検討する。
・子育て、
介護に係る 26 手続のぴったりサービス導入
またはぴったりサービスへの移行にあわせ、可能な
限り多くの手続をぴったりサービスで受け付けるこ
とで、マイナポータルと基幹システムのオンライン
接続を行う。
4 関係規定等の検討・整備
・三層の対策の見直しを踏まえ、情報セキュリティポ
リシーを適切に見直し、変更する。
・申請様式が規則等で定められている場合に、必要に
応じて規則等の改正を実施する。
5 予算要求・予算調整
・標準仕様、関係部門との協議、関係ベンダとの協議
を元に予算要求を行う。
・補助金事務を行う。
6 調達仕様作成
・エンドトゥエンドのオンライン接続に係る標準仕様
を確認し、具体的な事業内容を検討する。
・ぴったりサービス未導入団体は導入に向けた登録作
業を行う。また、ぴったりサービスの画面を確認し、
申請書のプリセット内容や編集方法を確認する。
・現在の申請受付事務フローを整理し、オンライン申
請を導入した場合の事務の運用方法を机上でシミュ
レーションして検討する。((注記)1)
・マイナポータルのぴったりサービスから基幹系シス
テムへ申請データを効率的に取り込むため、庁内ネ
ットワークの検討を行う。
・業務システムを担当している事業者へ標準仕様や事
務運用検討結果を元に、意見照会を行う。
・住民記録システムの事業者には、申請者(本人)の
シリアル番号を元に業務宛名番号を取得する方式等
について意見照会を行う。
・申請情報入力フェーズ(申請画面・機能の構築)に
ついて、
ぴったりサービスを利用するのか、
又はぴっ
たりサービス申請 API を活用し、民間 WEB サイトや
アプリ等において申請画面及び機能を構築するのか
について検討する。
((注記)2) 27No 作業項目 作業内容
7 調達手続 -
8 調達 -
9 導入(・移行) -
10 運用テスト
・関係部門は、事業者と契約後、本番システム環境の機
能を実機確認し、実運用の流れを再確認する。・必要に応じ、
各手続の事務運用マニュアルを整備する。11インターフェース
(ぴったりサービス申請API)
・申請情報入力フェーズ(申請画面・機能の構築)につ
いて、ぴったりサービスを利用するのか、又はぴった
りサービス申請 API を活用し、民間 WEB サイトやアプ
リ等において申請画面及び機能を構築するのかについ
て検討する。
((注記)2)
・導入をする場合は、ぴったりサービスへの登録作業、
調達を行う。
12 広報
・本稼働を行う時期に合わせて、広報紙、ホームページ
等による広報(利用促進)を行う。
((注記)1)
:No2 及び No6 において、検討が必要である。
((注記)2)
:No6 または No11 のどちらかにおいて、検討が必要である。 28(参考)申請受付事務フローの整理の例
前述のとおり、
マイナポータルのぴったりサービスから基幹系業務システムへ申
請データを取り込み、申請データを処理する運用の検討を開始する前に、現行の事
務フローを整理する必要がある。ベンダとも協力し、整理内容とベンダの提案内容
との差異を再確認する等、実態に即した運用が可能であるか丁寧に整理し、システ
ム導入を推進する必要がある。また、運用開始後のオンライン申請件数割合上昇に
より、適宜事務運用を見直しすることも重要である。
以下に、児童手当の現況届に関する申請受付事務フローの整理例を示す。
図表 12 児童手当の現況届の申請受付事務フロー例(オンライン化前)
【業務フロー概要】
(オンライン化前)
 手続準備
対象者を児童手当システムから出力し、対象者へ送付する通知用書類(案内文、現況
届、一部の対象者向け添付書類)を作成する。
 情報収集
市区町村で用意した現況届、添付書類を案内文、返送用封筒と併せて対象者へ郵送す
る。
 申請書作成
市区町村から送付された申現況届及び添付書類に必要事項を記入、押印する。
 申請
対象者は、作成した申請書及び添付資料を返送用封筒にて市区町村へと返送する。期限
までに提出が無い場合、市区町村は対象者へ勧奨通知や差止通知を適宜送付する。 29 内容審査
受領した書類を確認し、内容に不備があった場合はその旨を不備通知にて対象者へ連絡
する。
 結果入力
現況届及び添付書類記載の内容を基幹システムに登録する。
 支給
登録内容に基づき、基幹システムから対象者及び支給金額・振込先口座の一覧表を出力
する。その後財務情報システムから振込依頼書を作成し、内部決裁を完了の上、会計課
へと提出する。会計課は提出された内容に基づき金銭の給付を金融機関へ依頼する。
 通知
確定した支給金額に基づき基幹システムから支払通知書を作成、出力し、対象者へ送付
する。
【手続の特徴】
対象者へ送付する申請書(現況届)には、市区町村が申請書を作成した時点での保有情報が
事前入力されたものを使用しており、申請者自身の情報に変更がない場合、押印して返送す
るだけで手続を完了できる。
返送された申請内容に通知時点から内容に変更がない場合、職員は現況届に印字されている
バーコードを利用して内容を基幹系システムに一括で取り込んでいる。 30図表 13 児童手当の現況届の申請受付事務フロー例(オンライン化の効果検証)
オンライン化後の紙の削減余地、
手間の削減余地について、
効果検証を行うことで、
実現可能な業務フローの検討を行う。 315. 標準的なシステム構成例
「自治体の行政手続のオンライン化に係る申請管理システム等の構築に関する標
準仕様書」
(令和3年9月 30 日)を参照すること。 326. 国の主な支援策等
3.3(1)および 5.において記載したとおり、国では令和4年度中にほとんどの住民
がマイナンバーカードを保有することを想定しており、マイナンバーカードを保有す
るメリットを住民が最大限享受できるよう、自治体において、マイナポータルからの
申請データを、
特定通信を通して申請管理システムに取り込んで格納する機能の構築
等や、既存住基システム等の改修を行うことにより、オンライン手続の受付体制を整
備することが必要である。
さらに、よりスムーズに手続を受け付けることを可能とし、行政運営の簡素化・
効率化に資するよう、手続の処理件数等を勘案した上で、申請管理システムと基幹
システムとの接続を行い、エンドトゥエンドのオンライン接続を実現させることを
積極的に検討すること。
ここでは、自治体がこれらの取組みを行うに際して、マイナポータルに関する国の
取組みや財政支援について記載している。
6.1 マイナポータルに関する国の取組み
(1)マイナポータルの全自治体接続基盤の構築、申請書の標準様式
令和3年度に、マイナポータルにおいて全自治体との接続環境が整備された。既
存の省庁連携基盤を活用することで LGWAN 経由でマイナポータルが全自治体と接続
できるようになるため、全ての地方公共団体が LGWAN-ASP サービスを個別に調達す
ることなく、オンライン申請の受付が可能となる。このように、住民が、マイナポ
ータル(ぴったりサービス)を利用し、インターネット経由で行われた行政サービ
スに関する電子データを、地方公共団体が LGWAN を通じてダウンロード等できるサ
ービスを「マイナポータル申請管理」という。
地方公共団体が申請データを取得するための手段として、ブラウザ操作で利用を
可能とする WEB サイトと、システムでデータ取得を可能とする外部接続インターフ
ェースが用意されている。このうち、後者のマイナポータル申請管理が提供するイ
ンターフェースのひとつに「申請処理状況登録 API」がある。これは、手続の受付
番号を指定して、当該手続に係る申請処理状況の登録及び自治体コメントを登録・
削除する API であり、これにより、申請者に、申請書の修正の必要性等、現時点で
の手続の処理状況を伝えることができる。
また、子育て・介護・被災者支援等の手続を対象として、マイナポータルの申請
書の標準様式が利用できるようになる。従来、自治体は、マイナポータルの「ぴっ
たりサービス」を利用する際、団体ごとに紙様式の読込みや申請フォームの作成を
行っていたが、
標準様式としてマイナポータルに標準様式・申請フォーム
(ひな形)
をプリセットすることで、この手間をなくすことができる。 33図表 14 マイナポータル申請管理
図表 15 全自治体接続基盤の構築
申請処理状況登録 API 34図表 16 申請書の標準様式・申請フォーム(ひな形)の活用
なお、標準様式のプリセットは、子育て・介護・被災者支援等の主要手続や処理
件数の多い手続から順次実施されるが、
民間ポータルサイトである
「Yahoo!くらし」
において「ぴったりサービス申請 API」の標準様式を活用した WEB サイトやアプリ
が提供されていること、今後の様々なデータ連携の施策を推進するためにも、全自
治体において標準様式の利用を検討することが重要となる。
図表 17 プリセット対象手続 35(2)マイナポータルの UI/UX 改善
デジタル庁において、マイナポータルの UI/UX 改善が行われる。画面や操作手順
(フロー)など、可能なものから改善される。
・入力フローを最適化して、入力ステップを削減(令和3年6月)
・行政機関等にある自分の情報や申請履歴を用いて、再入力をなくす(令和3年
秋以降順次)
(3)ぴったりサービス申請 API の提供
様々な WEB サービス等からマイナポータルの「ぴったりサービス」の検索・申請
機能を利用できるよう、ぴったりサービス申請 API の提供が開始されている。地方
公共団体が提供する汎用的電子申請システムや民間事業者において、ぴったりサー
ビス申請 API と連携した WEB サイトやアプリを開発することで、ぴったりサービス
の基盤を活用した独自のオンライン申請サービスを住民に提供できるようになる。
なお、令和3年度には、民間ポータルサイトである「Yahoo!くらし」において、
「ぴったりサービス申請 API」と連携した自治体へのオンライン申請が開始されて
いる。
図表 18 ぴったりサービス申請 API の提供 36図表 19 自治体の行政手続オンライン化の仕組み(イメージ)
(再掲)
6.2 財政措置
(1)デジタル基盤改革支援補助金
総務省にて自治体の基幹システムとぴったりサービスとのエンドトゥエンド接
続の標準仕様を令和3年9月 30 日に策定した。
デジタル基盤改革支援補助金(自治体オンライン手続推進事業)は各自治体にお
いて、子育て(15 手続)及び介護(11 手続)を含む特に住民の利便性向上に資する
手続のオンライン化に向け、マイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン
接続を行うため、マイナポータルへの接続に当たっての機器設定、連携サーバ等の
設置に要する経費に対して補助する。
なお、当補助金の活用に当たっては、子育て・介護 26 手続についてマイナポー
タルと自治体の基幹システムのオンライン接続が完了することを必須要件として
いるが、これらの手続の一部について、オンライン接続を実施しない正当な理由が
あると地方公共団体情報システム機構及び総務省が認める場合は、この限りではな
い。 37(注記)正当な理由の例
・小規模団体等において年間の手続き件数が極端に少なくオンライン化の費用対効
果が見込めない場合・学校給食費を地方公共団体の会計に組み入れる
「公会計制度」
を採用しておらず、
「受給資格者の申出による学校給食費等の徴収等の申出」
「受給資格者の申出に
よる学校給食費等の徴収等の変更等の申出」の手続自体を受け付けていない場合等
【事業期間】 令和4年度末まで
【補 助 率】 1/2 (令和2年度第3次補正予算:249.9 億円)
(注記)地方負担については普通交付税措置
【対象経費】
ア 連携サーバ・FW 設置費用・その他周辺機器改修
A)連携サーバ
・特定通信用プロキシサーバ等の構築
・ホワイトリスト型にて宛先を制限
B)連携サーバ用ファイアウォール
・連携サーバ経由での通信経路を設定
C)マイナンバー利用事務系 NW 機器(既存機器設定変更)
・連携サーバ用セグメント向けルーティング追加
・連携サーバ用ファイアウォール接続ポートの設定
イ LGWAN とマイナンバー利用事務系との接続に係る改修作業費用
A)LGWAN ファイアウォール(既存機器設定変更)
・連携サーバから LGWAN 向け通信ポリシーの設定追加
・連携サーバ用ファイアウォール接続ポートの設定
ウ 基幹システムの改修が必要な場合は、その改修作業費用
A)各業務システムとの連携に係る費用
B)申請管理システムの導入に係る費用
(2)特別交付税(共同オンラインシステムの導入経費)
令和4年度末までに、共同利用における汎用的電子申請システム(ぴったりサー
ビスを含む)を導入し、電子申請の受付を開始する都道府県又は市町村に対して、
その導入に要する経費について特別交付税措置を行う。
なお、
当該対象経費には、
ハードに関する経費、
システム運用経費は含まれない。 38加えて、デジタル社会の実現に向けた重点計画に定められている「地方公共団体が
優先的にオンライン化を推進すべき手続」を含んでいることが当該措置の要件であ
る。
【事業期間】 令和4年度末まで
【措 置 率】 0.5 (財政力補正あり。)
【対象経費】
ア オンライン申請システムの導入費用
(電子申請を共同利用している既存グループが存在する場合には、既
存システムの改修費用)
イ システムの要件定義費用
ウ 団体マスタ登録費用
エ 都道府県によるポータルサイト設置費用
オ 都道府県によるポータルサイトへ当該団体コンテンツ掲載費用
カ 当該団体のコンテンツ作成費用(申請者向け・職員向け)
キ システム導入時の運用テスト費用 397. 用語集
用語 解説
API API(Application Programming Interface)
API とは、あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)
の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラム
から呼び出して利用するための手順やデータ形式などを
定めたインターフェースのこと。
DMZ DMZ(DeMilitarized Zone)
(非武装地帯/非武装セグメント)DMZ とは、インターネットなどに接続されたネットワー
クで、ファイアウォールなどの機器を用いて外部と内部
の両ネットワークの中間に設けられたネットワーク領域
のこと。
FQDN FQDN(Fully Qualified Domain Name)
(完全修飾ドメイ
ン名/絶対ドメイン名)
インターネットなどにおけるドメイン名の表記法の一つ
で、トップレベルドメイン(TLD)から順番に、サブドメ
イン名やホスト名など各階層を省略せずにすべて指定し
た形式のこと。
FW ファイアウォール(firewall)
ファイアウォールとは、
ネットワークの境界に設置され、
内外の通信を中継・監視し、外部の攻撃から内部を保護
するためのソフトウェアや機器、システムなどのこと。
JPKI JPKI(Japanese Public Key Infrastructure)
(公的個人
認証サービス)
インターネットを通じて安全・確実な行政手続等を行う
ために、他人によるなりすまし申請や電子データが通信
途中で改ざんされていないことを確認するための機能を
提供するもの。
LGWAN 接続系
(図中等では
「LGWAN 系」
と示す場合もある)
LGWAN に接続された情報システムが接続するネットワー
クのこと。 40LGWAN-ASP LGWAN(Local Government Wide Area Network)
ASP(Application Service Provider)
LGWAN とは、地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互に接続し、
地方公共団体間のコミュニケーシ
ョンの円滑化、情報の共有による情報の高度利用等を図
ることを目的とした、高度なセキュリティを維持した行
政専用のネットワーク(インターネットから切り離され
た閉域ネットワーク)のこと。
LGWAN-ASP は、行政専用のセキュアなネットワークであ
る LGWAN を利用して、高度な品質のサービス及びリソー
スを地方公共団体間で共同利用することにより、地方公
共団体の IT 化の促進、IT 活用格差等の解消、システム
の導入及び運用の経済性を実現することを目的とするも
の。
宛名番号 市区町村内において業務ごとに個人、法人を一意に識別
するために付番した番号のこと。
「個人番号」、「住記個人
番号」と呼ばれることもあるが、番号法に基づく「個人
番号」
(いわゆるマイナンバー)
と混同されかねないため、
本手順書上は「宛名番号」と呼ぶ。
インターフェース インターフェース(interface)I/F / インターフェイス
接点、境界面、接触面、接合面、仲立ち、橋渡しなどの
意味を持つ英単語。IT 関連では、二つのものが接続・接
触する箇所や、両者の間で情報や信号などをやりとりす
るための手順や規約を定めたものを意味する。
「ハードウ
ェアインターフェース」
「ソフトウェアインターフェー
ス」
「ユーザーインターフェース」の三つに大別できる。
基本4情報 マイナンバー制度における氏名、住所、性別、生年月日
のこと。
境界 FW 本手順書において LGWAN 接続系とマイナンバー利用事務
系の間に接続し、通信を制御するファイアウォールのこ
と。
住基ネット CS
(コミュニ
ケーションサーバ)
本人確認情報(住民基本台帳法第 30 条の 6 第 1 項に規
定する本人確認情報をいう。)を記録し、
既存住基システ
ム、都道府県サーバ、他市町村 CS とデータ交換を行う
ためのサーバのこと。
署名用電子証明書 マイナンバーカードに格納された署名用電子証明書のこ
と。インターネット等で電子文書を作成・送信する際に
利用する
(例 e-Tax 等の電子申請)。「作成・送信した電
子文書が、利用者が作成した真正なものであり、利用者
が送信したものであること」を証明することがでる。 41団体内統合宛名システム 市区町村内の業務システムが個別に保有する個人、法人
の宛名情報(氏名・性別・住所・生年月日)を統一的に
管理するシステム。番号制度における情報連携に当たっ
て必要な符号の取得に係る機能、宛名情報を団体内統合
宛名番号、個人番号と紐づけて保存し、管理する機能、
中間サーバからの要求に応じて宛名情報を通知する機能
等を有する。
情報連携を行うため、中間サーバにおいて、各地方公共
団体の保有する個人情報と符号(情報提供ネットワーク
システムにおける情報連携において、個人の特定のため
に用いられる見えない番号)を紐づけて管理することに
なるが、セキュリティ確保の観点から中間サーバでは個
人番号そのものは保有できず、各地方公共団体において
一意に特定の個人を識別する番号
(団体内統合宛名番号)
と符号を紐づけて管理することとしている。
各種事務において情報連携を行うためには、
別途、
個人番号
と団体内統合宛名番号の紐付けを管理するシステムが必要
となり、団体内統合宛名システム等がこの役割を担う。
団体内統合宛名番号 既存業務システムが個別に保有している宛名情報
(氏名・住所などの基本 4 情報や送付先住所など)を統合・管理
し、さらに市区町村内で個人を一意に特定できる番号。
団体内宛名統合システムにおいて個人番号と紐付けて管
理される。番号制度導入以前に市区町村が保有していた
宛名番号は、同一人に対してそれぞれの業務システムで
異なる番号が付番されているケースが多かったため、番
号制度の導入に当たり、既存の宛名番号を統一し「団体
内統合宛名番号」として管理する必要があった。
特定通信 特定の連携先との通信のこと。本手順書においては、ぴ
ったりサービスとの通信を指す。
プロキシ機能 プロキシ(proxy)
企業などの内部ネットワークとインターネットの境界に
あり、内部のコンピュータの「代理」
(proxy)としてイン
ターネット上のコンピュータへ接続を行うコンピュータ
のこと。
また、
そのような機能を持つサーバソフトウェア。
マイナンバー利用事務系 個人番号利用事務に関わる情報システムが接続するネッ
トワークのこと。
利用者証明用電子証明書 マイナンバーカードに格納された利用者用電子証明書の
こと。インターネットサイトやコンビニ等のキオスク端
末等にログインする際に利用する(例 マイナポータル
へのログイン、コンビニでの公的な証明書の交付)。「ロ
グインした者が、利用者本人であること」を証明するこ
とができる。
連携サーバ 基幹システムと申請データを連携するための仕組みを持
つサーバのこと。 42 <連絡先>
総務省 自治行政局 地域力創造グループ
地域情報化企画室
電 話:03-5253-5525
メール:tiikijouhou@soumu.go.jp

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