-1-第11回点検検証部会 議事録
1 日 時 令和元年9月13日(金)10:00〜11:25
2 場 所 総務省第2庁舎7階大会議室
3 出席者
【委 員】
河井 啓希(部会長)、西郷 浩(部会長代理)
、川﨑 茂
【専 門 委 員】
大西 浩史(株式会社リアライズ代表取締役社長
一般社団法人日本データマネジメント・コンソーシアム理事兼事務局長)
川口 大司(東京大学大学院経済学研究科教授)
【審議協力者】
内閣府、総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、
国土交通省、埼玉県、東京都
【事務局(総務省)】
岩佐大臣官房審議官、小森大臣官房審議官
統計委員会担当室:櫻川室長、永島次長、柴沼次長
政策統括官(統計基準担当)付:金子統計審査官
4 議 題
(1)重点審議結果について
(2)その他
5 議事録
しろまる河井部会長 それでは、ただ今から第 11 回の点検検証部会を開催いたします。
本日は重点審議結果の取りまとめの案につきまして審議を行いたいと思います。また、
重点審議の結果を踏まえ、第一次再発防止策を一部修正いたしましたので、修正案につき
まして審議を行いたいと思います。
それでは事務局から資料の確認をお願いいたします。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 本日の資料は1点のみです。資料1としてA4縦の
もの、20 枚ほどのものをホチキス止めしたものが1種類用意しています。もしお手元にな
いようでしたらお知らせいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
しろまる河井部会長 それでは、議事に入りたいと思います。6月から毎月勤労統計調査など5
つのテーマにつきまして、重点審議を行ってまいりましたが、事務局に指示をしまして、
審議を通じて出された改善に向けた指摘事項等についての案文を取りまとめました。まず
全体の報告書の構成につきまして事務局から御説明をお願いいたします。 -2-しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 資料1を御覧ください。部会長の指示により事務局
にて前回までの審議を踏まえまして案を作成したものです。重点審議の結果を踏まえまし
て、6月までの審議結果を踏まえた再発防止策の修正というものも含めてこれまでの当部
会で行ってきた活動を取りまとめるような中身となっております。
表紙をおめくりいただければお分かりいただけますように再発防止策と、それから重点
審議結果ということで2部構成のような形にしております。基本的にはいわば総論として
の再発防止策、6月に建議をいただいたものがあって、その上で個別の調査やテーマにつ
きまして、いわば各論として具体的な再発防止策につきまして御審議をいただいたと。そ
れが重点審議結果ということで、
重点審議結果というここの副題ということで括弧して
「再
発防止策の具体化に当たり踏まえるべき留意点等」というように付けさせていただいてお
ります。こういったタイトル、またこれらを包含したタイトルをどう付けるかということ
も御審議いただきたいのですが、表紙にあるとおり、全体のタイトルも「点検検証結果を
踏まえた公的統計の総合的品質管理を目指した取組について」
という形で付けております。
続きまして、再発防止策の部分です。これは基本的に6月のものをそのまま載せている
のですが、重点審議の中で重点審議の対象であった毎月勤労統計調査について大阪府の調
査員の事案、それから同じく対象であった最低賃金に関する実態調査につきまして大阪労
働局の職員の事案、これが新たに生じましたので、そしてまた皆様方からはあってはなら
ない深刻な事案であるという非常に厳しい御指摘もいただきました。また、部会長から統
計委員会に部会の審議状況を御報告いただいた際におきましても、西村委員長から「統計
調査の信頼性に対する重大な疑念をもたらす可能性を含む、統計委員会としても非常に重
く受けとめなければいけない問題である。厚生労働省その他各府省においても気を引き締
めてコンプライアンスへの真剣な対応をやっていかなければならない。統計委員会として
もそれを後押しするという形の対策をこれから講じていく」という旨の御発言があったと
ころです。
そこで、この案件につきまして再発防止策に記述を追加する修正をいたしました。具体
的にはおめくりいただきまして、5ページを御覧いただきたいと思います。6月の再発防
止策ではここの(4)民間事業者、地方公共団体等への適切な指示と履行確認のところで
すが、ここでいわゆるメイキングなどを調査員が行うことのないよう抑止する措置という
ことで枠囲いの改善策の2つ目のポツに、総務省統計局が実施している調査員の業務の履
行状況を国が直接確認する取組、いわゆるコンプライアンスチェックについて、原則とし
て他府省においても導入するという記述が盛り込まれていたところですが、今般の事案の
中には最低賃金に関する実態調査で見られたような地方支分部局の職員による事案という
のも出てまいりましたので、こういったものをカバーする形の記述をする必要があるだろ
うということで、5ページ目の一番下のポツですが、上記の履行状況確認の取組を導入し
難い場合(調査員調査以外を含む)にあっては、調査の特性に応じ、本府省による調査票
情報を活用した履行状況の確認、監査等の措置により適切な調査実施を確保するという文
言を加えています。
例えばではありますが、調査票の一部について抜き取って調べてみて理由の記載もなく -3-修正されているものがないかどうか調べてみるとか、あるいは本省の担当者が定期的な地
方監査を実施するといったようなものが想定されるかと考えております。これによって現
場に、もし不正をしたら発覚するかもしれないという緊張感を起こさせる、それによって
抑止力を働かせるということが必要と考えております。
これで全部をもう1回くまなくチェックしようとすると、現場の人手を借りずに全部の
調査をやり直すのに近い労力になってしまうので、それは少し現実的ではないと。あくま
で一部なりをうまくチェックすることによって、全体に抑止力を働かせる工夫と。それは
いろいろなやり方があろうかと思うのですが、それをここで読み込むというように考えて
おります。
それから、6ページの2つ目のポツですが、調査実施に際しては、現場の職員、調査員
等に対し、過度なノルマを課すことを避けるとともに、調査拒否等の困難な状況に直面し
た場合に相談やサポートを受けられるように配慮するということで、これは前回、部会長
ほかから御指摘いただいた点ですが、まさにそもそも不正をするというような動機を起こ
させないということが重要ですので、困難な状況に直面した場合にきちんとサポートを受
けられるようにすると。この点に関しまして、今日ご欠席ですが、嶋﨑先生からメールで
御意見を頂戴しておりました。ここの調査拒否等の困難な状況に直面した場合に相談やサ
ポートを受けられるように配慮するという文言について、
「直面した場合の相談やサポー
ト体制の整備」
というような文言にしてはどうかというご提案をいただいておりますので、
これも併せて御審議をいただければと思います。
それから細かな点ですが、5ページに戻っていただきますと(4)の下の5行目で調査
員という言葉だったものを調査員等ということでほかのケースも読み込むようにしていま
す。
再発防止策の修正につきましては、以上が主な点ですが、若干ほかに細かな点がありま
して、まず1ページに戻っていただきたいのですが、中ほどに検討の概要というところが
ありまして、ここで点検結果について記載しています。この点に関しまして5月 16 日に一
般統計の点検結果を審議いただいた後、非常に細かな手続上の事案なのですが、集計事項
のうちのごく一部で集計自体はしていると、したがって未集計とかそういうことには当た
らないのですが、WEBサイトや印刷物に基本的には載せているのですが、その中で一部
集計表が載っていないという項目があって、それは問い合わせがあれば閲覧で公表すると
いうことだったそうなのですが、そのことが正確に言うとどこにも書いてないということ
で公表の方法が調査計画と微妙に異なるという整理をいたしまして、部会長に報告の上で
そういう細かな手続上の事案を1件追加という整理にいたしまして、上から4行目、一般
統計 139 調査とありますが、6月の時点で 138 調査としていたものが1つ増えて 139 調査
ということにしております。
それから同じページの検討の概要の下の2つ目のポツのところにこれまでの経緯を書い
ているのですが、今回の重点審議結果を踏まえてやっているということを踏まえまして、
その後、5つの個別のテーマについて重点審議を実施し、第一次再発防止策を一部修正す
るとともに、再発防止策の具体化に当たって踏まえるべき留意点を明らかにしたという文 -4-字を追加しております。
それからこういう形で重点審議結果を踏まえて部会として最終的には再発防止策を固め
るということですので、再発防止策のタイトルから第一次という文字を落としています。
続きまして、ずっと後ろの方、重点審議結果の方の構成に移りたいと思います。14 ペー
ジのところを開いていただくとその前のページに目次を付けています。重点審議結果の構
成です。最初に総論として、重点審議結果全体について述べた上で、それぞれ各テーマに
ついて述べるという構成にしています。この各テーマの内容につきましては後で改めて個
別に御審議をいただく際に御説明をしたいと思います。ここでは重点審議結果の全体の総
論のところを御覧いただきたいと思いますが、14 ページ冒頭、最初にこの重点審議の位置
付けについて簡単に申し上げましたが、ここで改めて触れておりまして、本年6月に統計
委員会が建議した再発防止策の内容を個別の事例に即してより具体的に審議することを通
じて、各府省における再発防止策の具体化を講じる際の留意点等を得るとの観点から、更
に掘り下げた審議を行うという紹介をしています。
しばらく飛んで、このパラグラフの一番最後ですが、各府省にはこれを踏まえて再発防
止策の具体化に早急に取り組んでいただきたいと、各府省の対応状況については、統計委
員会において継続的にフォローアップしてその結果を公表すると。このフォローアップに
つきましては、再発防止策の方でも触れているのですが、念を入れて重点審議の総論でも
触れるという形にしております。
その下で、全体複数のテーマで繰り返し御指摘いただいた点ということで3点ほど挙げ
ております。これは特に留意すべきだろうということで紹介しております。このあたりも
また御審議いただければと思います。
その下のパラグラフで先ほどご紹介した大阪事案を踏まえた再発防止策の修正に触れる
という形としています。
最後に一番最後のページからちょっとおめくりいただきますと、目次という形が出てき
ます資料編です。資料編は一応仮にページは振っていますが、整理中でございまして、こ
れ基本的には整理に属するものかと思いまして今回は添付しておりませんが、これまでの
部会で御審議いただいたものを全部付けると非常に分厚くなってしまいますので、これは
というものをそれぞれのテーマについてピックアップして載せるということを想定してい
ます。
以上です。
しろまる河井部会長 ありがとうございました。それでは今、御説明がありました、まず再発防
止策の修正案、第1部の5ページとか6ページとか何箇所かありましたが、あと1ページ
目もそうですね、その修正案について。
もう1つは第2部の 14 ページの重点審議結果の最
初の総論の部分、幾つかポイントとメッセージ等が書かれておりますが、ここに書かれて
いるもの以外で追加した方がいいとか、あるいはこれは不要ではないかというような御意
見。あとは全体の構成、第1部、第2部、及び資料編というように3部構成になっており
ますが、全体の構成について適切かどうかということについて御審議いただきたいと思い
ます。 -5-御意見あるいはご質問等がありましたらお願いいたします。川﨑委員どうぞ。
しろまる川﨑委員 資料の作成ありがとうございました。途中段階ではいろいろ私も部会長方々
とこの議論にも加わりながら見せていただいたので、イメージは大筋これでいいのかなと
は思っております。ただもっと大きな問題として、是非ご検討、ほかの方の御意見を伺い
ながら御相談できたらと思うのですが、この報告書をこれで自己完結するような形にまと
めた方がいいのだろうと思うのです。
というのは、
この資料というのは当然のことですが、
各府省の統計関係者の方々にもよく読んで理解して実行していただきたいですが、外部の
統計、公的統計を利用する人、いろいろな意味で観察する人から見ても分かるようなもの
にした方がいいだろうと思います。ただ、これは、統計委員会としての建議として出す報
告書ということでもあるので、
その辺りの書き方は難しいところがあろうかと思いますが、
いずれにしても何か1冊の報告書という形にまとまる方がいいのではないかと思うのです。
そういう前提で考えますと、1冊の報告書とするには、このままだと違和感があって、1
つは先ほどご紹介あった目次ですね、
表紙の内側の目次が大項目の3項目だけ載っていて、
その次もう1回めくると今度は第1部の詳細目次があって、ずっと先の方にいくと今度は
第2部の目次があって、飛び飛びな感じがあるのですね。ですから、これを1つの目次に
統一して全体が見えるようにして第1部、第2部みたいに一貫性のあるものにまとめた方
がいいのではないかというのが意見です。
そして、その上でいきなり第1部、第2部があると何のことやらこれだけ読んでも分か
りにくいので、やはり何らかの意味でのはじめにとか前書きといったものをつけて、それ
でこれを自己完結するような形にまとめていったらいいと思うのです。前書きのところの
書き方をどうするかというのは出てくるのですが、最終的にはこれは建議なので、親委員
会の方でのご判断にもなろうかと思いますので、そこは大雑把にこの部会ではこんなこと
を盛り込んだらいいなというぐらいのことまでを整理した上で、これを自己完結型の報告
書にしていってはどうかというのが私の申し上げたいことです。
以上です。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。ポイントとしては、統一感を持たせるために1つ
の目次に統一していこうと。あとは前書きを追加するというこの2点ということでよろし
いでしょうか。
ほかにいかがでしょう。川口専門委員。
しろまる川口専門委員 14 ページのところの、重要な課題として指摘されたものとして3つ挙が
っていて、その2つ目のところで統計の再現性確保等を意識した文書やデータの適切な保
存管理の徹底となっていて、議論の中でやはり出てきたのが外部の者が統計を使えるよう
にするというようなポイントもこれに関連するところとして出てきて、7ページ目には統
計の利活用の促進というようなことが書いてあるのですが、この2番目のポイントに寄せ
るのがいいのかどうか。いずれにせよ、この3つのポイントの中に統計の利活用の促進と
いうようなことを入れることをご検討いただいてもよいのかなと思いました。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。本文中には何箇所か利活用のことは書かれてあり
ましたが、その点を強調した方がいいという御意見ですよね。 -6-しろまる川口専門委員 はい。
しろまる河井部会長 分かりました。ほかにいかがでしょう。川﨑委員。
しろまる川﨑委員 今の御意見にちょっと触発される格好ですが、同じく今の 14 ページの3項
目ですね、これ3項目に限定しなくてもいいのかなという気がし始めました。今、川口専
門委員がおっしゃったように統計利用の促進というのももちろん大事ですが、もう1個、
利用者に向けた正確な情報の提供、
適正な提供というのがやはり少し欠けているのかなと。
特に毎月勤労統計調査の場合、それが大きな問題だったわけです。
特に一番最初の 2003 年
当時に抽出率を変更した問題とか、2018 年にもう1回それを推計の方法を変更した問題と
いうのは全然開示されてこなかったわけです。そういう技術的な情報をきちんと提供して
いくこと、そうやって利用者を誤解させないような配慮ですね、そういった情報提供の励
行ということは述べておいた方がいいのではないかと思います。というのは、ついついこ
れ第一次、第二次と審議してしまったものですから、私自身も反省としてあるのですが、
第一次で大分言ったのをついついここでもう言わなくていい気分になってしまうところが
あるのですが、そこはもう1回ここで重点審議の中で大事な事項だと言って、繰り返して
言ってもいいのではないかと思いますので、そこはもう一度利用者目線で、利用者に向け
て情報提供するとか、利用者の使いやすい環境を整備して利用の促進を図るとか、そうい
う川口専門委員がおっしゃったようなことを含めて、拡充してもいいのではないかと思い
ました。
しろまる河井部会長 ありがとうございました。恐らく川﨑委員と川口専門委員がおっしゃられ
た点というのは共通するというか、利用者の目線で、利用者の利便性ということを通じて
統計の改善にも向かわせようということなので、1つにまとめられるかもしれませんが、
とにかくお二人が強調したポイントは追加した方がいいのかもしれません。
ほかにいかがでしょう。西郷部会長代理。
しろまる西郷部会長代理 詳しい取りまとめを本当にどうもありがとうございます。その取りま
とめの段階で意見を申し述べるように伝えられて、そのときに言わなかった点になってし
まうのですが、2部の方の重点審議結果というところで、そもそもこの統計が何のために
必要なのかという、ここに書いてあることは今ある統計をきちんと作るためにどういうこ
とをしたらいいのかということを中心に述べてあると思うのです。例えば、最低賃金に関
する実態調査のときに、標本の設計が政令市と比較的人口の少ない市だけが標本調査の対
象となっていて、でき上がってくる統計というのはそもそも何をはかろうとしているのか
というのが分かりにくいという面が、
たしかそういう議論があったように記憶しています。
そうすると、この統計がそもそも何のために必要で、その目的を達成するためにはどうい
うような調査の設計が必要なのかということも、この際きちんと見直したらどうかという
ような視点がどこかに入っているかなと思って今、最低賃金に関する実態調査のところを
見ているのですが。もしかしたらきちんと読めばそういうことまでくみ取れるような形に
なっているかもしれないのですが。せっかくこの公的統計全般を点検、検証しようという
形になったので、そもそも当該の統計がどういう目的のために使われているのか、どうい
う目的のために作成されていて、その作成の目的を達するために適切な設計になっている -7-かどうかというようなことも見直しの中に含めてはどうかと思いました。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。それは、最低賃金に関する実態調査などの各論の
ところで議論するのではなく。
しろまる西郷部会長代理 各論のところでも結構ですし、最初のところにそういうことまで含め
てきちんと見直してくださいという書き方にしても結構です。
しろまる河井部会長 分かりました。川﨑委員。
しろまる川﨑委員 これまた今の御意見に触発されての話ですが、確かにそう思ってみると今の
19 ページあたりの最低賃金に関する実態調査のところで、
例えば標本設計上の課題とか 19
ページの(2)ですね、標本設計上の課題とそれから(1)の復元推計の未実施とかこう
いうのがあるのですが、これ実は統計の目的に照らしてみてどういう設計が本来あるべき
かという議論があったと思うので、その意味では実はここの記述が全体的にテクニカルな
ことばかり書いてしまったところがあるのです。ですから、もう少し理念的な目的に応じ
た統計の設計になっているかという観点から考えるべきだといった、鮮明な問題意識を書
き込めたら、なおよくなるのではないか。そのあたりのことは総論でも今、西郷部会長代
理がおっしゃったように、各論のところでも少し工夫していけたらと思いました。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 少し事務局から補足をさせていただきたいと思いま
す。いわゆる2と書いてある課題の指摘の部分と3の改善策の部分と、どう文章上切り分
けて書くか、少し悩ましさもあったのですが、21 ページの方で今、御指摘の部分は中見出
しのところの2つ目ですが、
具体的な調査ニーズに応じた調査設計の見直しということで、
この3の方には入れ込めているのですが、2の方、改善策ではなくて、課題指摘でどう書
こうかというところが少し文章表現しきれなかったところもありますので、御指摘を踏ま
えて工夫の点かなと考えます。
以上です。
しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 もう1点補足をさせていただきますと、この各論の
方の課題の概要のところは、審議の指摘の前提になる様々なファクトを中心に書くように
は極力心がけたつもりです。その上で今御指摘いただいたような目的に応じてどうあるべ
きかというようなことは恐らく御審議いただいたところですので、最低賃金に関する実態
調査では 21 ページにご紹介したような調査設計の見直しのところで、目的に適合した調
査となるように見直す必要というようなことを書いている。それから同じ議論は労務費率
調査につきましても程度の差はともかくあったかと思いますので、これも 23 ページから
24 ページにかけまして、
課題のところは淡々とこの調査の中身、
起きたことを書いた上で、
部会として御審議いただいた点として、3ポツの指摘事項の中で上から2つ目の括弧です
が、調査設計等の改善ということで、この調査そのものについていろいろ御審議いただい
た点について書いたつもりです。調査設計等の改善のところの2つ目の白丸で、まさに御
指摘いただいたように今後とも活用状況など踏まえ調査項目や調査票の様式はもちろん統
計調査自体の必要性をも不断に見直していくべきといったようなことを書かせていただい
ているということです。
以上です。 -8-しろまる河井部会長 川﨑委員。
しろまる川﨑委員 ということは、確かに各個別の統計調査のところでは記述はされていて、そ
この読み方が後ろに結論があるから気づかなかったということであるので、個別の記述は
いいとして、そうするとやはり総論のところでもう少し何か取り上げるというのが方向な
のかなと思いながら私は聞きました。
その上で、進ませていただきたいのですが、同じく 14 ページの重点審議の総論のところ
ですが、私の読み方が悪いのかもしれないのですが、重点審議で5つのものを取り上げた
理由というのがもう少し鮮明に書けないかなという気がしております。どういうことかと
いうと、たった5つしか取り上げていないわけですが、なぜこれを取り上げたのか、どう
いう意味でこれが大事なのかというのはもう少し読み手に伝わる工夫が要るかなと思いま
す。
私なりの気持ちから言えば、要するに深刻度の高いものを重点として取り上げました。
それから、発生頻度がある程度高くて、どこにも転がっているようなリスクですと、そう
いうものを重点で取り上げたというのが理由だと思います。私なりの整理はそういうこと
です。それで、じゃあそれをここで書いたら何で大事なのかということなのですが、私は
もう少しこう書けたらと思うのです。ここで特定の府省の統計を取り上げるわけですが、
その当該府省についてはもうここに書いてあることを是非しっかり実行してくださいとい
うのがお願いしたいことですが、それ以外の府省からすればまさに他山の石として、それ
から教訓を学び取って同じリスクが自分のところの統計にもあると思って未然防止に努め
ていただけたら、これは再発というよりも未然防止だと思うのですが、そういう観点から
これを読んで活用していただきたいと思うのです。そういう趣旨がもう少しこの頭に書け
た方がいいのではないか。このままだと、How でこんなことをやりましたということばか
りが書かれていて、Why があまり鮮明に出ていないかなという気がするのでそこをもう少
し文章を工夫できたらと思います。
しろまる河井部会長 今、川﨑委員が御指摘いただいた点というのは前半のところは確かに少し
書き込みが足りないかなという気はするのですが、後半の他府省にも共通するという話は
14 ページの一番下の段落に川﨑委員がおっしゃったイメージのことは書かれてあるので
すが、
こういう形よりももっと前半に書いた方がいいという、
そういう御意見でしょうか。
しろまる川﨑委員 そうですね。位置というか、何か論理的なつながりみたいなところですね。
だから文章表現の問題なのかもしれません。その辺りを私もどうしたらいいかというのが
よく分からずに言っているのですが、読んでいて伝わりにくいなという気がしたというこ
とです。
しろまる河井部会長 分かりました。ありがとうございます。
ほかいかがでしょう。大西専門委員。
しろまる大西専門委員 統計専門委員の活動がはじめてで、この委員会の結果がどういう位置付
けのドキュメントというか、取り扱いになってくるのかということをよく分かっていませ
んので、教えていただければ。当初より「対策の実効性が最重要」と申してきましたが、
これにはものすごい強制力があって、これをやらないとそれこそ誰かが、違反として罰せ -9-られるみたいな形になるような強制的なものなのか、それともガイドラインとして出され
るものなのか、その位置付けを教えていただきたいというのが1点。
もう1点は、
この5つの重点審議は 26 ページ目を見ていたら、システム配置図が急に出
てきたり、付帯して「文部科学省がしっかり改善に努力しています」みたいな記述があり
ますが、ほかの重点審議のところにはそういう記述がなかったりなど、違和感というか、
これを受け取った側にどう理解してもらい、どう行動してもらいたいのだろうかというこ
とが少し分かりにくいので、ドキュメントの位置付けと、先ほどの御指摘にあるとおりこ
こから何を読み取らせたいのか、教えていただければ幸いです。
しろまる河井部会長 位置付けとしましては、強制力はないというか、ガイドラインとして統計
委員会、親委員会の方で出す。まずはこちらの部会の方で答申案を作成したら、それに基
づいて親委員会が西村委員長から総務省の方にこのガイドラインを提示して、それに従っ
て各府省にこういう形で進めてくださいという指針というものを示すというそういう位置
付けだと私は考えております。
統一性のことは、何を読み取ればいいかというのはその辺が少し分かりづらいというの
はあるのかもしれませんね。修正の余地はあるのかもしれません。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 重点審議の5つのテーマがございまして、部会長の
指示を受けて取りまとめを作成しましたが、結構それぞれのテーマが特徴的で、共通性が
それほどなかったものですから、おっしゃるとおり、本来ですと表側がきれいに整うと見
たときに分かりやすいのですが、それぞれ違う個性で作られてしまっていて、そこは申し
訳ないです。なかなかどう書いていいかという知恵がないまま今日に至っているというこ
とで、そこは事務局の不手際ということで御寛恕いただければと思います。
しろまる河井部会長 川﨑委員。
しろまる川﨑委員 今の御指摘なかなか難しいけれども大事なポイントだと思ったのは、私は実
は1、2、3までは大体今のような個別の統計の課題を上げながらも多少一般化してでき
るところがあると思って、そういう意味で最初に申し上げたとおり、特定の調査の課題だ
けど類似の問題がほかの調査でも起こり得るという教訓があるからということでこれが挙
げてあると思うのです。確かにこの学校基本調査の場合は 25 ページの1のところですね、
ここの書き方がすごくさらっとし過ぎて学校基本調査の問題だけですよというように読め
なくもないのです。ここのところもう少しうまくこれはどういうシステムでも下手に作る
と柔軟性がなくなって、もう統計の改善もおぼつかなくなる、それぐらいの大事な教訓が
この中に含まれているというような趣旨をもう少し書きこんで、学校基本調査でもやって
いただきたいが、同じような状態に陥らないように要望してほしい、各府省においてはで
すね、というような趣旨が読めるような書き方をすれば今の大西専門委員の疑問には少し
でも答えられるかなと思うので、そういうことでいかがでしょうか。
しろまる河井部会長 ご提案ありがとうございます。そうすれば統一感というか全体の中で違和
感というのがなくなるのかもしれませんね。
ほかにはよろしいですか。川口専門委員。
しろまる川口専門委員 これが本委員会の方で承認されて、
最終的に出ていくという形になると。
-10-
それを受けていろいろなところが動き出すという形になっていくと思うのです。それで、
私、大学関係者として直接関係する部分を拝見すると、7ページの利活用の促進で、オン
サイト施設を整備していくということがあって、ここに大学にも施設の設置を促進してい
くと。私自身も関係者の1人としてできることはしていきたいと思っているのですが、実
際にこのオンサイトの中にマイクロデータが格納されていくことになったときに、それが
一体どのぐらい使ってもらえるのかということは考えていかないといけないことだと思う
のです。これですと3年以内に、原則として全ての期間統計及びニーズの高い一般統計の
調査票情報をと書いてあって、これは大変結構だと思うのですが、実際問題として、最新
の一、二年分のデータしか入っていないみたいな形になってしまうと、恐らく研究者は利
用しないのではないかと思うのです。ですので、もちろん電子化されていない過去に遡っ
てほしいというような無理なことを申し上げるつもりはありませんが、既に電子化が終わ
って提供が可能になっているような 33 条申請の下で提供に供しているようなデータに関
してはできる限り過去に遡って提供すると。具体的には今のこの調査票情報をできる限り
過去に遡ってオンサイト施設で提供できるようにする、なるべく過去に遡るのだというよ
うなことを1文入れていただけるとありがたいなと思いました。ご検討いただけると幸い
です。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。そうですね、1年しかなかったら使い物にならな
いというか、時系列で比較しないと分析には使えないと思いますので、その1文というの
はあった方がいいと思いますね。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 事務局として確認をさせていただきたいと思います
が、今の点、
多分先ほどの御指摘で 14 ページのところに利活用の話が入ることになると思
うのです。そこの説明の文章も多分何か書き足しが必要になってくるかと思いますので、
そういったところで今の問題意識を明らかにするというような形でもよろしいということ
で理解させていただいてよろしいでしょうか。
しろまる川口専門委員 もちろんそちらでも対応していただけるとありがたいのですが、ここの
部分をもう直すのは難しいですか。もしも可能であれば、恐らくこういう文章に従ってい
ろいろな部局が動き出すと思うので、実質的にこれでこの文章だけを見てオンサイトの整
備が始まると恐らく直近の何年間のデータしか入らない、結果としてあまり使われないと
いうような形になってしまうことを懸念しておりまして。もしも今からでも可能であれば
少し文章を追加していただけると非常にありがたいです。無理には申しませんが、お願い
できれば幸いです。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 御相談ということで。
しろまる河井部会長 少しこちらは親委員会とも相談して対応させていただきたいと思います。
川﨑委員。
しろまる川﨑委員 ここでは毎月勤労統計調査の 15 ページから 16 ページぐらいにかけてのコメ
ントということですが、実は毎月勤労統計調査も含めてもう第一次点検から第二次点検と
か繰り返しやっているものですから、ちょっと第二次のところがもう前に1回言ったから
もういいかみたいなそういう気分になっているところもあってですね、少し頭の整理がで
-11-
きていなかったかなというところがあって、その反省を踏まえて、ちょっと繰り返しにな
るのかもしれないのですが、申し上げたいのが、こういうことです。
1つはこの 15 ページの左下の方の2の(1)のところですね。問題点として(1)のタ
イトルは可視化・透明化が不十分ということなのですが、これはあくまでも業務を進める
上の観点が書かれているのですね。ところが、毎月勤労統計調査を 2003 年まで遡ってずっ
と考えていきますと、やはり利用者に向けて正しい情報が提供されなかったということが
最大の問題で、それの原因をずっと探っていくと、業務上こういう問題があったというこ
とになってくるので、やはりこういう報告の中では統計の利用者の視点に立ってもう少し
利用者に適正な情報が提供されなかったということが問題なのだということをもう少し明
確に書き込む必要があるのではないかと思います。これは 22 ページの2の(1)なのです
が、同様に右側の 16 ページの方の(2)のところも外部検証、外部有識者等とのコミュニ
ケーションと書いてあるのですが、これは2つに分けて考えた方がいいと思うのです。コ
ミュニケーションの問題というよりも本質はやはり先ほど申したように利用者への適正な
情報提供が適時、適切に行われたかという問題で、それがなかったらやはり利用者はデー
タを誤用してしまうし、社会が混乱するようなことが起こるわけなので。そこの適正な情
報提供というのは1つ分けた上で、その上でコミュニケーションがあったらちょうどいい
のかなと思います。
実はコミュニケーションをしていればいいというわけではなくて、何より大事なのは技
術的な適正さの確保だと思うのです。だから本当はコミュニケーションというのは手段で
あり、目的は適正さの確保なので、そちらを出して、コミュニケーションを通じた適正さ
の確保とかそういう言葉で言わないと、意図が通じないのではないかというのがやや心配
なところなので、
そのあたりどこをどう修文したらすっきりできるか分からないのですが、
場合によっては項目立ての(1)
(2)を少し組み直すようなことも必要かなとも思いまし
た。とにかく利用者目線と、それから作成サイド目線とのことを少し整理した方がいいか
なと思います。
とりあえず以上です。
しろまる河井部会長 実は、まず最初に全体をお話して、各論をこの後にお話しようと思ってい
たのですが。まず全体の話については以上でよろしいですか。
では、各論に入らせていただいて、学校基本調査につきましては既に審議を行いました
ので、ほかの4つのテーマについて審議を行いたいということです。
今、川﨑委員から御指摘いただいた毎月勤労統計調査、ここはたくさん議論もいたしま
したし、いろいろ問題もあったということで、この点について今の川﨑委員の質問に回答
がここでできるかどうか分かりませんが、まずは事務局の方から毎月勤労統計調査につい
ての御説明をお願いしたいと思います。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 資料の説明ができてなかったので、ここで資料説明
を追加させていただきたいと思います。
お手元の資料1のページで申しますと 15 から 18 ページの4ページの部分です。ここが
毎月勤労統計調査の関係の部分です。
-12-
1番が重点審議のテーマ、選定理由ということで、結構ここは長めになってしまってお
りますが、毎月勤労統計調査の今回いろいろな問題の発端となった事案であるとか、そも
そも毎月勤労統計調査の重要性であるとか、そういったところを改めて要約で書いている
ところです。2番のところが課題の概要ということで現状としてファクトとして出てきて
いるところを中心に書いているものですから、先ほど川﨑委員からも御指摘があったよう
に今後の改善点と絡ませるとちょっと読みにくいというところはあったのかなと思います
が、その辺の整理の仕方はまたよくご議論いただければと思います。
一応ここの段階では4つの点を課題の概要として挙げております。1点目が業務の可視
化、透明化が不十分ということで、御指摘いただいたとおり、メーカーサイドとしての視
点としてのファクトというか現状を書いているという部分です。時間もなくなってきたの
で中身については細かいところは御説明いたしませんが、そういった意識で書いておりま
す。
それから2番目のところは、今度は役所側と外部との関係ということで大きくくくらせ
ていただいておりますが、外に出す情報提供として外部検証可能性という点から不足があ
るということ。それから外部の有識者との技術的な意見交換なりコミュニケーションとい
う面で課題があるというところを指摘させていただいております。
(3)はまた別の視点ですが、文書とかデータの保存管理の不徹底ということで、先ほ
どの総論の部分でも出てまいりましたことをこの各論として書かせていただいております。
それから(4)のところは先ほど来、出てきた大阪事案のこと、それからそれ以外にも
毎月勤労統計調査の関係で民間事業所、あるいは地方公共団体の方で、不適切な処理とい
うことがあったということを合わせて3つの点についてファクトを書かせていただいてお
ります。
それから 17 ページの方にまいりまして(5)5つ目の点として人材面のことを書かせて
いただいていまして、これも総論部分で書いてあることの各論版ということです。
それから 17 ページの3のところの柱書きの部分については、厚生労働省の現状の考え
を要約的に書かせていただいておりますが、これは前回8月の部会の御審議の際に提出さ
れた資料、あるいは説明の部分が少し長くなっているものですから5行程度にかなり短く
まとめたものです。
それから四角囲いにしてある部分、1ページ強の部分ですが、ここが部会としての御指
摘の部分ということで、部会の審議の場でいただいたお話もありますし、その後いろいろ
とまとめるに当たって御相談の過程でいろいろいただいたものもありますが、合わせて中
見出しの部分で7点ほどにまとめさせていただいております。
最初が事案の重大性の再認識ということで、毎月勤労統計調査はそもそもの統計の問題
が起こったきっかけですし、社会的な影響も大きかったと。影響度の区分ということでI
からIVというのを部会の方で設けていただきましたが、IVに該当する一番影響のあるもの
というのはこの毎月勤労統計調査の事案だけでしたので、そういった意味でも重大性を再
認識し、信頼回復に全力で取り組むということが必要ということで書かせていただいてお
ります。
-13-
それから2番目の点が先ほどの2の(1)と通じる部分ですが、業務の可視化等を通じ
た業務管理体制の強化ということで、まとめさせていただいている部分です。
それから3点目の部分が外部との開かれたコミュニケーションの実現ということで先ほ
どの2番の(2)の部分と関連する部分です。
以降、文書やデータの適切な保存・管理の徹底ということで、ここも2の(3)と対応
するという形になっています。
その次の業務システムの改善の部分が、再発防止策、6月までの審議の過程で今言った
ところのリフレインになりますけど、システムがブラックボックス化しているということ
で対応策について書かせていただいています。
それから6個目の部分は先ほど来の大阪事案を中心とした全体の再発防止策の方にも修
正案を書かせていただいている部分の毎月勤労統計調査に特化したお話です。
それから最後の部分が人材育成のほぼ総論に書いてあるようなことの繰り返しですが、
まとめさせていただいているということで、簡単ですがこのような内容になっています。
しろまる河井部会長 それを受けまして、先ほどの川﨑委員の御指摘ですが、2の(1)と(2)
の整理が必要ではないかということで、1のところに利用者の視点とおっしゃられていた
のですが、その利用者の視点については2のところに具体的に書かれています。ただその
外部という言葉が硬いかなという気はいたしますので、その点をもう少し利用者とか、外
部有識者も利用者ですから、一般の外部の方、外部というか利用者も、利用者としての有
識者ですね、
研究者も含めて利用者がどのようにデータが作られているかがすぐ分かって、
それが検証できるという形をとっている。さらに研究者に対してはデータの2次利用みた
いなものも可能にするというこの2つをまとめて2にするというのでも私はいいかなと思
うのですが、いかがでしょう。
しろまる川﨑委員 私も少し頭の整理をしないままにお話して申し訳なかったのですが、
(1)が
どちらかというと作成側の観点、それから(2)も外部と言っているのですけれど、実は
いい統計、正確な統計を作成するための方法として外部を使うことと言っているだけなの
ですね。利用者に対してと言っているわけではないように見えるのです。
ですから、私はもう1個、2番のところを利用者向けの情報提供の改善であったり、実
はここの中でもう1個たしか議論したものの、書ききれてないかなと思っている点がある
のですが、それは例えばデータファイルが使いにくいとか、データベース化されていない
ということで、そのあたりも改善していただけるのでしょうかという議論をした覚えがあ
るのですね。それで、利用者向けの情報提供あるいはデータ提供の改善というのが1本立
つものではないかと思うのです。その上で今の(2)は何かというと、実は技術的な適正
さを確保するための外部とのコミュニケーションということになってくるので、私はここ
のところはむしろ前面に出すのは外部との問題というよりも、技術的な適正さの確保とい
うことを前面に出した方がいいのではないかと思うのです。というのは、乱暴な言い方で
すが、いくら外部とコミュニケーションしても問題が発見されず、不適正な調査をしてし
まったらしようがないので、技術的にですね。だから、外部の御意見をお聞きしましたと
いっても、全然だめなときはだめなわけなので、そうならないようにするためにも、上手
-14-
に外部の専門家を活用しましょうという流れにならないといけないかなと思うのです。私
はどうもこの2番は方法ばかり書いてあって、目標が不明確な感じがするので、そこは今
言ったように2つに分けて利用者目線の話と作成上の技術上の問題、そのための外部とい
うように分けた方がよりよいのではないかという意見ですが、いかがでしょうか。
しろまる河井部会長 今の御説明で意図が分かりました。そうですね。少し考えてみますか。
ほかに何か御意見ございますか。
しろまる川﨑委員 同じような話の延長で恐縮ですが、17、18 ページに枠囲みでいろいろ具体的
な提言があるのですが、その項目立てを少し見直していくことができたらと思います。つ
まり 17 ページの2番目の括弧書きで業務管理体制の強化というのがあって、それから 18
ページの上に外部とのコミュニケーションとあるのですが、やはり利用者目線に立っての
項目を立てた上でそこの課題を書いた方がいい。その上でここの中にもしほかの委員の皆
さんのご賛同が得られるのであれば、私が先ほど言ったようなデータファイルが使いやす
い形で提供するとか、データベースで提供するとか、そういったことをもう少し書き込ん
だらいいかと思うのです。それが 18 ページの白丸上から5行目のところですかね。5、6
あたりが利用者目線の話だろうと思いますね。ここを分離する格好で書けたらいいかなと
思います。
なお、その上で改めてこの上側の白丸を見ますと、少し文章が読みにくいので、ここは
文章を工夫した方がいいかなと思います。というのは調査方法などの情報を産業別、都道
府県別などのレベルで詳細に開示すべきと、調査方法を産業別、都道府県別に開示という
のもおかしいので、多分1番言いたかったのはこの後ろの方の標本誤差なんかは産業別、
都道府県別で詳細開示というのは当てはまるのですが、少しこの文章がうまく整理できて
いない感じがするので、ここは書き方を工夫した方がいいのかなと思います。私は気持ち
としては標本誤差と、抽出率とか標本規模の情報を産業別、都道府県別などでは開示して
ほしいというのはあるのですが、そこの部分と前段の技術的な設計上の話は産業別、都道
府県別からは切り離した方が読みやすいだろうなと思うのでそのあたり工夫していけたら
と思います。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。今の御指摘は先ほどのところとリンクしているわ
けですね。
同じような形で整理をするべきだと。
あとは少しかかり方がおかしいというか、
そこを修正すると。
ほかにいかがでしょう。川口専門委員。
しろまる川口専門委員 今の川﨑委員の御意見に賛成で、やはり外部に向けてしっかりと調査の
内容について説明をしてもらいたいということはもう1つ項を設けてもいいことなのかな
と思います。
それで、
ここの外部の専門家とか有識者というときに、
これ確認なのですが、
ほかの統計を作っている府省とはほかの府省あるいは日本銀行みたいな経済運営機関です
よね、そういったところの利用者、こういうものも暗黙のうちには入っているというよう
な理解でよいのかということを確認したい。もしもそうであれば、やはり川﨑委員も御指
摘になられたように利用者というような言葉でそういう人たちが明示的に入るような形の
表現にするのが適切なのかなというようにも思います。
-15-
しろまる河井部会長 それは外部という形ではなくて、もっと具体的に書いた方がいいというこ
とですか。
しろまる川口専門委員 非常に難しいのですが、外部といったときに政府の外部なのか、政府の
内部ではあるが府省の外部みたいな、玉虫色みたいな部分もあると思うのですね。そこの
部分で玉虫色の真ん中の部分が排除されないような書きぶりというのがいいのかなと思い
ました。
しろまる河井部会長 どうすればいいでしょう。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 この照会先の外部というイメージはまさに作ってい
るところ以外のところという意味で書いていますので、表現ぶりはまた部会長と御相談さ
せていただきたいと思います。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。
ほかいかがです。大西専門委員。
しろまる大西専門委員 事務局の皆さんには大変御苦労だと思うのですが、例えば、対策がどの
統計でも共通で必要とされるものと、この事案ならではというものがあると考えます。例
えば属人化してブラックボックス化した古い手順やプログラムの棚卸しや見直しは絶対今
後やっていかなければならないアクションだし、
「目視でのチェックだけでなく、できる限
りシステムでのチェックを施すようにする」といった基本的な対策もすべからく全ての統
計に対して適用していく必要があり、特定の統計だけではなく他の統計においても共通に
有効な手立てであるものと、その事案の個別事情への対策は分けて記載した方がベターだ
と。この統計はこういう個別の課題があったので、基本対策+アルファの個別対策が必要
であった、といった出し方にすると、その関連性が見出しやすくなって読みやすくなるの
ではないか。逆に、共通に必要な対策がこの事案だけの問題と捉えられたら困るとも思い
ます。
「業務・システムの改善」は大なり小なり共通してやっていかなければいけないこと
であり、この事案だからこの対策が必要という具体に個別問題として捉えられない方がい
いのではないかと思いました。こうした構造化をするのはすごく困難であり、先ほどのご
指摘とも合わせてなので、かなり難儀されるだろうなと思いつつ、どこまでできるかとい
うのはあると思うのですが、ご検討いただければ幸いです。
しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 この全体の構造として、いわば再発防止策は総論で
あって、さらに個別の調査などのテーマについて掘り下げたのが各論として重点審議結果
という構造になるということを申し上げたところです。再発防止策はまさに統計全体につ
いて当てはまるものとしてこのブラックボックス化の話について 11 ページを御覧いただ
ければ、情報システムの適正化ということでブラックボックス化しているシステムについ
ては仕様書等を早急に整備するとともに容易に改修等ができるシステムへの計画的な移行
を早急に検討するというような記述が既にあって、それを受けて今回の重点審議では少な
くとも2つの課題が出てきたと。1つはある意味前向きな話として文部科学省でかなり大
掛かりなシステムを入れる際の苦労で具体的にどういうところに気を付けていったらいい
のかという留意点を部会として審議したと。もう1点は文字どおりブラックボックス化し
ているものをこれから解きほぐそうとしているのが厚生労働省なので、この毎月勤労統計
-16-
調査について、そこはもう少し具体的にどうなっているのかということをここでは指摘す
る必要があるということで、COBOL の話などを含めて、ここで具体的に書いていると。そ
ういう切り分けにしているつもりです。
しろまる大西専門委員 そうであれば尚更、その読み方みたいなものが、その前段の部分かとは
思いますが、あった方が読みやすいのかもしれないですね。この事案だけの対策と捉えら
れないようにしたい、というのが率直な感想です。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 今の御指摘は多分冒頭の川﨑委員からの御指摘と通
じることで、分かりやすく書けていないということの弱みだと思いますので、そこを少し
改善の御相談を部会長とさせていただきたいと思います。
しろまる大西専門委員 ありがとうございます。
しろまる河井部会長 そうですね。前半と後半というのが分離したようなイメージだということ
だと思いますので、それがこうすっきり読めるように書いた方がいい、そういうふうに解
釈してもよろしいですか。
しろまる大西専門委員 はい。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。
ほかにもし何かありましたら。よろしいでしょうか。
それではもう1つ、最低賃金に関する実態調査の部分が残っております。
しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 最低賃金に関する実態調査と労務費率調査を一緒に
説明してよろしいですか。
しろまる河井部会長 分かりました。労務費率調査も一緒にということですね。では事務局から
御説明をお願いいたします。
しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 次の2つのテーマにつきましてですが、最低賃金に
関する実態調査と労務費率調査ということでお願いします。まず最低賃金に関する実態調
査の 19 ページを御覧いただきたいのですが、1ポツの選定理由のところで1つここでポ
イントとして挙げられるのは1ポツのところの下から2行目ですが、統計を専門としてい
ない政策部局が実施する調査、
非常に体制も弱くて専門知識もない、
統計部局に比べると、
相対的には専門知識も乏しいという政策部局で起きている一般統計の問題ということで、
ある意味ではほかにも教訓の得られる面があるのかなと。同じことが労務費率調査にも言
えまして、
ちょっと先行きまして 23 ページの1ポツのところですが、同じように選定理由
のところで下から3行目ですが統計を専門としない政策部局が実施する調査における課題
であり事例ということで同じ文言を書かせていただいておりますが、共通する面があるの
かなと考えております。
それぞれ課題の概要につきましては部会で御審議をいただいたファクト、所管省から説
明のあった中身を整理させていただいたものと考えておりますので、詳細は一々は触れま
せんが、今申し上げた点に関連いたしますと、最低賃金に関する実態調査で申し上げます
と 20 ページの(6)のところにこれに近い議論はあったと記憶しておりますが、書面調査
結果を見ても統計業務経験5年未満で、うち1人は2年未満という2人でやっているよう
な体制になっていて、審議の場で確認したところによれば省内の賃金構造基本統計調査な
-17-
どの類似した調査を行っている部局との連携相談が十分ではなかったというようなことで
すので、そういったことを踏まえて指摘をする必要があるかと。
最低賃金に関する実態調査の指摘の中身ですが、21 から 22 ページ、中身も基本的には
御審議いただいた結果を我々の方でグループ分けをして整理をしているつもりですけれど
も、今申し上げた点ですが、一番冒頭に省内の統計部局との連携・相談というのを挙げて
います。こういう政策部局に対してはやはり省内の統計部局と緊密に連携、相談して対応
する必要があると。まさに、統計に関する基本的な知識や意識の低さというのが様々な面
で現れているというように見られますので、そういった課題を防止する必要があるという
ことです。
これについては 24 ページの方で、
労務費率調査につきましても同じ課題を挙げ
させていただいております。同じ指摘を挙げさせていただく形にしております。
21 ページの最低賃金に関する実態調査の指摘事項を若干捕捉しますと先ほど少し申し
上げましたが、2つ目のファクトで具体的な調査ニーズに応じた調査設計の見直しという
ことでまさに目的に応じたニーズをよく見ると。その際には具体的にどのようなデータを
把握しようとしているのかというのを漠然としたものではなくて、具体的なニーズを特定
してその上でそれを実現するにはどうするのかということはまさに専門的な知見を活かす、
中立的な統計技術的観点による検討を進めるべきということで書かせていただいておりま
す。
それから情報開示の徹底、適切な調査票データの保存・管理、大阪事案の話など個別に
ご議論いただいた点を指標として書かせていただいています。
労務費率調査ですが 24 ページの指摘事項、審議の際にいろいろ御意見が出ていた調査
設計の改善の話を2つ目の括弧の中で要約させていただいております。またそれから、情
報開示につきましても、ウェイトのお話などの議論もあったかと思いますので、そのあた
りを書かせていただいております。
簡単ですが、以上です。
しろまる河井部会長 ありがとうございました。それではただ今御説明がありました最低賃金に
関する実態調査と労務費率調査についての書きぶり等につきまして、御意見とかご質問が
ありましたらよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。基本的には同じスタイル
で書かれております。よろしいですか。
実はもう1つ残っておりますので、もし後で何か気づかれたということがありましたら
事務局の方にご連絡をいただければと思いますが、もう1点残っているのがプログラムミ
スによる統計数値の誤り防止についての説明が 28 ページのところ、残っておりますので、
そちらも御説明をお願いいたします。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 28 ページから 30 ページにかけての部分です。この
部分また少しスタイルが違うのは、ほかは統計が選ばれていますが、ここはテーマを選ん
でいますので汎用的な教訓を得るためのテーマということで選定理由としてはほかに比べ
て分かりやすいかなという気もいたしております。
それから書いている中身、審議の進め方として、改めて統計調査についてプログラムミ
スの関係で追加の調査を行いましたので、その結果の御報告とそれから民間事業者の方と
-18-
統計センターに来ていただいてヒアリングをするということで進めさせていただいたので、
2の課題の概要のところはもっぱら新しいファクトとして3種類のことを書かせていただ
いております。
それから、
3の指摘事項はそこから抽出されたものを指摘していますので、
比較的対応関係が分かりやすいのですが、大きく4点を取り出してまとめております。
30 ページの部分でございますが、1つ目が仕様書や指示書等における作業内容の明確
化・具体化ということで、ここが明確になっていないあるいは記述がない曖昧だというこ
とで、いろいろなミスの原因になっている、あるいはそういうリスクになっているという
ことがありましたので、そこの改善ということで対応策を3つほどまとめております。そ
れから2つ目のところが業務の引き継ぎとかノウハウの共有化ということですが、継続的
に行われている調査のような場合に次回以降の調査というものにうまく引き継ぎ、あるい
はノウハウの継承ということができていないということの御指摘がありましたので、そこ
の改善ということで書かせていただいております。それから3つ目は履行の確認というこ
とで言えると思いますが、プログラムのテストがされていないということで、テストデー
タを用いた検証ということの必要性あるいは、そのデータの意味というものを見て判断し
なければいけない部分があるので、全てが受注側でできないので、発注者において検証結
果のチェックということが必須であるというような御指摘をまとめさせていただいており
ます。最後にその他として発注者と受注者の間の緊密なスケジュール調整とか、複数年契
約とか、審議の過程でいただいたものをほかの類型にまとめにくかったものですから、外
出しの格好でまとめているというような構成になっています。
私どもからは以上です。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。それでは 28 ページから 30 ページのところの書き
ぶりと。はい、どうぞ。
しろまる川﨑委員 これも全体の頭の話で 28 ページの1のところですが、これはもう言葉の選
び方、文学的な話かもしれないのですが、2行目のところに誤りの報告が散見されたこと
からと、散見というのがどのぐらいを表わすかというのがよく見てみるともう少し下の方
に 14 件と出てくるのですね。14 件を散見というのは少し違うので、散見されたから検討
したというのではなくて、ここまで言ったらどうかと思うのです。要するに多くの調査で
発生し、課題として共通性が高いと考えられることから選定したとかですね、そこまで言
った方が先ほど来、言っているように一般化しやすいのではないかと思うので、もう少し
表現を工夫したらどうか。何かもう一押しするようなことでより伝わりやすくなる工夫が
あるかと思うので、そのあたりはもう少し丁寧に別途見てまた意見があれば後ほど紙でで
も提出しようと思っておりますが、そのようなことで気づきました。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょう。主な議論というのはよ
く整理されているかなというふうに思うのですが。大西専門委員。
しろまる大西専門委員 1点だけ、書き方の問題だけなのかもしれないのですが、やはり発注者
側が「こうした目的でこういう意味のデータを収集して情報提供したい」といった意思や
データ項目の定義など、そういう当該統計における基本的な意味を受託者に対してきちん
と伝えるということ、そこをしっかり発注者側自身も認識、把握しておくことが根本的に
-19-
一番大切で、要はそれを受託者にしっかり伝えることがプログラムミスを防止する上で有
効になる。その目的や仕様を伝えた上で、開発してもらったプログラムによりデータ処理
を行った結果をきちんと検品するという、そこの基本をしっかりやるということに尽きま
す。ただし、それを一言で「仕様書をきちんと書きなさい」とまとめてしまうと、どこま
で真剣に読んでもらえるかという話になりますので、もう少し書きぶりとして、そういう
責任が発注者サイドにあるということを明確に謳った方がより自分事として、行政職員の
方に認識してもらえるのではないかなと感じました。
しろまる河井部会長 分かりました。今の御意見をうまく反映できるように少し書きぶりを考え
たいと思います。
しろまる大西専門委員 ありがとうございます。
しろまる河井部会長 ほかにはいかがでしょう。よろしいですか。
もう1点、川﨑委員。
しろまる川﨑委員 少し戻ってしまって申し訳ないのですが、よろしいですか。最低賃金に関す
る実態調査に戻って気づいたことがありますので、ここも検討させていただけたらと思い
ます。19 ページのところの2の(1)ですが、題名がものすごく長いのですね。
「労働者の
賃金引き上げにかかるデータ以外の周辺的データでの復元推計の未実施」ということで、
一体周辺的データは何だろうとかいうとよく分からないのです。もう一方で、23 ページを
見るとすごいすっきり書いてあるのです。
利用実績がない統計表での、
2のところですね、
「利用実績がない統計表での復元推計の未実施」。これ全く同類の問題なので、
こちらの方
がすっきりしているのでこちらのような表現をうまく取り入れて、細かな表現かもしれな
いのですが、ここの 19 ページの2の(1)の文章自体もすごくくどくど書かれている感が
あるので、
そのあたりせっかくならば読みやすくしたらいいかなと思います。
そのあたり、
文章上の問題ではあるのですが、別途また気づいた範囲で指摘させていただけたらと思い
ます。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。
しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 19 ページの題名はもっとすっきり書くべく工夫を
させていただきたいと思います。一応補足をさせていただきますと、労務費率調査の方は
利用実績がなく廃止というところまで踏み込んだという事例であるのに対して、最低賃金
に関する実態調査の方は周辺的データであって、あまり利用が活発ではないけれども労務
費率調査よりは、もう要らないというところまではいかないということで両者をちょっと
書き分けているという事情によるものですが、いずれにせよ工夫したいと思います。
しろまる河井部会長 よろしくお願いします。ほかによろしいですか。では川口専門委員。
しろまる川口専門委員 30 ページのところでプログラムテストの話が入ってきて、たしかヒアリ
ングの際に何かテストデータがもらえるとありがたいという話が現場の方からあったと思
うのですが、その中に過去のデータをもらってそのまま過去の結果が復元できるかどうか
というようなテストをやれたらいいというような話もあったようにも記憶していて、多分
テストデータ等の等に昔のデータというのも入っているのだと思うのですが、例えば実際
に担当者が業者の方に過去のデータを渡すというときに、明確にそのことが書いてあれば
-20-
担当者としても判断がしやすいのかなというような気もしまして。もしも可能であればそ
ういった過去のデータというのも明確に外に出すと、書くことができないか検討していた
だけるといいのではないかなと思いました。
しろまる河井部会長 書けるのでしょうかね。例えばマイクロデータだと秘匿というかその辺を
どうするかですね。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 全ての場合に可能かどうかというご議論は多分あろ
うかと思っていまして、個別の者が分かってしまうと個人的な情報の扱いの点も跳ねるの
ですが、ただそういう議論があったということと、できる場合、できない場合もあります
が、
できる場合には望ましいということもありますので、
書きぶりを部会長と御相談して、
何かしらそういったニュアンスは活かせるようにしたいと思っています。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。
しろまる大西専門委員 ヒアリングでも出てきていましたが、雲をつかむようにして目指すべき
データのイメージもないままに見積もりを作るというケースが結構多くて、工数や工期の
試算を誤り、結果的に発注者も受託者も幸せにならないことが多発していると思います。
当然回答者のプライバシーや機密などを守るべくは守るのですが、過去のデータをできる
限り事前に、サンプルや一部マスクしてもいいので、それがどういう状態や構造、構成に
なっているかを提示すると、受託者は適切に難易度や工数を見積もることができるように
なるので、事前のサンプルデータ提供について言及しておくべきと考えます。
あと済みません。もう何を今さらなのですが、ずっと気になっていて、プレプリント、
23 ページ目の本文にもあるのですが、紙にプレで印刷するのではなくて、これはデータを
プリセットするというように思考を変えていかないと、紙にプリントもいいですけれど、
やはりデータでプリセットしていくというような発想になるためにプレプリント及びデー
タのプリセットとか、そう表現した方がいいのではないか。どうしても紙の発想になりが
ちなので、データファーストで、その発想から脱却していかないとならない。
しろまる永島総務省統計委員会担当室次長 2点目についてですが、済みません、分かりにくい
業界用語みたいになっていまして、電子的なものも含めてプレプリントという用語を使っ
ていて、多分歴史的な経緯が強いと思うのですが、プリントしている時代からこれで来て
しまっていて、業界内はこれで通じてしまうということがあるものですから、この表現を
活かしていますが、そういった間違えたインフォメーションにならないようには気を付け
てまいりたいと思います。
それから最初の点、確認ですが、30 ページの上から2つ目の丸のところに御指摘いただ
いたとおり見積もりを作る際の情報ということを書いておりまして、スケジュールとか人
員手配の設計が適切に行えるよう仕様書を、これ契約前の段階ということで仕様書と明記
していますが、仕様書において費用や期間の算出に必要な情報を明示することが重要であ
ると書かせていただいていまして、ここに過去のデータもあり得るというニュアンスを入
れた方がいいという御意見ですね。
しろまる河井部会長 ありがとうございます。ほかによろしいですか。
それでは大体基本的なポリシーについては皆さん御同意がいただけたと思うのですが、
-21-
中の書きぶりとか整理ですね、追記しなければならないもの、幾つか今回御意見をいただ
きましたので、そういったものを踏まえて修正案を私たちの方で作成して、次回の会議を
開かないで作成した文案を皆様にメール等でお配りして、それを審議していただくという
形で調整させていただいてもよろしいでしょうか。(「異議なし」の声あり)
しろまる河井部会長 ありがとうございます。それを皆様に確認していただいた上で了承が得ら
れましたらそれを統計委員会の方に報告するという形を今後とっていきたいと思います。
それでは今回の議論ですね、皆様お忙しい中大変たくさんの時間を使っていただきまし
て、どうもありがとうございました。今回で点検検証部会は終わりとさせていただきたい
と思いますが、事務局におかれましては適宜皆様から今後の新たな要望とか質問とか出て
くるかもしれませんので、そちらの方には対応をお願いいたします。
それでは閉会とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

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