総 行 給 第 52 号
総 行 公 第 157 号
総 行 女 第 43 号
令 和 2 年 11月 6 日
各 都 道 府 県 知 事
各 指 定 都 市 市 長
各都道府県議会議長 殿
各指定都市議会議長
各人事委員会委員長
総務副大臣 熊田 裕通
( 公 印 省 略 )
地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて
本日、公務員の給与改定に関する取扱いについて、別紙のとおり閣議決定が行われ
ました。
各地方公共団体においては、地方公務員の給与改定等を行うに当たって、別紙閣議
決定の趣旨に沿って、特に下記事項に留意の上、適切に対処されるよう要請いたしま
す。
地方公営企業に従事する職員の給与改定等に当たっても、これらの事項を十分勘案
の上、適切に対処されるようお願いします。
また、貴都道府県内の市区町村に対しても併せて周知されるようお願いします。
なお、本通知は地方公務員法(昭和25年法律第261号)第59条(技術的助言)及び
地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4(技術的な助言)に基づくものです。記第1 本年の給与改定及び給与の適正化等について
各地方公共団体において職員の給与改定を行うに当たっては、地方公務員法の趣旨
に沿って、次の事項に留意しつつ、適切に対応すること。その際、厳しい財政状況及
び各地方公共団体の給与事情等を十分検討の上、既に地域における国家公務員又は民
間の給与水準を上回っている地方公共団体にあっては、その適正化を図るため必要な
措置を講じること。
1 本年の給与改定について
(1) 国家公務員の月例給については、民間給与との較差が極めて小さいことから、
改定を行わないこととされたところである。各地方公共団体においては、人事
委員会の給与に関する勧告及び報告を踏まえつつ、地域における民間給与等の
状況を勘案して適切に対処すること。
その際、既に地域における国家公務員又は民間の給与水準を上回っている地方
公共団体にあっては、不適正な給与制度及びその運用の見直しを含め、必要な
是正措置を速やかに講じること。
特に、仮に民間給与が著しく高い地域であったとしても、公務としての近似
性及び財源負担の面から、それぞれの地域における国家公務員の給与水準との
均衡に十分留意すること。
(2) 国家公務員の期末・勤勉手当については、民間の支給状況を反映して、支給月
数を0.05月分引き下げることとし、本年度は12月期の期末手当を引き下げ、令
和3年度以降は6月期と12月期の期末手当をそれぞれ0.025月分引き下げること
とされたところである。各地方公共団体においては、人事委員会の調査結果を
踏まえつつ、適切な改定を行うこと。
2 給与の適正化について
(1) 国においては、平成25年1月1日より、高位の号俸から昇格した場合の俸給月
額の増加額を縮減するとともに、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年
法律第95号)の改正により、平成26年1月1日から55歳を超える職員は標準の
勤務成績では昇給停止とするなど昇給抑制措置が講じられたところである。各
地方公共団体においても、国の取扱い及び「地方公務員の給与改定に関する取
扱い等について」(平成25年1月28日付け総行給第1号)を踏まえ、高齢層職
員の昇給抑制等について必要な措置を講じること。
(2) 平成18年の給与構造改革における国家公務員の経過措置額については、平成26
年3月31日をもって全額廃止されていることを踏まえ、未対応の地方公共団体
においては、速やかに必要な措置を講じること。
(3) 平成27年の給与制度の総合的見直しにおける国家公務員の経過措置額について
は、平成30年3月31日をもって全額廃止されていることを踏まえ、未対応の地
方公共団体においては、速やかに必要な措置を講じること。
(4) 等級別基準職務表に適合しない級への格付けを行っている場合その他実質的に
これと同一の結果となる等級別基準職務表又は給料表を定めている場合(いわ
ゆる「わたり」を行っている場合)等、不適正な給与制度・運用については、
速やかに見直しを図ること。
また、級別の職員構成については、職務給の原則にのっとり職務実態に応じ
た厳格な管理に努め、上位級の比率が過大である場合には計画的に適正化を図
ること。
特に、能力・実績に基づく人事管理を徹底する観点から、等級別基準職務表
を給与条例に定めるとともに、等級等ごとの職員数の公表を行うこととされて
おり、各地方公共団体においては、職務給の原則を徹底し、議会や住民への説
明責任を果たされたいこと。
(5) 諸手当の在り方については、一般行政職のみならず職種全般について不断に点
検し、制度の趣旨に合致しないものや不適正な支給方法については、その適正
化を図ること。
特に、地域手当については、給料水準が適切に見直されていることを前提に、
国における地域手当の指定基準に基づき、支給地域及び支給割合を定めること
が原則であること。
都道府県において、人事管理上一定の考慮が必要となる場合にあっては、国
の基準にのっとった場合の支給総額を超えない範囲で、支給割合の差の幅の調
整を行うことは差し支えないが、地域手当の趣旨が没却されるような措置は厳
に行わないこと。
(6) 国家公務員の退職手当については、官民較差の解消等を図るため、平成30年
1月1日から支給水準の引下げが行われている。地方公務員の退職手当につい
ても、「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例(案)等について」
(平成29年12月15日付け総行給第55号)を踏まえ、国に準じて必要な措置を講
じること。
(7) 人事評価については、その実施が義務付けられており、任命権者は人事評価を
任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用するものとされ、また、
人事評価の結果に応じた措置を講じなければならないこととされている。
このことを踏まえ、市町村をはじめ人事評価の結果を勤勉手当や昇給等に十
分に反映できていない団体にあっては、「地方公務員法及び地方独立行政法人
法の一部を改正する法律の運用について」(平成26年8月15日付け総行公第67
号・総行経第41号)に留意の上、速やかに必要な措置を講じること。
特に、勤勉手当の支給や昇給等について、人事評価の結果を反映させずに一
律に行う等、法の趣旨に反する運用がある場合には、速やかな是正を図ること。
(8) 技能労務職員の給与については、民間の同一又は類似の職種に従事する者との
均衡等に留意し、適正な給与制度・運用とすること。
3 給与改定に当たっての対応について
(1) 人事委員会においては、その機能を発揮し、地域の民間給与をより的確に反映
させる観点から、公民較差のより一層精確な算定、公民比較の勧告への適切な
反映、勧告内容等に対する説明責任の徹底などの取組を引き続き行うこと。ま
た、公務としての近似性及び財源負担の面から、それぞれの地域における国家
公務員の給与水準との均衡にも十分留意すること。
人事委員会を置いていない市及び町村においては、都道府県人事委員会にお
ける公民給与の調査結果等も参考に適切な対応を行うこと。
(2) 地方公共団体における職員の給与改定の実施は、均衡の原則及び情勢適応の原
則にのっとり、国における給与法の改正の措置を待って行うべきものであると
ともに、少なくとも期末・勤勉手当については、その支給基準日までに対応を
図るべきものであること。
また、給与条例の改正は、議会で十分審議の上行うこととし、地方自治法第
179条(長の専決処分)の規定に該当する場合を除き、専決処分によって行うこ
とのないようにすること。
第2 その他の事項
1 定員については、地方公共団体の適正な定員管理及び人件費の抑制に支障を来す
ような国の施策を厳に抑制することとされているところである。各地方公共団体に
おいては、行政の合理化、能率化を図るとともに、行政課題に的確に対応できるよ
う、地域の実情を踏まえつつ、適正な定員管理の推進に取り組むこと。
2 給与及び定員の公表については、給与情報等公表システムにより、住民等が団体
間の比較分析を十分行えるよう公表様式に沿った情報開示を徹底すること。
3 新たに制度化された会計年度任用職員については、「会計年度任用職員制度の導
入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)」及び「会計年度任用職員制度の施行
に向けた留意事項について」(令和元年12月20日付け総行公第95号)の趣旨を踏ま
えつつ、適正な任用・勤務条件の確保を図り、給料・報酬及び期末手当は適切に決
定すべきものであること。
4 地方公務員の中途採用については、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(令
和2年7月17日閣議決定)等における就職氷河期世代支援の趣旨も踏まえ、各地方
公共団体の実情に即し、新たな中途採用試験の実施、これまで実施してきた中途採
用試験における受験資格の上限年齢の引上げなどの応募機会の拡大、採用情報等の
一層の周知などに取り組むこと。
公務員の給与改定に関する取扱いについて
令 和 2 年 11月 6 日
閣 議 決 定
1 一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務
員の給与については、去る10月7日の人事院勧告どおり期末
手当の改定を行うとともに、同月28日の人事院報告どおり月
例給の改定を行わないものとする。
2 特別職の国家公務員の給与については、 1の趣旨に沿って
取り扱うものとする。
3 1及び2の措置に併せ、次に掲げる各般の措置を講ずるも
のとする。
(1) 国の行政機関の機構及び定員については、「国の行政機
関の機構・定員管理に関する方針」(平成 26年7月25日閣
議決定)に沿って、厳格に管理を行う。
(2) 独立行政法人(総務省設置法(平成 11年法律第91号)第
4条第1項第7号に規定する独立行政法人をいう。)の役
職員の給与改定に当たっては、「独立行政法人改革等に関
する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)を踏ま
え、適切に対応する。
また、特殊法人等の役職員の給与改定に当たっては、国
家公務員の給与水準を十分考慮して国民の理解が得られる
適正な給与水準となるよう厳しく対処するとともに、必要
な指導を行うなど適切に対応する。
4 地方公務員の給与改定については、各地方公共団体におい
て、地方公務員法の趣旨に沿って適切に対応するとともに、
厳しい財政状況及び各地方公共団体の給与事情等を十分検討
の上、既に地域における国家公務員又は民間の給与水準を上
回っている地方公共団体にあっては、その適正化を図るため
必要な措置を講ずるよう要請するものとする。
また、地方公共団体の適正な定員管理及び人件費の抑制に
支障を来すような国の施策を厳に抑制するとともに、地方公
共団体に対し、行政の合理化、能率化を図り、適正な定員管
理の推進に取り組むよう要請するものとする。

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