総 行 給 第 19 号
総 行 公 第 51 号
総 行 女 第 22 号
令 和 元 年 10月 11日
各 都 道 府 県 知 事
各 指 定 都 市 市 長
各都道府県議会議長 殿
各指定都市議会議長
各人事委員会委員長
総 務 副 大 臣
長 谷 川 岳
地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて
本日、公務員の給与改定に関する取扱いについて、別紙のとおり閣議決定が行われ
ました。
各地方公共団体においては、地方公務員の給与改定等を行うに当たって、別紙閣議
決定の趣旨に沿って、特に下記事項に留意の上、適切に対処されるよう要請いたしま
す。
地方公営企業に従事する職員の給与改定等に当たっても、これらの事項を十分勘案
の上、適切に対処されるようお願いします。
また、貴都道府県内の市区町村に対しても併せて周知されるようお願いします。
なお、本通知は地方公務員法(昭和25年法律第261号)第59条(技術的助言)及び
地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4(技術的な助言)に基づくものです。記第1 本年の給与改定及び給与の適正化について
各地方公共団体において職員の給与改定を行うに当たっては、地方公務員法の趣旨
に沿って、次の事項に留意しつつ、適切に対応すること。その際、厳しい財政状況及
び各地方公共団体の給与事情等を十分検討の上、既に地域における国家公務員又は民
間の給与水準を上回っている地方公共団体にあっては、その適正化を図るため必要な
措置を講じること。
1 国家公務員の月例給については、官民給与の較差を踏まえ、行政職俸給表(一)
において、初任給及び若年層を対象に平均0.1%の引上げ改定を行うこととされたと
ころである。各地方公共団体においては、人事委員会の給与に関する勧告及び報告
を踏まえつつ、地域における民間給与等の状況を勘案して適切に対処すること。
その際、既に地域における国家公務員又は民間の給与水準を上回っている地方
公共団体にあっては、不適正な給与制度及びその運用の見直しを含め、必要な是正
措置を速やかに講じること。特に、仮に民間給与が著しく高い地域であったとして
も、公務としての近似性及び財源負担の面から、それぞれの地域における国家公務
員の給与水準との均衡に十分留意すること。
2 国家公務員の期末・勤勉手当については、民間の支給状況を反映して、支給月数
を0.05月分引き上げることとし、勤務実績に応じた給与を推進するため、本年度の
12月期の勤勉手当を引き上げ、令和2年度以降は6月期と12月期の勤勉手当をそれ
ぞれ0.025月分引き上げることとされたところである。各地方公共団体においては、
人事委員会の調査結果を踏まえつつ、勤務実績に応じた給与の推進を図るよう適切
な改定を行うこと。
3 国においては、平成25年1月1日より、高位の号俸から昇格した場合の俸給月額
の増加額を縮減するとともに、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第
95号)の改正により、平成26年1月1日から55歳を超える職員は標準の勤務成績で
は昇給停止とするなど昇給抑制措置が講じられたところである。各地方公共団体に
おいても、国の取扱い及び「地方公務員の給与改定に関する取扱い等について」
(平成25年1月28日付け総行給第1号)を踏まえ、高齢層職員の昇給抑制等につい
て必要な措置を講じること。
4 平成18年の給与構造改革における国家公務員の経過措置額については、平成26年
3月31日をもって全額廃止されていることを踏まえ、未対応の地方公共団体におい
ては、速やかに必要な措置を講じること。
5 平成27年の給与制度の総合的見直しにおける国家公務員の経過措置額については、
平成30年3月31日をもって全額廃止されていることを踏まえ、未対応の地方公共団
体においては、速やかに必要な措置を講じること。
6 等級別基準職務表に適合しない級への格付けを行っている場合その他実質的にこ
れと同一の結果となる等級別基準職務表又は給料表を定めている場合(いわゆる
「わたり」を行っている場合)等、不適正な給与制度・運用については、速やかに
見直しを図ること。
また、級別の職員構成については、職務給の原則にのっとり職務実態に応じた
厳格な管理に努め、上位級の比率が過大である場合には計画的に適正化を図ること。
特に、地方公務員法の改正により、能力・実績に基づく人事管理を徹底する観
点から、平成28年4月1日より等級別基準職務表を給与条例に定めるとともに、等
級等ごとの職員数の公表を行うこととされたところであり、各地方公共団体におい
ては、議会や住民への説明責任が強化され、職務給の原則の一層の徹底が求められ
ていることに留意すること。
7 諸手当の在り方については、一般行政職のみならず職種全般について不断に点検
し、制度の趣旨に合致しないものや不適正な支給方法については、その適正化を図
ること。その際、次の事項に留意すること。
(1) 地域手当については、給料水準が適切に見直されていることを前提に、国にお
ける地域手当の指定基準に基づき、支給地域及び支給割合を定めることが原則
であること。
都道府県において、人事管理上一定の考慮が必要となる場合にあっては、国
の基準にのっとった場合の支給総額を超えない範囲で、支給割合の差の幅の調
整を行うことは差し支えないが、地域手当の趣旨が没却されるような措置は厳
に行わないこと。
(2) 扶養手当について、国においては、平成29年度以降、段階的に配偶者に係る手
当額を13,000円から6,500円に減額し、子に係る手当額を6,500円から10,000円
に引き上げることとされている。さらに、扶養親族を有することによる生計費
の増嵩の補助という扶養手当の趣旨に鑑み、一定以上の給与水準にある行政職
俸給表(一)9級及び10級並びにこれらに相当する職務の級の職員については、
子以外の扶養親族に係る手当を支給しないこととし、行政職俸給表(一)8級及
びこれに相当する職務の級の職員については、子以外の扶養親族に係る手当額
を3,500円とすることとされている。各地方公共団体においても、国の見直しの
趣旨を踏まえ、適切に対処すること。
(3) 住居手当について、国においては、公務員宿舎の使用料の上昇を考慮し、令和
2年4月から、手当の支給対象となる家賃額の下限を4,000円引き上げることと
されている。また、この改定により生ずる原資を用いて、民間における住宅手
当の支給状況等を踏まえ、最高支給限度額を1,000円引き上げることとされてい
る。各地方公共団体においては、国の見直しの趣旨を踏まえ、地域の実情等に
応じ、適切に対処すること。
また、自宅に係る住居手当については、国においては平成21年12月に廃止さ
れたことを踏まえ、未対応の地方公共団体においては、速やかに見直しを行う
こと。
8 国家公務員の退職手当については、官民較差の解消等を図るため、平成30年1月
1日から支給水準の引下げが行われている。地方公務員の退職手当についても、
「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例(案)等について」(平成29
年12月15日付け総行給第55号)を踏まえ、国に準じて必要な措置を講じること。
9 国においては、人事評価の結果を任用、給与等へ反映しており、本年の給与改定
において、昨年に引き続き、勤勉手当の支給月数を引き上げ、勤務実績に応じた給
与を推進することとしている。
地方公共団体においても、地方公務員法の改正により、平成28年4月1日から
人事評価の実施が義務付けられ、任命権者は人事評価を任用、給与、分限その他の
人事管理の基礎として活用するものとするとの根本基準が同法に明確に規定される
とともに、人事評価の結果に応じた措置を講じなければならないこととされている。
また、人事評価については、本年8月の人事院の「公務員人事管理に関する報
告」においても、「能力・実績に基づく人事管理の推進」について言及されるなど、
その重要性は高まっている。
これらを踏まえ、市町村をはじめ人事評価の結果を勤勉手当や昇給等に十分に
反映できていない団体にあっては、「地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部
を改正する法律の運用について」(平成26年8月15日付け総行公第67号・総行経第
41号)に留意の上、速やかに必要な措置を講じること。特に、勤勉手当の支給や昇
給等について、人事評価の結果を反映させずに一律に行う等、法の趣旨に反する運
用がある場合には、速やかな是正を図ること。
10 技能労務職員の給与については、民間の同一又は類似の職種に従事する者との均
衡等に留意し、適正な給与制度・運用とすること。
11 人事委員会においては、その機能を発揮し、地域の民間給与をより的確に反映さ
せる観点から、公民較差のより一層精確な算定、公民比較の勧告への適切な反映、
勧告内容等に対する説明責任の徹底などの取組を引き続き行うこと。また、公務と
しての近似性及び財源負担の面から、それぞれの地域における国家公務員の給与水
準との均衡にも十分留意すること。
人事委員会を置いていない市及び町村においては、都道府県人事委員会におけ
る公民給与の調査結果等も参考に適切な対応を行うこと。
12 地方公共団体における職員の給与改定の実施は、国における給与法の改正の措置
を待って行うべきものであり、国に先行して行うことのないようにすること。
また、給与条例の改正は、議会で十分審議の上行うこととし、地方自治法第179
条(長の専決処分)の規定に該当する場合を除き、専決処分によって行うことのな
いようにすること。
第2 その他の事項
1 定員については、地方公共団体の適正な定員管理及び人件費の抑制に支障を来す
ような国の施策を厳に抑制することとされているところである。各地方公共団体に
おいては、行政の合理化、能率化を図るとともに、行政課題に的確に対応できるよ
う、地域の実情を踏まえつつ、適正な定員管理の推進に取り組むこと。
2 給与及び定員の公表については、給与情報等公表システムにより、住民等が団体
間の比較分析を十分行えるよう公表様式に沿った情報開示を徹底すること。
3 地方公務員の中途採用については、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(令
和元年6月21日閣議決定)における就職氷河期世代支援の趣旨を踏まえ、各地方公
共団体の実情に即し、受験資格の上限年齢の引上げ、経歴不問の中途採用試験の実
施や対象者への一層の周知などに取り組むこと。
公務員の給与改定に関する取扱いについて
令和元年10月11日
閣 議 決 定
1 一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務
員の給与については、去る8月7日の人事院勧告どおり改定
を行うものとする。
2 特別職の国家公務員の給与については、おおむね1の趣旨
に沿って取り扱うものとする。
3 1及び2の措置に併せ、次に掲げる各般の措置を講ずるも
のとする。
(1) 国の行政機関の機構及び定員については、「国の行政機
関の機構・定員管理に関する方針」(平成26年7月25日閣
議決定)に沿って、厳格に管理を行う。
(2) 独立行政法人(総務省設置法(平成11年法律第91号)第
4条第1項第7号に規定する独立行政法人をいう。)の役
職員の給与改定に当たっては、「独立行政法人改革等に関
する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)を踏ま
え、適切に対応する。
また、特殊法人等の役職員の給与改定に当たっては、国
家公務員の給与水準を十分考慮して国民の理解が得られる
適正な給与水準となるよう厳しく対処するとともに、必要
な指導を行うなど適切に対応する。
4 地方公務員の給与改定については、各地方公共団体におい
て、地方公務員法の趣旨に沿って適切に対応するとともに、
厳しい財政状況及び各地方公共団体の給与事情等を十分検討
の上、既に地域における国家公務員又は民間の給与水準を上
回っている地方公共団体にあっては、その適正化を図るため
必要な措置を講ずるよう要請するものとする。
また、地方公共団体の適正な定員管理及び人件費の抑制に
支障を来すような国の施策を厳に抑制するとともに、地方公
共団体に対し、行政の合理化、能率化を図り、適正な定員管
理の推進に取り組むよう要請するものとする。

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