1第10回評価分科会 議事概要
1 日 時 令和3年4月15日(木)16:00〜17:15
2 場 所 Web会議
3 出席者
【委 員】
椿 広計(分科会会長)、岩下 真理(分科会長代理)
【臨時委員】
久我 尚子、山本 渉、美添 泰人
【審議協力者】
厚生労働省政策統括官付参事官付統計企画調整室統計企画調整官
【説明者】
経済産業省:大臣官房調査統計グループ鉱工業動態統計調査室室長ほか
総務省:統計研究研修所新規情報活用技術研究官
【事務局(総務省)】
統計委員会担当室:萩野室長、栗原次長、福田補佐、
増成補佐
総務省政策統括官(統計基準担当)付中村参事官
4 議 事
(1)経済産業省生産動態統計調査の欠測値補完方法の検証について
(2)その他
5 議事概要
(1)経済産業省生産動態統計調査の欠測値補完方法の検証について
経済産業省生産動態統計調査欠測値における過去の回答結果を使用した補完方法の検
証について、令和元年度 統計委員会評価分科会審議結果報告書 (第1回〜第4回審議
分)により評価分科会から示された、自動車等の品目以外の2〜3の品目においても検
証を行うべきとの指摘を受け、経済産業省及び総務省統計研究研修所が行ったシミュ
レーションによる検証作業について聴取し、評価を行った。
経済産業省から、資料1に基づき検証作業の評価と今後の対応について、また、総務
省統計研究研修所より資料2に基づきシミュレーションによる検証作業結果の説明が行
われた。
経産省の検証結果の評価及び今後の取組、及び、総務省統計研究研修所によるシミュ 2レーションによる検証作業について、それぞれに問題は見られないことから妥当と評価
された。
主な質疑は以下のとおり。
・例えば、規模の大きい事業所が今月抜けて、次の月に規模の小さい事業所が抜けて
ということがあると、LOCFをやらないととんでもない動きになってしまいます。従
来から多分良いだろうと思ってLOCFをやってきていたが、今回の検証をしたおかげ
で、そのやり方でも特段の支障はないという結論になったという理解でよろしいか。
→そういう理解をさせていただいている。
・資料2の23、24ページの符号付きの平均乖離率で見ると平均値補完は乖離が無いが、
絶対値で見ると10%近く誤差があるということが分って素晴らしい。伸び率補正も、
符号付きの平均乖離率で見ると、乖離がより少ない様に見えるが、絶対値でみると
LOCFとそう変わりが無いことが分るということも素晴らしい。 ただ、8品目の指数
を平均した指数を作るとしたらこうなるが、実際の集計はそうなっているのか。実
際に公表する品目単位でシミュレーションして、実際に公表する値との差を示した
方が迫力があるような気がする。
・回収率が94%〜5%ということなので、従来の補完で十分なのではないかと思う。もし
改善をするのであれば、伸び率による補正がシミュレーションの結果では一番良い
ようなので、こちらの方法を使うのが良いと思う。
・資料1の2ページシのミュレーションの結果評価について、
「時間が経過すれば乖離
が拡大するものの、一部の特殊な品目を除き、LOCFは有効に機能」とあるが、この
一部の特殊な品目は何を指しているのか。
→例えば参考資料18ページ下の方のフィルタを見てもらうと、LOCFは2017年当たりで
は10%程度乖離するという結果になっている。3ページにフィルタの単純な生産金額
の推移を載せているが、2013年から急に上がり出しており、このような場合が今回
の一部の特殊な品目に該当する。
・符号付き乖離率と絶対値乖離率をそれぞれどう見るのかだが、符号付きは偏り、絶
対値は総合的なバラツキを見ているということだと思う。偏りがなくてかつ精度が
高ければ一番望ましいという形になっている。そういう意味で2つの数字を出して
いただいたということと思う。平均値代入は偏りの観点ではパーフェクトでも総合
誤差の観点からは問題がある、LOCFは総合誤差では相当良いところに行っているが、
偏りがむしろ生じる場合があるという分析結果の読み方をすればよい。今回、LOCF
は数年であれば、偏りの観点からも総合誤差の観点からもそれほど大きな問題は起
きないということをシミュレーションで示していただいたのはよかった。
・資料1の3ページ、いろいろな努力を重ねて可能な情報を元に統計を作成するとい
う事だが、これをいろいろタイミングで行うと、様々なタイミングで補正がかかる
と思う。補正や修正をするタイミングをあらかじめ決めておいた方が利用者の利便
性には良いのではないか。 3→おっしゃる通り、不用意にいろいろなタイミングで補正をすると利用者が混乱する
ので、年間補正のタイミングに集約したいと思っている。
・シミュレーションによれば、LOCFは偏りも少なくて総合誤差も少ない、ある程度誤
差が蓄積してきて危なくなった段階で考えればよいという程度の問題だと判断させ
ていただいた。
・今回の欠測の実験は、欠測の確率が大きな事業所も小さな事業所も同じだとすると
この程度のちらばりがあるということだと思う。もし大きな事業所は必ず回答して
いるということであれば、多分実際は今回の実験の誤差よりも少ないと思う。
→然り。我々は調査実施者であるが、経済産業省は本統計調査の最大の利用者でもあ
るので、統計調査の精度確保の観点からも、御協力いただく対象事業者に協力を御
願いしている。
・今回は実験していないが、欠測値があるときに補完しないで毎月回答している事業
所だけから推計すると、実態と異なる変動をしてしまうことがあるので、欠測値補
完はやはり必要だということが大事かと思う。
・今回のシミュレーションでは、 LOCFはよく行われている平均値補完に比べたら、
ずっと精度を高くする補完技術だということが少なくとも見えているわけなので、
きちんと分科会で評価していただき、難しい状況の中で必要な技術だということの
情報発信が重要だと思う。
・鉱工業生産指数を日頃活用していて、指数だけを見ていると年間補正で変わってし
まったりして苦労しているが、それとは別の次元として、生産と名の付く統計に関
して、回収率がそれほど低くない中でも、いろいろ試行錯誤し、 今回シミュレー
ションしていただいたものを見て安心した。
(3)その他
・次回の第11回評価分科会は、6月23日(水)16時から、第6特別会議室で開催する
予定である旨、事務局から案内された。
以上

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