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第110回 人口・社会統計部会 議事概要
1 日 時 令和元年9月10日(火)14:00〜16:00
2 場 所 総務省第2庁舎7階中会議室
3 出席者
【委 員】
白波瀬 佐和子(部会長)、嶋﨑 尚子、永瀬 伸子
【 専 門 委 員 】
川口 大司(東京大学大学院経済学研究科教授)
【審議協力者(各省等)】
財務省、文部科学省、農林水産省、国土交通省
【調査実施者】
厚生労働省政策統括官付参事官付賃金福祉統計室:中原室長ほか
【事務局(総務省)】
統計委員会担当室:櫻川室長、鈴木次長、吉野政策企画調査官
政策統括官(統計基準担当)付統計審査官室:金子審査官、山崎調査官ほか
4 議 題 賃金構造基本統計調査の変更について
5 概 要
しろまる 前回部会において整理・報告が求められた事項(「新規学卒者の初任給額及び採用人員」
を把握する調査事項の削除、労働者の「通勤手当」
「精皆勤手当」
「家族手当」を把握する
調査事項の削除)に対する調査実施者からの追加説明を踏まえて審議を行った後、前回答
申における今後の課題のうち、個人票における匿名データの提供検討について審議を行っ
た。その結果、これらについては、一部、所要の修正・対応を求めることとした上で、お
おむね適当とされた。
しろまる その後、答申案の構成及び取りまとめの方向性について審議を行い、おおむね合意が得
られたことから、今回の審議結果を踏まえて答申案について所要の修正等を行った上で、
書面決議により決定することとされた。
委員等からの主な意見等は、以下のとおり。
(1)前回部会で整理・報告が求められた事項に係る再審議
ア 調査事項の変更
(ア)新規学卒者の初任給額及び採用人員を把握する調査事項の削除【事業所票】
・ これまで事業所票において最頻値として把握してきた初任給額と、今後、個人票
のデータを用いて代替集計する初任給額は、違う形で算出されることになるため、
結果公表に当たっては、丁寧に説明を行う必要があるのではないか。
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→ 従前とは算出方法自体が異なるため、算出される初任給額も異なり、単純比較
は困難と考えられることから、
統計利用者に対して丁寧な説明をすることは重要
と考えるため、答申に記載することとしたい。
(イ)
労働者の
「通勤手当」
「精皆勤手当」
「家族手当」
を把握する調査事項の削除
【個人票】
・ 調査票修正案では、決まって支給する現金給与額の中から、
「超過労働給与額」
が除外されることは明確であるが、
「通勤手当」
「精皆勤手当」
「家族手当」が含ま
れるのか否かが不明瞭である。従前と同様に、当該3手当も含むのであれば、調査
結果に断層が生じないよう、
その旨が分かるように調査票上に明記する必要がある
と考える。
→ これまでと定義は同一であり、
当該3手当も含めて記載してもらう必要がある
ことから、調査票において明示するよう修正したい。
(2)前回答申における今後の課題(個人票における匿名データの提供検討)への対応状況
・ 平成30年度統計法施行状況報告に関する企画部会での審議結果を踏まえ、統計研究研
修所の支援を受けつつ、
統計委員会において一定の結論を得ることとし、
厚生労働省は、
この検討に積極的に参画しつつ、その結論が得られた後、本調査における匿名データの
作成・提供について検討するよう、今後の課題として、答申に記載することとしたい。
・ 今までの匿名化は、どのような使い方をするのかを想定しないまま、個人が特定で
きないようにすることを重要視して行われており、その結果、作成された匿名化デー
タは、研究に使用するに堪えないものになってしまっている。例えば、ノイズを追加
することにより、個人を特定できないようにするなど、新たな匿名化の手法の導入の
検討も必要なのではないか。
→ 課題として、答申に明記することとしたい。
・ 今後は、抽出率の設定などサンプリング手法等の見直しについても、専門家の意見
も踏まえつつ、調査結果の利活用も視野に入れて検討を進めてほしい。
(3)答申案の構成・取りまとめの方向性等
・ 今回の職種区分の見直しは、大幅な見直しとなるため、報告者のみならず、統計利
用者に対しても、丁寧な説明を行う必要があるのではないか。
→ 答申案を修正したい。
・ 短時間労働者についても学歴を把握するよう見直されたことを踏まえ、学歴区分の
選択肢に「不明」を追加することとなったが、これまでにない新たな方向の変更とな
る。他の調査でも安易に「不明」の選択肢を設けるような傾向にならないよう留意す
る必要があると考えられることから、回答状況を注視しつつ、
「不明」の選択肢の把
握の必要性について検討・検証を継続することを課題として指摘することも考えられ
るのではないか。
→ 「不明」の選択肢については、これまでの部会で議論を重ねた上で追加すること
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が適当と整理されたものであり、
それを自己否定しかねない記載を追加することは
難しい。他の変更事項も含め、今後の状況変化等を踏まえて、適宜見直しを行うこ
とは自明のことであり、答申案にどのような形で追記するか、検討したい。
・ 労働者数の推計方法の見直しに伴い、調査結果に多少の変動が生じることになるた
め、結果公表に当たっては、統計利用者に混乱が生じないよう、丁寧な説明を行うよ
う指摘する必要があると考える。
→ 答申に記載することとしたい。
・ 初任給額について、個人票のデータを用いて代替集計するよう変更することに伴い、
統計利用者における過去の調査結果との比較に資する観点から、
過去に遡ってデータ
提供を行うことが適当ではないか。
→ 今回調査から新たに新規学卒者か否かを把握した上で代替集計を行うこととし
ていることから、これと同一の集計を遡って行うことはできないが、年齢や経験年
数などのデータから、
新規学卒者と考えられる者のデータを用いて遡及して集計し
た結果について提供することを考えたい。
6 今後の予定
答申案の方向性については本部会で基本的に了承されたことから、今後、部会長を中心に
答申(案)を作成・調整した上で、統計委員会運営規則第6条第2項の規定に基づく書面決
議を行い、9月末に開催予定の第141回統計委員会において報告することとされた。
(以 上)

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