-1-第122回人口・社会統計部会 議事録
1 日 時 令和3年6月3日(木)10:05〜12:05
2 場 所 Web会議
3 出席者
【委 員】
津谷 典子(部会長)、佐藤 香
【臨 時 委 員】
宇南山 卓、川口 大司
【審議協力者(各府省等)】
北村 弥生(長野保健医療大学特任教授)、内閣府、東京都
【調 査 実 施 者】
厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室:細井室長、小池室長補佐、保永室長補
佐ほか
【事務局(総務省)】
統計委員会担当室:萩野室長、吉野政策企画調査官
政策統括官(統計基準担当)付統計審査官室:内山統計審査官、森調査官、菊地副統計
審査官ほか
4 議 題 国民生活基礎調査の変更について
5 議事録
しろまる津谷部会長 それでは、若干定刻を過ぎておりますが、ただ今から第 122 回人口・社会
統計部会を開催いたします。
委員、そして審議協力者の皆様におかれましては、お忙しい中、WEBにて御参加いた
だき、ありがとうございます。私は、部会長を務めさせていただきます慶應義塾大学の津
谷です。よろしくお願いいたします。
本日は、緊急事態宣言が延長されたことを受けて、私以外の構成員の皆様には、WEB
で御参加をいただいております。ネットワークの状況など、ベストを尽くして細心の注意
を払いつつ進めさせていただきますが、途中、声が聞き取りづらくなったり、コネクショ
ンオフになったりというような不具合ございましたら、遠慮なく、当方にお知らせいただ
ければと思います。
では、本題に入らせていただきます。本日は、去る5月 26 日に開催されました第 164 回
統計委員会において諮問されました「国民生活基礎調査の変更」について、第1回目の審
議を行います。
今回の部会の構成については、参考1として、名簿をお配りしておりますが、この部会
の経常的な構成員である佐藤委員、宇南山臨時委員、川口臨時委員に加えて、審議協力者 -2-として、長野保健医療大学の北村弥生特任教授にも御参加いただいております。北村審議
協力者は長期にわたってワシントングループの検討に直接参加された方で、今回の大きな
変更事項の主要項目の1つである調査事項の追加について、実体験に基づいた御意見を頂
きたいということで、参加をお願いいたしました。
それでは、北村審議協力者から一言御挨拶をお願いいたします。
しろまる北村審議協力者 北村です。よろしくお願いいたします。
私この3月に定年退職いたしましたが、前任の国立障害者リハビリテーションセンター
研究所におりましたときに 10 年ほどワシントングループ会議に参加しておりました。今
日はよろしくお願いいたします。
しろまる津谷部会長 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
通常はここで事務局から配布資料の御紹介をお願いしていますが、今回はWEB開催で
あり、会議の時間をできる限り効率よく使いたいと思いますので、事務局による議事と資
料の説明については、省略させていただきます。
では、審議に先立ちまして、私から3点ほど申し上げます。
1点目は、審議の進め方についてです。審議はこれまでと同様に、資料3の審査メモに
沿って、事務局から審査状況と議論すべき論点を説明した後、資料4に基づいて、論点ご
とに調査実施者から回答を頂いた上で、それについて審議を行うという形で進めていきた
いと思います。審議の過程では、説明されている資料や議論になっている資料について、
随時、画面に表示します。
2点目は、参考2でお示ししている審議スケジュールについてです。今回の諮問につい
ては、本日の第1回目を含め合計2回の部会審議を予定しております。部会での審議状況
によっては、予備日を使うことになるかもしれませんが、進捗状況に沿って、これについ
ては逐次御報告し、調整をさせていただきたいと思っております。
現在の計画では、この2回の部会で一通りの審議を終え、答申案のおおよその内容や構
成についての御了解が皆様から得られれば、最終的な答申案は、書面決議により決定する
など、効率的に審議を進めたいと考えております。
ただ、もし2回の部会で審議が終了しなかった場合には、予備日に開催させていただく
ことになるかもしれません。これにつきましては、随時御判断を仰いで、こちらから御連
絡を差し上げます。
なお、答申案は、7月に開催予定の統計委員会で報告をしたいと考えております。
最後に、3点目ですが、
本日の国民生活基礎調査の変更の審議は 12 時までを予定してお
ります。
しかし、
審議の状況によっては予定時間を若干過ぎる可能性もあるかと思います。
そのような場合、御予定のある方は御退席いただいても結構です。
以上3点、よろしくお願いいたします。
それでは、審議に入らせていただきます。
まず、
諮問の概要については、
既に統計委員会等で説明をしていただいておりますので、
時間の節約のため、この場での説明は割愛させていただきます。
なお、
5月 26 日の統計委員会で諮問された際に、
統計委員会の委員から御発言がありま -3-したので、これについて事務局から御紹介をお願いいたします。
しろまる森総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官
それでは、席上配布資料として配布しました「諮問の際に示された御意見」を御覧くだ
さい。先日開催されました統計委員会に参加された委員からの御意見、御発言について紹
介いたします。
初めに、国全体で障害者統計を充実させることが重要と思うが、ワシントングループの
設問追加については、内閣府と厚生労働省の間で情報共有されているのか。また、このワ
シントングループの設問を地方自治体に情報提供することで、地方自治体の調査とも連携
が進めばよいと考えるとの発言がありました。
これについて厚生労働省から、内閣府、厚生労働省、総務省及び学識経験者で組織する
検討チームで検討を行い、取りまとめた報告書に沿って、今回、設問を新設したこと。ま
た、地方自治体とも情報交換をしていきたいとの回答がありました。
次に、本年の調査の実施に当たり、コールセンターの設置や実務説明動画の配信をする
との説明について、コロナ禍の令和3年に限らず、経常的な対応として続けていただきた
いとの要望がありました。また、別の委員から、今後の対応として、保健所の負担軽減に
ついて、オンライン調査の導入で十分と考えているのか、追加的な負担軽減策を考えてい
るのかと質問がありました。
厚生労働省からは、令和4年調査については、大規模調査かつオンライン調査を導入す
る計画であり、問合せが増えることが予想されるとして、コールセンターの規模拡大や、
実務説明動画の配信についても引き続き検討してまいりたいと回答がありました。
次に、本調査について、保健所と福祉事務所を経由する調査であるが、調査系統が異な
ることによる調査精度への影響についてどう考えているかとの質問がありました。
厚生労働省からは、歴史的な経緯があって現在の対応となっていること。それぞれの所
管機関で、関連項目の設問の質問に十分に対応してきていること。結果として、調査系統
が異なることで、調査精度の差異はないと考えている旨の回答がありました。
これを受け、委員から、保健所や福祉事務所が通常業務を行っている中で、調査業務を
効率的でシンプルにする余地があるかどうかは検討していく必要があるのではないかと意
見がありました。
また、現在の保健所経由は非常に合理的であるが、どのような調査系統が適しているか
は、将来的には検討していくことが必要だとの意見がありました。
事務局からは以上です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
委員会で示されたこれらの御意見につきましては、その場のやり取りでひとまず完結し
ていると思いますが、これらの御意見について、追加でコメントがありましたらお願いい
たします。よろしいでしょうか。
それでは、個別の審議に入りたいと思います。
まず、調査事項の変更、それに伴う集計事項の変更についてです。その中でも特に、日
常生活における機能制限の追加は、障害者統計の充実という観点からも大変重要な変更で -4-す。具体的には、先ほどもお話がありましたが、国連のワシントングループで策定された
設問に沿った追加を行うものですが、今回の審議では、この会合に参加されている北村弥
生長野保健医療大学特任教授に、審議協力者として御参加をいただいています。つきまし
ては、審議の導入として、ワシントングループにおける検討状況や、同グループで策定さ
れた質問群について、北村審議協力者から御説明をしていただければと思います。よろし
くお願いいたします。
しろまる北村審議協力者 北村です。資料2になります。次の目次のとおり、本日は4つに分け
て説明する予定にしています。
早速ですが、障害者統計に関するワシントングループというのは国連の組織でして、そ
こでの経緯をお話しします。
表になっているスライド3をお示しいただけますでしょうか。
国連で、まず、障害者統計がいつ頃から始まったかということをお示しいたしました。
国連で出している障害に関する大きな宣言などで 1971 年、1975 年というところで、
「知的
障害者の権利宣言」、「障害者の権利宣言」が出ているのですが、この辺りでは統計に関す
る話が全く出てきておりません。
統計に関する話が出てくるようになったのは、
1979 年に国際障害者年というものがござ
いまして、その3年後、1982 年に、国際障害者年に各国の障害者の統計を突き合わせてみ
たところで、初めて話が始まってまいります。
太字にしたところを読み上げますが、国連の統計部に対して、国連総会の場で、次のよ
うな要請がございました。
「他の専門機関や地域委員会などと共に、開発途上国と協力し、
様々な障害に関して、全数調査もしくは標本抽出調査によるデータ収集の現実的・実際的
システムの開発、統計資料利用のための技術的マニュアルの作成」をしなさいという要請
が出まして、本格的に障害者の統計を各国で作り始めた、国連が支援を始めたということ
になっております。この時期ですと、途上国はまだ国勢調査をしていないところもござい
ましたので、国勢調査の仕方の技術移転をしながら、その中に、初めから障害者の統計を
入れていこうという試みが始まっております。
国連の統計部からいろいろな書籍ですとか、セミナー開催がございました。スライド4
をお願いいたします。
一番上に出しておりますのが、DISTATと略しておりますが、各国の国勢調査です
とか、全国的な国民生活基礎調査に当たるようなもので、障害に関する設問をどのように
出していて、その結果、どのくらい障害者がいると結論付けているかというデータベース
がございます。
これは 1988 年までのデータしかないのですが、
現在もオープンになってお
りまして、過去にどのような指標が使われてきたかが見られます。このときに、1973 年か
らの統計が集められました。
それから、その次の行になりますが、障害者統計便覧を 1990 年に出版しています。これ
は大変よく引用されるのですが、この結果、障害発生率という人口における障害者の割合
が、オーストラリアは 20.9%に対して、チリは 0.2%だった。こんなに差があるのは、途
上国では障害者を見逃しているので、国際的な標準指標を作って、途上国でも障害者を見
逃さずに支援していこう、そういう目的のもとに指標の開発が始まっております。 -5-それについて、また更に明確に示したのが、1993 年の国連総会で、このときワシントン
グループ会議を作っていこうという素地ができてまいりました。
ここまで、
表にして示したところが、
ワシントングループ会議ができる前史になります。
スライド6にしていただけますでしょうか。
具体的に、ワシントングループ会議ができるきっかけになったのが 2001 年の国連統計
部の会議で、障害の測度に関する国際セミナーが行われました。そこで明確に、赤い字の
ところですが、国内でも使えるし、国際的比較を主な目的として、人口ベースでの障害測
度を用いた基準となる指標の開発をしようということになりました。そのために国連の統
計委員会のシティグループの1つとして、ワシントングループが組織されました。2001 年
から始まっておりまして、今年 2021 年、21 回目の会議が行われます。まだしばらく終結
はしないような雰囲気でございます。
文献3と挙げましたのが、2020 年にワシントングループの事務局がまとめた、この会議
で実施してきたことに関する文書というのが、とてもよくまとまっておりまして、ネット
でダウンロードできますので、
ここからの引用として今日の資料を主に作成いたしました。
次のスライド7をお願いいたします。
ワシントングループの組織ですが、事務局は、米国の疾病対策センター、CDCです。
今、コロナで盛んに出てまいりますが、その中の衛生統計センターが障害者統計も担って
おりまして、この中で2部門、障害者統計を実践しているところがあるらしいのですが、
その1部門が事務局をしています。
各国の統計局、それから国際機関などを集めて、会合を年に1回、事務局が招待してお
ります。日本ですと総務省にこの招へいが来まして、厚生労働省に来て、そこから国立障
害者リハビリテーションセンターに下りてきて、
私が参加していたということになります。
そのほかワーキンググループを幾つか作って、実際の指標を作っているのですが、そこ
の中には研究者が個人として入っていることもございます。
最後の矢印になりますが、統計部門に招待状は来ますが、私のように、障害というとや
はり各国、厚生労働系の省庁ですとか、社会開発系の省庁が関係していますので、そちら
に分担が回ったり、最近は2系統から参加されたりしていることもよくございます。1度
の会議に平均 80 名程度が参加して、ワーキンググループが行っている指標作成の進捗状
況の確認をしております。
それで、できてきたのが、これから審議があるワシントングループ会議のショートセッ
ト(short set・短い質問群)になります。次のスライド8をお願いいたします。
スライド8には、20 回目まで各国、毎回違う都市で行っておりますので、どこで開催し
たかを示しました。違う都市で行っているのは意味がありまして、実際に参加者たちが各
国の状況を見て、自分の国とは違うところでも使われる指標だということを認識すること
と、
開催国では、
開催国の関係者がたくさん参加しますので、
個々の統計の推進に努める、
前後にワークショップなどをして指標を広めるということも同時に行われています。次お
願いできますでしょうか。
スライド9には、今まで 20 年間何をしてきたかが書いてありますが、最初の目的は、各 -6-国の国勢調査に障害の指標を入れて、使って、比較しようということでしたので、そのた
めの6問の項目を作りました。これが、ショートセットです。各国、既に国勢調査がある
国では1問でも入れることはかなり大変なことなので、
6問というのはかなり無理な話で、
先進国はなかなかこの6問を入れておりません。4問でもいいのだけどという注釈があり
ますが、国勢調査ではなくて、今回審議のある国民生活基礎調査のような全国調査で使う
というのが、
先進国では多くなっています。
途上国では、
国勢調査を初めてするところは、
最初から入れてしまおうということになっています。
障害というのは非常に幅広い概念ですので、6問では漏れるところが当然ございます。
細かいところも聞かなければいけないということで、各国の障害に関する指標を集めてみ
て、それを精査したところ、37 問から成るエクステンデッドセット(Extended set・拡張
版質問群)も作りました。そちらの方が実際には使えるのではないかということで、アメ
リカではこの 37 問を National Health Interview Survey で使いました。もう既に3回、
4年ごとの試行で使って、細かい分析をしています。その中で、6問では足りない部分と
して、精神的な課題、不安や憂鬱と、それから上肢の機能を追加したらいいのではないか
ということで、最初のショートセットの6問プラス6問、Short Set Enhanced を推奨して
おります。ただし、これは根拠になるデータがアメリカしかありませんので、まだ国際的
なコンセンサスは取れていないところです。
障害の指標を使いますと、0歳の児はみんな障害児になってしまう、1歳児もかなり障
害児になってしまうという課題がありましたので、子供用モジュールを作りました。
後でまた出てまいりますが、このワシントングループの指標は、ICFという国際生活
機能分類に基づくことを大原則としていて、医学的な指標を使わないということを基本に
しておりました。ICFの子供版がその後できましたので、その子供版に基づいたチャイ
ルド・ファンクション・モジュール、子供用モジュールを作りました。これが 2016 年にで
きて、UNICEFと共同して作りましたので、UNICEFが実施している統計にかな
り使われています。
労働力に関するモジュールは去年できたところです。少し戻りますが、UNICEFと
一緒に共同研究したときに、個人の機能に関する指標だけではなくて教育環境の指標も作
れるといいねということで、6番目にある、教育環境を測る指標を作り始めました。IC
Fは環境の評価もするのですが、なかなか環境の評価について国際指標が作れなかったと
ころで、教育というモジュールに限れば、環境指標を作りやすいねということに気付きま
した。それで5番で労働についての環境指標も作ろうというので、労働力モジュールを作
りました。今、教育環境に関する指標を作っています。
途上国では障害のある子供たちが学校に行けないという状況もありますので、学校に行
けない子供の指標も必要だねということで、それも今作っているところです。
それから、ショートセットのときに申しましたように、知的障害、精神障害はなかなか
測りにくいものがあります。日本でも知的障害の定義はございません。各国、定義ないの
で指標が作りにくいのです。それに対して心理社会モジュールというのを作ろうという試
みも今始まっております。 -7-先ほど申しましたようなICFの大きなテーマの1つである環境についてのモジュール
も、初めから作ろうと試みてはいるのですが、最初の頃、環境というと、やはり日常生活
用品を買うことに関する環境は入れようという構想でした。ただ、ショッピングモールが
あるアメリカのような国から、バザールで買っているような途上国まである。その環境を
統一的に指標に取り込むにはどうすればいいか非常に困難な面があり滞っていますが、現
在検討中ということになっています。また、心理社会モジュールは3年から5年程度でで
きるのではないかという見込みです。教育環境モジュールはもう少し早くて、2年から4
年でできるだろうと見込まれています。
次はスライド 10 になります。今後作っていくのが、3番目、環境モジュールで、今ケニ
アの統計局の方が手を挙げてくださって、チェアをしてくださるようになったので、途上
国の状況を入れながら環境モジュールができるかなと期待されています。
4番目に、指標を使って国勢調査をし始めている国、あるいは全国調査をしている国が
85 か国ございます。この各国のデータを、できたらみんながすぐに分かるように、同じフ
ォーマットで公表したらどうかということで、
公表フォーマット案が昨年出たところです。
そのほか広報活動を行っているというところが今までのワシントングループの活動の流
れです。
次に、
ショートセットについて具体的に御覧いただきたいと思います。スライド 12 をお
願いいたします。ワシントングループショートセット開発の経緯というページです。
初めに申し上げた、チリで 0.2%しか障害がなかった頃には、設問として「あなたは障
害がありますか」対して、
「イエス・ノー」が選択肢という時代だったと聞いています。障
害という言葉は少し差別的な響きもありますので、なかなかお答えいただけないというこ
とが問題でした。
診断名が入ってくると、その診断をする技術が普及していない国では漏れてしまうとい
うことで、
「ICFを使いましょう」ということが主張されました。ICFについては、そ
の後に出てくるのでしばらくお待ちください。
各国の指標を並べたときに、6項目、これでいいのではないかというのが赤で書いたと
ころで、
「視覚」、「聴覚」、「移動」、「認知」、「セルフケア」、「コミュニケーション」です。
「セルフケア」はどちらかというと上肢障害、手が使えないからいろいろなことができな
いというのを上肢障害と言ってしまうと、これは部位なので、機能ではないので、
「セルフ
ケア」と置き換えて出してきています。
もう一つの工夫としては、
イエス・ノーで言うと、
かなり悪くならないと「障害がある」
「ノー」で「できない」とお答えにならないということも分かったので、段階的な選択肢
にしておくことにしたそうです。4段階の選択肢を示すというのが全体的な方向性になっ
ています。
次のページ、スライド 13 を表示いただけますでしょうか。具体的に、ワシントングルー
プのショートセットの英語版と直訳版を載せました。この直訳版は、2013 年に第8回会議
に参加した国立障害者リハビリテーションセンターの江藤文夫元総長が訳したものでござ
います。ただし、これはまだ仮訳の段階で、定訳は日本ではできておりません。統計委員 -8-会での質疑の中にもあった内閣府の調査研究の一環で令和元年度に試行的な調査がなされ
たときには、この直訳を使われたのではなくて、もう少しこなれた訳といいますか、工夫
した訳になっています。どちらがいいかというと、まだ決まっていないところなので、こ
の部会で御審議いただきたいところです。
視覚については「眼鏡を着用しても見るのに苦労しますか」
、聴覚は「補聴器をつけても
聞くのに苦労しますか」
、移動は「歩いたり階段を上ったりするのに苦労しますか」
、認知
は「思い出したり集中したりするのに苦労しますか」
、セルフケアは「身体を洗ったり衣服
を着たりする様なセルフケアに苦労しますか」
、それからコミュニケーションは「あなたは
普通(日常的)な言語を使用して意思疎通することに苦労しますか(理解したり理解され
たりすること)」、となっています。
よく出る質問を申し上げますと、
「眼鏡をつけても」
は必要ですかという質問があります。
これは、
「眼鏡が一般的にない国では要らない」と、ワシントングループは注釈を付けてい
ます。
「補聴器をつけても」も要るのですかという質問についても、補聴器が一般に普及して
いない国では削っていいのですが、日本の場合には先天的な聴覚障害者の方で、補聴器を
使うことを嫌う方がいます。聴覚障害は手話を使えば別に音が聞こえなくても構わないの
で、
「補聴器をつけても」
を前提にしないでくれというパブリックコメントが出ることがあ
ります。この項目と補完的なのが6番目のコミュニケーションで、
「普通の言語」と言った
ときに、ワシントングループとしては、手話も普通の言語として入れています。したがい
まして、このままの形で使われるのが適正と考えています。
最後の6番ですが、
「普通の言語」というのは日本ではなじみにくいのですが、多言語を
使っている国の場合を想定して使われています。
スパニッシュスピーキングアメリカンは、
スペイン語で意思疎通ができればいいと、そういうような設問の文言になっております。
スライド 14 に、
ICFの表を出させていただきました。初めて見る方もいらっしゃるか
と思いますので、少し解説させていただきます。かつては、右側の枠に書きました、国際
障害分類(ICIDH)というので、病気を基調としておりました。まず病名があって、それに
伴う機能の障害、それから能力障害、そして社会的な不利と、Impairment、Disability、
Handicap という階層性がありました。
これでいうと、先ほどお話ししましたように、Disease が決まらないといけないとか、
それから全てが Disease に左右されてしまうということに対して、個人の活動と環境との
相互作用で機能障害というのは決まるのだという考えが出てきました。エレベーターがあ
れば、車椅子があれば、別に階段昇降できなくても不便はない。環境の因子を解決してい
くような社会を求める、そういうような流れになってきましたので、個人的な要因と環境
要因を分けて、それから心理機能及び構造と活動と参加という3つの要素で見ていこう。
それがICF、国際生活機能分類の思想になっています。
この中で、ワシントングループの指標がどこに入るかというと、活動を見るのに、ショ
ートセット、エクステンデッドセット、子供用モジュール、心理社会的モジュールを作っ
ていると整理しています。 -9-参加と環境を見るのに、インクルーシブ教育モジュール、労働力モジュールを作ってい
ます。
先ほど申し上げた6項目というのは、
ともすると心身機能と構造に見えがちですが、
ワシントングループの中で一応ワーディングを工夫して、先ほど申し上げたように、上肢
と言わないでセルフケアとするように、ワードを考えながら、活動に寄せるように努力は
しております。次のスライド 15 をお願いいたします。
評価と書きましたが、どのように使われているかといいますと、国連の統計部で出版し
た「国勢調査に関する勧告」の中で、
「障害の判別にはワシントングループの指標を使うこ
と」が推奨されました。ショートセットは実際に 85 か国で使われています。開発プログラ
ムの評価をする場合、事前事後の調査をしますが、開発プログラムによって障害のある人
たちの生活が向上したかどうかを見るときに、この指標で障害者を選別しています。それ
から、各国際機関で使われるようになってきています。
シリアの難民キャンプで使われたという例が、予想はしていなかったのですが、非常に
好事例だといわれています。つまり、各国それぞれの障害福祉政策があって、そこで障害
者の定義は、多くの国が持っていますが、シリアの難民キャンプでは共通して使うべき指
標がない。だけども、障害のある人たちをほっとくわけにはいかないときに、どう捕捉す
るかということで、このショートセットが使われたという好事例になっています。
最後に、SDGsに使ったという例です。もともとの流れで言いますと、国勢調査で使
って、障害発生率を比較しようという話だったのですが、SDGsが出てきまして、この
中にも「誰も取り残さない」という標語があります。障害者も取り残さない開発目標を達
成しているか示すときに、各国で共通の指標がいる。そのときにワシントングループのシ
ョートセットを使おうということを呼びかけまして、かなり使われるようになってきてい
ます。
障害の分野では、
最後の四角に書きましたが、
国連の障害者権利条約がございます。2006年にできて、
日本も批准しておりますので、
規定上は4年に1回、
政府レポートを出して、
条約に沿うように状況を改善していることを示します。各国の政府レポートのデータが、
各国の障害指標によるデータが出てくると、委員会で国際的に判断しにくいので、できる
だけワシントングループの指標を使ってほしいということが言われています。
実際にはこのレポートを審議するのに随分時間がかかっておりまして、4年に1回のペ
ースでは審議が追いつかないので、10 年に1回ぐらいのペースで出ていくような形になる
のが今のところ現実になっております。次のスライド 16 をお願いいたします。
ショートセットについて、いろいろ質問が出ているところで、気を付けなければいけな
いところとして、事務局が出している文書から少し引用いたしました。
まず、なぜこの指標があるかというと、障害発生率の推定に使うのだということです。
各国の障害発生率の推定が主目的ですので、ワシントングループの指標で障害に該当する
方々が、そのまま各国が行っているサービスの対象者ではないということが1つです。
それから、SDGsの指標で使う場合には、障害のある人の就業率や教育参加率と、障
害のない人の就業率や教育参加率を比べるために使うのだと言われております。
ですから、今回、国民生活基礎調査で把握するということは非常に有意義なことで、こ
-10-
れまで障害者の調査というと障害者手帳を持っている人だけの調査が多かったので、一般
の方と比べるには、障害者を対象とした調査と全人口を対象とした調査とで、同じ質問を
した結果を比べるしかなかったのですが、1つの調査で比べられるというところが非常に
重要で、いろいろな団体、組織から要望が出ているところです。
限界というかワシントングループの指標の射程範囲に入ってないところもあります。1
つは、射程範囲に入れたいとは思っているのですが、心理社会的障害のある人が捕捉しに
くい。知的障害の定義がそもそもないので、これを捕捉しにくい。精神障害も少し捕捉し
にくいというところがありまして、今、指標を作りつつあります。
子供を正しく判定しないと言われたのですが、これは子供モジュールを作りました。シ
ョートセットは6歳以上に使う。子供用モジュールの対象は2歳以上です。
参加や環境の指標が弱いではないかということもよく言われます。これは本当に各国の
状況が非常に違うので、先ほどのバザールとショッピングモールのように、なかなか共通
の指標ができないのですが、労働力と教育分野から作っているところです。
3番目に、ショートセットは診断ではないことに注意しなければいけない。サービス受
給者の判定にも使えない。サービス受給は各国別々の指標があります。タイの方に聞いた
ら、教育分野での障害の定義と、厚労分野での障害の定義は違う。また、統計局の障害の
定義はワシントングループを使っていて、それぞれ違う。国の定義と、都道府県の定義が
違うこともあるということはよくありまして、オーストラリアも 20%、18%以上を国勢調
査で出しておりますが、その人たちに障害福祉サービスを提供しているわけではありませ
ん。そこは誤解をしないようにということが、注意点として申し上げたいところです。
それから、よくある質問から3つ挙げました。第一に、期間を書いていない。よく6か
月以上固定したものが障害だと言われるのですが、ここでは期間を書いておりません。エ
クステンドセットには期間が付いているものもあるのですが、期間を決めると、かえって
よく分からなくなる。国によって、医療の体制によって期間が違ったりすることもあるの
で、ショートセットは期間を省きましょうという共通見解としました。
第二に、補装具や介助者を使うかどうか。視覚と聴覚は、眼鏡とか補聴器が一般的なの
で、
「使って」ということにしたのですが、車椅子等は国によってかなり使用状況が違いま
す。途上国では電動車椅子がほとんどないですので、補装具・介助者の使用は書かないで
おこうということをショートセットでは決めました。エクステンデッドセットには入って
います。
第三に、アフリカの黒人の多いところでは色素欠乏症が障害になります。非常に差別の
対象になって、場合によっては、非常に危険な目にも遭う、大きな障害だということも言
われています。しかし、これは各国に共通ではないので、どうしても必要な国は追加して
くださいということになっています。
同じように低身長だったり、
顔面神経麻痺だったり、
容貌の問題というのも、大きな問題ではあるが、各国共通にはしないでおこうというのが
共通見解になっております。次のスライド 18 をお願いいたします。
その後が、今後の将来的なことですが、今回、国民生活基礎調査にショートセットを採
用したからそれで終わり、
「国際比較は完璧にできます」というわけではなくて、まだ課題
-11-
が少しありますということです。
ショートセットの強化版として、心理的な課題であるとか上肢の問題とかが、これから
もう少し国際的な指標になったときに、日本でもどう取り入れるかを検討いただきたいと
いうことで、現在のアメリカの提案している指標を出させていただきました。
時間が押してしまいましたので、スライド 20 に参ります。国民生活基礎調査に関しては
「K6」が既に入っておりまして、不安とか、うつ、ストレスに関する質問が入っていま
すので、ワシントングループの指標で心理的な面が弱いことは、これで補える可能性があ
ります。ワシントングループの不安とうつの指標とK6を比較した国もあるのですが、あ
まりデータ数が多くないので、K6で代替できるとは確定しておりません。ショートセッ
ト6項目が捕捉できない「障害」を、どう補足していくかは検討していく必要が今後ある
かと思います。
最後に、私見とさせていただきましたが、繰り返しになりますが、将来的には、ショー
トセット強化版を国民生活基礎調査の設問に入れることの検討も必要と考えます。不安や
憂鬱、心理社会的な指標の代わりに、
「K6」が使えるかどうか、今回の国民生活基礎調査
の結果から判定していくということは、国際貢献にもなるかと考えております。
以上でございます。
しろまる津谷部会長 詳細な御説明、ありがとうございました。
ワシントングループの設問、特にWG-SSという設問のショートセットを踏まえて、
国民生活基礎調査で対応していくということについては、
この後、
議論したいと思います。
ここで、ただ今の北村審議協力者からの御説明について、御質問ございましたらお願いい
たします。
よろしいでしょうか。これについては、これから審議をいたしますので、議論の流れに
沿って、御質問、御意見を頂けたらと思います。
それでは、具体的な御説明をいただきましたので、ここでお話しいただいたことについ
ての理解を基礎として、これから国民生活基礎調査の変更について審議を行います。
その中で、ワシントングループに関連する質問が出ると思いますので、北村審議協力者
におかれましては、適宜コメントや御回答を頂けたらと思います。よろしくお願いをいた
します。
では、まず、事務局から、厚生労働省からの御説明の前提として、資料3の審査メモの
御説明をお願いいたします。
しろまる森総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 それでは、説明いたします。審査メモ
の1ページを御覧ください。
調査事項の変更内容につきましては、真ん中に、1番から3番としていますが、まず、
1番といたしまして、健康票について、国際比較可能性の向上等の観点から、
「日常生活に
おける機能制限」の追加が計画されていることについて御説明します。
下の表では、追加の部分で、上から2番目となりますが、その理由といたしまして、国
際比較可能性の向上など、調査結果の利活用を高めるためとしています。
資料2ページを御覧ください。追加する設問は、中央の図のとおりとなりますが、この
-12-
審査状況ということで、上のイの枠の部分でまとめています。
1点目といたしまして、公的統計基本計画において、障害者統計の充実を図るとされて
いること。また、インクルーシブ雇用議連の提言に沿った対応、つまり、障害者と障害の
ない者の比較を可能とする統計データの整備に対応するものであること。
2点目といたしまして、調査事項自体も簡潔であり、報告負担の大きな増加にはならな
いと考えられることから、おおむね適当と考えましたが、これまでの検討状況や経緯、作
成が予定されている集計等について確認する必要があるということで、
論点を立てました。
この追加について御審議いただきたい論点といたしましては、4ページのaの部分とな
りますが、今回の追加の検討経緯や関連事項との関係など、
(a)から(d)の4つの論点
を立てています。
事務局からは以上です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
それでは、論点に対する回答について、調査実施者である厚生労働省から御説明をお願
いします。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 厚生労働省世帯統計官の細井と申
します。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、
早速ですが、
資料4に基づきまして、
説明をさせていただきたいと存じます。
まず、1ページ目を御覧ください。
「日常生活における機能制限」の追加に関しまして、
検討経緯について説明をさせていただきます。こちらにつきましては、令和2年に閣議決
定されました第3期の「公的統計の整備に関する基本計画」におきまして、障害者統計の
充実が求められていること、そして、障害者の安定雇用・安心就労の促進をめざす議員連
盟(略称:インクルーシブ雇用議連)の御提言を踏まえまして、障害者と障害のない者の
比較を可能とする統計データの整備などを行うために、
令和元年に、
内閣府におきまして、
調査研究事業を立ち上げまして、学識経験者、そして内閣府、総務省、厚生労働省の関係
府省の職員、事務局長から成る障害者統計の充実に係る調査研究実施検討チームが組織さ
れました。
このチームにおきまして、1つ目としてワシントングループの設問、2つ目として欧州
統計局の設問、
3つ目としてWHOの障害評価面接基準でありますWHODAS2.0、
この
3つの設問を基に、我が国の統計調査に導入可能な調査を捉える設問を検討するためのプ
レ調査が実施されたところです。
プレ調査の結果がまとめられた報告書の概要の抜粋を、枠の中にまとめさせていただき
ました。2022 年度までの実施を目途に、国際的な動向等や障害者の種別・程度に応じた把
握・分析が一定程度可能となるワシントングループの設問の活用可能性を、まずは検討す
ることが望ましいとの報告が示されているところです。
当省におきましては、この方向性を踏まえつつ検討を行いまして、令和4年の国民生活
基礎調査におきまして、ワシントングループの設問を追加することを選択させていただい
たところです。
理由といたしましては、先ほど北村審議協力者の説明にありましたが、1つ目として、
-13-
日常生活における機能制限の程度を尋ねるワシントングループの設問は、各国における国
勢調査や日常生活を識別できるような全国調査で採用されていること。国民生活の基礎的
事項を把握するという本調査の目的、特性に沿うものであるため、ワシントングループの
設問を採用することが適当ではないかということです。
2つ目に、
世界 80 か国以上の国々で採用されている事例からも、国際比較が可能である
ことから、ワシントングループの設問を、本調査で選択するに至ったという理由です。
なお、ワシントングループの設問を選択するということは、先ほど申しましたインクル
ーシブ雇用議連の提言の方向性も踏まえたものとなっています。
経緯については、以上です。
続きまして、説明を進めてよろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 どうぞ、お願いいたします。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 2つ目、健康票においては、これ
までも日常的な健康状態を尋ねている質問(質問5及び質問7)がございますが、まず、
はじめに、今回追加する質問8との間の目的の相違、役割分担についての整理についての
説明です。
こちらは、
実際に調査票を見ていただいた方がよろしいかと思いますが、
本日、
資料として、資料1-2で、諮問資料が添付されていますが、そちらの 41 ページから 42
ページを御覧ください。
質問5ですが、質問5は病気やけがを問わず、健康上の問題を理由といたしました日常
生活における影響の有無と、どのようなことに影響があるのか。例えば、仕事、家事、学
業、運動などといった当てはまる事項の全てを回答いただく調査事項となっています。
一方、質問7ですが、こちらは健康状態を意識して、包括的に、よい、まあよい、ふつ
う、あまりよくない、よくないといった事項を回答していただく調査事項でして、このよ
うに質問5と質問7は把握内容が異なるものとなっています。
今回新設を考えている質問8は、質問5と同様に、影響の有無を尋ねるという観点では
同種のものですが、質問5が日常生活の場面という切り口で尋ねているのに対しまして、
質問8は、個々の生活機能、視覚、聴覚、歩行、認知、セルフケア、コミュニケーション
に着目いたしまして、それぞれの影響を回答いただくことにより、回答者の機能制限が把
握できる調査事項となっています。
質問8の日常生活における機能制限が新設されることにより、
その結果につきましては、
今後の障害者施策で利活用が可能になるということや、今まで実現できなかった国際比較
の可能性の向上に資するものと考えています。
続きまして、3つ目ですが、
(c)今回の追加事項の質問において、いつの健康状態を回
答していただくのか明示的に示されていない。調査時点のみに着目して回答するのか、過
去の一定時期から現在に続く平均的状況を回答するのか、どちらでしょうかという内容に
ついての説明です。
「日常生活における機能制限」の新設におきましては、プレ調査報告書の方向性を踏ま
えて検討を行いました結果、プレ調査で活用されたワシントングループの設問から変更を
加えることなく調査事項を設けました。一方、健康票における他の調査事項では、
「現在」
-14-
や「過去何か月」といった時期を明示的に示しているために、健康票全体の健康票設計と
いう観点から、
ワシントングループの設問に、
時期を明示することを検討いたしましたが、
そもそもワシントングループの設問につきましては、時期について指定することなく設計
された設問であるため、国際比較可能性の観点から、それに倣って時期を明示しないとし
た次第です。
ただ、実際におきましては、時期を問われることも想定されますので、日常生活におけ
る個々の生活機能に着目した回答者の機能制限を把握する調査事項であることから、ふだ
んの状況について回答いただくということを、記入の手引等において説明することを考え
ているところです。
また、次の(d)ですが、
「日常生活における機能制限」の追加に伴いまして、2つの集
計の追加が検討をされているが、これで十分でしょうか、これ以外には集計は想定されて
いないでしょうかという内容についての説明です。
今回新設したい「日常生活における機能制限」に係る集計につきましては、
「性」別、
「年
齢(5歳階級)
」別といった基本的な属性情報別の集計に加えまして、
「仕事の有―勤めか
自営かの別―勤め先での呼称―無」別とも組み合わせた集計を行うこととしています。こ
のような基本的な属性を集計することに加え、雇用と就労のクロス集計を行うことは、政
策部局からの意見等を踏まえたものです。性別や年齢、雇用と就労の別に、
「日常生活にお
ける機能制限」の苦労の程度による違いの観察が可能となるということで、今後の障害施
策等での基礎資料となること、また、政策部局からの政策ニーズを踏まえた上で、さらな
る集計を行い、提供していくことも可能でございます。こうしたことから、案としては2
表を掲げさせていただいているものでございます。
私からは以上でございます。御審議よろしくお願いいたします。
しろまる津谷部会長 御説明ありがとうございました。
内山審査官から、ここでコメントがございますので、お願いいたします。
しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 事務的なコメントになります。
これから質疑をしていただきますが、
今回追加する質問番号8がメインとなりますので、
基本的な画面表示といたしましては、先ほど表示をいたしました資料1-2の 42 ページ
を表示しつつ、御質問あるいは御審議の中で適宜画面を変えていく、そのような形を考え
ておりますので、よろしくお願いいたします。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
関連がございましたので、調査実施者と審査官から続けて順次御説明を頂きました。
それでは、ただ今の御説明に対しまして、御意見、御質問、コメントございましたら、
御発言をお願いいたします。
しろまる佐藤委員 佐藤香です。よろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 佐藤委員、お願いいたします。
しろまる佐藤委員 質問5と8が似ているのではないかということについての回答を頂きました
が、確かに違うことは違うのですが、回答者として質問5に回答した後、6、7と来て、
そこでまた質問8を回答しようとすると、同じことを聞かれているなという感じはすると
-15-
思うのです。そこのところ、回答者の身になってみると、似ている質問をもう一回重ねて
いるという、重複感は絶対にあると思うのですが、この辺何か工夫のしようはないのでし
ょうか。
以上です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
しろまる宇南山臨時委員 すみません、宇南山です。同じところなので、一緒に質問させていた
だいてもよろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 お願いいたします、宇南山臨時委員。
しろまる宇南山臨時委員 宇南山です。
今、
佐藤委員から御質問があった質問5との重複ですが、
私も非常に質問5との重複感は強いように思います。特に、日常生活の動作という部分で
すと、完全に質問8の(カ)とかぶっているような印象があって、こちらは苦労している
度合いを4つで答えているが、こちらではある・ないで答えている。これは歴史的な経緯
からして、もともとあった質問5と、どうしても、今日も経緯の御説明がありましたよう
に、1個のパッケージとして入れなければいけないところのバッティングがあるので、非
常に難しいところであるとは理解するのですが、調査の継続性という観点で質問5を残さ
ざるを得ないのだとすれば、質問5が今までどのような活用をされていて、どのようなニ
ーズがあるのかということについて、どのように把握しているのか。もし、質問5を積極
的に残さなければいけない、単純な調査の継続性以上に、絶対に残さなければいけない理
由があるのであれば教えていただければと思います。
以上です。
しろまる津谷部会長 宇南山臨時委員、
どうもありがとうございました。
ただ今の御発言ですが、
質問5を外すことを考えてもよいのではないかという御意見でしょうか。
しろまる宇南山臨時委員 趣旨としては、そういう趣旨です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございます。
それでは、厚生労働省、回答をお願いいたします。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 御質問ありがとうございます。
質問5から質問8までの流れ方ですが、まずは、広い切り口といたしまして、問5で病
気やけがを問わず健康上の問題を理由とした、
日常生活の影響の有無を聞きまして、
次に、
影響がある場合にどんな影響があるかを聞く。次に、問6で影響がない部分も含めて、過
去1か月間の間に健康上の問題で、ふだんの活動ができなかった日数を聞き、次に、問7
で健康状態はどうですかという意識を聞く。
さらに、
今回新設する問8におきまして、
個々
の生活機能に着目いたしまして、
日常生活で苦労している6つの機能、
視覚、
聴覚、
歩行、
認知、セルフケア、コミュニケーションについて、苦労の程度を4段階で聞くことにより
まして、回答者の機能制限を把握できるという形式としています。言わば、個々の生活機
能に至るまで、広い観点から切っていって、最後、どのような、日常生活における影響が
あるのかというところに落としたいという、調査事項の設計の流れで、このようなものと
しているところです。
しろまる保永厚生労働省政策統括付参事官付世帯統計室長補佐 世帯統計室担当補佐の保永と申
-16-
します。どうぞよろしくお願いいたします。
質問5の利活用につきましては、
「健康日本 21(第2次)
」ですが、こちらの健康寿命の
延伸のための指標となっているところでございます。この「健康日本 21(第2次)
」です
が、期間が 2013 年の平成 25 年から、2022 年の令和4年までの期間を対象としております
ので、健康票において、過去、質問5で計算をした健康寿命の指標については、当然この
調査項目をいじることによって、指標の目的、評価ができなくなることから、なかなかい
じることが難しいということを我々は認識しています。
しろまる津谷部会長 ありがとうございます。質問5は、健康寿命の推計に使われる基礎データ
になっているという理解でよろしいのでしょうか。
しろまる保永厚生労働省政策統括付参事官付世帯統計室長補佐 なっております、はい。
しろまる津谷部会長 2022 年まで「健康日本 21」は継続するので、今回諮問された国民生活基礎
調査から質問5を外すことはできない。今までもこれは継続して使われてきたということ
ですね。
しろまる保永厚生労働省政策統括付参事官付世帯統計室長補佐 使われています。
しろまる津谷部会長 政策的ニーズは高いということですね。
しろまる保永厚生労働省政策統括付参事官付世帯統計室長補佐 高いです。
しろまる津谷部会長 ただ、佐藤委員と宇南山臨時委員から御指摘がありましたように、補問5
-1の日常生活動作の括弧の中に示されている項目、例えば「衣服の着脱、入浴など」と
いう表現が、質問8(カ)を見た時に、回答者は、あれ、先ほども同じようなことを聞か
れたなという印象を持つのではないかと思います。これでは回答者が重複感を持つことは
避けられないのではないかという御指摘だったように思います。佐藤委員、宇南山臨時委
員、特に宇南山臨時委員、いかがでしょうか、先ほどのお答えですが。
しろまる宇南山臨時委員 「健康日本 21」の基礎データになっているということは、非常に重要
だというのは理解しました。その意味で、質問5をどうしても残すという方向は非常に理
解できるのですが、今御指摘のとおり、重複感があるのも間違いないところなので、少し
考えさせてください。ただ、例えば重複しているような部分だけでも、改良するようなこ
とを行ってしまうと、やはり健康寿命の推計には大きな影響が出てしまうとお考えでしょ
うか。
しろまる津谷部会長 厚生労働省、いかがでしょうか。
しろまる保永厚生労働省政策統括付参事官付世帯統計室長補佐 宇南山臨時委員のおっしゃると
おりです。ただ、我々も重複感については、当然認識はしているものですが、例えば今御
説明をさせていただいた理由から、質問5はなかなかいじることは難しい。かといって、
質問8の(カ)も、何か手を加えるかといいますと、今回この調査項目については、あく
まで国際比較可能性の観点の向上という大きな目標がありまして、今回この書きぶりを変
えてしまうと、そういった国際比較が難しくなってしまうのではないかということで、な
かなか我々も頭を悩ましているところです。
以上です。
しろまる津谷部会長 そのほか、御説明ございますか。どうぞ。内山審査官。
-17-
しろまる内山総務省政策統括官
(統計基準担当)
付統計審査官 御説明ありがとうございました。
「健康日本 21(第2次)
」で使われているということだったのですが、私の聞き漏らしか
もしれないので確認ですが、令和4年までですか。
しろまる保永厚生労働省政策統括付参事官付世帯統計室長補佐 令和4年までです。初期が 2013
年、平成 25 年から、なっておりまして、第2次につきましては、2022 年、令和4年まで
の期間としております。
しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 ということは、もしあり得ると
したら、そこで1回切れるということですね。この健康寿命自体はこれからもずっと推計
を続けられると思うのですが、そうであるなら、その段階で、2023 年以降において別の作
り方にするというのでしょうか、
質問5の見直しを、
そのタイミングで図るということは、
可能性としてあり得るということでしょうか。
しろまる保永厚生労働省政策統括付参事官付世帯統計室長補佐 大本の「健康日本 21」で、例え
ば第三次が、これから検討がされるのかどうかは、私まだ確認してないので言えないので
すが、もし第2次との継続性の観点から、同じ指標を使ってやりたいといった場合には、
なかなか質問5をいじるということも、また、難しくなってくるのではないかと考えられ
ます。
しろまる津谷部会長 よろしいでしょうか。この調査を実施する厚生労働省、そして政府の統計
関係者全体の意向は当然あるわけで、政策的なニーズによって調査を行っているわけです
が、回答者からみると、ある意味それはあずかり知らないことであり、同じような質問を
何度もされていると捉えられてしまう可能性は、佐藤委員、宇南山臨時委員御指摘のよう
に否めないかと思います。
ただ、この新しい質問8の文言をほかの質問に合わせて調整してしまいますと、これは
これで国際比較の可能性という観点から問題であり、大変悩ましいことです。そのほか何
か御意見、御質問、御提案ございませんでしょうか。
しろまる佐藤委員 佐藤です。よろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 どうぞ、佐藤委員、お願いいたします。
しろまる佐藤委員 今拝見している限りだと、質問8の後に、12 歳未満の方は質問終了ですとい
うことなので、12 歳未満の回答者にも質問8を聞くようになっている設計ですが、先ほど
北村審議協力者のお話を伺いますと、17 歳までは子供モジュールを使われているようなの
で、質問8は、12 歳以上の方のところに持っていくというのではいかがでしょうか。少し
場所が離れると、重複感も薄れますし、12 歳未満の方にも質問8をどうしても聞かなけれ
ばいけないという事情はおありでしょうか。
しろまる津谷部会長 大変よいサジェスチョンを頂きまして、ありがとうございます。
厚生労働省、いかがでしょうか。厚生労働省として、12 歳未満もこの質問の対象としな
くてはならない事情や理由がおありかどうかということですが。
しろまる保永厚生労働省政策統括付参事官付世帯統計室長補佐 12 歳未満6歳以上を対象とし
ている件につきましては、我々も当然検討はして、先ほど細井から御説明させていただい
たとおりですが、日常生活の苦労ということで、例えば、先ほど北村審議協力者から0歳
-18-
児は全て障害者に該当してしまうと説明がございましたが、そうなると何歳が適切なのだ
と、いろいろな年齢の区分で考えていきますと、例えば、6歳以上であれば就学をしてい
るということで、ある程度の判断は可能なのではないかということを念頭に置きまして、
6歳以上の方を今現在対象としている調査設計としています。
ただ、佐藤委員から御提案のありました 12 歳以上にしてみてはどうかということです
が、これは私どもなかなか、今この場で回答することは難しいので、まず、北村審議協力
者から、6歳以上を取ることと、12 歳以上を取ることで、何か問題があるかをコメントい
ただけると、我々としては、非常にありがたいです。
しろまる津谷部会長 ありがとうございます。
北村審議協力者、これについて御意見をお聞かせ願えればと思います。
先ほど来、佐藤委員から、質問8の下に、12 歳未満の方は質問終了という指示がされて
いるという御指摘がありました。
ということは、ここまでの質問は6歳から 11 歳も対象と
なっているわけですが、質問5と8の重複感が強いので、この並びで質問が5、6、7、
8と来てしまうと、回答者は、先ほども同じような質問に答えたのにという感じを持つの
ではないかということで、
質問8を 12 歳以上への質問とするために、
位置を変えることを
考えてはどうかという御提案だと思います。そうすると、一旦リセットできますので、先
ほど同じようなことを聞かれたと感じることが少なくなるのではないかということです。
そこで北村審議協力者にお尋ねしますが、ワシントングループのショートセットを6歳か
ら 11 歳まで含めて調査することと、12 歳以上に限って調査することとの間に何か違いが
あるのでしょうか。考えられるコストとベネフィット、費用と効果があれば、アドバイス
を頂けませんでしょうか。
しろまる北村審議協力者 できるだけ多くの対象者を捕捉したいと考えますので、年齢は低くか
ら始めた方がベネフィットは大きいと思います。特に小学生までの障害のあるお子さんた
ちに関する情報が、12 歳以上ですと得られなくなってしまいますので、その大事な時期の
教育参加を見る上で、6歳以上のところに入れていただくのが望ましいと考えます。
質問5と質問8について、音声が聞きづらい部分があり、宇南山臨時委員の御発言だけ
聞こえたのですが、確かに字づらでいくと御指摘のとおりで、5-1に対応するのが、従
来の障害だったのだと思います。最近障害の概念が広くなってきましたことと、それから
5では、いわゆる障害というよりも病気ということを考えていらっしゃると思います。障
害のある方たちは、
「私たちは障害があっても健康だ」
「ALSでも健康でかぜ一つ引きま
せんと」とおっしゃいますので、それぞれの分野では違う概念ですが、一般的な言葉を使
うと似てしまったというのが、御議論いただいたところかと拝聴しておりました。
以上でよろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。北村審議協力者の御説明がよく聞こえなかった
場合にそなえて付け加えますと、質問5は、従来から国民生活基礎調査で尋ねられてきた
質問です。この質問は健康寿命の推計に使われる基礎的な統計データになっており、厚生
労働省の施策上重要な「健康日本 21(第2次)
」のためには欠くことができない質問であ
り、変更できないという御説明がありました。今回、新たに質問8を加えるに当たり、北
-19-
村審議協力者の御説明から、6歳から 11 歳を質問の対象とすることが望ましいことはよ
く分かりました。ただ、対象を 12 歳以上にすると、何か重大な問題が起こるのでしょう
か。
しろまる北村審議協力者 先ほど申しましたように、学齢期の障害児についての情報が得られな
くなるのは痛手です。数は少ないのですが、その時期に、インクルーシブな教育を受ける
かどうかは大変に重要なこととして注目されておりますので、
できれば6歳以上の方にも、
もう少し若い方からでもいいのですが、入れていただけると大変ありがたいかとは思いま
す。
しろまる津谷部会長 もう一つ、
お伺いしたいと思います。この指標は世界の約 80 か国で使われ
ている大変信頼性の高いものであるということですが、近年人口センサスを実施した発展
途上国では、最初からこの質問が加えられているということですが、先進国では、6歳以
上の就学年齢人口が対象になっているのが普通なのでしょうか。それとも対象者の年齢に
ばらつきがあるのでしょうか。
しろまる北村審議協力者 ワシントングループの事務局からは6歳以上という指導がされていま
す。調査としては、年齢制限つけずに0歳からとして使っているところもあります。障害
の有無の解釈のときに、6歳以上で使うようにしているということだと思います。
しろまる津谷部会長 つまり、12 歳以上に限っている国はほとんどないということでしょうか。
しろまる北村審議協力者 そこは、申し訳ございません。今データを持っておりません。
しろまる津谷部会長 これは当方が調べるべきことで、わざわざ北村審議協力者にお願いするべ
きことではないと思います。ただ、もし御存じであればと思い、お尋ねしました。
しろまる北村審議協力者 次回までに調べてくることはできると思います。
しろまる津谷部会長 ありがとうございます。
そのほか、御意見ございませんでしょうか。
しろまる宇南山臨時委員 すみません、宇南山です。
しろまる津谷部会長 どうぞ、宇南山臨時委員、お願いいたします。
しろまる宇南山臨時委員 健康寿命について、22 年までは調査継続が必要だという話をもう一度
考えてみたのですが、恐らく、質問8なんかを活用して健康寿命の一部、もしくはその他
の質問と組み合わせて健康寿命を試算するということができれば、継続性の観点では問題
がありますが、いろいろな問題が解決できるのではないかと思ったときに、例えば、健康
寿命を、新たに質問8みたいなものを活用して試算しようとしてしまうと、どういう問題
が生じるのかを、プレ調査とかを使う、もしくは、今回は質問5を残したとしても、継続
して両方の質問が取れれば、こっちのやり方でやると何歳ですが、こっちのやり方でやる
と何歳ですというのが、比較ができるのかと思いますので、例えば時限的に質問8を、当
面というか数年は 12 歳以上に限定して、
後ろ回しにしておくと。
その代わり質問5を継続
しておいて、質問5と質問8が並行している間で、健康寿命の尺度を、ある程度整合的に
推計できるような手法を確立しておいて、次の機会に質問5に手を付けるようなやり方が
現実的なのかと思って。もちろん、すぐに質問8も 12 歳未満に入れられると、ベストなの
かもしれないのですが、妥協案としては、数年、質問8を 12 歳以上に限定して少し、これ
-20-
を改めて 12 歳以上の人に聞くという立てつけにしておいて、
数年後に、
再び検討できる機
会のときに質問5を再構成するというような手順は考えられないのかというのが提案にな
ります。
以上です。
しろまる北村審議協力者 北村ですが、よろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 どうぞ、お願いいたします。
しろまる北村審議協力者 途中の御議論が一部聞こえていなかったのですが、この年齢の枠が区
切りとして有効であるのであれば、6歳未満の前に入れてしまう、質問8を質問5の前に
入れてしまうというのはいかがでしょうか。事務局を含めてお伺いしたいのですが。確か
に0歳、
1歳ではかなり問題があるのですが、
幅広い年齢層を取るということに関しては、
未就学児のケアということでも意義はあると思います。1
しろまる津谷部会長 付け加えて、
内山審査官からもコメントがございます。
お願いいたします。
しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 様々な御意見ありがとうござい
ます。12 歳以上にしたときには、いわゆる小学生のレベルでのデータが取れなくなると。
一方で、0歳以上にしてはどうかという御提案も頂いたところですが、私の方で、厚生労
働省さんのお話を聞いていて思いましたことを1つ、別の視点になります、恐縮でござい
ますが、付言させていただきます。
質問5と8です。確かに似ているのですが、説明をお聞きしていると、質問8というの
は障害ということを念頭に置かれている。一方で、質問5は健康上の問題とさらっと書か
れているのですが、説明にも書かれているとおり、病気やけがなどというような形で、見
ているターゲットが違うような気がするのです。
そうしますと、質問5、あなたは現在、健康上の問題で云々と書かれているのですが、
この健康上の問題の後ろに括弧で「
(病気やけがなど)
」と一言入れられるだけでも5と8
の違いが少し出るのかと思います。質問8に関して、病気やけがということはあまりなく
て障害ということを念頭に置かれていると思います。一方で、質問5は病気やけがなどを
含めた全体的な健康問題ということですので、自分が報告を受ける立場になったときに、
健康上の問題だと、あれと思うのですが、括弧で病気やけがなどと書かれてあれば、何と
なくイメージはまだできるかとも思いました。今は質問8を 12 歳以上にするか、あるいは
0歳からするかという御提案がありますが、仮に今のまま残すとした場合でも何らかの方
策はないかということで、提案として付け加えさせていただきました。
しろまる津谷部会長 厚生労働省、何か、御回答やコメントはありますしょうか。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 今の点、持ち帰りまして、検討さ
せていただきたいと思います。
しろまる津谷部会長 ありがとうございます。これについて、今ここで決めることは、恐らくで
きないであろうと思います。厚生労働省でも、それなりに調査をして、先ほどから指摘さ1ワシントングループの設問についての6歳未満の把握の適切性について、改めて北村審議協力者がワ
シントングループ事務局に確認したところ、6歳以上の把握・活用が適切である旨の論文がある旨の情
報が得られたことを踏まえ、6歳未満の把握の必要性については、部会後に撤回された。
-21-
れている質問5と8の重複感、そして質問8をどの年齢を対象にするのか、そして、諸外
国においてどのような対応がなされているのかについて話し合ってください。一番望まし
い形については、先程北村審議協力者からお教えいただいたわけですが、もし質問8の場
所を移動するのならば、どうするのか。これは場所の移動の問題ではなく、回答の対象者
の年齢層をどうするのかという問題であると思います。ただ、内山審査官も指摘されたよ
うに、質問で色分けや区分け、切り分けができれば、このままにすることも考えられるの
ではないかということです。
そして、宇南山臨時委員から、理想は理想であるが、当面の折衷策として、質問5と8
の両方を何とか残す方法を考えてはどうかという御指摘をいただきました。特に質問5は
施策上欠くことのできないものであるので、これは残すことにして、今後、健康寿命の推
計の方法を質問8の情報を使ってできないのかということについても、検討してはどうか
という御意見でした。これらの御指摘を宿題として、厚生労働省で調査、話し合いをして
いただき、次回の第2回審議で、その結果を御報告、御説明いただき、更に審議を重ねる
ということでよろしいでしょうか。そのほか何かコメントありますでしょうか。
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 1点、よろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 どうぞ、室長。
しろまる萩野総務省統計委員会担当室長 この問題を、
この部会で、
社会生活基本調査について、
同じような議論をしたわけですが、細かい質問項目については、部会長取りまとめで結構
だと思うのですが、1つ、担当室として気になりますのは、社会生活基本調査のときは、
欧州統計局のマニュアルに従うということで、直訳を質問項目にしたのです。ところが今
回は、欧州統計局ではなくワシントングループという結論になっておりまして、そこのと
ころが有機的に結び付くのかどうかが気になります。それが、ワシントングループと欧州
統計局の質問がどのぐらい違うかという情報がここにないので、それはもう大した問題で
はないということなのか、それとも大きい判断の問題なのかが分かりませんので、次回、
その辺の違いが分かるような資料を頂けるとありがたいと思っていす。
しろまる津谷部会長 萩野室長、ありがとうございました。
これについても、よろしいでしょうか。国民生活基礎調査は健康票に含まれる質問で、
社会生活基本調査は生活時間調査ですので、
少し趣旨は違いますが、
室長の御指摘どおり、
社会生活基本調査の変更の諮問審議の際には、統計委員会でいろいろな質問が委員から出
され紛糾とまではいきませんでしたが、議論の対象となった事柄ですので、委員各位の御
関心が高い事柄であると私も認識しております。これについても御対応いただけると幸い
です。
川口臨時委員より御意見、御質問がおありとのことです。どうぞ、お願いいたします。
しろまる川口臨時委員 御指名ありがとうございます。東京大学の川口です。
今回、インクルーシブ雇用議連からの提案を見てみると、SDGsの指標を作るという
ことが掲げられていて、これ北村審議協力者からも御案内あったかと思うのですが、それ
でSDGsの中に障害者はどのように入っているか調べてみたのですが、就労機会への平
等、包摂ですとか、あと、就学機会への包摂、それとか交通アクセスへの包摂ということ
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が幾つか書かれているのです。
それで、今回の集計の中では、就労状態に関しての集計をなさるというような御提案だ
と理解しているのですが、就学状態に関しても、同じようなことができないのか。もしも
できるならば、本来の提案の趣旨を考えると、そういった集計も出していくと良いのかと
思うのですが、その点はいかがでしょうか。
しろまる津谷部会長 厚生労働省、いかがでございましょうか。これは集計についての御質問で
す。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 御指摘ありがとうございます。今
頂きました御意見については、検討させていただければと思います。
しろまる津谷部会長 厚生労働省で御検討いただき、次回の部会で、それに対する御説明と御回
答を頂くということでよろしくお願いいたします。川口臨時委員、よろしいでしょうか。
しろまる川口臨時委員 大変結構です。ありがとうございます。
しろまる津谷部会長 それでは、さまざまな御質問やコメント、御意見を頂きましたので、ここ
でひとまず引き取らせていただき、次回の宿題とするということでよろしいでしょうか。
内山審査官、どうぞ。
しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 議論は拡散させたくないのです
が、この機会なので、お尋ねだけしておきます。
先ほど、北村審議協力者の御説明の中でも、ワシントングループ、ショートセットの原
文と直訳が出ておりました。今回の質問8は、先般の内閣府の調査研究を踏まえた和訳と
いうことで策定されているということです。前回の社会生活基本調査、別の調査になりま
すが、そのときに言われたことは、原文は原文としてその趣旨は生かしつつ、日本語とし
てなるべく自然な日本文にしましょうということでした。
今回、厚生労働省がそういったことも踏まえ、かつ、内閣府の調査研究も踏まえて、こ
の文言、
(ア)から(カ)ということで、提案されているということですが、もし何か訳文
ということについて御質問等あれば、まとめて次回回答いただくということになろうかと
思いますが、今の段階で御質問いただければ幸いです。
しろまる津谷部会長 いかがでございましょうか。
もし追加の御意見があればお願いいたします。
訳文を直訳ではなく、意訳にするべきであるという御意見は、複数の統計委員会委員から
出されております。回答者が、どういう質問をされているのかよく分からない、日本語と
して違和感があるということですと、
回答率にも影響が出てまいります。
御承知のように、
調査環境は近年大変厳しくなってきております。回答率を維持して、よいデータを提供す
るためにも、これは大変大事なことです。これについて、もし御意見がございましたら、
メールで御連絡を頂ければ、厚生労働省に伝達させていただきますので、よろしくお願い
いたします。
それでは、まだ若干時間がございますので、次に、日常生活の機能制限以外の調査事項
の変更について、審議をさせていただきたいと思います。まず、事務局から御説明お願い
いたします。
しろまる森総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 それでは、審査メモの1ページの下の
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表を御覧ください。
まず、最初に、調査項目の追加となりますが、世帯票につきまして、
「同居せずに、主に
手助けや見守りをしている者の年齢階級」を追加することとしております。調査票のイメ
ージといたしましては、2ページ目の下のウの図のとおりとなります。1番から6番の区
分で年齢階級を答えさせるものとなっております。こちらの理由ですが、これまで同居し
ている介護者の年齢については把握しておりましたが、別居している介護者については年
齢を把握していなかったということであり、本調査事項を追加することで、別居の主な介
護者と要介護者の組合せを年齢階級別に分析したいというニーズに対応するものとなって
います。
次に、削除となります。3ページのエの図を見ていただきたいのですが、
「主な介護者以
外の介護者の状況」の調査事項を削除するものです。その他の介護者以外の介護者がいた
場合、その人数、同居の有無や性別などを尋ねる設問があるのですが、これを全て削除す
るものです。これについては、報告者負担の軽減ということで、調査項目を削除されると
いう計画をされています。
このほか、1ページの下の表にまた戻りますけれども、3番といたしまして、削除にな
りますが、
「乳幼児(小学校入学前)の保育状況」
、及び4番といたしまして、
「健康食品の
摂取の有無」の設問につきまして、実態が把握できたということで、削除されることを予
定されています。
調査事項の変更は以上となりますが、調査事項の変更に連動して、集計事項を見直し、
また、利用人数の少ない集計票の削除が予定されています。
審査状況といたしまして、調査事項の追加分につきましては、利活用人数を踏まえた統
計の充実であること。削除の理由については、目的が達成できたこと、また、報告者負担
増加の抑制の面からの対応ということであり、おおむね適当であると、また、集計票の見
直しについても、必要な調査票を精査厳選するものであり、特に問題はないと考えており
ますが、4ページに書いておりますけれども、bとcに記載した論点を立てました。調査
事項の追加につきましては、追加の理由及び統計利活用の効果は何か。削除については、
統計利用上の支障はないかといった論点を立てています。
事務局からは以上となります。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
それでは、
資料3を用いた、
日常生活の機能制限以外の調査項目の追加と削除について、
これらの論点に対する回答を、調査実施者である厚生労働省からお願いします。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 ありがとうございます。
それでは、
資料4に沿いまして、御説明をさせていただきます。ページは3ページ以降になります。
まず、調査項目の追加、削除については、一緒に御説明をさせていただきたいと存じま
すが、まず、
「同居せずに手助けや見守りをしている者の年齢階級」についての追加でござ
います。あと、主な介護者以外の介護者の状況の削除、そして今回また、乳幼児の保育状
況の削除、そして健康食品の摂取の有無の調査事項の削除について、一連で御説明をさせ
ていただければと思います。
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まず、要介護者等と主な介護者の年齢階級の分析につきましては、この調査の公表時点
におきまして、いわゆる老老介護として多く記事に取り上げられているところでございま
す。資料の別紙1を御覧いただければと思います。「(別紙1)主な介護者の把握の見直し等について」を御覧いただければと思います。
しろまる津谷部会長 資料4の別紙1です。この追加についての御説明です。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 現在の調査の設計上では同居して
いる者のみに限定した介護の内容となっています。一方、現在の、中段にございます時系
列表でも見てとれますように、要介護者と主な介護者が同居している割合は低下傾向にご
ざいまして、別居の主な介護者の割合が増えてきているということから、その状況を把握
したいという政策的なニーズがあります。
今回の変更では、同居せずに手助けや見守りをしている者の年齢階級を把握することが
可能となるように、世帯票に別居の主な介護者の年齢階級を把握するため、調査事項の追
加をしたいと考えています。これによりまして、別居を含む主な介護者の年齢階級が把握
できますことにより、家族介護の実態をより正確に把握できるものと考えています。
なお、この調査事項の追加によりまして、記入者負担が増加することから、介護票でこ
れまで把握していた「主な介護者以外の介護者」の状況を、記入者負担軽減の観点により
まして、削除したいと考えています。
次に、乳幼児の保育状況についてですが、こちらにつきましては、世帯における保育実
態を把握し、保育行政の基礎資料とすることを目的に、平成 10 年の大規模調査以来、3年
ごとに把握をしてきたところです。先ほど説明しました、同居せずに手助けや見守りして
いる者の年齢階級の調査事項の追加に伴いまして、こちらは別紙2に、前回調査の世帯票
を添付してございますが、そちらを御覧いただきますと分かりますけれども、かなり調査
票の紙面、表面がいっぱいな状況でございますが、最後の補問9-6の次に、平成4年調
査では、主に手助けや見守りをしている方の年齢階級を追加させていただきたいと考えて
おります。とはいえ、このままでは、世帯票の表面があふれてしまうという調査票紙面上
の問題もございまして、何か簡素化できるものはないかということで、政策部局との調整
の上、今回、乳幼児の保育状況の削除を提案させていただくものです。
これまでの結果は、一例としてですが、日中の保育状況は、母が仕事をしている場合は
認可保育所が最も多いという、一定の傾向が把握できておりまして、世帯における保育の
実態を把握し、保育行政の基礎資料とするという当初の目的は一定程度達せられたものと
考えているところです。
次に、
健康食品の利用状況についてですが、こちらは 2012 年に内閣府の消費者委員会事
務局が、消費者の健康食品の利用に関する実態調査を実施していることは承知しておりま
したが、これまでの統計調査としまして、健康食品の摂取状況を把握しているものがなか
ったことから、健康食品を使用している実態を把握しまして、消費者教育等の検討材料と
することを目的として、令和元年の国民生活基礎調査において新設した調査事項でござい
ます。令和元年の国民生活基礎調査の実施によりまして、統計調査における健康食品の摂
取状況を把握することができまして、調査結果を踏まえまして、当初の目的である消費者
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教育等の検討を行うための基礎資料とすることが可能となったことによりまして、令和4
年調査におきましては、本事項を削除することを考えています。
なお、本項目の削除をもちまして、施策の推進に影響を与えるものではないと考えてお
りますが、将来において新たな政策ニーズ等が生じた場合には、改めて内容を精査した上
で、調査事項の再追加について検討を行ってまいりたいと考えています。
御説明は以上です。
しろまる津谷部会長 ありがとうございました。新しく追加される、同居をしていない主な介護
者ですが、世帯の垣根を越えて介護が行われているという状況に対応するための質問の追
加です。
介護環境の実態の把握も多面的になってきており、
難しくなっているわけですが、
これを今回試みられるということです。情報量は増えますが、これを世帯票に組み入れら
れるということです。それに従って、介護票の主な介護者以外の介護者の状況は、削除さ
れるということです。あとの2つ、乳幼児の保育状況と健康食品については、一定の傾向
がある程度得られたということ、当初の施策目標が、ある程度達成されたということ、そ
して今回、新しく日常生活における機能制限についての質問がワンセット入りますので、
調査事項の優先度として、削除する必要があるということで、このような決定に至ったと
いうことです。
先ほどの御説明について、
御質問、
御意見、
御提案ございましたらお願いをいたします。
しろまる川口臨時委員 すみません、川口です。よろしいでしょうか。
しろまる津谷部会長 どうぞ、川口臨時委員、お願いいたします。
しろまる川口臨時委員 今回の提案で保育状況を落とすことについては、慎重に判断した方が良
いと思っております。
幾つか理由がありますが、
まず、
国がこの 10 年ほどで最も力入れて行ってきた政策の1
つが、少子化対策だと思うのです。それについては、政府のいろいろな会議で資料が出さ
れていて、
保育所の充実が、
女性の就業継続にどのようなインパクトを与えたかですとか、
出生率にどういう影響を与えたかという研究が多数なされていて、国全体の予算の配分を
どこに向けていくか。
EBPM的な考え方を適用したときに、
やはりすごく重要な問題で、
担当の厚生労働省の部局だけの問題にとどまる話ではないので、この質問項目を落として
しまうと、そういった政策評価ができなくなってしまうということで、非常にコストは大
きいと思います。
それが、落とすことのコストなわけですが、一方で、老老介護の実態を把握するという
意図はよく分かるのですが、非常に大きく発生するコストを上回ることのベネフィットが
本当にあるのかが、よく分からないということ。
あともう一つは、もしも、非常に大きなインパクトがあるということであれば、集計票
を示していただくだけではなくて、そのことによって一定どういう政策形成につながって
いくのかという論点まで示していただきたいと思います。
今回、厚生労働省の担当部局に問合せをしたということですが、そのような関係してい
る政府の部局は非常に多いはずなので、
それを全部尋ねて回ることは無理だと思うのです。
そのようなことを総合調整する場としての統計委員会というのがあると思うので、そのよ
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うな点も考えていただきたいと思います。
それで、1つ解決策として、健康食品の方を落とすことは仕方ないのかと思いますが、
老老介護の質問項目と、今回の保育の話を、まず、両立することはできないのかというこ
とで、もしも両立できないのだったら、保育よりも老老介護の方が重要だという論点を示
していただきたい。
以上です。
しろまる津谷部会長 厚生労働省、これについてお答え、御説明ありますでしょうか。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 御指摘ありがとうございます。御
指摘の点につきましては、重要な点であると考えています。
先ほど御説明もさせていただきましたが、調査票の紙面が非常に限られていて、その中
で必要な調査事項を把握していく上で、どの項目を入れて、どの項目を落とすということ
は非常に悩む点でございます。先ほど御意見いただいた内容については、整理をさせてい
ただきまして、検討した上で、次回、御説明をさせていただければと思います。
しろまる津谷部会長 川口臨時委員、よろしいでしょうか。保育サービスには多くの税金が使わ
れており、保育状況について調べることは、少子化対策にとって重要ではないかという御
指摘です。
どうぞ、宇南山臨時委員、お願いいたします。
しろまる宇南山臨時委員 宇南山です。私も川口臨時委員の御指摘に賛同するところでありまし
て、特に 2019 年までのグラフが出されているのですが、2019 年から幼保の無償化が進ん
だところもありまして、これまでのところで把握できたという説明が十分なのか疑問があ
りますというのが1点。
紙面の都合でということは非常によく理解するのですが、紙面を見せていただくと、例
えば補問8-6、8-7が1枚目の一番下に、資料1-2の 37 ページを見ますと、主に手
助けや見守りをしている方の性と、年齢階級という部分がありまして、それぞれについて
8-5で配偶者からその他の親族と回答した人のみお答えくださいという説明書きが付い
ているのですが、これを例えば、性・年齢階級というような1個にしてしまうだけで、男
女のところの下の空白は削除できて、かなりの程度を入れられるのではないかというイメ
ージがあって、もちろんあまり詰め込むと、回答者に負担感が大きくなるので、レイアウ
トは十分に慎重にする必要があると思うのですが、紙面の都合という点でも、意外とほか
の質問に影響を与えずとも、追加できそうな印象があるので、御検討いただければと思い
ます。
以上です。
しろまる津谷部会長 厚生労働省、いかがでございますか。
しろまる細井厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 御指摘ありがとうございます。そ
の点も含めまして、検討させていただきます。
しろまる津谷部会長 そろそろ時間が来ておりますが、b及びcの追加と削除につきまして、
「同
居せずに手助けや見守りをしている者の年齢階級」の追加、これについては、基本的に了
承いただいたとしてよろしいでしょうか。
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しろまる川口臨時委員 すみません。私は先ほど申し上げたように、乳幼児の保育状況を落とす
ということであれば、基本的には反対で、もしもこれをどうしても入れるというのであれ
ば、その論拠を示していただきたいという、そういう理由を付けていただければと思いま
す。
しろまる津谷部会長 分かりました。
保育よりも介護の質問の方が重要であるという論拠、根拠を示してもらいたいというこ
とです。それによって、新しい追加をどうするかについて、次回の部会で審議をさせてい
ただきたいと思います。川口臨時委員、それでよろしいでしょうか。
しろまる川口臨時委員 結構です。ありがとうございます。
しろまる津谷部会長 それによって、介護票の削除も影響を受けますので、その結果をみて決定
するということにさせていただきたいと思います。今回提案されたなかで一番大きな論点
となった小学校入学前の乳幼児の保育状況についての質問を削除するということについて、
宇南山臨時委員から御指摘のあった、もう少し調査票のレイアウトを工夫できるのではな
いかということや、川口臨時委員から御要望をいただいた、もう少し慎重にこれについて
の根拠、エビデンスを示して、説明をしてほしいということございましたので、これも宿
題ということで、次回の審議の対象とさせていただきたいと思います。
最後の、
健康食品の摂取の有無についての設問の削除については、
よろしいでしょうか。
では、これについては、お認めを頂いたということで、まとめさせていただきたいと思
います。
今、
終了予定時刻である 12 時になっております。
まだ議論し尽くされていないこともあ
るかと思いますが、本日の審議はここまでとさせていただきたいと思います。北村審議協
力者には大変有用な御説明をいただきまして、大変勉強になりました。ありがとうござい
ました。そして、構成員の皆様、大変重要な論点、問題点を御提議いただいたこと、あり
がたく思っております。ありがとうございました。
本日審議いたしましたことで、
次回の部会での追加説明などの宿題が出ておりますので、
厚生労働省、どうぞよろしくお願いいたします。
議論の取りまとめにつきましては、それぞれの事項のところで、一応行いましたので、
再度いたしませんが、次回の部会では、今回出されたいろいろな御質問や御提言について
の御回答、御説明をお願いし、そして残る変更事項についても審議を行い、さらにもしで
きれば、前回答申時の課題への対応についても審議をいたしたいと考えております。併せ
て、次回の審議では、今回の審議の結果も含め、もし可能であれば答申案の方向性につい
ても話し合うことができればと考えております。
なお、本日の部会審議の内容に関しまして、追加の御質問及びお気付きの点などござい
ましたら、時間が短くて大変恐縮ですが、来週火曜日6月8日の正午までに、事務局まで
電子メールその他で御連絡を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
なお、本日の審議結果につきましては、次回の統計委員会で私から報告させていただき
ます。
それでは、事務局から御連絡をお願いいたします。
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しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 それでは、事務局から幾つか御
連絡をいたします。次回の部会ですが、6月 24 日木曜日 10 時からです。緊急事態宣言の
状況などにもよりまして、今日のようなWEB開催になる可能性もありますが、開催形式
につきましては、また、改めて御連絡を差し上げたいと思います。
また、先ほど部会長からもお話がありましたが、追加の御質問とかお気付きのことがご
ざいましたら、短期間で恐縮でございますが、6月8日火曜日の正午までに、メールによ
りまして事務局まで御連絡を頂ければと思います。
今日の審議で既に頂いている質問もありますので、質問に漏れがないように、部会長そ
れから厚生労働省に確認しながら、次回に向けて準備を進めてまいりたいと思っています
が、日常生活の機能制限については、調査事項の追加自体は特段御異論はなかったという
認識をしておりますが、質問としては、既に幾つか出ておりました。
念のための確認ということで、私のメモで申し上げますと、まず、質問5と8について。
1それぞれに必要性はあるというときに、やはり重複感はありますので、どのように抑制
というか低減していくか。その際の選択肢としては、まず一つ目に、質問8を 12 歳以上の
調査事項として持ってくる。その際、質問5が健康寿命の算定に使われているということ
ですので、
その推計方法についても検討することをセットに、
検討できないかということ。
それから、
選択肢の2つ目として、
いっそのことゼロ歳以上に置いてはどうかということ。
それから3つ目の選択肢として、今のままとしつつ、違いが明確になるように、書きぶり
に工夫ができないか。そういった、大きく言うとその3つの選択肢の中で、次回、回答を
頂くことになろうかと思います。2また、社会生活基本調査のときには、EUのガイドラ
インを使って、調査事項の設計がなされましたので、それとの違いといいますか、比較で
しょうか、そういったことについても質問があったかと思います。3さらに、SDGsを
踏まえた集計の更なる充実といったことについても出ていたかと思います。調査事項の追
加、日常機能制限に関しては、このようなところが中心になろうかと思います。
また、それ以外の調査事項につきましては、川口臨時委員、それから宇南山臨時委員か
ら御意見を頂いておりましたが、老老介護と保育のバランスというのでしょうか、どちら
が大事かといったことも踏まえて、今回の削除、追加を再検討してほしいというところ、
また、宇南山臨時委員からは、調査票の工夫で何とか対応する余地はあるのではないかと
いった御意見も頂いておりました。そのようなことも含めて次回回答していただくという
ことになります。
冗長になりましたが、質問事項の整理ということで申し上げました。
それからあと2点です。本日お配りしているというか配信しております資料につきまし
ては、次回も使用いたしますので、保管していただければ幸いでございます。
最後に、部会の結果概要でございますが、こちらで作成し次第、メールで照会をいたし
ます。こちらにつきましても、届きましたら確認をよろしくお願いいたします。
長くなって申し訳ございません。以上でございます。
しろまる津谷部会長 内山審査官、ありがとうございました。
若干時間オーバーをいたしましたが、以上をもちまして、本日の部会は終了といたしま
-29-
す。次回の部会審議がWEBになるのか対面になるのか、現時点では確定できませんが、
その節は、どうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

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